ブロンド・ライフ
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ブロンド・ライフ (2002)
LIFE OR SOMETHING LIKE IT
 映画『 ブロンド・ライフ (2002) LIFE OR SOMETHING LIKE IT 』をレヴュー紹介します。『 ブロンド・ライフ (2002) LIFE OR SOMETHING LIKE IT 』は、当初の「ライフ/未来への想い」という邦題から、封切り間際にタイトル変更で『 ブロンド・ライフ 』と決まった。『 ブロンド・ライフ 』の方が確かに覚え易い。

 映画『 ブロンド・ライフ LIFE OR SOMETHING LIKE IT 』を以下に目次的に紹介する。
■映画『 ブロンド・ライフ 』のポスター、予告編および映画データ
■映画『 ブロンド・ライフ 』の解説
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■「映画の森てんこ森」内にあるロマンス・コメディ映画レヴュー
■映画『 ブロンド・ライフ 』のスタッフとキャスト
■映画『 ブロンド・ライフ 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 ブロンド・ライフ 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 ブロンド・ライフ LIFE OR SOMETHING LIKE IT 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 ブロンド・ライフ 』の結末
■映画『 ブロンド・ライフ 』の更新記録

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幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 ブロンド・ライフ 』のポスター、予告編および映画データ
ブロンド・ライフ
ブロンド・ライフ
Links:  Official Web Site
Trailers:  Quick Time 4.8Mb
Quick Time 8.4Mb
Quick Time 14.9Mb
上映時間 Runtime: 1:43
製作国 Country: アメリカ USA
製作会社
Production Company:
Davis Entertainment [us]
Epsilon Motion Pictures [us]
Monarchy Enterprises S.a.r.l.
New Regency Pictures [us]
Regency Enterprises [us]
全米配給会社 Distributer: Twentieth Century Fox Film Corp. [us]
全米初公開
Release Date:
2002/04/26
日本初公開
R. D. in Japan:
2003/07/26 予定
日本公開情報 : FOX
ジャンル Genre: コメディ/ロマンス
Comedy / R0mance
MPAA Rating 指定: Rated PG-13 for sexual content, brief violence and language.
日本語公式サイト
http://www.foxjapan.com/movies/blondelife/
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 ブロンド・ライフ LIFE OR SOMETHING LIKE IT 』の解説

 映画『 ブロンド・ライフ (2002) LIFE OR SOMETHING LIKE IT 』は、バリバリのキャリアウーマンが、占い師にあと一週間の命と告げられて初めて人生のあり方を考え直すストーリー。そこに恋人に代わり、自分を理解してくれ真に愛する人を見つけるエピソードを絡めて、コメディ・タッチとスリルと感動で話が進む。
 製作のアーノン・ミルチャンはあの大ヒットの『 プリティ・ウーマン (1990) PRETTY WOMAN 』を始め、
交渉人 (1998) THE NEGOTIATOR
真夏の夜の夢 (1999) WILLIAM SHAKESPEARE'S A MIDSUMMER NIGHT'S DREAM
運命の女 (2002) UNFAITHFUL 』等を手掛けている人だから、このアンジェリーナ・ジョリー主演の作品『 ブロンド・ライフ 』も是非大ヒットしてもらいたいものだ。
 アンジェリーナの髪の毛も、彼女本来の黒色でなく、今回はブロンドで、しかもカーリーにして大イメージチェンジ。衣装も颯爽とした成功しているキャリアウーマンのスーツ姿。ポスターを見ただけでも彼女だとはすぐ気付かないかもしれない。

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■「映画の森てんこ森」内にあるロマンス・コメディ映画レヴュー

