Kissingジェシカ
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Kissingジェシカ (2001)
KISSING JESSICA STEIN
 映画『 Kissingジェシカ (2001) KISSING JESSICA STEIN 』をレヴュー紹介します。

 映画『 Kissingジェシカ KISSING JESSICA STEIN 』を以下に目次的に紹介する。
■映画『 Kissingジェシカ KISSING JESSICA STEIN 』の解説及びポスター、予告編
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 Kissingジェシカ KISSING JESSICA STEIN 』の映画データ
■映画『 Kissingジェシカ KISSING JESSICA STEIN 』の主なスタッフ
■映画『 Kissingジェシカ KISSING JESSICA STEIN 』のスタッフとキャスト
■映画『 Kissingジェシカ KISSING JESSICA STEIN 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 Kissingジェシカ 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 Kissingジェシカ KISSING JESSICA STEIN 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 Kissingジェシカ KISSING JESSICA STEIN 』の結末
■映画『 Kissingジェシカ KISSING JESSICA STEIN 』の更新記録

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幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 Kissingジェシカ KISSING JESSICA STEIN 』の解説及びポスター、予告編
Kissingジェシカ
Kissingジェシカ

Links:  Official Web Site
Trailers:  Quick Time 16.6Mb

■映画『 Kissingジェシカ KISSING JESSICA STEIN 』の解説

 映画『 Kissingジェシカ (2001) KISSING JESSICA STEIN 』の感想は「ウーン、大変な映画観ちゃった…」。一応レズビアンっぽい映画。でも、スゴク明るくて、軽いタッチの都会の一種のラブコメと言ってもいいかもしれない。それに登場人物がみんな善人。だから『 Kissingジェシカ 』は嫌味がなく、こういうこともありうるのかなァなんて思わせる。『 Kissingジェシカ 』監督のチャールズ・ハーマン=ワームフェルドはこの映画が劇場用映画のデビューであり、ハリウッドのメジャー作品とは縁遠いマイナー作品であるにも拘わらず、観客受けに成功した。それは『 Kissingジェシカ 』が、 2001年のロサンゼルス映画祭で審査員特別賞と観客賞を受賞・マイアミ映画祭で観客賞を受賞・ルイビル・ユダヤ映画祭で最優秀賞を受賞・トロント映画祭正式出品・シカゴ映画祭正式出品という快挙を見れば明らか。
 『 Kissingジェシカ 』主演二人の女優はこの作品の共同製作もして脚本も書いている実力派だ。非常に個性的なヘレンとちょっとドジなジェシカの組み合わせ。そこに同僚や家族が関わって、驚きながらも二人を見守っていく。決して非難しない。
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 Kissingジェシカ KISSING JESSICA STEIN 』の映画データ
 上映時間:97分
 製作国:アメリカ
 公開情報:FOX
 アメリカ初公開年月:2002年03月13日
 日本初公開年月:2003年02月 予定
 ジャンル:ロマンス/コメディ
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■映画『 Kissingジェシカ KISSING JESSICA STEIN 』の主なスタッフ
 二人の才能ある人材をご紹介しよう。共同製作・脚本・出演のジェニファー・ウェストフェルト(ジェシカ役)は、エール大学卒業後、演劇やミュージカルの舞台に携わった。その後、自身の舞台作品を創造したく思い、脚本家の新人養成所に参加する。そこで出会ったのが、同じく作家・女優であるヘザー・ジャーゲンセン(ヘレン役)。二人は意気投合し、『 Lipschtick 』という寸劇のシリーズものの脚本を書いた。寸劇は、ロマンティックな関係になる二人のストレートな女性の話。それを映画用の台本に押し進めたらよいと周囲に励まされ、台本が完成したが、映画化されなかった。それで更に二年間、改良を重ねた。二人は自分達の台本の映画化の権利を買い戻し、独立して資金を調達し、この『 KISSING JESSICA STEIN 』というタイトルで遂に映画を封切りできた。そして決定的に大成功。財政的にも元を十分取れた。女優業をしていない時は、相変わらず脚本を書き続けているという。
 なお、この映画でよく出てくる< straight >とは<まともな; ホモでない; レズでない;>ということ。
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【『 Kissingジェシカ KISSING JESSICA STEIN 』のスタッフとキャスト】
監督: チャールズ・ハーマン=ワームフェルド Charles Herman-Wurmfeld
製作: イーデン・H・ワームフェルド Eden H. Wurmfeld
    ブラッド・ザイオンズ Brad Zions
共同製作: ヘザー・ジャーゲンセン Heather Juergensen
    ジェニファー・ウェストフェルト Jennifer Westfeldt
脚本: ヘザー・ジャーゲンセン Heather Juergensen
    ジェニファー・ウェストフェルト Jennifer Westfeldt
撮影: ローレンス・シャー Lawrence Sher
音楽: マーセロ・ザーヴォス Marcelo Zarvos

