トレインスポッティング
表紙目次読む映画試写会レヴュー観たい度映画予告編エッセイ日誌試写会情報リンク集
映画人解説・レヴュー一覧表映画ゲーム思い出映画ブロードバンド(B)版旅行の森てんこ森
映画の森てんこ森■レヴュー
トレインスポッティング (1996)
トレインスポッティング
トレインスポッティング

TRAINSPOTTING

【解説】
 映画『 トレインスポッティング (1996) TRAINSPOTTING 』は、「シャロウ・グレイヴ」(1995)でBAFTA賞を受賞した製作グループによる、アーヴィング・ウェルシュの原作の映画化。映画『 トレインスポッティング 』は、経済不況の著しいイギリス・スコットランドのエジンバラを舞台に、未来をつかめずにドラッグに溺れている若者達の姿をドライに描いた青春映画。映画『 トレインスポッティング 』は、スタイリッシュな感覚が受け、本国では"トレインスポッター[trainspotter]"なる言葉も流行ったほどで、アメリカや日本でもヒットした。ダニー・ボイル監督の 1996 年作品。
 マーク・レントン(ユアン・マクレガー)は、ドラッグに溺れる中毒者。周りを鋭く観察する洞察力で、最悪の状況からの脱出を狙っている…。
 "トレインスポッティング[trainspotting]"とは、イギリスでは元々列車のエンジンの番号を覚え込むという行動をさし、今ではコンピュータのネットワークの番号を覚え込む人のことも意味するらしい。それに特定の場所(スポット)にいるという意味もある。映画『 トレインスポッティング 』の著者アーヴィング・ウェルシュは、これをヘロイン中毒の隠喩として使っているそうだ。
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
■『 トレインスポッティング (1996) TRAINSPOTTING 』のデータ
 上映時間 93分
 製作国 イギリス
 公開情報 アスミック=パルコ
 初公開年月 1996/12
 ジャンル ドラマ/青春/犯罪
 《米国コピーTagline》
【スタッフとキャスト】

監督: ダニー・ボイル Danny Boyle
製作: アンドリュー・マクドナルド Andrew Macdonald
原作: アーヴィン・ウェルシュ Irvin Welsh
脚本: ジョン・ホッジ John Hodge
撮影: ブライアン・テュファーノ Brian Tufano
衣裳: レイチェル・フレミング
 
出演: ユアン・マクレガー Ewan McGregor マーク・レントン
    ユエン・ブレムナー Ewen Bremner スバッド
    ジョニー・リー・ミラー Jonny Lee Miller シック・ボーイ
    ロバート・カーライル Robert Carlyle ベグビー
    ケリー・マクドナルド Kelly MacDonald ダイアン
    ピーター・ミュラン Peter Mullan
    ケヴィン・マクキッド Kevin McKidd
ネタばれ御注意!
 このレヴューは「テキストによる映画の再現」を目指して作文しています。よって、ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
<もっと詳しく>

 マーク・レントン(ユアン・マクレガー:『 トレインスポッティング (1996) TRAINSPOTTING 』『 Emma エマ (1996) EMMA 』『 ブラス! (1996) BRASSED OFF 』『 普通じゃない (1997) A LIFE LESS ORDINARY 』『 ベルベット・ゴールドマイン (1998) VELVET GOLDMINE 』『 リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE 』『 スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス (1999) STAR WARS: EPISODE I - THE PHANTOM MENACE 』『 ムーラン・ルージュ (2001) MOULIN ROUGE! 』『 スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃 (2002) STAR WARS: EPISODE II - ATTACK OF THE CLONES 』『 恋は邪魔者 (2003) DOWN WITH LOVE 』等)は店の二人の男に追われてエジンバラ通りを走っている。上着の中から盗品が落ちる。普通の生活において物質的にも精神的にも人々が望んでいるものを語るレントンのナレーション。

 「人生を選べ。仕事を選べ。キャリアを選べ。家族を選べ。大型テレビを選べ。洗濯機、車、CDプレーヤー、電動缶きりを選べ。…日曜大工と日曜の朝に一体自分が誰なのか思い巡らすことを選べ。ジャンクフードを口に突っ込んで、くだらないクイズ番組をカウチに座りながら見ることを選べ。自分の我儘な最悪のガキどもにバカにされるに過ぎない老後には、腐った身体となって、みすぼらしい家で最後を迎えること選べ。未来を選べ。人生を選べ。