踊れトスカーナ! (1996) IL CICLONE (原題) / THE CYCLONE (英題)
理想の結婚 (1999) AN IDEAL HUSBAND
25年目のキス (1999) NEVER BEEN KISSED
ハイ・フィデリティ (2000) HIGH FIDELITY
キューティ・ブロンド (2001) LEGALLY BLONDE
Kissingジェシカ (2001) KISSING JESSICA STEIN
愛しのローズマリー (2001) SHALLOW HAL
ブリジット・ジョーンズの日記 (2001) BRIDGET JONES'S DIARY
ニューヨークの恋人 (2001) KATE & LEOPOLD
トゥー・ウィークス・ノーティス (2002) TWO WEEKS NOTICE
メイド・イン・マンハッタン (2002) MAID IN MANHATTAN
フル・フロンタル (2002) FULL FRONTAL
ルールズ・オブ・アトラクション (2002) THE RULES OF ATTRACTION
ラブ・アクチュアリー (2003) LOVE ACTUALLY
ジャスト・マリッジ (2003) JUST MARRIED
ロイヤル・セブンティーン (2003) WHAT A GIRL WANTS
10日間で男を上手にフル方法 (2003) HOW TO LOSE A GUY IN 10 DAYS
恋は邪魔者 (2003) DOWN WITH LOVE
ハッピー・フライト (2003) VIEW FROM THE TOP 』
キューティ・ブロンド/ハッピーMAX (2003) LEGALLY BLONDE 2: RED, WHITE & BLONDE
等があります。
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【『 ブロンド・ライフ 』のスタッフとキャスト】
監督: スティーヴン・ヘレク Stephen Herek
製作: ジョン・デイヴィス John Davis
    トビー・ジャッフェ Toby Jaffe
    アーノン・ミルチャン Arnon Milchan
    チ・リ・ウォン Chi-Li Wong
製作総指揮: ケン・アチティ Ken Atchity
    リック・キドニー Rick Kidney
    テディ・ジー Teddy Zee
原案: ジョン・スコット・シェパード John Scott Shepherd
脚本: ジョン・スコット・シェパード John Scott Shepherd
    ダナ・スティーヴンス Dana Stevens
撮影: スティーヴン・H・ブラム Stephen H. Burum
音楽: デヴィッド・ニューマン David Newman

出演: アンジェリーナ・ジョリー Angelina Jolie レニー・ケリガン
    エドワード・バーンズ Edward Burns ピート
    トニー・シャローブ Tony Shalhoub 占い師ジャック
    クリスチャン・ケイン Christian Cane キャル・クーパー
    ジェームズ・ギャモン James Gammon レニーの父
    シャノン・パウウェル Shannon Powell レニーの母
    リサ・ソーンヒル Lisa Thornhill グウェン
    ストッカード・チャニング Stockard Channing デボラ・コナーズ
    グレゴリー・イツィン Gregory Itzin デニス
    メリッサ・エリコ Melissa Errico アンドレア
    デヴィッド・ダナード David Dunard ボブ・ワシントン
    トレイシー・トルーマン Tracy Trueman ピートの前妻
    ジェシー・ジェームズ・ラザフォード Jesse James Rutherford トミー
    ヴィーナ・スッド Veena Sood 医師
    エリック・スネルマン Eric Snellman ジョージ
    ティモシー・ワターズ Timothy Watters ビル・クリントン
    マリカ・アヌーク Marika Anuik レニー子役10歳
    アシュリン・モーガン・ウィリアムズ Ashlyn Morgan Williams レニー子役5歳

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ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 ブロンド・ライフ 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー
 私は日本公開前に字幕スーパーなしの英語で観たので、わかる範囲でレヴューします。映画データについては調査した時点と公開される時点で異なる場合があります。本作の内容については、語学力と経験・常識不足のため、間違いや勘違いや適切でない表現があるかもしれません。どうかご理解賜りますようお願いいたします。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。
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【ブロンド・ライフ 第01段落】  「物事は起こる。それがやって来るのは見えない…。」そして医者達に囲まれて手術室に横たわるアンジェリーナ・ジョリーの姿。緊迫した画像。「もっと時間が欲しい。」…幼い頃からの彼女のスナップの一コマ一コマが写る。金髪の幼気(いたいけ)な少女レニー(子役アシュリン・モーガン・ウィリアムズ)が家族の前でバレーを踊って見せたり、少し大きくなって長髪に黒ブチ眼鏡をかけたイケテなさそうな少女(子役マリカ・アヌーク)の映像。もてないし、眼鏡をかけて歯を剥き出して笑うような少女は、劣等感の反発か、大人になると、何でも一番のものを持つようになった。