出演: ジェニファー・ウェストフェルト Jennifer Westfeldt ジェシカ・スタイン
    ヘザー・ジャーゲンセン Heather Juergensen ヘレン・クーパー
    スコット・コーエン Scott Cohen ジョシュ
    トヴァ・フェルドシャー Tovah Feldshuh 母ジュディ・スタイン
    デヴィッド・アーロン・ベイカー David Aaron Baker 兄ダニー・スタイン
    エスター・ワームフェルド Esther Wurmfeld 祖母エスター
    ジャッキー・ホフマン Jackie Hoffman ジョーン
    マイケル・マストロ Michael Mastro マーティン
    カーソン・エルドロ Carson Elrod セバスチャン
    ジョン・ハム Jon Hamm チャールズ
    ロバート・アリ Robert Ari シドニー・スタイン
    ジェニファー・カータ Jennifer Carta 兄のフィアンセ、レイチェル
    ハイレル・フリードマン Hillel Friedman ラビ
    ベン・ウィーバー Ben Weber ラリー

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ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 Kissingジェシカ 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー
 私は日本公開前に字幕スーパーなしの英語で観たので、わかる範囲でレヴューします。映画データについては調査した時点と公開される時点で異なる場合があります。本作の内容については、語学力と経験・常識不足のため、間違いや勘違いや適切でない表現があるかもしれません。どうかご理解賜りますようお願いいたします。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。
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【Kissingジェシカ 第01段落】  ユダヤ教会の礼拝堂で。大勢の列席者に交ざって母、娘、祖母が並んでベンチ席に座っている。陽気な母ジュディ・スタイン(トヴァ・フェルドシャー)は、席の向こうにいる年頃の男性の噂をして娘ジェシカ(ジェニファー・ウェストフェルト)に聞かせている。そしてまた別の席の男性のことも身を乗り出して娘に聞かせている。元気でオチャメなエスターおばあちゃん(エスター・ワームフェルド)まで話の輪に加わってワイワイガヤガヤ。あまりの喧しさにかんしゃくを起こす娘ジェシカ。神聖で静寂な教会内は、牧師も列席者もビックリ。

【Kissingジェシカ 第02段落】  そう、ジェシカ・スタインはお年頃。というか、 28 歳になっているのだが、男性の縁がない。だから家族は必死で年頃の男性を探しているのだ。まあまあ美人だし、明るいし、知的で仕事もしっかりするが、どういう訳かいい男性に巡り合えない。実家とは離れて、ここニューヨークのマンハッタンのアパートで独り暮らす。趣味は絵を描く事。自室でキャンバスに向かい、セントラル・パークでジョギング。そして慌ただしく出勤。これが彼女の毎日のルーティンだ。セントラル・パークはニューヨークの象徴なのだろう。
セレンディピティ (2001) SERENDIPITY
タイムマシン (2002) THE TIME MACHINE 』のようなNYを舞台とする映画に頻繁に映し出される。

