インソムニア
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インソムニア (2002)
INSOMNIA
 映画『 インソムニア (2002) INSOMNIA 』をレヴュー紹介します。

 映画『 インソムニア INSOMNIA 』を以下に目次的に紹介する。
■映画『 インソムニア INSOMNIA 』のポスター、予告編および映画データ
■映画『 インソムニア INSOMNIA 』の解説
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 インソムニア INSOMNIA 』の主なスタッフ
■映画『 インソムニア INSOMNIA 』の主なキャスト
■映画『 インソムニア INSOMNIA 』のトリビア
■映画『 インソムニア INSOMNIA 』のスタッフとキャスト
■映画『 インソムニア INSOMNIA 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 インソムニア 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 インソムニア (2002) INSOMNIA 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 インソムニア INSOMNIA 』の結末
■映画『 インソムニア INSOMNIA 』の更新記録

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幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 インソムニア (2002) INSOMNIA 』のポスター、予告編および映画データ
インソムニア
インソムニア
Links:  Official Web Site
Trailers:
上映時間 Runtime: 1:59
製作国 Country: アメリカ USA
製作会社
Production Company:
Alcon Entertainment [us]
Insomnia Productions [us]
Section Eight Ltd. [us]
Summit Entertainment
Witt/Thomas Productions [us]
全米配給会社 Distributer: Warner Bros. [us]
全米初公開 Release Date: 2002/05/24
日本初公開 R. D. in Japan: 2002/09/07
日本公開情報 : 日本ヘラルド映画
ジャンル Genre: 犯罪/ドラマ/スリラー
Crime / Drama / Thriller
MPAA Rating 指定: Argentina:13 / Australia:M / Canada:14A / Finland:K-15 / Germany:16 / Hong Kong:IIB / Netherlands:12 / New Zealand:R16 / Peru:14 / Norway:15 / Sweden:15 / Singapore:NC-16 / South Korea:15 / Spain:13 / Switzerland:14 / UK:15 / USA:R
日本語公式サイト
http://www.insomnia-movie.jp/
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 インソムニア (2002) INSOMNIA 』の解説

 犯罪による不眠症の恐怖を描くこの映画『 インソムニア 』は、『 バットマン ビギンズ (2005) BATMAN BEGINS 』のクリストファー・ノーラン監督、ジョージ・クルーニーやスティーヴン・ソダーバーグらがプロデューサー、オスカー俳優・女優のアル・パチーノ 、ロビン・ウィリアムズ、ヒラリー・スワンクらが出演という豪華なサスペンス。
 『 インソムニア 』は同名「インソムニア」のノルウェー Norway 映画『 Insomnia (1997) (日本未公開)』のリメイクである。前作の北欧も、今回のアラスカという地も、白夜を生かしたスリリングな心理展開が見もの。少女殺しの犯人と、誤射を目撃されてゆすられる刑事との心理の駆け引きがサスペンスを盛り上げる。事件を解決するには不眠症“インソムニア”に打ち勝って精神状態を正常にしておかねばならない・・・。

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■映画『 インソムニア (2002) INSOMNIA 』の主なスタッフ

○『 インソムニア 』の製作総指揮: ジョージ・クルーニー
フェティッシュ (1996) CURDLED 』(uncredited)
シン・レッド・ライン (1998) THE THIN RED LINE
オーシャンズ11 (2001) OCEAN'S ELEVEN
ウェルカム トゥ コリンウッド (2002) WELCOME TO COLLINWOOD
ソラリス (2002) SOLARIS
コンフェッション (2002) CONFESSIONS OF A DANGEROUS MIND 』(監督)
ディボース・ショウ (2003) INTOLERABLE CRUELTY
オーシャンズ12 (2004) OCEAN'S TWELVE 』等

