ミッドナイトをぶっとばせ!
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ミッドナイトをぶっとばせ!<未> (1988)
ミッドナイトをぶっとばせ!
ミッドナイトをぶっとばせ!

THE NIGHT BEFORE

【解説】
 映画『 ミッドナイトをぶっとばせ! (1988) THE NIGHT BEFORE 』は日本では未公開で、1988 年の製作。機内でキアヌ主演の最新作「 HARDBALL(邦題:陽だまりのグラウンド)」を丁度観て、いい映画だなとウルウルし、以前に観てメモしていたこの『 ミッドナイトをぶっとばせ! 』を急にまとめたくなった次第。1964 年生まれのキアヌの若き 24 歳の作品である。同時期の「旅立ちの季節/プリンス・オブ・ペンシルバニア」は髪の毛が長く乱れ、ストーリー的にもそんなに好きではなかったのだが、この『 ミッドナイトをぶっとばせ! 』のキアヌは、私的には清潔で典型的美男子で、さわやかそのもの。若くて繊細で初々しくて、さすが俳優とうなってしまったほどキレイだ。
 映画『 ミッドナイトをぶっとばせ! 』は、キアヌ扮する真面目派の高校生が、美人で名高い同級生をプロム(校内ダンスパーティ)にエスコートしようとして、コワーイ界隈に迷い込み、彼女を売春婦に売ってしまうというドジを踏んで馬鹿にされながら、独り夜を徹して奔走し、最後には一回り大人の逞しい男になって彼女に見直されるアクション・ラヴコメディ。
 映画『 ミッドナイトをぶっとばせ! 』の邦題に、ローリング・ストーンズのヒット曲♪LET'S SPEND THE NIGHT TOGETHER♪の邦題「夜をぶっとばせ」を思い出した。
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
■『 ミッドナイトをぶっとばせ! 』のデータ
 上映時間 90分
 製作国 アメリカ
 公開情報 劇場未公開・ビデオ発売
 ジャンル アクション/コメディ
 《米国コピーTagline》
【スタッフとキャスト】

監督: トム・エバーハード Thom Eberhardt
製作: デレク・パワー Derek Power
    マーティ・ホーンスタイン Marty Hornstein
脚本: トム・エバーハード Thom Eberhardt
    グレゴリー・シェリック Gregory Scherick
撮影: ロン・ガルシア Ron Garcia
音楽: マーク・デイヴィス[音楽] Mark Davis
主題歌: ジョージ・クリントン George S. Clinton
 
出演: キアヌ・リーヴス Keanu Reeves ウィンストン・コネリー
    ロリ・ローリン Lori Loughlin タラ・ミッチェル
    テレサ・サルダナ Theresa Saldana ロンダ
    スザンヌ・シュナイダー Suzanne Snyder リサ
    トリニダード・シルヴァ Trinidad Silva ティト
    マイケル・グリーン Michael Greene タラの父ミッチェル警部
    グウィル・リチャーズ Gwil Richards ウィンストンの父
    モーガン・ロフティング Morgan Lofting ウィンストンの母
    クリス・ヘバート Chris Hebert ウィンストンの弟
ネタばれ御注意!
 このレヴューは「テキストによる映画の再現」を目指して作文しています。よって、ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
<もっと詳しく>

 キアヌ・リーヴスの映画は:『 旅立ちの季節/プリンス・オブ・ペンシルバニア (1987) THE PRINCE OF PENNSYLVANIA 』『 ドラキュラ (1992) BRAM STOKER'S DRACULA 』『 ディアボロス/悪魔の扉 (1997) THE DEVIL'S ADVOCATE 』『 マトリックス (1999) THE MATRIX 』『 ギフト (2000) THE GIFT 』『 陽だまりのグラウンド (2001) HARDBALL 』『 マトリックス リローデッド (2003) THE MATRIX RELOADED 』等を観ている(はやく『 マトリックス レボリューションズ (2003) THE MATRIX REVOLUTIONS 』も観たい。)が、この『 ミッドナイトをぶっとばせ!<未> (1988) THE NIGHT BEFORE 』は彼の新たな面を発見して新鮮な気分になる。若いキアヌ・リーヴスが実に美しい。端正なマスクに黒髪がキリッとして、しかも甘い。白い上着に黒いパンツのタキシード姿で決めた彼は素晴らしく綺麗だ。

