ジャンヌ・ダルク
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映画の森てんこ森■映画レヴュー
ジャンヌ・ダルク (1999)
THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC (米)
JEANNE D'ARC (仏) /JOAN OF ARC (米)
 映画『 ジャンヌ・ダルク (1999) JOAN OF ARC / THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC 』をレヴュー紹介します。

 映画『 ジャンヌ・ダルク 』を以下に目次別に紹介する。
■映画『 ジャンヌ・ダルク 』の解説及びポスター、予告編
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 ジャンヌ・ダルク 』の映画データ
■映画『 ジャンヌ・ダルク 』の主なキャスト
■「映画の森てんこ森」内にあるリュック・ベッソンが関わる映画
■映画『 ジャンヌ・ダルク 』のスタッフとキャスト
■映画『 ジャンヌ・ダルク 』のミラ・ジョボヴィッチについて
■映画『 ジャンヌ・ダルク 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 ジャンヌ・ダルク 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 ジャンヌ・ダルク (1999) JOAN OF ARC / THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 ジャンヌ・ダルク 』の結末
■映画『 ジャンヌ・ダルク 』の更新記録

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幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 ジャンヌ・ダルク 』の解説及びポスター、予告編
ジャンヌ・ダルク
ジャンヌ・ダルク
JOAN OF ARC
JEANNE D'ARC
THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC

■映画『 ジャンヌ・ダルク 』の解説

 映画『 ジャンヌ・ダルク (1999) JOAN OF ARC / THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC 』は、フランス・アメリカ製作。フランスの危機を救った少女、ジャンヌ・ダルクの悲劇を描いたスペクタル・ロマン。
 『 ジャンヌ・ダルク 』の監督と脚本のリュック・ベッソンは、「レオン」「TAXi」「フィフス・エレメント」「WASABI」「キス・オブ・ザ・ドラゴン」で今、乗りに乗っている。ミラ・ジョボヴィッチは 97 年に「フィフス・エレメント」のNYオーディションに落ちたが、LAでベッソンと再会して異星人役を獲得。 99 年に再びベッソンと組んでこの「ジャンヌ・ダルク」主演。 97 年ベッソンと再婚したが 99 年離婚というタイミングは、映画の出演履歴と出入りが重なって興味深々。
 それにしても、『 ジャンヌ・ダルク 』主演のミラは、「ブルーラグーン」「フィフス〜」「ジャンヌ〜」でラジー賞(ゴールデン・ラズベリー賞)のワースト新人賞・ワースト助演女優賞・ワースト主演女優賞を受賞している。そんな下手かなぁ…? なお、この映画『 ジャンヌ・ダルク 』にはジョン・マルコヴィッチ、ダスティン・ホフマンといった、粋で多才な俳優が共演していて重厚さを増している。
 因みに、幸は、ジャンヌ・ダルクについては、ジャンヌ・ダルクの縁の地フランスのルーアンを訪れ、<「ジャンヌ・ダルク Jeanne D' Arc」の再編集>でもっと詳しく紹介しています。
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 ジャンヌ・ダルク 』の映画データ
 上映時間 157分
 製作国 フランス/アメリカ
 公開情報 SPE
 初公開年月 1999/12
 ジャンル ドラマ/歴史劇
 《米国コピーTagline》
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■映画『 ジャンヌ・ダルク 』の主なキャスト
●ミラ・ジョヴォヴィッチ as ジャンヌ・ダルク
ジャンヌ・ダルク (1999) JOAN OF ARC / THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC
ズーランダー (2001) ZOOLANDER
バイオハザード (2001) RESIDENT EVIL
バイオハザード II アポカリプス (2004) RESIDENT EVIL: APOCALYPSE

●ジョン・マルコヴィッチ as シャルル7世
仮面の男 (1998) THE MAN IN THE IRON MASK
ジャンヌ・ダルク (1999) JOAN OF ARC / THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC
HOTEL (2001) HOTEL
ジョニー・イングリッシュ (2003) JOHNNY ENGLISH
永遠の語らい (2003) A TALKING PICTURE