○『 インソムニア 』の製作総指揮: スティーヴン・ソダーバーグ
『 セックスと嘘とビデオテープ (1989) SEX, LIES AND VIDEOTAPE 』< 1989 年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞、 1990 年アカデミー脚本賞ノミネート>
エリン・ブロコビッチ (2000) ERIN BROCKOVICH 』<2001年アカデミー監督賞ノミネート>
『 トラフィック (2000) TRAFFIC 』<2001年アカデミー監督賞受賞>
オーシャンズ11 (2001) OCEAN'S ELEVEN
ウェルカム トゥ コリンウッド (2002) WELCOME TO COLLINWOOD
エデンより彼方に (2002) FAR FROM HEAVEN
コンフェッション (2002) CONFESSIONS OF A DANGEROUS MIND
フル・フロンタル (2002) FULL FRONTAL
ソラリス (2002) SOLARIS
オーシャンズ12 (2004) OCEAN'S TWELVE
愛の神、エロス (2004) EROS 』等

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■映画『 インソムニア (2002) INSOMNIA 』の主なキャスト

●アル・パチーノ as ウィル・ドーマー刑事@インソムニア
ゴッドファーザー (1972) THE GODFATHER 』シリーズ
セント・オブ・ウーマン/夢の香り (1992) SCENT OF A WOMAN 』< 1993 年アカデミー主演男優賞受賞>
シモーヌ (2002) SIMONE/S1M0NE
リクルート (2003) THE RECRUIT
ジーリ (2003) GIGLI
ヴェニスの商人 (2004) THE MERCHANT OF VENICE
トゥー・フォー・ザ・マネー (2005) TWO FOR THE MONEY

●ロビン・ウィリアムズ as ウォルター・フィンチ@インソムニア
レナードの朝 (1990) AWAKENINGS
『 グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち (1997) Good Will Hunting 』< 1997 年アカデミー助演男優賞受賞>
パッチ・アダムス (1998) PATCH ADAMS
ストーカー (2002) ONE HOUR PHOTO
デス・トゥ・スムーチー (2002) DEATH TO SMOOCHY
ロボッツ (2005) ROBOTS
NOEL ノエル (2004) NOEL

●ヒラリー・スワンク as エリー・バー刑事@インソムニア
『 ボーイズ・ドント・クライ (1999) Boys Don't Cry 』< 1999 年アカデミー主演女優賞受賞>
ギフト (2000) THE GIFT
マリー・アントワネットの首飾り (2001) THE AFFAIR OF THE NECKLACE
ザ・コア (2003) THE CORE
ミリオンダラー・ベイビー (2004) MILLION DOLLAR BABY 』< 2004 年アカデミー主演女優賞受賞>

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■映画『 インソムニア (2002) INSOMNIA 』のトリビア

 不眠症“インソムニア”の話は
タクシードライバー (1976) TAXI DRIVER
舞台よりすてきな生活 (2000) HOW TO KILL YOUR NEIGHBOR'S DOG
タイムライン (2003) TIMELINE
マシニスト (2004) THE MACHINIST 』等にもある。
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【『 インソムニア 』のスタッフとキャスト】
監督: クリストファー・ノーラン Christopher Nolan (Directed by)
製作: ブロデリック・ジョンソン Broderick Johnson (producer)
    ポール・ジャンガー・ウィット Paul Junger Witt (producer)
    アンドリュー・A・コソーヴ Andrew A. Kosove (producer)
    エドワード・マクドネル Edward McDonnell (producer)
    エマ・トーマス Emma Thomas (co-producer)
    ベン・コスグローヴ Ben Cosgrove (associate producer)
製作総指揮: ジョージ・クルーニー George Clooney (executive producer)
    キム・ロス Kim Roth (executive producer)
    チャールズ・J・D・シュリッセル Charles J.D. Schlissel (executive producer)
    スティーヴン・ソダーバーグ Steven Soderbergh (executive producer)
    トニー・トーマス Tony Thomas (executive producer)
脚本: ヒラリー・セイツ Hillary Seitz (screenplay)
オリジナル脚本: ニコライ・フロベニアス Nikolaj Frobenius (1997 screenplay)
    エーリク・ショルビャルグ Erik Skjoldbjarg (1997 screenplay)
撮影: ウォーリー・フィスター Wally Pfister (Cinematography by)
編集: ドディ・ドーン Dody Dorn (Film Editing by)
音楽: デヴィッド・ジュリアン David Julyan (Original Music by)

