ソン・フレール ―兄との約束―
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ソン・フレール ―兄との約束― (2003)
SON FRERE (原題) / HIS BROTHER (英題)
 映画『 ソン・フレール ―兄との約束― (2003) SON FRERE (原題) / HIS BROTHER (英題) 』を紹介します。映画『 ソン・フレール ―兄との約束― (2003) SON FRERE / HIS BROTHER 』は 2004/10/27 の現時点で邦題は確認できないが、「ソン・フレール ―兄との約束―」としておく。

 映画『 ソン・フレール ―兄との約束― SON FRERE / HIS BROTHER 』を以下に目次的に紹介する。
■映画『 ソン・フレール ―兄との約束― SON FRERE / HIS BROTHER 』のポスター、予告編および映画データ
■映画『 ソン・フレール ―兄との約束― SON FRERE / HIS BROTHER 』の解説
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 ソン・フレール ―兄との約束― SON FRERE / HIS BROTHER 』の主なスタッフ
■映画『 ソン・フレール ―兄との約束― SON FRERE / HIS BROTHER 』のあらすじ
■映画『 ソン・フレール ―兄との約束― SON FRERE / HIS BROTHER 』のトリビア
■映画『 ソン・フレール ―兄との約束― SON FRERE / HIS BROTHER 』の受賞
■映画『 ソン・フレール ―兄との約束― SON FRERE / HIS BROTHER 』のポスター、予告編および映画データ
■映画『 ソン・フレール ―兄との約束― SON FRERE / HIS BROTHER 』のスタッフとキャスト
■映画『 ソン・フレール ―兄との約束― SON FRERE / HIS BROTHER 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 ソン・フレール ―兄との約束― 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタばれ)です。※ご注意:映画『 ソン・フレール ―兄との約束― (2003) SON FRERE / HIS BROTHER 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 ソン・フレール ―兄との約束― SON FRERE / HIS BROTHER 』の更新記録

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幸の観たい度: 8つ星 
■映画『 ソン・フレール ―兄との約束― (2003) SON FRERE / HIS BROTHER 』のポスター、予告編および映画データ
ソン・フレール ―兄との約束―
ソン・フレール ―兄との約束―
ポスターはhttp://www.film-forward.com/
より引用させて頂きました。

Links:  Official Web Site
Trailers:
上映時間 Runtime: 1:35
製作国 Country: フランス France
製作会社
Production Company:
Azor Films [fr]
Centre National de la Cinematographie (CNC) [fr]
Conseil General de Loire-Atlantique [fr]
Love Streams Productions [fr]
arte France Cinema [fr]
全米配給会社 Distributer: Strand Releasing [us]
全米初公開 Release Date: 2004/04/02 (NY)
日本初公開 R. D. in Japan: 2005/02/ 予定
日本公開情報 : クレスト・インターナショナル
ジャンル Genre: ドラマ Drama
MPAA Rating 指定: Germany:12 / Switzerland:16 / UK:15 / Italy:VM14 / Hong Kong:III
日本語公式サイト 調査中
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 ソン・フレール ―兄との約束― SON FRERE / HIS BROTHER 』の解説

 『 ソン・フレール ―兄との約束― 』は『 スパイ・バウンド (2004) 』のブルーノ・トデシーニと『 イブラヒムおじさんとコーランの花たち (2003) 』のエリック・カラヴァサが疎遠だった兄弟を演じる、生と死を見つめる深遠なドラマだ。兄弟の絆が回復するのが片方の死と引き換えなんて、何とも悲しいテーマだけど、鬼才パトリス・シェロー監督が同名の小説に感銘して映画化したものだ。

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■映画『 ソン・フレール ―兄との約束― SON FRERE / HIS BROTHER 』の主なスタッフ
○『 ソン・フレール ―兄との約束― 』の監督・脚本: パトリス・シェロー
『 愛する者よ、列車に乗れ (1998) CEUX QUI M'AIMENT PRENDRONT LE TRAIN 』

○『 ソン・フレール ―兄との約束― 』の撮影: エリック・ゴーティエ
モーターサイクル・ダイアリーズ (2004) THE MOTORCYCLE DIARIES

○『 ソン・フレール ―兄との約束― 』の編集: フランソワ・ゲディギエール
ダンサー・イン・ザ・ダーク (2000) DANCER IN THE DARK
みんな誰かの愛しい人 (2004) COMME UNE IMAGE (原題) / LOOK AT ME (英題)

○『 ソン・フレール ―兄との約束― 』の音楽: アンジェロ・バダラメンティ
橋の上の娘 (1999) LA FILLE SUR LE PONT
デュラス 愛の最終章 (2001) CET AMOUR-LA
ボブ・クレイン 快楽を知ったTVスター (2002) AUTO FOCUS
キャビン・フィーバー (原題) (2002) CABIN FEVER
バレエ・カンパニー (2003) THE COMPANY
ロング・エンゲージメント (2004) UN LONG DIMANCHE DE FIANCAILLES (原題) / A VERY LONG ENGAGEMENT (英題)
ダーク・ウォーター (2004) DARK WATER