【ブロンド・ライフ 第02段落】  勢いよくシアトルの海辺の公園をジョギングするレニー・ケリガン(アンジェリーナ・ジョリー)。フィットネス・ジムでは体力とプロポーション維持に汗を流す。彼女はシアトルのTV局の売れっ子リポーターとして輝かしい毎日を送っている。
17歳のカルテ (1999) GIRL, INTERRUPTED 』でアカデミー助演女優賞を受け、
ボーン・コレクター (1999) THE BONE COLLECTOR 』『 トゥームレイダー (2001) TOMB RAIDER 』等でヒットを飛ばすアンジェリーナ・ジョリーが初のラブコメのジャンルに挑戦する。

【ブロンド・ライフ 第03段落】  アンジェリーナ・ジョリー(
ボーン・コレクター (1999) THE BONE COLLECTOR
17歳のカルテ (1999) GIRL, INTERRUPTED 』<2000 年アカデミー助演女優賞受賞>
トゥームレイダー2 (2003) LARA CROFT TOMB RAIDER: THE CRADLE OF LIFE
すべては愛のために (2003) BEYOND BORDERS
テイキング・ライブス (2004) TAKING LIVES
シャーク・テイル (2004) SHARK TALE
スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー (2004) SKY CAPTAIN AND THE WORLD OF TOMORROW
アレキサンダー (2004) ALEXANDER
ミスター・アンド・ミセス・スミス (原題) (2005) MR. AND MRS. SMITH 』等)はアカデミー主演男優賞受賞のジョン・ヴォイト(近頃では
ズーランダー (2001) ZOOLANDER
アリ (2001) ALI
穴/HOLES (2003) HOLES 』出演)が父親であるから、幼時からの家庭環境が彼女をスターにしたのも自然の成り行きだろう。前の夫はジョニー・リー・ミラーで、
トレインスポッティング (1996) TRAINSPOTTING 』でシック・ボーイの役。ミラーは
007』シリーズに十回も出演してMの役をしていたバーナード・リーの孫だそうだ。そしてアンジェリーナの現在の夫は(追記:後日、離婚した!)ビリー・ボブ・ソーントンで、
ギフト (2000) THE GIFT 』脚本、
バンディッツ (2001) BANDITS 』出演と、多才な夫だ。やはりスターの周りはスターが沢山。

【ブロンド・ライフ 第04段落】  レニーの勤務するTV局は、シアトルだから十分に大都市だと私達は思うが、ニューヨークから見たらいわゆる地方局ということになっている。ニューヨークの大手テレビ局の<AM USA>は地方局からすると憧れの的。モニターに映っている< PRESSLINE >という番組では、憧れのスーパー・リポーター、デボラ・コナーズ(ストッカード・チャニング)が前大統領ビル・クリントン(そっくりさん:ティモシー・ワターズ)のインタヴューをしている。あんなふうに超一流のリポーターになりたいものだと、レニーはますます野望を抱いて日々精進している。

【ブロンド・ライフ 第05段落】  恋人はメジャーリーグ、シアトル・マリナーズのキャル・クーパー(クリスチャン・ケイン)という超一流。セフィコ・フィールド Safeco Field の本物も出てきて嬉しい。イチローも出たら面白かったけどなぁ。さて、友人も、男性も、住まいのアパートメントも、髪も、ボディも、仕事も、何から何まで高級。これは周囲の誰もが認める事実。それがレニーには自慢であるし、自分というものの価値を示すものだと信じている。でも、チンパンジーを抱いてリポートしたりの地元のマイナーな出来事の取材にちがいないから、上には上を目指している彼女なのだ。そんな頃、上司のデニス(グレゴリー・イツィン)が、ニューヨーク栄転の可能性をレニーに示唆してきた。

【ブロンド・ライフ 第06段落】  ある日、街角の出来事の取材に、同じTV局に勤める元恋人のピート(エドワード・バーンズ)がカメラマンとして一緒に仕事をすることになる。取材車は< KQMO 4 NEWS >と書かれたバンだ。ピートは実は元カレで、仕事なんか一緒にしたくない。でも上司の指示に従わなくてはならない。果たして、街角の取材現場ではすぐに口喧嘩となる。更に、いざ本番のマイクに声をにこやかに通すと、ピートの悪戯で変声器が仕込まれて、レニーの声はアヒルになってしまい、彼女はカンカン。TV局の同僚アンドレア(メリッサ・エリコ)にもピートの悪口を言う。しかし、自分の何でも一流の人生をおだててもらえてまぁ自己満足しているレニー。