【Kissingジェシカ 第03段落】  勤務するのは新聞社ニューヨーク・トリビューン。ここのジャーナリストだ。上司ジョシュ(スコット・コーエン)は大学の頃、1年間だけ付き合ったことのある元カレ。記事の言葉のことで言い争ったり、今はちょっと刺々しい間柄。同僚のジョーン(ジャッキー・ホフマン)は妊娠してお腹がどんどん大きくなる。兄ダニー(デヴィッド・アーロン・ベイカー)からは電話で、恋人レイチェルに今日プロポーズすると興奮の報告。ジョーンの女優さんがダスティン・ホフマン<
レインマン (1988) RAIN MAN
ジャンヌ・ダルク (1999) JOAN OF ARC
ムーンライト・マイル (2002) MOONLIGHT MILE
コンフィデンス (2003) CONFIDENCE 』等出演>と同じ苗字で分かるように、この映画は殆どユダヤ系の人ばかり出演している。それで、冒頭の教会といい、劇中よく出てくる色々な会合やパーティ等、ユダヤ系の親族・友人・知人が独特の団結力でコミュニティを構成しているのが色濃く描かれている。

【Kissingジェシカ 第04段落】  周囲ではこうやっていろいろ進んでいくのに、自分は何の進歩もない。恋愛がうまく進まないのだ。そこで、自宅で本を読んで啓発され、恋人探しに暫くいそしむ事にする。連日、相手を変えて、数人と喫茶店でデートするが、どの男性もピンと来ないカスばっかり。シャレ過ぎの人、イヤらしい人、弱々しい人、演説ぶる人…。

【Kissingジェシカ 第05段落】  場面は変わって、画廊 SCHULLER GALLERY 。ここでテキパキとディレクターをしている個性的な顔立ちの女性ヘレン・クーパー(ヘザー・ジャーゲンセン)は、上司とも不倫しているし、自分より若そうな業者の黒人パンク青年とは、職場にも拘わらずすぐ関係する。そういう男遊びが派手で豊富なヘレンだが、内心は何か満足していない。

【Kissingジェシカ 第06段落】  金曜の夜、会社の連中はディナーを共にして週末を楽しむ。お腹の大きな分厚い眼鏡の同僚ジョーンに付き添われて、チャールズ(ジョン・ハム)という男性を誘って会社の面々と一緒にディナーをするが、ちょっといい感じかなぁと思ったチャールズは、何と独身ではなかった。またも運に見放されるジェシカ。同席だったジョシュには、生き方についてきつい事を言われてしょげ返る。チャールズに扮したジョン・ハムは
スペース カウボーイ (2000) SPACE COWBOYS 』端役ながら若きパイロットを演じていた。

【Kissingジェシカ 第07段落】  ある日、新聞の恋人募集欄で興味深い広告を見つける。「内気になるな。行動せよ。」という趣旨のリルケの詩を引用しており、それに惹かれたジェシカは、兎に角行動しなくちゃ、というノリで待ち合わせの喫茶店に向かう。しかし、待っていたのは女性ヘレンで、女性が女性を求めている、と気付いて恐れをなしてすぐ退出した。ヘレンは通りまで追いかけてきて、さかんに帰らせまいと言葉をかける。いわゆるレズなんて考えもしなかったジェシカは、そういう相手にお愛想笑いをして逃げ出そうと必死。ヘレンの方でも、気に入られようとして、なるべく淑やかに気を遣う女性を演じて引き止めに成功する。