○『 ソン・フレール ―兄との約束― 』のメイク: Kuno Schlegelmilch
ジャンヌ・ダルク (1999) JOAN OF ARC / THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC
ヴィドック (2001) VIDOCQ

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■映画『 ソン・フレール ―兄との約束― SON FRERE / HIS BROTHER 』のあらすじ
※本作『 ソン・フレール ―兄との約束― 』のあらすじは、日本公開前に幸田幸が書いたものです。作成現時点で出来るだけ正確な情報を心掛けていますが、データや内容に誤りや適切でない表現があるかもしれません。どうか宜しくご了解いただきお読みくださいますようお願いいたします。本コンテンツの複写や転用等はお控えください。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。映画会社や配給会社や宣伝担当会社からの情報提供はこちらをお読みください。
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 映画『 ソン・フレール ―兄との約束― 』の主人公は二人の兄弟。
 兄はトマ(ブルーノ・トデシーニ:『 天使の肌 (2002) PEAU D'ANGE (原題) / ONCE UPON AN ANGEL (米題) 』『 スパイ・バウンド (2004) AGENTS SECRETS (原題) / SECRET AGENTS / SPY BOUND 』)でストレート。(トーマス Thomas はフランス語発音はトマだ。)

 弟はリュック(エリック・カラヴァサ:『 ありふれた愛のおはなし (1999) RIEN A FAIRE (原題) / EMPTY DAYS (英題) 』『 イブラヒムおじさんとコーランの花たち (2003) MONSIEUR IBRAHIM ET LES FLEURS DU CORAN 』)でゲイである。ストレートである兄トマは、弟が同性愛者だったので受け入れることは出来ず、二人は長年にわたって交流を避けてきた。

 冒頭で、兄トマは何年かぶりで弟リュックを訪ね、自分が病気なことを話す。トマは病気の診断や治療のために医師のところへ数軒行くのに弟リュックについて行ってほしいと頼むのだ。この時は、お互いの暮らしのことを殆ど関知せず知りもしない。老人(モーリス・ガレル)は、乗客を乗せたフェリーの話を山ほどして二人をうんざりさせるが、兄弟ともその老人を知っているわけでない。このような一時だけ登場する人物なんかもこの作品の特徴らしい。

 診断を受けると、兄トマの病気は血液の不治の病だと判明した。余命は長くないという。パリ Paris の病院で検査や注射や手術を経ながら兄は堪えていく。手術で残ったひどい傷あとのぶちになって傷ついた皮膚をカメラは執拗に映す。印象に残るシーンは、施術前の剃髪のシーンだそうだ。まるでリアルタイムのように進行し、看護師たちが上手に剃り、弟は無言でそれを見守る。パトリス・シェローは皮膚に関心がある監督だそうだ。男女の関係の映画でも皮膚、このように病人の場合でも皮膚。

 トマは病気と格闘する病人の姿を見せない。だから、病気に対して闘争心を持たないそんな息子に父親(フレッド・ウリス)は腹を立てる。そして医師たちは、トマがなぜ健康を考える生活を拒否するのか把握できない。医師役にパスカル・グレゴリー(『 いつか、きっと (2002) LA VIE PROMISE (原題) / GHOST RIVER (英題) 』『 ブラウン夫人の秘めごと (仮題) (2002) 24 HEURES DE LA VIE D'UNE FEMME (原題) / 24 HOURS IN THE LIFE OF A WOMAN (英題) 』)も登場するし、『 セブン・イヤーズ・イン・チベット (1997) SEVEN YEARS IN TIBET 』製作のカトリーヌ・ムーランも出るが、どんな役だろう。

 トマは見舞いに来てくれた家族や恋人クレア(ナタリー・ブトゥフー)には「来てくれとは誰にも頼まなかった」と言う。「リュックだけに頼んだんだ。」 それから数ヶ月間、弟は兄が病気と直面するのを手助けしてやる。そして二人の絆を再確認するというプロットだ。弟がホモだということで疎遠になっていたお互いの感情を考え直して、兄弟は徐々に和解に向かっていく。二人の和解は派手な演出ではない。例えば、苦痛に悲鳴を上げるとか、叫び合っていたのが抱き合って泣いて解決するとかはしない。その代わり、挫折しているけど表現力に富む顔で傷ついた心理状態を伝えるそうだ。

 二人のこれまでの生い立ちとか仲違いの理由とかの説明は少ない。兄弟は密着すればするほど、弟の私生活は音もなく分かってくるのだ。ゲイの‘恋人’ヴァンサン(シルヴァン・ジャック)のことも、両親との暮らしのことも、兄との幼い頃の思い出も。そうしている間に、それぞれの恋人との関係を失うことになる。兄弟の信頼関係がお互いに芽生えて育っていくのと同じリズムで生は忍耐強く見せられる。弟は兄が‘恋人’のことを尋ね、その男に病院からも自分からも遠ざけるようにしようとすると、自分のプライバシーを守ることに専念するが、死期の近い兄に献身的につくことを選ぶのだ。