【ブロンド・ライフ 第07段落】  ピート役は、元々はエドワード・ノートン Edward Norton (
フリーダ (2002) FRIDA
レッド・ドラゴン (2002) RED DRAGON 』等に出演)に決まっていたが、理由は不明だがノートンは降りて、エドワード・バーンズに落ち着いた経緯がある。エドワード・バーンズは『 プライベート・ライアン (1998) SAVING PRIVATE RYAN 』等まだ数本にしか映画出演していないが、弟と「 Irish Twins 」という製作会社を所有しているそうだ。ヘザー・グレアム(又はヘザー・グラハム) Heather Graham (
ブギーナイツ (1997) BOOGIE NIGHTS
フロム・ヘル (2001) FROM HELL 』等で有名)は元恋人で、誕生日(1月 29 日)が二人とも偶然同じだとか。また、エドワード・バーンズは結構リッチらしく、亡くなったジョン・F・ケネディ Jr. のマンハッタンは北ムーア通りに位置するロフトを二百万ドル($1=¥ 120換算で二億四千万円 )で購入したのだそうだ。

【ブロンド・ライフ 第08段落】  ある木曜日の昼の街頭の取材現場に、雑踏の中を台に乗って大空を仰いで何やら呟いている初老の男がいる。自称予言者のジャック(トニー・シャローブ)というホームレスの男だ。カメラマンのピートが先に二言三言、小声で彼に話している。少し知り合いか、事前打ち合わせか。髪はモジャモジャ、薄汚い服装のジャックを、レニーは見た目だけでちょっと見下したようだ。表面笑いして近づいてマイクを突き出す。TVリポートしているのですが、何かの「予言」をして下さいと、内心は予言なんて信じないが一応訊く素振りする。

【ブロンド・ライフ 第09段落】  すると、「今日のフットボールの試合はシーホークスは 19 対 13 でブロンコに勝つ」と先ず占う。次に、「明朝は雹(ひょう)が降る」と予言する。天気予報では明朝は晴天だと報じていると言ってせせら笑うレニーに、三つ目の予言の言葉が彼女に刺さる。「あなたは来週の木曜日に死ぬ。」トニー・シャローブという俳優は色々な面で個性的だから、このうらぶれた占い師役にはまり役。
マーシャル・ロー (1998) THE SIEGE
ギャラクシー・クエスト (1999) GALAXY QUEST
13ゴースト (2001) THIR13EN GHOSTS 』と、深刻な役も滑稽な役も何でもこなせる演技力。

【ブロンド・ライフ 第10段落】  私があと一週間で死ぬ?そんなバカな…。嫌なことを聞いてしまったレニーは急に笑顔をなくす。仕事帰りに寄った店で見たTVが、シーホークスがブロンコに勝つ様子を報じている。それも、得点は 19 対 13 。ガクッ…。帰宅してベッドで早朝に気付いたのは、窓を打ち付ける雹(ひょう)の音。レニーは顔色を失う。翌日はかかり付けの医師(ヴィーナ・スッド)に診断を仰ぐが、身体に異常はないと言われる。でも…。シアトル郊外のかぼちゃ農場の取材にピートと一緒に来ているレニーは、イライラしている。自分の命があと一週間だと聞いたらどう感じる?あなただって動揺するわよ、と言いながらも、自分の人生は決して意味がないわけではないと自分に言い聞かせている。

【ブロンド・ライフ 第11段落】  夜には、久しぶりで父(ジェームズ・ギャモン)のいる実家に立ち寄り、父の誕生日祝いに、恋人キャルのマリナーズのチケットを贈る。気分が暗くなっているレニーは、親の愛を近くに感じたかったのだろう。実家にはレニーの少女時代の(冒頭の)写真が何枚も写真立てに飾られ、暫し穏やかな娘の気分になる。そして、父に何か相談しようとするが、タイミングを逃して、急いで帰宅する。父親は、長女つまりレニーの姉グウェン(リサ・ソーンヒル)の一家と暮らしているらしい。母親(シャノン・パウウェル)は、映画の終わりで分かるが、レニーの中学生の頃に病気で亡くなっている。

