レインマン
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レインマン (1988)
レインマン
レインマン
RAIN MAN

【解説】
 映画『 レインマン (1988) RAIN MAN 』は、 1988 年第 61 回アカデミー賞で作品賞・主演男優賞・監督賞・脚本賞、そして、ゴールデングローブ賞では作品賞と男優賞、 1989 年第 39 回ベルリン国際映画祭でも作品賞と数々の賞に輝く、バリー・レビンソン監督作品。『 レインマン 』で自閉症のレイモンドを演じるダスティン・ホフマンの演技は本当に素晴らしい。彼は自閉症の患者やその家族、研究者たちとかなりの時間を過ごし、『 レインマン 』の役作りに励んだという。
 ロサンゼルスで高級車のディーラーをしているチャーリー(トム・クルーズ)に、断絶していた父親の訃報が入る。遺産目当てに故郷のオハイオ州に戻ったチャーリーは、自閉症で精神病の施設にいる兄レインマンいやレイモンド(ダスティン・ホフマン)の存在を知る。遺産の 300 万ドルは全てレイモンドに遺されているのだ。チャーリーは遺産を手に入れるため、強引にレイモンドを施設から連れ出す…。『 レインマン 』は長く離れていた兄弟の心のふれあいと絆を描く、感動のロード・ムービーである。 

●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
■『 レインマン (1988) RAIN MAN 』のデータ
 上映時間 134分
 製作国 アメリカ
 公開情報 UA=UIP
 初公開年月 1989/02
 ジャンル ドラマ
 《米国コピーTagline》
【スタッフとキャスト】

監督: バリー・レヴィンソン Barry Levinson
製作: マーク・ジョンソン Mark Johnson
製作総指揮: ピーター・グーバー Peter Guber
    ジョン・ピーターズ Jon Peters
原作: バリー・モロー Barry Morrow
脚本: バリー・モロー Barry Morrow
    ロナルド・バス Ronald Bass
撮影: ジョン・シール John Seale
音楽: ハンス・ジマー Hans Zimmer
 
出演: ダスティン・ホフマン Dustin Hoffman レイモンド
    トム・クルーズ Tom Cruise チャーリー
    ヴァレリア・ゴリノ Valeria Golino スザンナ
    ジェリー・モレン Jerry Molen ブルナー医師
    ジャック・マードック Jack Murdock ジョン・ムーニー
    マイケル・D・ロバーツ Michael D. Roberts ヴァーン 
    ボニー・ハント Bonnie Hunt サリー
ネタばれ御注意!
 このレヴューは「テキストによる映画の再現」を目指して作文しています。よって、ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
<もっと詳しく>

 チャーリー・バビット(トム・クルーズ:『 アウトサイダー (1983) THE OUTSIDERS 』『 トップガン (1986) TOP GUN 』『 レインマン (1988) RAIN MAN 』『 ザ・ファーム/法律事務所 (1993) THE FIRM 』『 インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア (1994) INTERVIEW WITH THE VAMPIRE: THE VAMPIRE CHRONICLES 』『 ミッション:インポッシブル (1996) MISSION: IMPOSSIBLE 』『 マグノリア (1999) MAGNOLIA 』『 M:I−2 (2000) MISSION: IMPOSSIBLE 2 / M:I-2 』『 バニラ・スカイ (2001) VANILLA SKY 』『 オースティン・パワーズ ゴールドメンバー (2002) AUSTIN POWERS IN GOLDMEMBER 』『 マイノリティ・リポート (2002) MINORITY REPORT 』『 ラスト・サムライ (2003) THE LAST SAMURAI 』等)は、ロサンゼルスの高級車ディーラー。若く精力的で弁が立つチャーリーだが、事業はうまくいってはいない。イタリアから輸入したランボルギーニがEPA(環境保護局)による排ガス規制にひっかかり、資金繰りが上手くいかなくなってしまった。そんな時、彼は何年も交流を絶っていた父親が故郷のオハイオ州シンシナティで亡くなったという知らせを受ける。チャーリーは父の財産が気になったため故郷に戻るが、事実上 300 万ドルの遺産は、匿名の受益者のために信託にされていた。チャーリーには、父と息子の断絶の原因となった 1949 年製のビュイック・ロードマスター・コンバーチブル一台と、バラの木一本しか遺されていないというのに。

 物心のつく前に母親が亡くなってから、愛情表現の下手な父親とチャーリーの間には溝ができた。 16 歳のとき、珍しく成績が良かったチャーリーは、ご褒美として父が大切にしている 1949 年製ビュイック・ロードマスター・コンバーチブルに乗せて欲しいと頼むが、父はこれを拒絶。しかし、チャーリーは勝手に友人と一緒に車に乗り、高速で警察に捕まってしまう。友人の親はすぐに警察に迎えに来たが、チャーリーの父親は2日間彼を警察に拘留させたままでいた。このことが原因でチャーリーは家を出る。それからいくら父親が接触しようとしてもチャーリーは無視し続け、現在にいたるのである。

