ギフト
表紙目次読む映画試写会レヴュー観たい度映画予告編エッセイ日誌試写会情報リンク集
映画人解説・レヴュー一覧表映画ゲーム思い出映画ブロードバンド(B)版旅行の森てんこ森
映画の森てんこ森■映画レヴュー
ギフト (2000)
THE GIFT
 映画『 ギフト (2000) THE GIFT 』をレヴュー紹介します。

 映画『 ギフト (2000) THE GIFT 』を以下に目次別に紹介する。
■映画『 ギフト (2000) THE GIFT 』の解説及びポスター、予告編
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 ギフト (2000) THE GIFT 』の映画データ
■映画『 ギフト (2000) THE GIFT 』のヒロイン
■映画『 ギフト (2000) THE GIFT 』のスタッフとキャスト
■映画『 ギフト (2000) THE GIFT 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 ギフト 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタばれ)です。※ご注意:映画『 ギフト (2000) THE GIFT 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 ギフト (2000) THE GIFT 』の結末
■映画『 ギフト (2000) THE GIFT 』の感想
■映画『 ギフト (2000) THE GIFT 』の更新記録

>>
「映画解説・レヴュータイトル一覧表」へ(画面の切り替え)
幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 ギフト (2000) THE GIFT 』の解説及びポスター、予告編
ギフト
ギフト

■映画『 ギフト (2000) THE GIFT 』の解説

 映画『 ギフト (2000) THE GIFT 』は、「死霊のはらわた」( 1983 )「ダークマン」( 1990 )『 スパイダーマン (2002) SPIDER-MAN 』のサム・ライミ監督の 2001 年サスペンス・スリラー。また、映画『 ギフト 』の出演者もなかなか豪華で、主役の霊能力者の女性アニーを演じるのは、『 エリザベス (1998) ELIZABETH 』でゴールデン・グローブ賞を受賞したケイト・ブランシェット。いつもヒーロー役の多いキアヌ・リーヴスが暴力亭主という最悪の役で出ている。けれども彼はサム・ライミ監督の作品に出られるからと、映画『 ギフト 』へのノーギャラ出演を承諾したそう。他に映画『 ギフト 』には、「ボーイズ・ドント・クライ」( 1999 )でアカデミー賞などの数々の賞に輝いたヒラリー・スワンクがキアヌの妻、「恋愛小説家」( 1997 )でアカデミー助演男優賞ノミネートのグレッグ・キニアは被害者の婚約者の役で出演している。
 映画『 ギフト 』は、アメリカ南部の片田舎で、工場の事故で夫を亡くし三人の息子を独りで育てているアニー。天から授かった才能<ギフト>である霊能力を使い、町の人々の相談を受けて生計を立てていた。結婚を控えたこの町の名士の美しい娘、ジェシカ・キングが失踪した。捜査に行き詰まった警察は、アニーの許にやって来るが…。
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
▲TOPへ
■映画『『 ギフト (2000) THE GIFT 』の映画データ
 上映時間 111分
 製作国 アメリカ
 公開情報 アミューズピクチャーズ
 初公開年月 2001/06/16
 ジャンル サスペンス/ミステリー
 《公開時コピー》謎は彼女が解き明かす。“超感覚(ギフト)”を与えられた彼女だけが、この事件を解き明かす−
▲TOPへ
■映画『 ギフト (2000) THE GIFT 』のヒロイン
●ケイト・ブランシェット as アニー・ウィルソン
エリザベス (1998) ELIZABETH
理想の結婚 (1999) AN IDEAL HUSBAND
 『 狂っちゃいないぜ (1999) PUSHING TIN 』
リプリー (1999) THE TALENTED MR. RIPLEY
耳に残るは君の歌声 (2000) THE MAN WHO CRIED
ギフト (2000) THE GIFT
シャーロット・グレイ (2001) CHARLOTTE GRAY
シッピング・ニュース (2001) THE SHIPPING NEWS
バンディッツ (2001) BANDITS
ロード・オブ・ザ・リング (2001) THE LORD OF THE RINGS: THE FELLOWSHIP OF THE RING <前編>
ロード・オブ・ザ・リング (2001) THE LORD OF THE RINGS: THE FELLOWSHIP OF THE RING <後編>
 『 ヘヴン (2002) HEAVEN
ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 (2002) THE LORD OF THE RINGS: THE TWO TOWERS
ヴェロニカ・ゲリン (2003) VERONICA GUERIN 』
コーヒー&シガレッツ (2003) COFFEE AND CIGARETTES
ミッシング (2003) THE MISSING
ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 (2003) THE LORD OF THE RINGS: THE RETURN OF THE KING
ライフ・アクアティック (2004) THE LIFE AQUATIC WITH STEVE ZISSOU
アビエイター (2004) THE AVIATOR
▲TOPへ
【『 ギフト 』のスタッフとキャスト】
監督: サム・ライミ Sam Raimi
製作: ジェームズ・ジャックス James Jacks
    トム・ローゼンバーグ Tom Rosenberg
    ロバート・G・タパート Robert G. Tapert
製作総指揮: ショーン・ダニエル Sean Daniel
    グレゴリー・グッドマン Gregory Goodman
    ゲイリー・ルチェッシ Gary Lucchesi
    テッド・タネンバウム Ted Tannebaum
脚本: ビリー・ボブ・ソーントン Billy Bob Thornton
    トム・エッパーソン Tom Epperson
撮影: ジェイミー・アンダーソン Jamie Anderson
音楽: クリストファー・ヤング Christopher Young