【ブロンド・ライフ 第12段落】  一日が終わった。レニーは不安で神経質になって寝付かれない。深夜に恋人キャルに電話するが、野球選手である彼は言わば深夜の電話に迷惑がる。私があと一週間で死んだらどうする?と訊いても、一瞬ポカンとして、本気で悩みを聞いてくれない。挙句に、こんな夜中になぜ電話したんだ?と訊くキャルに「フィアンセだから」と答えるレニーだが、何か釈然としない思いで受話器を置いた。

【ブロンド・ライフ 第13段落】  寝付かれない彼女は、真夜中、スラム街にひっそりと出かけ、占い師のジャックのテントを探す。昨日の私ですが、覚えてますか?と訊くが、ジャックはそんな些細なことは覚えていない。ひょっとしてカメラマンのピートが悪ふざけに、ジャックにお金を払って事前に頼んだのかとも訊くが、違った。レニーは土産のワインを渡しながら、今までに予言を間違ったことはないか、ある期待を持ってジャックに尋ねる。しかし、答えはノー。君の顔にそう書いてあったから言っただけだと淡々と言われる。そしてお札を一枚渡して、もう一つ予想してもらう。何でも予報が外れて欲しいという必死の思いだ。

【ブロンド・ライフ 第14段落】  すると、今日の朝 9:06 にサンフランシスコで微震があると言う予想。それを信じない顔をして帰途につくレニーに、足元に気をつけて、と言われた途端、本当にヒールが敷石につまずく。苦笑いのレニー。そして朝のTV局。モニターに写るニュースで、サンフランシスコで今朝 9:06 に微震があったと報道している。またガックリが増えてしまった。泣くレニー。私、死んでしまうのだわ。

【ブロンド・ライフ 第15段落】  彼女はピートに会いたい気持ちになり、元カレの自宅に一人でふらりと訪れる。死ぬのが怖いと訴える彼女に、ピートは、リラックスしてごらんと励ます。そしてもし僕がその立場なら、人に会いに行って皆を覚えておこうとするだろうと言ってくれる。そして、君は死なない、運命は自分が作ったものなのだから、死なない、と断固として励ましてくれる。帰りには、姉グウェンと会い、人生を母親が亡くなってからずっと考えているのだと語る。レニーは知らず知らずにピートの言葉を実行していた。

【ブロンド・ライフ 第16段落】  次はフィアンセのキャルの豪華アパートメントに合鍵で入って、彼の帰りを待っている。自分の不安な心を打ち消すかのように、かけたことのないCDをガンガンかけたり、いつもはコンタクト・レンズなのをメガネをかけてみたり、普段の飾っている自分を解放するようなレニー。音楽のデヴィッド・ニューマンは
25年目のキス (1999) NEVER BEEN KISSED
『 ギャラクシー・クエスト (1999) GALAXY QUEST 』
デュエット (2000) DUETS
悪いことしましョ! (2000) BEDAZZLED
マリー・アントワネットの首飾り (2001) THE AFFAIR OF THE NECKLACE
アイス・エイジ (2002) ICE AGE
スクービー・ドゥー (2002) SCOOBY-DOO 』で音楽を受け持った人。

【ブロンド・ライフ 第17段落】  帰宅したキャルに、自分達二人の関係をしんみり考え始めるレニー。二人を結んでいるのは何?信念と夢と価値観は?恋人がそんなことを話し出したので、キャルは頭痛がしてきて、そんなことは話す必要ないと彼は言う。彼女の素振りを見て、どこかに連れて行って欲しいのだね、と彼が連れて行ってくれたのは、マリナーズの実物のセフィコ・フィールドだ。観客のいない夜の球場のマウンドのど真ん中に、係員ジョージ(エリック・スネルマン)がバッティングの装置を用意してくれた。ここでキャルがゆっくりボールを投げ、レニーはバッティングを数回する。そうやってキャルは、レニーを呪文から解かせようと、変身させてくれようとする。でも、二人は別れた…。