出演: アル・パチーノ Al Pacino as Detective Will Dormer ウィル・ドーマー刑事
    マーティン・ドノヴァン Martin Donovan as Detective Hap Eckhart ハップ・エクハート刑事
    ロビン・ウィリアムズ Robin Williams as Walter Finch ウォルター・フィンチ
    ヒラリー・スワンク Hilary Swank as Detective Ellie Burr エリー・バー刑事
    ニッキー・カット Nicky Katt as Fred Duggar フレッド・ダガー
    ポール・ドゥーリイ Paul Dooley as Chief Charlie Nyback チャールズ・ニューバック
    ジェイ・ブラゾー Jay Brazeau as Francis フランシス
    モーラ・ティアニー Maura Tierney as Rachel Clement レイチェル・クレメント
    クリスタル・ロウ Crystal Lowe as Kay Connell ケイ・コネル
    ジョナサン・ジャクソン Jonathan Jackson as Randy Stetz ランディ・ステッツ
    キャサリン・イザベル Katharine Isabelle as Tanya Francke タニヤ・フランケ
    モーラ・ティアニー Maura Tierney as Rachel Clement レイチェル
    ポーラ・ショー Paula Shaw as Coroner 監察医

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ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 インソムニア (2002) INSOMNIA 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー

【インソムニア 第01段落】  寒々とした米国アラスカの山間を小型機が飛んでいる。乗っているのはLAPD(ロサンゼルス市警)から派遣された二人の刑事だ。ウィル・ドーマー刑事(アル・パチーノ)とハップ・エクハート刑事(マーティン・ドノヴァン:
16歳の合衆国 (2003) THE UNITED STATES OF LELAND
エージェント・コーディ (2003) AGENT CODY BANKS 』)の二人である。

【インソムニア 第02段落】  アラスカのナイトミュート Nightmute, Alaska という小さな町で 17 歳の少女ケイ・コネル(クリスタル・ロウ:『 アイ・スパイ (2002) I SPY 』)の撲殺死体が見つかった。この事件を解明するためにLAPDの二人の刑事が送られたのである。ロサンゼルスからどうしてアラスカというそんな遠隔地に行くのかというと、ウィル・ドーマー刑事は LAPD の殺人課で伝説ともなっているベテラン刑事だからだ。それと、もう一つ、二人はLAPDの内務調査に引っかかっている問題を抱えている身だからである。

【インソムニア 第03段落】  ナイトミュートという水辺の町のちっぽけな船着場に小型機は着水した。夏だというのに冷え冷えとしている。地元警察の若い女性刑事エリー・バー(ヒラリー・スワンク)が大都会から来た二人の刑事を出迎えた。警察学校で‘伝説の刑事’ウィル・ドーマーが扱って解決した諸々の事件を勉強したという女性刑事エリーは、本物のウィル・ドーマー刑事と対面して感激する。熱心な若い女性刑事で、ここの警察では頑張り屋さんとして観られている。

【インソムニア 第04段落】  刑事エリーは迎えた車で宿まで先ず送ろうとすると、すぐに警察へ向かってくれと刑事ウィルは言う。さすが敏腕刑事である。そして監察医(ポーラ・ショー:『 フレディVSジェイソン (2003) FREDDY VS. JASON 』)に検死されている被害者ケイ・コネルの遺体を調べた。地元の警官はもう調査書に全て記入してありますからと文句がありそうだが、やはり見所が違うのだ。惨い打撲は顔面が中心。爪が手足ともハサミで切られている。髪の毛が洗われている。犯人は通り魔とか異常者でははくて、被害者をよく知っている者、だから犯人と分かる痕跡を一切なくしていること。でも、それ以前の打撲も認められる。