 キアヌ・リーヴスは父親はハワイ系中国人、母親はイギリス人。レバノン・ベイルート生まれ。6才でカナダのトロントに移住し、高校・大学時代はカナダの国技アイス・ホッケーの選手として活躍。カナダでの映画デビューも 1985 年アイスホッケー内容の「栄光へのフィニッシュ」。ハリウッドにはなんとヒッチハイクで行き、1994 年「スピード」で大ブレイク。

 キアヌ・リーヴスには、たくさんの名前がある。(Oh Keanu Stevette's Keanu Reeves Web Page http://members.aol.com/punahele/stevette/ を参照させてもらいました)(1)キアヌ・リーヴス、(2)キアヌ・チャールズ・リーヴス、(3)K.C. リーヴス、(4)ザ・ウォール、(5)チャック・スピデナ。

 (1)先ず「キアヌ」は大おじの名前をもらってつけられ、ハワイ語で "ke" が "the" の意味、 "anu" が "cool" の意味。だから、文字通り「キアヌ」は" the cool "「涼しい」という意味で、彼の風貌によく合っていると思う。ハワイ語は詩的な言語なので、転意されて「山々から吹いてきた涼しい風」という意味にもなり、キアヌは名前の意味を問われると、そう答えている。

 (2)また、やはりハワイ系の別の大おじでチャールズ・キアウェアヘウル・リーヴスに因んで名づけられたとも言われている。

 (3)K.C. リーヴスという名は、彼がハリウッド映画界に入った時、エージェントが「キアヌ」という異国的、民族的な名を外そうとしてつけた名前で、キアヌ自身は気に入っていなかった。

 (4)ザ・ウォールつまり、「壁」という名は、彼がトロントのラ・サール高校のホッケー・チームのスター選手で、壁のように堅固なゴ−ルキーパーだったのでついた名前。

 (5)チャック・スピデナという名は、オンタリオ州トロントにある「スパディナ通り」の綴りを多少変えてつけられた名前で、映画のクレジットにそう出ているのが見つかったら、キアヌ・リーヴスの別名だから、覚えておいて下さい。

 さて、この映画のキャッチコピーを訳すと「ダディに借りた車はとられた。プロムの相手は売ってしまった。ティトという奴がお前を殺そうとしている。」ストーリーはウィンストン(キアヌ・リーヴス)が夜中にロサンゼルスのさびれた路地で目を覚ますことから始まる。グデングデンに酔っていて前後不覚のところに大型トラックが走ってきて、車輪下にもぐって危うくセーフ。自分は一体どうしてこんな所にいるのだろう?…彼は一つずつ思い出していく。

 ウィンストンは高校の天文学部の副部長、生真面目な初々しいオクテな男子生徒。今夜は高校のプロムつまりダンスパーティの日。花形チアリーダーのタラ(ロリ・ローリン)は、賭けでリサ(スザンヌ・シュナイダー)に負けて、ダサいウィンストンをプロムのエスコート役にされてしまった。それを知らないウィンストンは、学校一の美人のタラと組めて有頂天、父親の赤いムスタングを借りて張りきっている。

 ウィンストンは白い上着に黒いパンツのタキシード姿で決めて、タラを迎えに行く。(カッコいい!)チャイムを押すと現れたのはタラの父親のミッチェル(マイケル・グリーン)。ミッチェルは警部をしている。「プロムに迎えに来ました」と礼儀正しく挨拶するウィンストンに、背が高くいかつい顔のこの父親は、玄関ホールの棚からおもむろに銃を取り出して、弾を込め、ウィンストンににらみをきかす。「ウチの娘に手を出したら殺すからな。」妻に先立たれ、タラは目に入れても痛くない一人娘なのだ。そして今夜 12 時までに娘を戻すように約束させる。