●フェイ・ダナウェイ as ヨランド
ボニーとクライド/俺たちに明日はない (1967) BONNIE AND CLYDE
ルールズ・オブ・アトラクション (2002) THE RULES OF ATTRACTION
ブラインド・ホライズン (2004) BLIND HORIZON

●ダスティン・ホフマン as ジャンヌ・ダルクの良心
レインマン (1988) RAIN MAN
ジャンヌ・ダルク (1999) JOAN OF ARC / THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC
ムーンライト・マイル (2002) MOONLIGHT MILE
コンフィデンス (2003) CONFIDENCE
ニューオーリンズ・トライアル (2003) RUNAWAY JURY
ネバーランド (2004) FINDING NEVERLAND

●ヴァンサン・カッセル as ジル・ド・レ
エリザベス (1998) ELIZABETH 』
ジャンヌ・ダルク (1999) JOAN OF ARC / THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC
クリムゾン・リバー (2000) THE CRIMSON RIVERS / LES RIVIERES POURPRES
ジェヴォーダンの獣 (2001) LE PACTE DES LOUPS (原題) / BROTHERHOOD OF THE WOLF (英題)
シュレック (2001) SHREK 』の声優
リード・マイ・リップス (2001) SUR MES LEVRES (原題) / READ MY LIPS (英題)
ブルーベリー (2004) BLUEBERRY
オーシャンズ12 (2004) OCEAN'S TWELVE
スパイ・バウンド (2004) AGENTS SECRETS (原題) / SECRET AGENTS / SPY BOUND

●チェッキー・カリョ as デュノワ伯
1492・コロンブス (1992) 1492 CONQUEST OF PARADISE
ジャンヌ・ダルク (1999) JOAN OF ARC / THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC
パトリオット (2000) THE PATRIOT
キス・オブ・ザ・ドラゴン (2001) KISS OF THE DRAGON
『 ギャンブル・プレイ (2002) THE GOOD THIEF
ザ・コア (2003) THE CORE
ブルーベリー (2004) BLUEBERRY
テイキング・ライブス (2004) TAKING LIVES
ロング・エンゲージメント (2004) UN LONG DIMANCHE DE FIANCAILLES (原題) / A VERY LONG ENGAGEMENT (英題)
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■「映画の森てんこ森」内にあるリュック・ベッソンが関わる映画
TAXi (1997) TAXI
フィフス・エレメント (1997) THE FIFTH ELEMENT
ジャンヌ・ダルク (1999) JOAN OF ARC / THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC
TAXi 2 (2000) TAXI 2
YAMAKASI ヤマカシ (2001) YAMAKASI
キス・オブ・ザ・ドラゴン (2001) KISS OF THE DRAGON
ラ・タービュランス (2002) LA TURBULENCE DES FLUIDES (仏題) / CHAOS AND DESIRE (英題)
天使の肌 (2002) PEAU D'ANGE (原題) / ONCE UPON AN ANGEL (米題)
ブランシュ (2002) BLANCHE
トランスポーター (2002) THE TRANSPORTER
マッハ! (2003) ONG-BAK / ONG BAK: MUAY THAI WARRIOR
TAXi 3 (2003) TAXI 3
これ以上の幸せはない (2002) LA FELICITA NON COSTA NIENTE (原題) / HAPPINESS COSTS NOTHING (英題)
ぼくセザール10歳半1m39cm (2003) MOI CESAR, 10 ANS 1/2, 1M39 (原題) / I, CESAR (英題)
花咲ける騎士道 (2003) FANFAN LA TULIPE
クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち (2004) CRIMSON RIVERS 2: ANGELS OF THE APOCALYPSE
TAXI NY (2004) TAXI
ダニー・ザ・ドッグ (2005) UNLEASHED / DANNY THE DOG
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【『 ジャンヌ・ダルク 』のスタッフとキャスト】
監督: リュック・ベッソン Luc Besson
製作: パトリス・ルドゥー Patrice Ledoux
脚本: リュック・ベッソン Luc Besson
    アンドリュー・バーキン Andrew Birkin
撮影: ティエリー・アルボガスト Thierry Arbogast
音楽: エリック・セラ Eric Serra