【Kissingジェシカ 第08段落】  20 分だけ、と言われて喫茶店に舞い戻ったジェシカはワイン、ヘレンはカクテルを飲みながらぎごちなく会話をする。それも、お互いの席の離し方でも象徴されている。ジェシカは、訊きにくそうに、「男性とデートしたことあるんですか」とか、レズの人を距離を持って、つまり偏見で、見当がつかない感じで遠慮がちに尋ねたりする。タクシーには一緒に乗った。勿論、シーとでは端と端で座って。そしてまた、お互い作り笑いして口紅の話をする。三本持っているとか、このタイプの口紅ならあなたに似合うわとか。この喋りの「間(ま)」は、本当にぎごちなくて、別の世界の人間が仕方なく間をもたそうとしているように感じられた。この口紅だが、もしかしたら、二人の以前の寸劇の『 Lipschtick 』が表しているのかもしれない。綴りが変なので不明ではあるが、" Lipstick (口紅)"のことなのでは?ひょっとして、口紅はレズビアンを象徴する言葉?

【Kissingジェシカ 第09段落】  この後、インド料理店に二人は入ってナンの食事をする。その間も話し続けている。ジェシカはレズの人ってどんなかな、といった感じで依然として宇宙人を相手にしているように、恐る恐る質問している。すると、ヘレンは、気分によっていろいろ男性を変えて付き合っていると答える。だから、ヘレンも絶対的なレズではなくて、ある程度はストレートなのだ。そういうことをジェシカはだんだん分かってくる。ソフトクリームを頬張りながら歩道を行く頃には、大分二人の心理的距離は縮まったようだ。ケラケラ笑いまで出て打ち解けてきている。どうやら、普通の人間であるという当たり前のことがやっと理解し合えたようだ。それから幸福論に進むと、ちょっと議論して、唐突にヘレンがジェシカの口に熱いキスをする。

【Kissingジェシカ 第10段落】  翌朝、会社では、イヤにウキウキ、ハイなジェシカをジョシュも同僚も何事かと観察。また、ヘレンの方では、男と寝ながらジェシカに電話して、自宅に来るように誘っている。ウキウキのジェシカは、早速レズビアンの HOW TO SEX の本を買ってヘレンの所に来た。それを微笑ましくヘレンは見て、何もそんな変わったやり方は必要ないわ、男と同じようでいいのよ、と先輩っぽく言う。そしてジェシカの初めてのレズ体験が始まった。ソファにかしこまって座り、緊張した面持ちのジェシカを相手に、ヘレンは真面目くさってキスしたり、抱き合う練習したり。無機質的で、非常にコミカルだ。

【Kissingジェシカ 第11段落】  職場の画廊では、ヘレンは同僚にジェシカの素晴らしさを伝えている。ストレートな人だけど、嬉しい人が出来たと。一方、ジェシカもあれから生き生きして、オフィスでは皆で「男」ができたのだろうと噂の的になっている。また、丁度オフィスにヘレンを連れて寄った時、ジョシュに会って紹介する。でも、まさかこの女性がジェシカのカノジョだとは思いもよらない。

【Kissingジェシカ 第12段落】  二人の仲は順調によくなっていく。酒場で二人のさえない男性にナンパされた時も、喋りながら、ヘレンはテーブルクロスの下でジェシカの太腿の辺りをまさぐる。そして"感じ合った"二人は家に戻ってすぐに求め合う。また、ヘレンが風邪でダウンの時は、そばでジェシカがかいがいしく世話を焼いている。全く女同士の"夫婦"だ。

【Kissingジェシカ 第13段落】  兄の婚約パーティが間近い。兄ダニー役のデヴィッド・アーロン・ベイカーは
ニューヨークの恋人 (2001) KATE & LEOPOLD 』で第2スタジオの幹部をしていた人。ヘレンといういいお友達が出来たと知ったジェシカの母親は、そのパーティにヘレンを招待する。当日、兄ダニーとフィアンセのレイチェル(ジェニファー・カータ)はアツアツ。ここでもユダヤ家庭の一面が覗える。食事の前のお祈りもユダヤ式に。招待客は泊まらせてもらうことになり、ジェシカの子供時代に過ごした実家の部屋で二人は眠る。子供部屋のシングルベッドだから、二人が寝るのには狭すぎるので、母親はここでいいのかしらと遠慮がちだが、二人にとっては願ってもないこと。大喜びで抱き合って喜ぶ。このように、レズビアンのストーリーでも底抜けに明るくドライなので、"普通"の男女の恋人同士がそうやって嬉しがるのと勘違いしそうに健全っぽいのだ。レズは
抱擁 (2002) POSSESSION 』のヴィクトリア時代の女流詩人でも該当するが、そちらは陰湿なタイプ。(ただしグウィネス・パルトローがその役ではありません。)