【インソムニア 第05段落】  少女の家にも赴いて、部屋の持ち物を調べる。すると、 17 歳の‘田舎娘’が持つには不釣り合いの高価な品々があった。ブランド品のドレス、ティファニーのネックレス。ボーイフレンドがいたそうなので、すぐに高校まで事情聴取に行こうとする。すると顔を見合わせる刑事エリーと地元の警官。もう夜の十時なのだった。今はアラスカは夏で、いわゆる「白夜」。太陽は夜になっても沈まないわけだ。「白夜」を初めて実感して、しょうがないな、と二人の刑事はロッジ風のホテルへ落ち着いた。

【インソムニア 第06段落】  ホテルのレストランのバーで食事しようと、 LAPD の二人の刑事はやっと腰をかけた。そして話すのは、 LAPD での内務調査の件だ。署内で告発があって、ちょっとした悪事の見逃しの件で若い方のハップ・エクハート刑事が呼び出しを食らい、取引されて、上司ウィル・ドーマー刑事を‘売る’という形になりつつあるらしい。後で判明するが、ウィル・ドーマー刑事は過去にある凶悪犯を逮捕して、絶対に真犯人だと確信していた。でも証拠がないので証拠を捏造して有罪にさせたという経緯である。その件でハップ・エクハート刑事がウィル・ドーマー刑事のでっち上げた事を上層部に話すということになっているのだ。ウィルは食欲がなくなって部屋へ戻ってしまう。

【インソムニア 第07段落】  翌朝、被害者のボーイフレンドの事情聴取に、 LAPD の二人の刑事と女性刑事エリーは高校まで向かった。ランディ・ステッツ(ジョナサン・ジャクソン:
エバーラスティング 時をさまようタック (2002) TUCK EVERLASTING
ダンシング・ハバナ (2004) DIRTY DANCING: HAVANA NIGHTS 』)という青年が、被害者ケイ・コネルのカレシだった。ランディの横暴とした態度に、刑事ウィルは凄みを利かせて脅かす。ケイをさんざん殴っていたこと、どうして殴るかというと、誰か他に男がいて隠しているからだということまで嗅ぎつけた。こういう虐待の激しい男なので、第一容疑者になる。

【インソムニア 第08段落】  ナイトミュート警察の署長チャールズ・ニューバック(ポール・ドゥーリイ:『 プリティ・ブライド (1999) RUNAWAY BRIDE 』)の指揮の下、刑事達は捜査をしている。すると、被害者ケイ・コネルのバッグが見つかった。中には、日記や本があるが、手掛かりがありそうもない。そこで、刑事ウィルは地元の放送局にすぐにこういうニュースを流させろと刑事エリーに手配する。「被害者ケイ・コネルのバッグを捜査中だ」と。そうすれば真犯人がバッグを取りに戻ってくる筈だからだ。勿論、バッグの中身は別の品々と交換して。

【インソムニア 第09段落】  靄(もや)だか霧だか、真っ白に辺り一面を覆い隠している。水際の小屋の近くで刑事達は岩に隠れて犯人を待ち伏せている。その小屋で少女のバッグが見つかったのだ。ハップ・エクハート刑事はちょっと別の方向に移動していった。暫くすると怪しい人影が。追うと地元の警官が一人撃たれた。命は別状ない。そして刑事ウィルは追うと、小屋の下は川が流れて逃げられるようになっていた。この辺りは昔、鉱山で、そういうトンネル状の所が多いらしい。犯人はそこから逃走した。

【インソムニア 第10段落】  刑事ウィルは真っ白の霧の中を銃を構えてそろりそろりと緊張して追う。すると、人影。刑事ウィルは撃った。しかし、それは犯人ではなくて、同僚のハップ・エクハート刑事なのだった。胸を撃たれて倒れたハップは、でも、しっかりと「あなたが撃った。内務調査で話さないように撃ったのですね。」と恨んで死んでいった。刑事ウィルは誤射に途方に暮れて、それでも、「もう一人撃たれた〜」と叫んで周囲の刑事達に知らせる。そして落ちていた犯人の拳銃を拾って、自分の服の中に隠した。犯人はどっちへ逃げていきましたかという仲間に、あっちだ、とごまかしさえ言ってのける。もう真相を告白できるタイミングは逃してしまった。