【ブロンド・ライフ 第18段落】  月曜日の午前、カメラマンのピートは街のデモの取材現場に< KQMO 4 NEWS >のバンで到着している。でもレニーが来ていない。TV局の上司デニスに連絡して、代わりにアンドレアを向けてもらうことになるが、実はレニーはこの現場に思いもしない格好で紛れ込んでいたのだ。ブロンドのいつものマリリン・モンローばりのカーリーなヘアスタイルが、自然な流し髪になって、野球帽を被っている。そしてキャリアウーマンのスーツ姿は、ジャンパーとパンツの出で立ちに。今までの彼女の上辺(うわべ)だけを飾る虚構の自分自身にオサラバした、「もうどうにでもなれ!飾る必要なんてないわ!」といういじらしい気持ちの現れだろう。

【ブロンド・ライフ 第19段落】  そんな格好の彼女がデモ隊の中から現れたのを見てピートは驚くが、すぐ実況が始まる。レニーはそういう姿で先に到着して、ストをするバス運転手達と親しくなっていた。そして恰幅のいい初老の運転手ボブ・ワシントン(デヴィッド・ダナード)に仲間のようなノリでインタヴューする。これはシアトルのダウンタウンのバス運転手達のストで、より良い勤務時間、より良い賃金、より良い乗り物、より良い全般的な仕事をスローガンに、みんな明るく楽しく?デモに集合しているのだ。つまり、彼らは勤務の現況に「満足していない」。すると、マイクを向けていたレニーが突然歌い始める。「♪ I can't get no satisfaction, I can't get no satisfaction. 」アンジェリーナ・ジョリーの歌は巧くはない。でも、それが却っていいのかも。

【ブロンド・ライフ 第20段落】  それにつられてストの連中は声を合わせて歌い始める。ワイワイと楽しそうに嬉しそうに。それを見ている付近の人たちも、はては警備で派遣されている警察の機動隊も、体を揺らしてみんな歌っている。モニターを見ているTV局の上司や同僚たちはあっけに取られている。すぐにやめさせそうにする部下を上司デニスは止め、感心した顔でモニターを見続ける。同僚たちは、つられて皆、♪ I can't get no satisfaction 〜 と口ずさむ。

【ブロンド・ライフ 第21段落】  このシーンの凄い貫禄と衝撃的な音楽はローリング・ストーンズ The Rolling Stones 、ミック・ジャガー Mick Jagger の歌うご存知「♪( I Can't Get No ) Satisfaction 」だ。この映画を観てから何日もこの曲が頭の中にこだましている。『ブロンド・ライフ (2002)』の中で一番印象的なシーンだ。また、この映画のオリジナル音楽の「♪ Learn To Fly 」は< FOO FIGHTERS >の David Grohl と Nate Mendel 。 David Grohl は
M:I−2 (2000) MISSION: IMPOSSIBLE 2
リトル★ニッキー (2000) LITTLE NICKY 』にも音楽提供。

【ブロンド・ライフ 第22段落】  火曜日。涙を流して目覚めるレニー。ここはピーターの家のベッドらしい。彼はトマトジュースを持ってきてくれて、飲めばよくなるよと優しい。TVをつけると、朝の各局のニュースは昨日のバス運転手達のスト現場でのリポーターのノリを報道しまくっている。レニーのジャンパー姿でマイク片手に♪アァイ・キャント・ゲッ・ノウ〜サァティスファクションというノリノリの姿がアップで写っている。(勿論、撮ったのはピート。)それを見て、「私の人生は終わったわ。私のキャリアも、ネットワークのお仕事も、結婚も。」そこにTV局からピートに電話があり、レニーに伝えることがあるのだが、どこにいるか知らないかと訊いてくる。ピートは分かりませんと惚(とぼ)けてくれる。レニーがもうTV局は首になるのは二人とも分かっているから、ピートは気遣ってくれたのだ。

【ブロンド・ライフ 第23段落】  さあ、今日はこれからどうする?レニーはピートの洗いざらしのTシャツを借りて、髪も自然のままで、ゆったりと過ごすことにした。彼の作ってくれるフレンチ・トーストにイチゴとオレンジ・ジュースの朝食。スーパーに買い物に行くのも二人で。そしてピートの息子トミー(ジェシー・ジェームズ・ラザフォード)を小学校に迎えに行って、三人で行動する。レニーが仕事に情熱を傾けて何年間も費やしている間に、ピートは結婚して、子供トミーをもうけ、離婚しているのだ。離婚してからも息子とは折を見て顔を合わせているみたい。