【Kissingジェシカ 第14段落】  3ヶ月後。オフィスではジェシカは見違えるように生き生きと輝いている。スカートはミニだし、ヘアスタイルも活動的に変身。そんな頃、街角で仲良くしているジェシカとヘレンに同僚のジョーン(お腹の大きい人)がバッタリ遭遇し、様子から普通の友達でないことに気付く。どうやって知り合ったのかと訊き、自分としては保守的だから、止めなくてはならないと言う。また、ジェシカが母親と一緒にマンハッタンのウェディング専門店で兄の結婚式に着て行くドレスを仮縫いしているとき、たまたまヘレンが店の前を通りかかる。そして、母親は昼食を一緒にと誘うが、兄さんの結婚式が1週間後だとは全然話してくなかったとヘレンは憤慨する。恐らく、レズの相手だから結婚式まで列席はご遠慮してもらおうと、ジェシカは内心思っていたのではないかな。一方、ヘレンの方は、ジェシカにとって一番親密なヒトなのだから、招待されるのは当然だと期待していたのだろう。勿論、この時点で母親はヘレンとのそんな関係は知るすべもない。

【Kissingジェシカ 第15段落】  この感情の行き違いから、あんなにはしゃいで明るかったジェシカに変化が起きてきた。元気がない。それはヘレンも同じだった。ヘレンも沈みこみ、男に慰められている始末だ。画廊では、次のアーティスト特集になっており、絵画が趣味のジェシカの作品も出品されている。そこで、会社の元カレ、上司のジョシュはジェシカにお祝いの花束を持参で画廊に赴く。当然ジェシカはそこにいる筈なのに、いない。その頃、ジェシカはマンハッタンを離れ、実家の庭先のテラスで母と語り合っていた。悩み事に打ち沈んでいる様子の娘を母親は慰める。そして人生には完璧などないし、だからと言って物事に立ち向かわないと言うのもよくない、何事も勇気を持ってやってみること云々、しみじみと語り聞かせる。感極まったジェシカはヘレンとの本当のことを打ち明ける(カミング・アウトと言うのでしょうか)。母ジュディはそんな娘を愛しく肩を抱いて「あの子はいい子よ」と言ってくれる。嬉し泣きするジェシカ。・・・

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【Kissingジェシカ 第16段落】  喧嘩別れしたまま暫く会っていないヘレンの家に、ジェシカは兄の結婚式に出席して、とドレスを持って訪れる。ジェシカはこの日のためにラヴェンダー色のドレスを新調したので、用意する間がなかったヘレンを思いやってだろう、自分の黒いドレスを着てもらうのだ。そして兄の結婚パーティに急ぎ、ヘレンはスタイン家の親戚や知人たちに歓迎される。ヘレン役のヘザー・ジャーゲンセンは物凄く"個性的な"マスクなのだが(凡人から見たら)、この映画では綺麗な人と皆に褒められている。東洋人と西洋人の価値観の違い?