【インソムニア 第11段落】  ホテルで寝ようとしても、血や刑事ハップの顔が浮かんできて寝付けない。白夜だから明るいから余計に寝られない。そうして苦しんでいるところへ、枕元の電話が鳴った。「見たのですよ。」というゆすりの電話だった。「私もこの地に来た頃には眠れなくて困った。あなたも眠れないでしょ」と、まるで刑事ウィルの不眠症“インソムニア”が見えているかのような口ぶり。中年の男性のようだ。同僚を撃って死なせてしまった現場を確かに目撃したその男の存在を、刑事ウィルは恐ろしがる。

【インソムニア 第12段落】  殺された少女ケイ・コネルの虐待の激しいカレシ、ランディは、ケイとずっと親友だったタニヤ・フランケ(キャサリン・イザベル:
フレディVSジェイソン (2003) FREDDY VS. JASON
ホステージ (2005) HOSTAGE 』)と最近つきあっている。少女ケイの葬式でも泣かないそのタニヤ・フランケを、刑事ウィルは帰途のドライブに誘って連れ出した。そして実際はちっとも親友同士でなくて、ケイを裏切ってランディといい仲になっていたことや、ケイにはやはり陰に大人の男性がいたことを突き止めた。

【インソムニア 第13段落】  そして、ケイの遺留品の中の本から、アラスカに在住の小説家ウォルター・フィンチだと察しがついた。電話でゆすってきたのはその男に違いない。ナイトミュート警察の刑事エリーたちには黙って、刑事ウィルは少し離れた別の町のウォルター・フィンチの住まいへ独りで向かう。不眠症“インソムニア”が続いているので、道路を走らせていても朦朧となってくる。イライラも激しい。この映画ではアラスカは明るい爽やかな光景は全然見られなくて、寒々と、雨がしとしと、どんより、という暗〜いイメージだった。

【インソムニア 第14段落】  刑事ウィルは小説家ウォルター・フィンチのアパートに忍び込んで(ワンちゃんが二匹もいるのに侵入者に吠えない!)、写真で顔(ロビン・ウィリアムズ)が分かった。するとウォルター・フィンチは帰宅、でも感づいて逃走。追いかけているうちに、丸太の群れから刑事ウィルは水中に落下して危ない目に遭う。びしょ濡れになり、再度、ウォルター・フィンチのアパートに戻る。そして、あの霧の現場で拾った拳銃を通風孔の中に隠し入れた。そして、刑事ハップの遺体から監察医が取り出した弾と、この拳銃の弾とを差し替えて鑑識に回した。そうすれば自分が撃ったのではない、犯人はこの男、と言えるから。

【インソムニア 第15段落】  ウォルター・フィンチから連絡が入り、翌朝の連絡船の中で刑事ウィルとフィンチは対面した。フィンチが少女ケイを殺した訳はこうだった。少女は小説家に憧れて色々相談しに来ているうちに、中年男フィンチは若いケイにキスして‘その気’になってしまった。それを嘲笑されたので、それまで尊敬される立場だったのが大笑いされて頭にきて殴り殺したと。フィンチが言うには、あなたが同僚を撃ち殺したのを黙っていてあげるから、私が少女ケイを殺したのを見逃せということ。温厚そうに見える中年男がヤワに言うけれど、これって怖いゆすりである。そして、フィンチは下船してから、テープに吹き込んだことを知らせるのだ。油断できない男、ジワジワっと脅しをかけてくる男をロビン・ウィリアムズは巧みに演じる。一方、不眠症“インソムニア”が何日も続いて理論的に考えられなくなっている苦しい立場をアル・パチーノが名演する。