出演: ミラ・ジョヴォヴィッチ Mila Jovovich ジャンヌ・ダルク
    ジョン・マルコヴィッチ John Malkovich シャルル7世
    フェイ・ダナウェイ Faye Dunaway ヨランド
    ダスティン・ホフマン Dustin Hoffman ジャンヌ・ダルクの良心
    ヴァンサン・カッセル Vincent Cassel ジル・ド・レ
    チェッキー・カリョ Tcheky Karyo デュノワ伯
    パスカル・グレゴリー Pascal Greggory アランソン公
    デズモンド・ハリントン Desmond Hrrington ドーロン
    ティモシー・ウェスト Timothy West ピエール・コーション司教

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◆俳優について映画人(俳優・女優・監督など)のリストへ
ミラ・ジョヴォヴィッチ Milla Jovovich

 1975年12月17日生まれの満 27 歳(2003.09.24時点)。旧ソヴィエト連邦ウクライナ、現在のウクライナ共和国の首都キエフ(Kiev, Ukraine)で生まれる。
 本名はミーラ・ナターシャ・ヨコヴィッチ Milla Natasha Jovovich。
 映画デビュー作『 トゥー・ムーン (1988) TWO MOON JUNCTION 』では、Milla とクレジットされていた。IMDb によるとアメリカでは「Milla Jovovich」の発音は<Mee-la Yo-yo-vitch>とあるので、「ミーラ・ヨヨヴィッチ」が正しいのだろうか。
 身長 5 フィート 8 インチ (約 1.73 m)、大きく見えるが中背。青みがかった目と茶色の髪。流暢なロシア語を話す。
 スリーサイズは、16歳のモデル時で、34-22-33(85cm-55cm-82.5cm)、その後、34B-22-33(Celebrity Sleuth magazine 情報)。モデル、女優、シンガーソングライターでもある。
 父はセルビアのベルグラード(Belgrad Serbia)出身の小児科医。母は、ガリーナ・ロギノヴァ Gallina Loginova という元舞台女優。

 キエフからモスクワ、ロンドンと移り住み、5 歳の時に家族でLAのサクラメントに移住。
1984年、9 歳でモデルとしてデビュー。
1986年、11歳の時、イタリアのファッション誌「 Lei(レイ)」の表紙に掲載され、一流雑誌などのトップモデルとして活躍するようになる。その後、ロレアル化粧品 L'Oreal cosmetics、カルバン・クライン Calvin Kline、エスケープ Escape などのイメージ・キャラクターを務め。日本ではパルコなどのCMに出演。
1987年、レヴロン Revlon's の 「世界で最も忘れられない女性 Most Unforgettable Women in the World」に選ばれる。100以上もの雑誌の表紙を飾る。
1988年、『 トゥー・ムーン (1988) TWO MOON JUNCTION 』で映画デビュー。その年、カトマンズの伝説<TVM>(1988) に出演。
1991年、「青い珊瑚礁」の続編的な作品『 ブルーラグーン (1991) RETURN TO THE BLUE LAGOON 』に出演。
1992年、『 カフス! (1992) KUFFS 』や『 チャーリー (1992) CHAPLIN 』に出演。
1993年、『 バッド・チューニング<未> (1993) DAZED AND CONFUSED 』で共演したショーン・アンドリュース Shawn Andrews と結婚。同年即離婚。
1994年、『The Divine Comedy』を発表。モデルや女優の仕事を続けながら、バンド「プラスティック・ハズ・メモリー」でコンサート・ツアーも行なった。
1997年、『 フィフス・エレメント (1997) THE FIFTH ELEMENT 』ではNYオーディションで落選したが、再会したLAでリュック・ベッソン Luc Besson に気に入られ、リールー Lee-Loo 役を獲得する。
1997年、12月リュック・ベッソンと再婚。
1998年、『 ラストゲーム (1998) HE GOT GAME 』に出演
1999年、ベッソン監督『 ジャンヌ・ダルク (1999) JOAN OF ARC / THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC 』に主演して大熱演!女優としての地位を確立した。
1999年、ベッソンと離婚。
2000年、「ジャンヌ・ダルク」でラジー賞(ゴールデン・ラズベリー賞)のワースト主演女優賞にノミネートされる。
2000年には、『 めぐり逢う大地 (2000) THE CLAIM 』、『 ミリオンダラー・ホテル (2000) THE MILLION DOLLAR HOTEL 』に出演。
2001年、『 ダミー (2001) DUMMY 』、『 ズーランダー (2001) ZOOLANDER 』 、『 バイオハザード (2001) RESIDENT EVIL 』など意欲的に出演。
2002年、『 ノー・グッド・シングス (2002) THE HOUSE ON TURK STREET/NO GOOD DEED 』、『 ユー・ステューピイッド・マン (原題) (2002) YOU STUPID MAN 』に出演。
2003年、『 レッド・アメリカ (原題) (2003) RED AMERICA 』に出演。
バイオハザード II アポカリプス (2004) RESIDENT EVIL: APOCALYPSE 』に出演。
『 ウルトラヴァイオレット (原題) (2004) ULTRAVIOLET 』に出演中。
※以下のデータは、CinemaClock.com の許諾を得て引用しています。
Milla Jovovich
Birth Name:  Milla Natasha Jovovich
 