 でも、なんでそんなのになりたいと思うんだ?」

 マーク・レントンが変わりに選んだものは、"偽りの無い正しいヤク中毒生活"と自分達の世界にしか暮らせない仲間たちだ。

 ベグビー(ロバート・カーライル:『 トレインスポッティング (1996) TRAINSPOTTING 』『 フル・モンティ (1997) THE FULL MONTY 』『 アンジェラの灰 (1999) ANGELA'S ASHES 』『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ (1999) THE WORLD IS NOT ENOUGH 』『 リトル・ストライカー (2000) THERE'S ONLY ONE JIMMY GRIMBLE 』『 ケミカル51 (2002) THE 51st STATE (原題) / FORMULA 51 (米題) 』等)は暴力的なアル中のサイコで、仲間を怖がらせている。ドラッグはやらない。スパッド(ユエン・ブレンナー:『 パール・ハーバー (2001) PEARL HARBOR 』『 アラウンド・ザ・ワールド・イン・80デイズ (原題) (2003) AROUND THE WORLD IN 80 DAYS 』等)はかなりのヤク中毒だが優しいヤツだ。シック・ボーイ(ジョニー・リー・ミラー)は 007 のショーン・コネリーオタクで人当たりのいい女たらし。ヤクの使い方を自分でコントロールできるようだ。ところでなんでコイツのニックネームが付いたと思う?シック・ボーイは"病人"だからさ。それから、トミー(ケヴィン・マクキッド)。ドラッグはやらない。ウォーキングとイギー・ポップに夢中さ。どこにでもいるような女のリジーとゲイルとアリソン。リジーはトミーの彼女。ゲイルはスパッドの彼女。アリソンは誰の彼女でもないけど誰かの赤ちゃんがいる。

 初めてではなかったが、レントンはヘロインをやめることにする。禁断症状の中、アヘンの座薬をとるためにスコットランド一汚いトイレの中を探し回る。レントンは貸し部屋に留まって、苦痛から引き離されたように座る。

 シック・ボーイもドラッグをやめることした。それはそうしたいからではなく、レントンをイラつかせることができるからだ。コイツはそういう奴なんだ。一緒に公園に行ってエア・ライフルで犬を撃つ。

 今のところヘロインをやめているレントンは、保健社会保障局が自分とスパッドに就職の面接をすることを知る。それはデリケートな状況だ。もし面接で努力をしているように見えなかったら、失業手当がカットされてしまうし、努力をしているように見えれば、仕事につくことになる。どうしよう。極めて至難の業だ。

 めでたく面接に落ちた後、レントンとスパッドは仲間と一杯やる。ベグビーは最近病院送りにした奴の話をして、パブの人だかりにコップを投げ捨て、ケンカを始める。

 レントンと仲間達はディスコへ行く。ヘロインのために失われていた性欲が、今激しく甦ってくるのを感じるレントン。アルコールと覚醒アミンで、欲求は極度に高まる。レントンはダイアン(ケリー・マクドナルド)を見た。彼女は生意気で魅力的、そしてかわいそうな飢えた生物であるレントンを気の毒に思って、一晩家に連れて行く。

 朝目覚めたレントンは、台所に二人の男女がいるのに気付く。彼らはダイアンのルームメイトではない。両親だ。そして戸口には制服に着替えたダイアンが立っている。高校生だったなんて…。

 同じ夜、ゲイルは一ヶ月以上焦らしておいたスパッドと一緒に寝ることにしたが、スパッドは何もしないうちにベッドで気を失っている。トミーはリジーと撮った自家製ポルノビデオを失って、リジーとできなくなってしまう。そのビデオは実はレントンがこっそり持ち出していたのだ。

 トミーは田舎を散歩しに行こうと仲間を誘う。それでレントンは「健康的で、知識のある、意識的な決意」をする。その決意とはすぐにドラッグをヤルこと。

 リジーがビデオ事件のためにトミーと別れる。絶望したトミーは、レントンにヘロインをくれるように頼む。トミーもヤク漬けになっていく。

 皆でヤクをうっている間に、アリソンは赤ちゃんが死んでいるのを見つける。誰も何もいえない。赤ちゃんのベッドの傍で泣くシック・ボーイ。奴が父親だったのか。

 それからシック・ボーイは変わり、彼と一緒にレントンとスパッドは万引き、強盗、処方箋詐欺にふける。国民健康サービス万歳!しかし、レントンとスパッドは万引きで捕まり、スパッドは禁固刑、レントンはメタドン・プログラムに参加することで執行猶予となる。

 裁判の後、レントンは一発ヤクをうちたくなり、修道院長と呼ばれる売人のところへ行く。しかし、一発で倒れ、病院にタクシーで運ばれることになる。

 レントンの両親は彼を家に連れて行き、寝室に閉じ込めた。激しく襲う禁断症状の中、レントンは天井を這うアリソンの死んだ赤ちゃんや、クイズ番組でエイズに関する質問をされる妄想を見る。禁断症状が治まったレントンは、エイズの検査に行く。

 エイズが蔓延する中、注射針を共同使用していたのに、奇跡的にレントンはHIV陽性ではなかった。レントンの両親は、レントンは幸せだという。そうだ彼は幸せだ。しかし、レントンは両親とその友達が社交クラブでビンゴゲームをする間に座っていていたとき、そんな風には考えられなかった。