 タラは淡いピンクの絹のパーティ・ドレスに身を包み、長髪美人。ここで初めてタラに、リサとの賭けで負けてプロムにあなたと一緒に行く羽目になったのだと聞かされる。タラは威張ってつれない態度。それでもウィンストンは父親から借りた赤いムスタングの助手席にタラを乗せ、デートに繰り出す。何をしゃべってもタラはムッとしている。ウィンストンはタラの気を引こうと必死だ。

 ダッシュボードに備わっている磁石が E を指している。とにかく東( East )に行けばフリーウェイになるからと言って運転しているが、窓の外は何やら怪しい雰囲気。磁石の横にリボンをかけた小箱が載せてある。タラが訊くと、君へのプレゼントで、マグネット着きの動物のメモボードだと言う。(それだけでもダサイ!)冷蔵庫に磁石で引っ付くアレ、とウィンストンは得意げに話す。…ということはダッシュボードの磁石はバガになっていて、車は西( W )に向けて走っていたのだ。呆れかえるタラ。

 もう遅かった。ロサンゼルスの西の端、黒人やヒスパニックのたむろする街に車は入り込んでしまった。二人は丸で「浮いて」いる。真っ白なタキシードのウィンストンに、パーティドレスの白人の若い女の子。ウィンストンはすぐに財布を抜き取られてしまった。男たちの話を訊くと、ティト(トリニダード・シルヴァ)なら何でも出来ると言う。ティトはこの辺を取り仕切っている大物らしい。タラは、タクシーを呼んで家に戻ると言うが、お金がないわけだ。電話をかけるところも怪しい人物ばかり。黒人のミュージシャン達がソウル・ミュージックをガンガン奏でて、お酒に喧騒に怪しい雰囲気の連中がいっぱい。タラは不安と怒りが最高になっている。

 電話をかけるのもクレジット・カードでいいか?とウィンストンはバーのカウンターの恐そうなおにいさんに訊く。すると、タラのクレジット・カードはいい値で売れると言って奪われてしまう。若くて世間知らずのウィンストンはそれでも必死に作り笑いをして、ジンジャーエールを注文する。何を入れる?と訊かれて、テキーラを入れて、と注文してウィンストンはがぶ飲みしてしまう。恐らく酒など飲んだことがないであろうウィンストンはヘベレケ。そしてティトが一体何物だかわからないまま、ティトはアホだ的な事を口走る。周囲はギョッとした顔。

 お金が要るということから、ウィンストンはタラを 1500 ドルで売春婦として売ってしまう。でも実はウィンストンはヘベレケ状態だから、全然意味がわかっていない。ただ1500 ドルを手に入れられたと思って喜んでいる。そして気がつくとタラが連れ去られたことがわかり、途方に暮れる。タラの父親の言った「今夜 12 時までに娘を帰せ。さもないと殺すぞ。」を思い出し、我に返り、ゾッとする。

 では、車はどうしたのだろう。あっ、路上よりは安全だろうと、空き地の駐車場に預けていたのだ。そこに辿りつくと、上着のポケットにキーがない。すると現れた若い男が親切そうに窓から金具を刺し込んでロックを外してくれた。感謝するウィンストン。その男、キーもないだろ?と言うや否や、電流を流してイグニッションに成功させ、赤いムスタングはその男に盗まれてしまった。走り去ってから、駐車場の小屋から出てきた門番がキーを預かっていたと知るドジなウィンストン。

 車もないから徒歩でタラを捜すしかない。人通りの絶えた夜の裏町を、独りウィンストンは奔走する。夜の街をタラを捜して、強盗とか恐い連中に遭っても、ティトのことを口に出すと、蜘蛛の子を散らしたようにみんな逃げてしまう。ティトとは一体何物?この頃のウィンストンの白いタキシードは、酔っ払って寝こんだりトラックにもひかれたりしたから、もう薄汚れている。それに並行して、ウィンストンのタラを捜し求める懸命さはますます大きくなっている。決して恐がって逃げようとはしないのだ。