【Kissingジェシカ 第17段落】  職場の上司ジョシュはジェシカの十年前の彼氏だから、スタイン家には一応親しい間柄に当たる。で、当然、この結婚パーティにも招待されている。ジョシュは、ヘレンの存在がなかった時はジェシカのことをもう何とも思っていなかったが、ヘレンの出現で、ジェシカの変化に敏感になっていた。そしてその変化を探るうちに、メモ書きからヘレンとの間柄を何となく感付いている。でも責めたりしない。逆に、そんなジェシカが愛しく感じられるようになったのだ。そこで、このパーティの最中、ジェシカを屋上に誘って語り合う。肌の露出の大きいドレスのジェシカにスーツの上着をかけてやるくらい、恋人っぽくしっとりとなっている。

【Kissingジェシカ 第18段落】  「昨日、画廊で君の絵を見て感動した。でも君はいなかったね。僕は絵を見て幸せだったけれど、僕は君と一緒にいたいと思った。」こうジョシュは言って、十年ぶりにファースト・ネームで彼女に語りかける。普段はオフィスでは、苗字のスタインと呼んでいるのだ。そして二人はキス。これでこの物語は、こういうハッピーエンドなのかと思いきや……「明日一緒に食事をしよう」というジョシュに、「有難う。でも私、ヘレンといたいから。」と断る。ヘレンが屋上まで様子を見に上がってきて、ジェシカとヘレンと手を繋いで階段を降りていく後姿にガーン。びっくり当惑顔のジョシュ。こりゃ、ダメだわ…。

【Kissingジェシカ 第19段落】  明るいBGM。ジェシカとヘレンは二人で一緒に生活し始める。荷物も運んで新婚さんみたいに嬉しがる。早朝のセントラル・パークでジョギングするのも二人一緒。今まで運動していなかったヘレンは息切れしているけど。

【Kissingジェシカ 第20段落】  また3ヶ月後。ダブルベッドでジェシカを誘うヘレン。でもジェシカは読み物の方に夢中。つまらなそうなヘレン。(まるで男女のこういうシーンみたいで笑っちゃう。)ジェシカが絵を描くのに専念していると、ほっぽり出されたかのような顔のヘレン。また、ある時は、ヘレンはジェシカに満足していないのかと突然尋ねる。何故かと言うと、"その時"声を上げないからと。こうして、二人の生活はギクシャクとしたものに変化してきた。そして遂に、もう1ヶ月も"して"いないからと言って、機嫌を悪くしたヘレンは荷物をまとめて出ていく。ジェシカは、ルームメイトとかお友達のようにすればそれでいいのでは、と言って泣く。やはり、ヘレンよりストレートなジェシカは、レズばかりの生活は本当の自分の求めるものではなかったのだろう。ジェシカは元々本当のストレートだったのが、ヘレンの導き?である程度レズになったにすぎないから。セントラル・パークでジョギングするのもまた独りになった。

【Kissingジェシカ 第21段落】  全て経験して一皮向けたジェシカは、とっても快活。職場もやめたようだ。絵画の道を進んでいるみたい。個展?の案内のチラシを貼らせてもらいに書店に寄ると、あのジョシュと遭遇する。ジョシュはちょっときまり悪そうだが、ジェシカは堂々としていて、ヘレンとは別れたと話す。彼女はもう少しゲイな人を欲しているから、今はただの友達だと明るく話す。(この頃、ヘレンは新しい女性とベタベタ寝ている。)ジェシカの電話番号を訊くジョシュに、連絡ならEメールが一番いいわという彼女は、コンピュータ嫌いだった彼女ではなくなっている。全てが新しいジェシカ。進歩したジェシカ。颯爽と書店から走り出ていく。

【Kissingジェシカ 第22段落】  じゃ、ヘレンとは?そう、完全なる友達として、今でも街角で会ってお茶を飲んでいる。双方、それで納得済み。お互いのよさも悪さも知り尽くして出した結論は、自分に素直になって進めということ。いっぱい人生経験して、人間性に厚みを出せというメッセージだと思う。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず6744文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      公式サイト
       http://www.foxjapan.com/movies/kissingjessica/index.html
■映画『 Kissingジェシカ 』の更新記録
2002/12/30新規: ファイル作成
2004/12/29更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
2005/10/06更新: ◆追記
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幸田 幸
coda_sati@hotmail.com
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