Age:  27 years
Date of Birth:  December 17, 1975
Place of Birth: 

Kiev, Ukraine

 
Films:  No Good Deed (2003)
Resident Evil (2002)
Zoolander (2001)
The Claim (2000)
The Million Dollar Hotel (2000)
The Messenger (1999)
The Fifth Element (1997)
Dazed and Confused (1993)

Starring in "The Messenger"
c Copyright Columbia Pictures


 
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(■解説とネタばれ:2002/08/24アップ ◆俳優についてリンク更新:2003/09/23)

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<もっと詳しく>

ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。
■『 ジャンヌ・ダルク 』のレヴュー

【ジャンヌ・ダルク 第01段落】  先ず「幸の映画三昧」で「ジャンヌ・ダルク」をビデオでお浚いしてこのレヴューを書きました。今回観て、彼女がダスティン・ホフマン演じる「ジャンヌ・ダルクの良心」と対話しては裁判を受けるシーンの繰り返しが、少し頭から離れませんでした。

【ジャンヌ・ダルク 第02段落】  ジャンヌ・ダルクは自分で「神の声」を聞いたと信じ、「神の使い」だと自分を位置付けていました。それだからこそ、妥協すれば火あぶりで処刑されずにすんだものを、自分の信念を捨てない道を選んだのです。彼女の考えが裁判の中で述べられている宗教裁判の喚問の過程がよく解る英文の記事を見つけましたので、抜粋して訳してみました。「シャイな幸の独り言」の「03/17 ジャンヌ・ダルク考」にアップしておきます。誤訳や誤植など、ご指摘・お教え下されば幸いです。なお、原文はMUSEE JEANNE D'ARC ROUEN - FRANCE  http://www.jeanne-darc.com/ の宗教裁判(THE TRIAL OF CONDEMNATION)から引用させて頂きました。

【ジャンヌ・ダルク 第03段落】  さて、 「ジャンヌ・ダルク」という名前は、歴史上の人物としても映画のタイトルとしても日本語の言い方であって、英語では JOAN OF ARC 。また映画の長い方の題は THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC 「神の使者:ジャンヌ・ダルク物語」とでも訳せようか。ジャンヌ・ダルクを英語にすると、意味だけ同じで名前もフランス式ではなくなって、発音も全然別物になる。ジョーン・オブ・アークという具合に。元来のフランス語では JEANNE D'ARC であるから、日本の人はこちらの方が馴染み易いだろう。さらに、イタリア語では GIOVANA D'ARCO と表示するのだ。

【ジャンヌ・ダルク 第04段落】  JOAN という名は、もともと英語の JOANNE から来ていて、「神は慈悲深い」と言う意味。また、古代フランス語の JOHANNE からも由来している。これが後には JEANNE となる。ヘブライ語でも「神の恵み深い贈り物」という意味だから、いずれにしても、ジャンヌは名前自体からして「神の使者」文字通りだったのだ。

【ジャンヌ・ダルク 第05段落】  当時、フランスでは JEHANNE や JHENNE (英語の Joan と Joanna )という名が女性の最もよくある名前だった。ジャンヌの村でも当然その名前の女子は多くいたので、ジャンヌは他の同名の年上の女性と区別する意味で、JHENNETTE (英語の little Joan )と呼ばれていた。