出演: ケイト・ブランシェット Cate Blanchett アニー・ウィルソン
    ジョヴァンニ・リビシ Giovanni Ribisi バディ・コール
    キアヌ・リーヴス Keanu Reeves ドニー・バークスデイル
    ケイティ・ホームズ Katie Holmes ジェシカ・キング
    グレッグ・キニア Greg Kinnear ウェイン・コリンズ
    ヒラリー・スワンク Hilary Swank ヴァレリー・バークスデイル
    マイケル・ジェッター Michael Jeter ジェラルド・ウィームス
    キム・ディケンズ Kim Dickens リンダ
    ゲイリー・コール Gary Cole デヴィッド・ダンカン
    ローズマリー・ハリス Rosemary Harris アニーの祖母
    J・K・シモンズ J.K. Simmons パール・ジョンソン保安官
    チェルシー・ロス Chelcie Ross ケネス・キング
    ジョン・ビーズレー John Beasley アルバート・ホーキンス

▲TOPへ
<もっと詳しく>

ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 ギフト (2000) THE GIFT 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー

【ギフト 第01段落】  ジョージア州、ハッチャー郡プリクストン。霊能者のアニー・ウィルソン(ケイト・ブランシェット)は、三人の息子を独りで育てていた。アニー自身そして長男のマイクも、夫・父を工場の爆発事故で亡くした悲しみからまだ立ち直ってはいず、家庭は父親不在のために貧しかった。マイクが学校で問題行動を起こしたと連絡が入り、アニーは学校へ向かう。マイクの担任のウェイン・コリンズ(グレッグ・キニア)は、マイクにセラピーを受けさせるようにアニーに勧めるが、アニーは首を縦には振らない。

【ギフト 第02段落】  丁度そんな時、ウェインの婚約者のジェシカ・キング(ケイティ・ホームズ)がやってきた。アニーはこれを機会に帰ろうとするが、アニーを町の占い師だと知るジェシカに二人の運勢を見てほしいと言われる。若くて美しく裕福で、活き活きとしている女性ジェシカは、ハンサムで優しそうな教師のウェインにぴったりと寄り添い、二人は幸せの絶頂のように見えたが、アニーには不吉な予感が…。机から自然に鉛筆が落ちた瞬間、ジェシカの足が素足になり、泥に汚れ水に濡れているように見えたのだ。しかし、アニーは「幸せになれますとも」と言って去る。

【ギフト 第03段落】  アニーの客には、夫からの家庭内暴力に怯えるヴァレリー・バークスデイル(ヒラリー・スワンク:
『 ボーイズ・ドント・クライ (1999) BOYS DON'T CRY 』
ギフト (2000) THE GIFT
マリー・アントワネットの首飾り (2001) THE AFFAIR OF THE NECKLACE
インソムニア (2002) INSOMNIA
ザ・コア (2003) THE CORE
ミリオンダラー・ベイビー (2004) MILLION DOLLAR BABY 』等)、幻覚の<青いダイヤモンド>に悩まされている自殺願望の強い、自動車整備工の青年バディ・コール(ジョヴァンニ・リビシ:
ヴァージン・スーサイズ (1999) THE VIRGIN SUICIDES
閉ざされた森 (2003) BASIC
ロスト・イン・トランスレーション (2003) LOST IN TRANSLATION
コールド マウンテン (2003) COLD MOUNTAIN
スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー (2004) SKY CAPTAIN AND THE WORLD OF TOMORROW 』)らがいた。顔にアザができるほど夫に殴られても、夫から離れることができないヴァレリーに、アニーは法的手段に出ることを勧める。また、バディには、アニーがいつも親切にしてくれる、彼のたった一人の友達だと思われていて、アニーのオンボロ車のドアの修理もタダでしてくれるくらいだ。精神病のバディは、運勢を占ってもらっているとき、アニーの質問に取り乱して怒鳴ることがあったが、彼女を敬愛していた。アニーの運勢占いは、町の可哀想な人たちの心の支えだった。
 