 その受益者が誰であるかを調べるうちに、チャーリーはその人物が故郷の家の近くにある精神病施設に暮らしていることを知る。ガールフレンドのスザンナ(ヴァレリア・ゴリノ)と一緒にこの施設を訪れたとき、チャーリーは信じられない発見をする。その受益者はレイモンド・バビット(ダスティン・ホフマン:『 卒業 (1967) THE GRADUATE 』『 パピヨン (1973) PAPILLON 』『 クレイマー、クレイマー (1979) KRAMER VS. KRAMER 』『 トッツィー (1982) TOOTSIE 』『 レインマン (1988) RAIN MAN 』『 ファミリービジネス (1989) FAMILY BUSINESS 』『 フック (1991) HOOK 』『 アウトブレイク (1995) OUTBREAK 』『 ジャンヌ・ダルク (1999) JOAN OF ARC / THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC 』『 ムーンライト・マイル (2002) MOONLIGHT MILE 』『 コンフィデンス (2003) CONFIDENCE 』『 ランナウェイ・ジュリィ (原題) (2003) RUNAWAY JURY 』等)という自閉症の男で、しかも彼はチャーリーの兄だったのだ。チャーリーは自分に兄がいるとは知らなかった。それもこんなに年の離れた…。というのは、父親がそのことを一度も話したことがなかったからだ。

 初めて事実を知って混乱し怒るチャーリーだが、遺産の 300 万ドルを手に入れるためにレイモンドを一緒に連れて戻ることにする。そしてレイモンドを半ば強引に施設から連れ出す。ロサンゼルスに戻る道中、レイモンドが自閉症の症状による変わった行動をするので、チャーリーは気が狂いそうだ。空港でレイモンドは驚くべき記憶力で過去の飛行機事故を次々に挙げ、飛行機に乗ることをかたくなに拒否したため、車で帰ることになる。旅の間に、辛い記憶ばかりの幼年時代に唯一安らぎをくれる存在だった不思議な友達<レインマン>がレイモンドであることをチャーリーは知る。幼かったチャーリーは、レイモンドという名前をレインマンと聞き間違って発音していたのだ。レイモンドが精神病院に入れられるようになったのは、幼いチャーリーに危害を加えるかもしれないと思われたからだった。兄と弟の長い間の隔絶は、家族の自分に対する愛情からだと理解したチャーリーの気持ちは変化し、彼はあるがままの兄を受け入れ愛するようになっていく。

 ロサンゼルスへの帰りに寄ったラスベガスで、レイモンドの特殊能力を生かして一儲けしようとチャーリーは考える。レイモンドは数字に強く、物凄い記憶力を持っていた。トランプの数字が覚えられるため、カードの次の手が読めるのだ。二人はどんどん勝ち進み、大儲け。チャーリーはこれでビジネスがやり直せると大満足だ。カジノに入るためにスーツでキメたレイモンドに、ラスベガスの街の女が声をかける。 10 時に彼女と会う約束をしたレイモンドは、豪華なホテルの部屋で、チャーリーにデートのためのダンスを習う。

 スザンナが二人の部屋に現れる。チャーリーのレイモンドに対する態度と遺産についての考え方に耐えられなかったスザンナは、旅の途中で彼らと別れていたが、事業に失敗したチャーリーを慰めようとやって来たのだった。しかし、チャーリーは兄への愛情もお金も取り戻して、上機嫌。三人でレイモンドのデートに向かう。しかし、街の女はやって来なかった。レイモンドが気を落としているように感じたスザンナは、二人で乗ったエレベーターを止め、レイモンドをダンスに誘う。そして彼に優しくキスをするのだった。

 ロサンゼルスの自宅でレイモンドと暮らすことを考えるチャーリーは、彼の保護権を得るために、父の遺言で保護権をもつ精神病院のブルナー医師と裁判で戦わなければならない。初めは遺産の半分をもらうための裁判だと思っていたが、今は違う。チャーリーは唯一の家族であるレイモンドと本当に一緒にいたかったのだ。しかし裁判での負けは決まっている。レイモンドは病院に戻らなければならない。

 ブルナー医師に付き添われて列車に乗るレイモンドを見送るチャーリー。心の通い合う、お互いの<メインマン(親友)>となった兄弟は、次に会う日を心待ちにするのだった。
 この映画は 1989 年、平成元年に日本で劇場放映された。当時日本ではまだそんなに一般的には注目を浴びていなかった自閉症という病気を世に知らしめた、社会的に意義のあった映画だと思う。日本では平成6年に障害者基本法が改正されてその付帯決議に自閉症が記載されるまで、自閉症の人たちは法律上障害者と認められてはいなかった。法改正のために運動された方々の努力は勿論の事ながら、この映画の社会的影響力も無視できないのではないだろうか。もしそうなら、映画って本当に素晴らしい。

 この映画から演技派俳優への道を歩み始めた大スターのトム・クルーズは、俳優としてのステップアップを図ることを狙っていたこともあると思うが、学習障害児として悩んでいた経験もあって、自ら志願してこの役をつかんだらしい。私は美容院で髪を切ってもらっている間にある女性週刊誌で読んだことなのだが、pとqの区別がつかなくなることがあり、セリフも全てテープに吹き込んで覚えているそうだ。どこまでが真実かは分からないけれども、そんなハンディを乗り越えて、映画製作に携わったりして、スターとしての努力を怠らないトム・クルーズは偉いと思う。

 この映画で一流の監督として認められたバリー・レビンソン。メル・ブルックスの「サイコ」のパロディー映画「新サイコ」( 1977 )で脚本を書き、またベルボーイの役で映画出演デヴューを果たしている彼は、本作でもお医者さんの役でワン・シーンに出演している。

(■解説とネタばれ:2002/08/24アップ ◆俳優についてリンク更新:2003/10/01)
以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず3352文字/文責:幸田幸

参考資料:「レインマン」パンフレット
      allcinema ONLINE
      日本自閉症協会 ホームページ
coda_sati@hotmail.com
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