【ジャンヌ・ダルク 第06段落】  ところで、関係ないだろうが、「ノアの箱舟 NOAH'S ARK 」のノアの奥さんの名前は JOAN OF ARK だそうだ。これは「箱舟」の意味の ARK で、ジャンヌ・ダルクのほうの ARC はフランス語の「弓、アーチ」の意味だ。すると、ジャンヌ・ダルクとは、弓のジャンヌ?アーチ型のジャンヌ?地名か何かのアルクのジャンヌ?或いはアルク家のジャンヌ?

【ジャンヌ・ダルク 第07段落】  解るまで気持ち悪いので調べたら、やっと納得。その一家の苗字はその当時の書類に、 Darc, Tarc, Tart, Dare, Day, Daix 等と記載されていたそうだ。そして Jeanne d'Arc という名は、 1576 年の詩に初めて登場するという。昔のことであったし、上流階級でなくて小作農の一家であったので、苗字は Darc とか Tarc とかで定まっておらず、それが後で d'Arc と表記するようになったのだ。さらに d'Arc つまり of Arc が意味するものは、出身地と考える学者もいるし、封建制度の主従関係を示すと捉える学者もいて、今でも大きく意見が二分されている。

【ジャンヌ・ダルク 第08段落】  さて、この映画はせっかくの歴史スペクタル・ロマンであるし、私自身も頭が整理できるように、年表にスクリーン上の展開を採り入れながら進めていこう。

1337 年:フランスと、ヘンリー5世のイギリスとの間で「百年戦争」始まる。
1403 年:フランスで後のシャルル7世誕生。
1407 年:オルレアン公ルイがブルゴーニュ派に暗殺される。オルレアン家一党とブルゴーニュ派が国内を二分する。

【ジャンヌ・ダルク 第09段落】  
1412 年:1月6日、ジャンヌ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)が、フランス北東部ロレーヌ地方のドンレミ村のバロアという所で、小作農の末娘として生まれた。ドンレミ村は、ミューズ渓谷にあり、村を通る道路は、商人や巡礼者や旅の聖職者や兵士たちが頻繁に通るところだった。この田園地域でジャンヌは少女時代を放牧の牛たちと共に過ごした。ジャネット(ジョネットと発音?)と呼ばれて。

【ジャンヌ・ダルク 第10段落】  
1415 年:アザンクールの戦い。フランスはイギリスに大敗。
1416 年:イギリスとブルゴーニュ派の同盟が成立して、内戦状態にあり、まさにフランスは滅亡寸前。危機を救えるのは奇跡しかない。
1420 年:トロワ和約成立。イギリス王ヘンリー5世とシャルル6世の娘が結婚したため、王太子シャルルは王位継承権を否認される。
1422 年:王太子シャルル、フランス国王を称す。

【ジャンヌ・ダルク 第11段落】  
1425 年:ジャンヌは教会で「神の声」を聞く。この声は、聖マイケル・聖カトリーヌ・聖マーガレットの声だといわれる。

【ジャンヌ・ダルク 第12段落】  
1427 年:ある日、ジャンヌは草原で幻想を見たあと、イギリス軍が村を焼き払っているのに気づく。ジャンヌは慌てて村の家に帰ると、姉カトリーヌは隠れていた戸棚から自分が出て、ジャンヌを身代わりに隠してくれた。しかし、そこにイギリス兵が侵入してきてカトリーヌは殺された後、無残に犯される。ジャンヌは戸棚の中から隙間を通してその様子を見て愕然とする。

【ジャンヌ・ダルク 第13段落】  両親ももうおらず、ジャンヌは隣村のナフシャトーの親戚に引き取られた。そこの教会にもすぐ行って、姉は自分が犠牲になって私を助けてくれたと、神父に懺悔するが、神父は復讐しても無益だと説教する。ジャンヌはこの時、神への帰依を誓った。