【ブロンド・ライフ 第24段落】  三人でシアトルの海岸沿いを散歩し、遊園地で遊んで、死の恐怖を一時でも忘れることができたかもしれない。トミーはレニーに、「(メジャーリーガーの)キャルと別れてパパと付き合うなんて」と子供らしい率直なことを言葉にする。付き合っているなんて…、とちょっと顔を赤らめるレニー。前妻に息子を送り届けてから、二人は結ばれた。息子に引き合わせたのも、レニーの飾った姿でなく、ありのままの姿を見せてくれたからだと彼は後でレニーに語る。

【ブロンド・ライフ 第25段落】  水曜日。レニーは首を言い渡されるのを覚悟で出勤する。すると、全然逆だった。拍手に迎えられ、ニューヨーク栄転を伝えられる。あの奇抜なストライキの取材が功を発したのだった。彼女の自然体が世間に受け入れられ、またTV局にとっては自局の話題性を高められたという上司の判断であろう。大喜びの彼女の姿を廊下から見て、ピートは寂しい顔。「私は仕事をもらうことができた。ということは、ジャックの予言は間違っていたということ。私は生きる。(リポーターの大御所)デボラ・コナーズをインタヴューできる。」こう言ってレニーは自信たっぷりに変身する。ピートにNYに一緒に行ってと誘うが、彼はここに残ると言う。息子さんのため?と訊くと、それもあるけど、月曜日のストの時に君の本当の姿を見たんだ。だから息子に紹介したんだ。こう言うピート。

【ブロンド・ライフ 第26段落】  格の上がったレニーは、放送局のVIP扱いになる。廻された凄いリムジンで、父親の家に報告と暫しのお別れを言いに行く。父に言われて、父が保管している数々のホームヴィデオのテープを見ると、昔の幼い頃の自分が家族に守られ、愛情に包まれて育てられていたことを再認識する。重病でベッドで寝たままの母親の前で、レニーが歌って踊って母と抱き合っているテープ。「母さんを笑わせられるのはお前だけだったよ」と父は言い、レニーはしんみりとする。

【ブロンド・ライフ 第27段落】  街では相変わらずジャックが台に上がって天を見上げている。レニーはNYの仕事をもらった自信と強がりで、ジャックを責めに行く。「仕事をもらったのだから、明日死なない。あなたの予言は間違っていた。」と言う彼女に、「明日死ねば、仕事はない。」とジャック。ンーン、ものは言いようだなぁ。

【ブロンド・ライフ 第28段落】  NY行きの飛行機内。それにしても速い(映画、映画!)。辞令をもらって当日にもうNYへ移動だなんて。レニーは浮かれ気分で、隣の席の男性に例の占い師の話の顛末のおしゃべりに夢中になっている。すると、だんだん飛行機は揺れが大きくなって、男性は気持ち悪くなる。でもレニーは気付かず興奮しておしゃべりを続ける…。その頃、ピートは、サンタモニカ発の飛行機が墜落してエンジェルズの選手が死亡というニュースを聞く。彼は着の身着のままでNYへ飛び立つ。ここら辺から観客はドキドキ。だんだん映画のクライマックスになっていきそう。・・・

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【ブロンド・ライフ 第29段落】  運命の木曜日。ニューヨーク。あッ、レニーは無事だ。朝6時半、ホテルに迎えの車に乗り込む彼女は立派で堂々としている。そして放送局に到着し、<AM USA>のスタジオセットに案内される。そのスケールの偉大さに圧倒され、地方局との違いを見せ付けられる。ああ、ここで私、仕事するんだ。今日のレニーの仕事は、デボラ・コナーズのインタヴュー。この女性は 25 年間放送に従事し貢献してきたことで受賞し、今日はそのためのインタヴュー番組だ。

【ブロンド・ライフ 第30段落】  デボラ・コナーズは 50 歳近くで、黒髪で、黒いパンツスーツ姿。前大統領ビル・クリントンと会見するほどの、TV報道界のトップ女性として君臨する大ベテランである。テキパキと本番前のスタジオで指示を与えており、女王の貫禄たっぷり。それに対してレニー・ケリガンはブロンドの華麗なヘアスタイルに白いスーツ姿。二人の新旧のコントラストを、年齢と共に色でも強調している演出だ。こういうところも巧いなあと思った。撮影のスティーヴン・H・ブラムは
ミッション・トゥ・マーズ (2000) MISSION TO MARS 』の壮大な宇宙のシーンの作品を手掛けた人でもある。