【インソムニア 第16段落】  警察で参考人として軽い事情聴取を受けることになったウォルター・フィンチ。その小説家は、文章を書くのが好きな少女ケイが自分に憧れて、何でも相談していたという関係だと話す。そして、ボーイフレンドから暴力を受けていたと聞いているとも話す。そうやってボーイフレンドのランディ・ステッツを犯人に仕立てていくという作戦は、刑事ウィルとウォルター・フィンチとで打ち合わせたことだった。そうしてランディ・ステッツ青年は身柄を拘束された。これで事件は解決、刑事ウィルは明日、ロサンゼルスに戻れる、ということになる。

【インソムニア 第17段落】  しかし、やる気十分の女性刑事エリーは何かしっくりと来ない。ウィル・ドーマー刑事からは、何でも小さな事からきっちりと調べろと勉強させてもらっているし。そこで、刑事エリーは独りで、ハップ・エクハート刑事の射殺された現場に戻ってみた。すると岩場から薬莢(やっきょう)が見つかる。それは地元警察の拳銃のものではなかった。ということは、都会LAから来ているあのウィル・ドーマー刑事の拳銃のもの・・・。不安に駆られる刑事エリーは、警察学校当時のレポートを読み返す。そこに書いてあるウィル・ドーマー刑事の拳銃は、その種類だった。刑事ウィルと抱き合って明日の別れを惜しむ格好をして背中を探る。すると、その拳銃の形だ。暗い表情の刑事エリー。

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !

【インソムニア 第18段落】  心配事が片付いてホッとしたウィルは、ホテルで今夜こそ眠ろうとする。窓にはブラインドを通して差し込む日の光を遮断したくて物をいっぱいつむ。そしたら他の客がうるさいと言っていると、ホテルのフロントの女性レイチェル(モーラ・ティアニー)が伝えに来た。この時、ウィルは警察の内務調査の経緯を彼女に語る。そして同僚刑事をその為に故意に撃ったのか自分でも分からなくなっている。それに、良心の呵責に耐え切れなくなっている。不眠症“インソムニア”は深刻だ。そんな刑事ウィルを、レイチェルはこう言って力づけるのだ。「アラスカには二種類の人がいる。ここで生まれ育った人と、よそから何かワケありで逃げてきた人。私は後者。」と。自分の言動は自分で解決しなさいと仄めかしているようだ。

【インソムニア 第19段落】  翌朝、女性刑事エリーは単独で、ウォルター・フィンチの別の小屋に車を走らせていた。ウォルター・フィンチが、少女ケイからの手紙を参考に見せてあげると言っておびき寄せたと思われる。真相を知りたいと思っている刑事エリーは、フィンチに招き入れられて小屋に入った。すると突然、フィンチは凶暴性を発揮して刑事エリーを殴り倒す。そこに、虫の知らせで心配した刑事ウィルが到着した。ウィルとフィンチは激しい口論をする。そのやり取りは、意識を回復したエリーに聞こえた。

【インソムニア 第20段落】  少女ケイを撲殺したのはウォルター・フィンチ、同僚刑事ハップ・エクハートを誤射してしまったのは刑事ウィル、そしてウィルはフィンチにゆすられていたということ。全てが分かった。ここからフィンチとウィルは撃ち合いになり、フィンチはライフルまで取り出して撃ってくる。刑事エリーに援護射撃をしてもらい、ウィルは向こうの小屋のフィンチの方へ水中から進む。そしてまた撃ち合いになり、フィンチとウィルは相撃ちで倒れた。フィンチは死んで水中へ。そしてウィルは力なく、エリーのほうへ向かって倒れ込む。証拠品として持っているウィルの拳銃の薬莢を投げ捨ててしまおうとするエリーを、ウィルは止める。最期は正義を残して死ぬ先達ウィル・ドーマー刑事であった・・・。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず5713文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      公式サイト(英語版)
       http://insomniamovie.warnerbros.com/
■映画『 インソムニア (2002) INSOMNIA 』の更新記録
2005/03/13新規: ファイル作成
2005/03/16更新: ◆<もっと詳しく>追記
2005/04/02更新: ◆データ追加
2006/06/15更新: ◆リンク追加
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幸田 幸
coda_sati@hotmail.com
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