【ジャンヌ・ダルク 第14段落】  
1428 年:ジャンヌ、 16 歳。ボクルールの守備隊長を訪れ、「神の声に従い、オルレアンを救いたい」と初めて申し出る。
1429 年:ジャンヌ、 17 歳。
2月 13 日、ジャンヌは神の声を受けて、王太子シャルル(ジョン・マルコヴィッチ)の謁見を許され、ロレーヌからボクルールへの旅に出る。行き先はシノン城。彼女は自分が神の使者だと確信していた。

【ジャンヌ・ダルク 第15段落】  
2月 23 日、王太子シャルルと初会見の日。シノン城には若い男爵ジル・ド・レ(ヴァンサン・カッセル)、ジャン・ドーロン(デズモンド・ハリントン:
ゴーストシップ (2002) GHOST SHIP
クライモリ (2003) WRONG TURN 』)、
アランソン公(パスカル・グレゴリー:
いつか、きっと (2002) LA VIE PROMISE (原題) / GHOST RIVER (英題)
ブラウン夫人の秘めごと (2002) 24 HEURES DE LA VIE D'UNE FEMME (原題) / 24 HOURS IN THE LIFE OF A WOMAN (英題)
ソン・フレール ―兄との約束― (2003) SON FRERE (原題) / HIS BROTHER (英題) 』)等の、王太子の臣下が招集されていた。ジャンヌを警戒したシャルルが、これらの臣下のうち、ドーロンに自分の身代わりをさせたが、ジャンヌは偽者だと即、見破り、カーテンの陰に隠れていた太子に「あなたこそフランスの正統な君主である」と神の意志を伝える。

【ジャンヌ・ダルク 第16段落】  そして、神の声に従いオルレアンの敵の包囲を解くために、自分に軍勢を与えるように申し出る。シャルルの義母ヨランド・ダラゴン(フェイ・ダナウェイ)や臣下たちは、なかなか信じようとしなかったが、ジャンヌの説得力と不思議な雰囲気に、遂に彼女が神の使者だと認め、軍勢を与えた。シャルルによってジャンヌに与えられた白い甲冑 harnois blanc は、当時使われた一番安いものの2倍の値段、けれど一番高価なものの8分の1の値段。部分部分で取り外せるタイプではなく、全身ひとつづきのタイプの甲冑だった。

【ジャンヌ・ダルク 第17段落】  
3月 22 日、イギリス軍への降伏勧告書状を口述。
4月 29 日、ジャンヌ、オルレアンに入る。前線には、ジル・ド・レ、ジャン・ドーロン、アランソン公もジャンヌに従った。まだ髪の長かったジャンヌは、ひ弱な少女に見えて、前線のゴッツイ兵士たちにからかわれて怒り、髪を男のように短く切って、白い甲冑に身を固めた。重く濁っていた周囲の空気が一瞬に真新しくなり、男たちは気を入れ替える。「フォローミー!」(藤原紀香の少し前の某社のコマーシャルにあったあれです!)と声高々に旗を掲げて馬にまたがり、敵に向かって突進する。それに駆り立てられるように男たちは勢いづく。イギリス軍はその勢いに押され始める。

【ジャンヌ・ダルク 第18段落】  
5月4日、フランス軍は砦の中に攻め込んで、イギリス軍のサン・ルー砦奪取。ジャンヌ率いるフランス軍の大勝利だった。
5月6日、オーギュスタン砦奪取。ジャンヌは突進を続け、疲れていた兵士たちは神にとりつかれたような彼女の勢いに元気づけられて戦う。しかし、イギリス軍の攻防も激しくて、フランス兵は多くが負傷し、首をはねられて殺された。
5月7日、トゥーレル砦奪取。城壁にかけたはしごを登っているジャンヌ、胸に矢を受ける。意識がなくなりかけると、例の幻想を見、自分の犠牲となった姉の死が再び思い出される。

【ジャンヌ・ダルク 第19段落】  
5月8日、ジャンヌは、奇跡的に生き延びた。早朝、朝もやの中で眠る兵士たちを叩き起こし、戦いを続行させる。イギリス軍はジャンヌが死んだと思っていたので唖然とする。男達はジャンヌに率いられて昨日に続いて激しく戦い、果たしてフランス軍は勝利を収めた。