 やっとタラの監禁場所がわかった。場末のホテルに 3000 ドルで売られて監禁され、ファット・ジャックという男が、売り渡す前にタラの「味見」をしようとしているのだ。そこに急行するのに、ウィンストンは手に入れていた 1500 ドル(実際はズルされて 1400 ドル)を有効に使う。先ず、走っていたピックアップのおじさんにお札を上げて、乗せてもらう。(現場に着いたら、怖がって、待ってくれずに走り去ってしまったけれども。)途中ヒスパニック系の中年男性にお札を上げて、白いタキシードとその男の黒いシャツとを交換してもらう。また、街頭にいた若い男にもお札を上げて、ジーンズとブーツを譲ってもらう。ライターのおもちゃの拳銃も買う。こうして、ウィンストンはだんだん逞しく実行力のある男に変身していく。

 場末のホテルに着いた。4階のタラのいる部屋にファット・ジャックが辿りつく前に、ウィンストンは非常階段から登って先回り。すると、なんとタラは白いブラとパンティだけにされて、ベッドのヘッドボードに手錠で繋がれている。女性のそんな格好は見たこともないのでうぶなウィンストンは顔を赤くするが、そんな場合ではない。ウィンストンは今や黒シャツにジーンズとブーツという男らしい出で立ち。これもカッコいい。タラは「やっと来てくれたのねェ」と言ってくれたのだ。俄然勇気の出たウィンストンはファット・ジャックと扉の体当たりごっこをして勝つ。タラはそんなウィンストンを逞しく思う。

 タラの手錠のカギが外れないので、ベッドのヘッドボードの部分を分解するしかない。ウィンストンはベッドの下に潜り込んでねじを外す。そうしている間に、タラはビニールの黒いミニスカートとタンクトップというありあわせの服をどうにか身に着けている。二人とも一晩の間に姿からして変わった。ベッドのヘッドの格子ごと階段を降りてくるタラたちに、ホテルのフロントのおやじが追いかけてくる。二人は逃げる。逃げた路地にティトを先頭に、コワーイ連中が待っていた。

 ティトはイタリア系のマフィアの小物のようだ。「俺をアホだと?殺てまえ!」とティトに言われて危機一髪、盗まれた赤いムスタングが走ってきた。おもちゃの拳銃が役立った。二人はタラのベッドのヘッドの格子ごとムスタングに飛び乗って逃走する。後ろにはティトたち追っ手が迫ってくる。でも、「成長」したウィンストンはもうドジではない。すごいドライヴィング・テクニックで車を飛ばし、うまく隠れて追っ手をまいた。

 そして二人はタラの友人リサの家に来ている。タラは警察にいる父親に「夕べはリサの家に泊まったけど、留守電聞いてくれたわよね?」と電話をかける。そしてその後に自宅に留守電を入れて証拠の捏造をするちゃっかりやさん。手錠は外れないから、そうしている間もウィンストンは格子を金属のこぎりで切っている。そこにタラの父親が車で迎えにきた。玄関に姿を現したタラは左手をドアの陰に隠して父親に愛想笑いをしている。その間もウィンストンは格子をのこぎりで切っているのだ。そして遂に切れた!手錠は手首についたままだが、やっとお荷物から解放。

 タラは、昨夜まであんなにウィンストンをドジでカッコ悪い男の子だと馬鹿にしていたのが、180 度変わってしまった。こわい夜の場末の街を、タラを見捨てず、捜しまわって、格闘して、無事に連れて帰ってくれたのだから。タラはウィンストンと抱き合ってめでたしめでたし。・・・というたわいもないお話ですが、綺麗なキアヌ・リーヴスを見ているだけでも十分楽しめます。結局、18 歳の青年が一晩で命を賭けて大人になっていく過程と、その変化に惚れなおした鼻の高かった女の子の心理を描写した恋愛コメディです。

 主題歌を歌うジョージ・クリントンは、現在のヒップホップ界に大きく影響を与えたスタジオ作業のパイオニア的存在で、 1997 年にロックの殿堂入りを果した。『 ロミオ・マスト・ダイ (2000) ROMEO MUST DIE 』や『 チャーリーズ・エンジェル (2000) CHARLIE'S ANGELS 』等にも曲を提供している。

(■解説とネタばれ:2003/02/09アップ ◆俳優についてリンク更新:2003/10/01)
以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず5212文字/文責:幸田幸
coda_sati@hotmail.com
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