【ブロンド・ライフ 第31段落】  いよいよ本番が始まった。故郷シアトルではTV局の面々が、また実家ではレニーの父親と姉グウェン一家が居間のテレビの前で見守っている。レニーは、出だしにつまり、用意された「受賞のお気持ちは?」を言わずに、何を考えたのか「ご自身の人生に価値があったとお思いですか?」更には「ご自分のことを特別だとお思いですか?」「ご結婚を一度もなさっていらっしゃいませんが後悔は?」「恋人はいらしたのでしょう?」と突っ込んだ質問。普段はクールに胸を張っているデボラ・コナーズは突然の予定外の質問にたじたじとなり、涙を流しながら恋人とのつらい別れ等を話す。街でTVを見ている人達は、人間的な姿を初めて見せたデボラ・コナーズを感傷的に見、そのインタヴュアーの新人レニー・ケリガンに心を動かされる。レニーは死を意識したこの一週間の自分の心を顧みて、半ば自分に質問していたようだ。

【ブロンド・ライフ 第32段落】  本番が終わって、自分自身に正直にしてくれたことをデボラ・コナーズにお礼を言うレニー。しかしデボラは涙を拭き拭き、二度と顔を見たくないとレニーに言って背を向ける。中年まで自分の内面を外に見せず優等生でやってきたベテランにとって、さっきの仕打ちは驚きと敗北感とで、なんともやるせなく情けなくなったことだろう。このNY局の 25 階の上司に呼ばれたレニーは、あんなデボラの姿を見させたのは君が初めてだ、大成功、と言われる。しかしレニーは故郷に帰りますと告げて、放送局を後にした。

【ブロンド・ライフ 第33段落】  通りでは、信号の向こうで不良たちの喧嘩騒ぎが起こっていた。レニーは珍しく笑わない顔で立ち尽くしている。ピストル。し〜ん。ドキドキ…。撃たれた!病院の手術室。映画冒頭のシーンはこれだったのだ。…ちょっと怖い。ホラー的寒気がする。観ている方がドキドキ。ジャックに占われた「木曜日」だ…。

【ブロンド・ライフ 第34段落】  時計は午前 2:56 。一度消えかかった脈拍が蘇る。ベッドの傍らにピートが控える。レニーは意識を取り戻す。今日は金曜日だから、技術的にも法律的にも君は生きていると、ピートは冗談っぽく彼女に言ってあげる。もっと前に話しておくべきだったけど、初めて会った日から君が好きだった。人生の残りを一緒に過ごして欲しい。ニッコリするベッドのレニー。死ななくてすんだ。ハッピーエンドで安心した。

【ブロンド・ライフ 第35段落】  場所は変わってシアトル。レニーは地元シアトルのTV局に戻っている。ピートと息子トミーと三人でセフィコ・フィールドで応援している。元婚約者のキャルがホームランをかっ飛ばし、明るく声援を送る三人。そしてまた、皆で「♪Satisfaction! 」と歌って踊る。今度は「満足」だ。レニーは心の中でこう呟く。私の一部はあの日死んで、私の一部は生き方を知った。ああ、そうだったのか。この映画で、一週間後に死ぬと言うのは、飾った人生が死んで、本当の素直な生き方に変わるのが一週間後だということだったのだ。

【ブロンド・ライフ 第36段落】  それを教えてくれた占い師ジャックは、得意の予知能力でこの野球試合の賭けに勝ってお金をもうけて、映画は明るく終わる。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず10476文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      公式サイト(英語版)
       http://www.lifeorsomethinglikeit.com/

いつも参考にしておりますallcinema ONLINE さんには、2003年1月18日の時点で[ 解説 ]は出ていませんので、これをアップしました。Thanks to allcinema ONLINE.
■映画『 ブロンド・ライフ 』の更新記録
2003/01/18新規: ファイル作成
2003/05/07更新: ◆一部テキスト追記
2004/07/09更新: ◆テキストとリンク一部およびファイル書式
2004/12/26更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
2005/10/06更新: ◆追記
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幸田 幸
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