【ギフト 第04段落】  しかし、超自然的なものを信じることができない人々にとっては、アニーの霊能力はまやかしにすぎない。ヴァレリーに離婚を勧めたと、アニーを逆恨みしたヴァレリーの夫のドニー・バークスデイル(キアヌ・リーヴス:
『 旅立ちの季節/プリンス・オブ・ペンシルバニア (1987) THE PRINCE OF PENNSYLVANIA 』
ミッドナイトをぶっとばせ!<未> (1988) THE NIGHT BEFORE
ドラキュラ (1992) BRAM STOKER'S DRACULA
ディアボロス/悪魔の扉 (1997) THE DEVIL'S ADVOCATE
マトリックス (1999) THE MATRIX
ギフト (2000) THE GIFT
陽だまりのグラウンド (2001) HARDBALL
マトリックス リローデッド (2003) THE MATRIX RELOADED
マトリックス レボリューションズ (2003) THE MATRIX REVOLUTIONS
恋愛適齢期 (2003) SOMETHING'S GOTTA GIVE
コンスタンティン (2004) CONSTANTINE 』等)が、夜アニーの家にやってきて、アニーを魔女だと罵って脅した。その翌日、アニーの許へヴァレリーが切羽詰まったようにやって来る。彼女を追ってきたドニーは、ヴァレリーを庇って抗議をしようとしたアニーを突き飛ばし、ヴァレリーを強引に連れて帰る。
 
【ギフト 第05段落】  アニーが庭で洗濯物を干していると、シーツの向こう側から死んだはずの自分の祖母(ローズマリー・ハリス)がやってくるのが見える。「子供のころ好きだったでしょ」と柿の入った篭を差し出す祖母に、アニーは「ここに来てはいけないのよ」と言うと、祖母はいとおしそうに孫の顔を見てから、「…もう帰らないと、嵐が来そうですもの」とアニーに話す。アニーは「まさか、雲ひとつないわ」と反論するが、空は荒れ模様になってくる。アニーの脳裏に、これから起こる恐ろしい光景が浮かぶ。祖母は「どんな時も感じたままを信じて」と言い残して去っていく。
 
【ギフト 第06段落】  地元のカントリー・クラブのパーティが開かれる。アニーは友人のリンダ(キム・ディケンズ)に誘われてそのパーティに赴き、久しぶりに子育てからの解放を味わおうとする。そこで息子マイクの担任のウェインと出会う。なんとなくお互いに惹かれあうものを感じる二人だが、ウェインにはこの地域の名士の娘である婚約者のジェシカがいる。しかし、トイレに行ったアニーは、トイレの奥の部屋でジェシカがウェインとは違う男性と愛し合っているのを目撃する。アニーが外に出ると、ウェインが独り寂しそうに佇んでいる。ジェシカの居場所を尋ねられるが、アニーはもちろん答えなかった。
 
【ギフト 第07段落】  となりに預けていた子供達を迎えに行って、家に戻ろうとしたアニーは、誰もいないはずの家から物音を聞く。子供達を外に残し、アニーは安全を確かめに行くと、家の中は反悪魔教のテープが流れ、アニーのベッドの上には占いのカードが「 SATAN(悪魔)」という文字に並べられていた。ドニーの仕業にちがいない。アニーは次の日、警察を呼ぶが、警官は、ドニーはこんなマネはしないと否定する。しかし、警察への通報を知ったドニーから脅迫電話がかかるのだった。
 
【ギフト 第08段落】  防犯のために、ベッドの横にバットを置いたアニー。寝る前にアニーの部屋にやってきた長男マイクは、他の人には会うのに、なぜお父さんのお墓参りに行かないのかと尋ねるが、アニーは生活費を稼ぐためのお客だと、冷たく彼を扱う。彼女自身はまだ夫の死を受け入れられないのだ。深夜一時半頃、アニーは何者かに首をしめられる。バットに手を伸ばそうとするが、届かない。指先がバットに触れたかと思うと、大きな音を立てて倒れてしまった。その音で正気に返ったアニー。夢だったのだ。翌日、教会からの帰り、アニーはリンダからジェシカの失踪を聞く。
 