【ジャンヌ・ダルク 第20段落】  遂に、これが歴史的に有名な「オルレアン解放」である。しかし、彼女は神と対話をして、これが「勝利」と言えるのか苦悶する。なぜなら山ほどの兵士が惨く死んでしまったからだ。周囲に横たわる血まみれの膨大な数の屍を目にして呆然とするジャンヌ。イギリスのヘンリー王には書簡を送って撤退を促した。すると、ジャンヌの不死身な勢いに摩訶不思議を覚えたのか、それに応えて、やがてイギリス軍は退却し始めるのだった。

【ジャンヌ・ダルク 第21段落】  
6月 12 日、ジャルジョー占領。
6月 15 日、マン占領。
6月 17 日、ボージャンシー占領。
6月 18 日、パテーの戦いでイギリス軍に圧勝。町を解放したジャンヌは民衆に歓声の中、ヒロインとして迎えられる。憔悴しきっていたフランス国民に希望の光を与えた。
7月 17 日、ランス大聖堂にて王太子は祝聖式を挙行。荘厳な戴冠式が行われて、正式にフランス国王、シャルル7世が誕生した。

【ジャンヌ・ダルク 第22段落】  
9月8日、パリ奪還のために攻撃。ジャンヌ、腿に矢傷を受ける。ジャンヌは更にパリへと突進し始めるが、王シャルルはもはや十分な軍勢も食糧も与えようとはしない。兵たちは疲労困憊し、苦戦を強いられる。

【ジャンヌ・ダルク 第23段落】  
12 月 24 日(12 月 29 日とも言われる)、ジャンヌ、シャルル7世により貴族の称号を授与される。シャルル7世はジャンヌの一家に「 du Lys (英語で of the Lily )」という完全に新しい苗字を授与したのだ。当時の書類には、ジャンヌの兄弟達が「 Darc du Lys 」という苗字で記されている。

【ジャンヌ・ダルク 第24段落】  
一方で、王の周囲で不穏な動きが見られる。ジャンヌが人気がありすぎて王の権威を傷つけるのではとシャルルの義母ヨランド・ダラゴンや臣下たちは恐れ、彼女を敵に売ろうとしている。それが半年も経たないうちに現実になろうとは…。

【ジャンヌ・ダルク 第25段落】  
1430 年:
5月 22 日、ブルゴーニュ派軍団、コンピエーニュを包囲。ジャンヌはコンピエーニュで王から見放された戦いを続けていて、泥の中に倒れ込み、幻想を見る。黒い頭巾の謎めいた男(ダスティン・ホフマン)が現れるのだ。これは「ジャンヌの良心」の象徴だった。因みに、リュック・ベッソン監督は、この配役を重要視して、アメリカ人の有名な俳優ながら、登場してもジャンヌの影が薄くならない人、という条件で、ダスティン・ホフマンに白羽の矢を立てたそうだ。

【ジャンヌ・ダルク 第26段落】  
5月 23 日、気がつくと、ジャンヌは捕われ、ブルゴーニュ派の囚人になっていた。ルクセンブルグ公ジョンの命令で、ピエール・コーション司教(ティモシー・ウェスト:
エバー・アフター (1998) EVER AFTER
アイリス (2001) IRIS
シンドバッド 7つの海の伝説 (2003) SINBAD: LEGEND OF THE SEVEN SEAS
すべては愛のために (2003) BEYOND BORDERS 』)に1万ポンドで売り渡されたのだ。
7月 11 日から 11 月初めまで、ジャンヌはボールボワールの塔に閉じ込められる。
11 月末、ブルゴーニュ派からイギリス軍に引き渡される。

【ジャンヌ・ダルク 第27段落】  
12 月 23 日、ルーアンの城に閉じ込められる。ジャンヌは牢獄で「ジャンヌの良心」黒頭巾の男と語り合う。「本当に神が使者になるように言ったのか?戦うように命じたのか?自分のエゴを満足させるため、姉の復讐をするための流血だったのではないか?」と黒頭巾の男は問う。これが、実際、ジャンヌの胸に飛来する苦悶だった。・・・