 レントンはトミーを訪ねた。リジーがきていた頃の部屋とは違って今は荒んでいた。彼はヤクのために家財道具を売り払っていた。もう外には出かけず、サッカーチームを応援しに行くことも無かった。HIVに感染しているのだ。彼はレントンに借金を頼む。

 レントンはここから逃げ出してロンドンへと向かうことを決めた。そこで彼は悪徳不動産屋で偽アパートの転売の仕事を得た。彼は人生を選んだのだ。全てが安っぽくていやらしい消費者主義と価値を見出せないものの中で、新しい生活はレントンになじんでいった。

 しかし、レントンは仲間から逃げ出すことはできなった。ベグビーが強盗を犯して警察からの逃亡途中に現れ、レントンの部屋に留まることになった。それから少ししてシック・ボーイも加わった。

 レントンはベグビーとシック・ボーイに、会社で取り扱っているまだ売れていないアパートで寝てくれるように頼むが、予想的中の出来事が起こる。上司が客をその部屋に連れてきたとき、ベグビーとシック・ボーイが彼らを襲ったのだ。すぐに三人はスコットランドに戻る。

 しかし故郷に戻るのにはもう一つ理由があった。トミーの葬式だ。葬式の後、ロシアの船員からとてもいい値段で大量のドラッグを買うチャンスがあるとシック・ボーイから知らされる。もしレントンがいくらか金を出してそのドラッグを買えば、皆でそれを売りさばきにロンドンに行って、大金を儲けることができる。レントンは説得されて金を出すことに応じる。

 ベグビー、レントン、シック・ボーイ、スパッドは夜行バスに乗ってロンドンへ行き、取引を行った。取引成功を祝ってパブで祝杯をあげているときに、ビールを持つベグビーはぶつかって服をぬらしてしまったため、その相手とケンカをする。

 ホテルで皆が寝静まった後、レントンは起きてベグビーの腕の下からお金が詰まったカバンをとる。スパッドは目を開けていて何が起こっているかを見ていたが、何も言わなかった。レントンと彼はお互いを見た。

 レントンは通りに出る。そしてロッカーから隠してあったパスポートを取り出す。警察官がホテルに到着し、怒り狂うベグビーを捕まえに来る。レントンはついに仲間から逃げ出せたのだ。見知らぬ顔の人だかりの中にカバンを抱いたレントンがかき消されて行く。

 「それでなんでオレが仲間を裏切ったかって?何個も答えがあるよ。全部間違っているけどね。本当のところはオレが悪い奴だからだ。でもオレは変わる。変わるつもりだ。こんなことはもう終わりだ。足を洗って真っ当に生きるよ。そして人生を選ぶんだ。もう楽しみだよ。オレも"アンタ"みたいになるんだ。仕事、家族、大型テレビ、洗濯機、車、CDプレーヤー、電動缶きり機、健康、低コレステロール、歯の保険、住宅ローン、マイ・ホーム、レジャーウェア、カバン、スリー・ピース・スーツ、日曜大工、クイズ番組、ジャンク・フード、公園の散歩、会社、ゴルフ、洗車、セーターを選ぶ、家族とのクリスマス、年金、免税、溝掃除、死ぬ日まで将来のことを考えてなんとかやっていくんだ。」

 2001 年 12 月で先進主要国の中で一番失業率が低いのは、イギリスだ。(外務省・経済指標http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ecodata/sitsugyo.html)イギリスの不況をバックグラウンドにして話題になった映画には、「ブラス!」(1996)「フル・モンティ」(1997)「リトル・ダンサー」(2000)などがある。私の頭にはこの四作しか思い浮かばないが、どれも良い作品だった。国が良い状態になってきたときの文化には勢いがある。"イギリス病"を乗り越えたイギリス人が、「こんな辛い時代もあったよね」と懐古しているのだろうか。どの作品も後味爽やかだ。

 上記の映画を見た日本人は、レントンが"エイズにならなければ、それは人事だ。"と言う様に、描かれていた問題を人事のように楽しんでいたと思うが、今はそれらが自分達の順番に廻ってきてしまった。いつか日本人も「こんな辛い時代もあったよね」と楽しんで作れる映画ができるようになるだろうか。

(■解説とネタばれ:2002/08/24アップ ◆俳優についてリンク更新:2003/10/02)
以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず4490文字/文責:幸田幸
coda_sati@hotmail.com
「映画の森てんこ森」へ 「旅行の森てんこ森」へ
新作映画情報「読む映画試写会」へ
映画の森てんこ森 バナー03

映画の森てんこ森 coda21幸田幸 クレジット バナー01
幸のイタリア各都市情報へ
旅行の森てんこ森 バナー03
136x70
本サイトの作文、データ及び画像などのコンテンツの無断転用はお控え下さい。
貴サイトへの御掲載についてはメールにてお知らせ頂ければ幸いです。
© 2002-2003 Sachi CODA at Eigano-Mori Tenko-Mori, CODA21. All Rights Reserved