【ギフト 第09段落】  次男のミラーが隣のフランシスさんにチョコ・ソースをもらいに行く途中、車に乗ったドニーに、妙な占いをやめないと、いつか母親が火あぶりになると脅される。そこに現れたバディは、アニーが火あぶりにされるとミラーから聞くと、ドニーの車をバールで滅多打ちにする。ドニーは銃をバディに向けるが、「俺を撃て!」とバディが自分の額に銃口をつけるのにビビったドニーとその友人は、車を走らせる。キレてしまったバディを車の陰から見つめるミラーは、「大丈夫か」とバディに訊かれるが、あまりの怖さに何も言わずに家に戻る。
 
【ギフト 第10段落】  アニーの許に、ジェシカの捜索に行き詰まったため、ジェシカの父親のキング氏(チェルシー・ロス)と、パール・ジョンソン保安官(J・K・シモンズ)、そして婚約者ウェインがやって来る。保安官はアニーの霊能力に懐疑的なため、アニーは集中できないが、大きな柵、ゲート、たくさんの白い花が見えるとキング氏に教える。その夜、アニーは夢を見た。大きな柵のゲート、白い百合の花が咲いているが、手に取るとすぐに黒く枯れてしまう。池の周りには木が茂り、ヴァイオリン弾きがヴァイオリンを演奏している。目覚めると、また一時半頃。アニーは飼い犬のブッチにミルクをやるために外に出た。ブッチの首に置いた自分の手に水滴が落ちる。上を見上げると、木々の梢の間にチェーンを巻かれたジェシカの死体が漂っている。その目が見開き、アニーを見る。
 
【ギフト 第11段落】  保安官を訪ねたアニーは、昨日の夢を彼に話す。心霊現象を信じない保安官は、余り真剣ではないが、アニーの話から、彼女の夢に見た場所がドニーの家かもと推測し、捜索することにする。警察と共に、父キング氏、婚約者ウェイン、アニーもドニーの家の敷地にやって来た。そこはまさにアニーが夢で見たとおりの場所だった。池を捜索中にドニーが戻ってきて、警察が自分の敷地内に入っていることに怒る。警察の捜索を認めたのはヴァレリーで、彼は何も知らないのだ。アニーの姿を見つけたドニーは、彼女に陥れられたと思い、彼女に近づいて思いっきりみぞおちを殴る。ウェインはドニーを殴りとばし、保安官が反撃に出ようとしたドニーに銃を突きつける。その時、池からジェシカの死体が引き上げられた。まさにアニーの夢と同じ、鎖に巻かれた無残な姿だった。
 
【ギフト 第12段落】  ドニーの裁判の前日、アニーはこの事件の担当であるダンカン検事(ゲイリー・コール)に呼ばれる。その検事の顔を見て、アニーはハッとした。彼は、カントリー・クラブのパーティの夜、トイレでジェシカと関係していた男だったのだ。ジェシカの爪から、ドニーの皮膚が検出されたことから、裁判は検察側に有利に運ばれると思われるが、遺体の発見方法がアニーの霊能力のおかげであること、アニーとドニーが以前から反目し合っていたことが、裁判の障害になると予想されると、検事は話す。その上、ドニーとの間に何か関係があったのではと勘ぐられ、アニーは怒って部屋を出ていく。
 
【ギフト 第13段落】  裁判は検事の言ったとおりの事が問題となった。遺体の発見方法である。その日の裁判の後、落ち込んで裁判所から出てきたアニーにバディが声をかける。以前、アニーから問題は父親との関係にあると言われたバディは、そのことについて考えたので、アニーと今すぐに話がしたいと言う。しかし、アニーは今は人の心配事に耳を傾けていられる状態ではない。「今はいろいろあって、話す気分にはなれない」とバディを拒否する。車に乗って裁判所を後にするアニーに、ドニー側の人々から「地獄の炎に焼かれろ!」という罵声が浴びせられる。
 