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【ジャンヌ・ダルク 第28段落】  
1431 年:
1月9日、ジャンヌの宗教裁判が始まる。ボーヴェ司教が判事である。
2月 21 日、ジャンヌの公開審理開始。ジャンヌは異端審問にかけられ始める。
3月 10 日、牢内での非公開審理開始。ジャンヌは男装を解かれ、牢獄では牢屋番の男たちから暴行されそうになり、法廷では脅迫や誘導尋問に苦しめられる。
4月5日、 12 ヶ条の罪状が決定される。

【ジャンヌ・ダルク 第29段落】  
5月 24 日、ジャンヌ、「悔い改め」の誓いを立てる。最後には助命と引き換えに「異端放棄宣誓書」を書かされる。そうする間、黒頭巾の男「ジャンヌの良心」は何度もジャンヌの前に現れてジャンヌの本心を覗う。

【ジャンヌ・ダルク 第30段落】  
5月 27 日、ジャンヌ、再び男装する。
5月 28 日および 29 日、誓いを破ったとして異端再犯の審理。ジャンヌは神と向き合い、本当の自分の気持ちと向き合った結果、宣誓書を破り捨てたのだ。こうすれば助命されないとわかっていながら…。簡単に言えば、ジャンヌは神の声を第一に信じたので、この世である地上の教会の司教や司祭を軽んじているととられてしまったのだ。

【ジャンヌ・ダルク 第31段落】  
5月 30 日の朝、ルーアンの古市場の広場で魔女として火刑に処される。ジャンヌ、 19 歳。因みにフランスでは、現在でも19 歳で死を選ぶ乙女達がまだまだいるそうだ。ジャンヌ・ダルクは、やはりフランス本国では、物凄い影響力のある人物なのだ。

【ジャンヌ・ダルク 第32段落】  
1437 年:9月 21 日、フランス、ブルゴーニュとアラス和平を締結。
1450 年:シャルル7世、ジャンヌ裁判の見直しを命令。
1453 年:百年戦争、終わる。ジャンヌ没後約 20 年、フランスはイギリスとの百年戦争に勝利したのだ。
1456 年:ローマ教皇がジャンヌ処刑裁判の無効を宣言。死後 25 年たってジャンヌは教会から無罪を宣言される。

【ジャンヌ・ダルク 第33段落】  
1920 年:教皇ベネディクトゥス 15 世により、ジャンヌ、「聖女」の列に加わる。
(年表自体は講談社火の鳥伝記文庫「ジャンヌ=ダルク」を参照させていただきました。)

【ジャンヌ・ダルク 第34段落】  ミラ・ジョヴォヴィッチは、私が見た限り、全然悪いことなかったです。ワースト主演女優賞をなぜもらったか見当つきません。モデルをしていただけあって綺麗だし、髪を切った男装の姿は化粧気も無く、ボーイッシュで、声をからして熱演していて感じよかったです。キエフ生まれで五歳からアメリカ生活だからか、英語に少し訛りがあるのがかえってよかったみたい。というか、これフランスの話なのにセリフが英語で、考えたらチョット変です。フランス人が英語版を観れば、抵抗があるでしょうね。

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以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず6866文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      講談社火の鳥伝記文庫「ジャンヌ=ダルク」
      Joan of Arc Archive 」 Allen Williamson 著
      http://archive.joan-of-arc.org/joanofarc_signatures.html
      http://garnet.nu/joan/info/name.htm
      Jeanne d'Arc http://perso.club-internet.fr/troussy/jeanne/
      MUSEE JEANNE D'ARC ROUEN - FRANCE http://www.jeanne-darc.com/
      First Baptist Church of Norwood「 THE WHITE SPIRE 」Who's Got Religion?
      http://www.fbcnorwood.org/whitespire/WhiteSpireNov2000/
      THE%20WHITE%20SPIRE%20November%20OnLine%20Ver sion.htm
      Sunday School 「 Sunday School Wisdom 」 
      http://www.telusplanet.net/public/lornejf/01sunschool.html
■映画『 ジャンヌ・ダルク 』の更新記録
2002/01/19新規: ファイル作成
2002/08/24更新: ◆解説とネタばれ
2003/09/23更新: ◆俳優についてリンク追記
2005/01/04更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
2005/03/31更新: ◆データ追加
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幸田 幸
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