【ギフト 第14段落】  明日は自分が証言台に立つので、息子達に心構えをするように言うアニーのところに、息子が父親を殺すと騒いでいるとバディの母親がやってくる。バディは警察には通報せず、アニーを呼んでくるように言ったらしい。口にガムテープを貼られ、椅子に縛り付けられたバディの父親。アニーは何でも話を聞くと言うが、「もう手遅れだ!」とバディは父親をムチのようなもので殴りつける。バディは子供の頃、父親から性的虐待を受けていたのだ。母親はそれを知りつつ黙っていた。彼を救う人は誰もいなかった。「なぜ助けてくれなかった、なぜ俺を見捨てたんだ」とバディはアニーに言う。「私は友達よ」とアニーは言うが、もう俺に友達はいないとバディは聞く耳を持たず、父親に灯油を振りかけ、ライターの火をつける。バディは父親のお臍のまわりにあるダイヤモンドの入れ墨の方にアニーの顔を向け、「それをよく見ろ!」と叫ぶ。彼を悩ませていた<青いダイヤモンド>とは、これだったのだ。父親は救急車で運ばれ、バディ警察に連行されていった。
 
【ギフト 第15段落】  証言台に立つアニー。ドニーの弁護士から巧妙な質問が繰り出される。未来を予知することが出きれば、もっと金持ちになれ、夫を事故で失うこともないだろう…等々。弁護士の言葉に感情的になったアニーは言い返そうとするが、弁護士に質問を打ち切られる。
 
【ギフト 第16段落】  証言台に立つドニー。事件のあった日、確かに彼はジェシカに会っていた。ジェシカに別れ話を切り出されたことに怒り、彼女を殴ったが、殺してはいないというのが、ドニーの主張だ。しかし、検事に反対尋問され、逆上してしまったため、警備の警察に連行されてしまう。「すべてあの女のせいだ!」とアニーを罵るドニー。ドニーは有罪となる。
 
【ギフト 第17段落】  ヴァレリーがアニーにカードを読んでほしいと現れた。ドニーがいないことに耐えられないのだそうだ。彼女はアニーにジェシカが死んでよかったと苦しい胸の内を打ち明ける。アニーはカードを見て、あることに気づくが、「はっきりしない」とカードを読むのをやめてしまう。
 
【ギフト 第18段落】  息子達が寝静まってから、お風呂に入ろうとアニーはバスタブにお湯を入れる。家の戸締まりを確認して浴室に向かうと、何だかおかしい。張りつめた空気の中、浴室のドアを開けると、バスタブにうずくまるジェシカの姿が。彼女は振り返り、アニーに「バカヤロー」と叫んだ。驚くアニー。
 
【ギフト 第19段落】  翌日、アニーは、ウェインの家を訪れる。ポストには郵便物が溜まっている。荒れた部屋の中で、お酒に浸るウェイン。アニーは気分が良くなるようにウェインをソファに横たわらせると、彼はアニーの手をとって引き寄せようとする。拒むアニーだったが、ウェインの胸に顔をつける。しかし、「ウェイン、ごめんなさい」と離れ、本題に入る。「殺したのはドニーじゃない。」
 
【ギフト 第20段落】  その夜、検事の家を訪ねたアニーは、真犯人は別にいるので裁判をやり直してほしいと頼む。無理だという検事に、アニーはジェシカと検事が性的関係にあったことをバラすと脅す。真犯人を追うことは、アニーに危険がせまることだが、彼女の良心は自分のせいでドニーが無実の罪で投獄されていることが許せないのだ。
 
【ギフト 第21段落】  雨の中、検事宅から車で家に戻ったアニーは、家の入り口の植え込みにバディの姿を見る。車を降りて彼を呼ぶが現れない。不吉な予感がしたアニーは、子供達を預けているフランシスさんに電話し、今夜は子供達をそのまま泊めてくれるように頼む。アニーはバディを探しに外に出るが、アニーの話を聞いて心配になったウェインがやって来た。彼は真犯人を知りたいからカードを読んでほしいとアニーに頼む。アニーはウェインを家に入れて、カードを読むが、真犯人は分からない。ウェインは殺害現場の池に行けば何か浮かぶかもしれないとアニーを誘う。アニーは警察に任せようと言うが、事実を知りたいというウェインの言葉につき動かされ、一緒に池へと向かう。
 
【ギフト 第22段落】  夜の雨の中、懐中電灯を持ちながら、池の周りを歩いてみる二人。アニーの頭の中に、ここで起こったことが次々と浮かんできた。「彼と寝たんだろ」と裸のジェシカを問い詰めるのは、なんとウェインだ。彼の問いに悪びれることもなく「本物の男が欲しい」と言い返すジェシカ。ウェインは彼女を殴るが「あんたこそ、バカヤロー!もう終わりよ…パパのために我慢してただけ」と婚約指輪を指から外して放り投げる。「アバズレめ!」怒ったウェインはジェシカを車のボンネットの上に押しつけ、首を絞めて殺した。ジェシカのオメガの時計は、一時半頃をさしていた。・・・

▲TOPへ

◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !

 
【ギフト 第23段落】  全てを知ったアニーの様子に気づいたウェインは、自己弁護しながらアニーを池の方に追いつめていく。誰にも言わないと言うアニーに、ウェインは懐中電灯で頭を殴りつける。倒れたアニーの頭から血が流れる。そしてもう一撃がアニーに加えられようとしたとき、ウェインの振り上げた手が捕まれた。バディだ!バディはウェインから奪った懐中電灯で彼を殴りつける。倒れて気絶するウェイン。「大丈夫ですか」と心配そうに自分をのぞき込むバディに、アニーは抱きつく。気絶しているウェインを二人で車のトランクに入れる。停めた車の中でアニーはバディと話す。彼は病院から逃げ出してきたらしい。力になれなくてごめんなさいと謝るアニーに、バディは「あなたはたった一人の友達でした。あなたが好きです。あなたは町の人々の救いです。いつまでも皆の力になって下さい。」と告げる。涙を流し微笑むアニーに、バディは「洗ってあります」と以前アニーから借りたタオルのハンカチを渡す。
 
【ギフト 第24段落】  一緒に車で警察までやってきたアニーとバディ。アニーはバディに「あなたは戻るべきだ」と言って、警察の中へと向かう。警察の玄関の階段を上がりながら、アニーが車の方を振り向くと、助手席に座ったバディが真剣に自分を見つめている。しかし、アニーが警官と一緒に車に戻ったときには、もうバディの姿はなかった。ウェインは全て犯行を認めた。人間の本当の姿はわからないものだと言う保安官に、アニーはウェインの頭の傷はどうかと尋ねた。保安官はアニーがウェインを殴ったと思っているようなので、殴ったのは自分ではなく、助けてくれたバディだとアニーは言うが、保安官は否定する。バディはその夜の6時に病院のシャワー室で首を吊って死んでいたのだ。驚いたアニーはポケットからさっきバディから返してもらったタオルのハンカチを取り出した。
 
【ギフト 第25段落】  眠っている息子達の部屋に入ったアニーは、マイクのベッドに父親の写真があるのに気づく。彼のベッドの中には、父親と一緒の写真が入ったアルバムがある。それを見て微笑むアニーは、マイクを抱きしめる。アニーはやっと息子達と一緒に夫のお墓参りに出かけるのだった。

▲TOPへ

映画『 ギフト 』の感想】  一番気に入ったのは、やっぱりバディ。いつものように役柄に影響を受け、バディを演じたジョヴァンニ・リビシが好きになった。以前に観た「 60 セカンズ」( 2000 )のニコラス・ケイジの生意気な弟役の時は、ちっとも私の琴線に触れなかったけれども、この映画ではきました。この文章を書くにあたって、もう一度この映画のビデオを観た時、車の中でバディがアニーに告白するシーンで、思わず涙ぐんでしまった。
 最近『 ベティ・サイズモア (2000) NURSE BETTY 』を観たばかりで、犯人がグレッグ・キニア演じるウェインじゃないかなぁと、最初からなんとなくわかってしまったけど、ちゃんと怖がらせてもらった。


以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず7666文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
■映画『 ギフト (2000) THE GIFT 』の更新記録
2002/11/07新規: ファイル作成
2004/07/10更新: ◆テキスト一部とリンクおよびファイル書式
2005/03/19更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
▲TOPへ
幸田 幸
coda_sati@hotmail.com
「映画の森てんこ森」へ 「旅行の森てんこ森」へ
映画解説・レヴュータイトル一覧表
映画の森てんこ森 バナー03

映画の森てんこ森 coda21幸田幸 クレジット バナー01
幸のイタリア各都市情報へ
旅行の森てんこ森 バナー03
136x70
本サイトの作文、データ及び画像などのコンテンツの無断転用はお控え下さい。
貴サイトへの御掲載についてはメールにてお知らせ頂ければ幸いです。
© 2002-2005 Sachi CODA at Eigano-Mori Tenko-Mori, CODA21. All Rights Reserved.