 兄トマと喧嘩した兄の恋人には、兄は自分が経験した最初の男だったとリュックはもらす。兄の恋人にキスするシーンがあるらしいが、それは恋愛感情なんてものでなく、兄に少しでも近づきたいという弟の気持ちだそうだ。兎に角、映画『 ソン・フレール ―兄との約束― 』は考えさせる重いテーマらしく、映像は全体にセピア調で青白い。サントラにはたった一曲しかないということからも、この映画の厳粛・苦行を反映しているのが分かる。それはマリアンヌ・フェイスフル Marianne Faithful の陰うつな‘♪スリープ Sleep ’という曲だそうだ。

 兄の死は徐々に進むと本人も分かったので、パリの病院から移動してブルターニュ Bretagne / Brittany (フランス北西部の半島)の海辺の家で過ごすことになった。そこは子供時代に住んでいたところだから。映画のタッチはドキュメンタリー風だそうで、自然光と手で持ったカメラを絶えず使用している。ビーチで日に焼けた健康的な他人達の肉体と対照的に、トマの弱々しい体が彼の身体がどんどん悪化しているのを示している。こういうのをカメラは巧くとらえている。兄トマに扮することになったブルーノ・トデシーニは、この病人役のために 12 kg 痩せて準備したそうだ。

 パリとブルターニュをフィルムは行ったり来たりして、この映画は病気、苦痛の肉体、そして二人の兄弟の関係を描く。トマは恋人クレアと別れることになったし、弟はゲイの‘恋人’とはもう会わないことになった。兄の切迫しつつある死は周囲の者達に莫大な悪影響を与える。弟の生活は兄の病気という突然の事態によって変えられてしまった。病気は患者当人の生活を破壊するだけでなく、周囲のもの全てを変えてしまうということも描いている。

 ただし、兄弟は、一人が病気で一人が健康だけど、映画は二人を平等に見せている。一人は弱く一人は丈夫、一人はストレートで一人はホモ。でも二人は兄弟なのだ。二人ともお互いに、原題の文字通り「 son frere 」「 his brother 」(彼の男きょうだい)なのだ。トマの鼻から出血が始まる。遂に、弟の方がイニシアチブを持ち、兄に話しかける。秘密の暴露でも意外な新事実でもなく、単に幾つかの信頼関係や親愛の事柄や思い出ばなしだ。そしてラスト。トマは海に入っていく。残っているのは静けさとリュックがじっと見つめているその深遠さ。苦痛に満ちた肉体の不完全さの中に、「安らかに眠れ」という気持ちが構築されて平和の意義を見つけるそうだ。ンーン、難しい・・・。

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■映画『 ソン・フレール ―兄との約束― SON FRERE / HIS BROTHER 』のトリビア
 映画『 ソン・フレール ―兄との約束― 』は邦題は「ソン・フレール-兄弟」「ソン・フレール - 兄弟」という表示になるのかもしれない。が、そもそもフランス語の原題は「 son frere 」で、英語の「 his brother 」に当たる。「兄弟二人 brothers 」ではなく、「彼の兄」「彼の弟」。どちらから見てブラザーなのか、作者に訊かねば分からない。原作はフランス人の小説家フィリップ・ベッソンの同名の小説だ。わたし的には、恐らく弟からも、兄からも、相手のことを指しているのだと思うのだが。

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■映画『 ソン・フレール ―兄との約束― SON FRERE / HIS BROTHER 』の受賞
 映画『 ソン・フレール ―兄との約束― 』は数多くの国々の国際映画祭で出品されてきたほどの話題作である。

ドイツ Germany 2003/02/11 (Berlin International Film Festival) (premiere)
フランス France 2003/05/15 (Cannes Film Festival)
日本 Japan 2003/06/21 (French Film Festival)
ロシア Russia 2003/06/28 (Moscow Film Festival)
ポーランド Poland 2003/07/22 (Cieszyn Film Festival)
デンマーク Denmark 2003/08/14 (Copenhagen International Film Festival)
オランダ Netherlands 2003/09/10 (Film by the Sea Film Festival)
韓国 South Korea 2003/10/03 (Pusan International Film Festival)
スイス Switzerland 2004/01/01 (German speaking region)
チェコ Czech Republic 2004/01/24 (Febio Film Festival)
オーストリア Austria 2004/03/15 (Festival du Film Francophone)
米国 USA 2004/04/02 (New York City, New York)
香港 Hong Kong 2004/04/08 (Hong Kong International Film Festival)
米国 USA 2004/07/13 (Los Angeles Outfest Gay and Lesbian Film Festival)

 そして 2003 年ベルリン国際映画祭では、パトリス・シェロー監督は銀熊賞 Silver Berlin Bear に輝いたのだ。金熊賞 Golden Berlin Bear は惜しくもノミネートに終わり、『 イン・ディス・ワールド (2002) IN THIS WORLD 』が獲得している。
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【『 ソン・フレール ―兄との約束― 』のスタッフとキャスト】
監督: パトリス・シェロー Patrice Chereau (Directed by)
製作: ピエール・シュヴァリエ Pierre Chevalier (producer)
製作総指揮: ジョセフ・シュトゥルブ Joseph Strub (executive producer)
原作: フィリップ・ベッソン Philippe Besson (novel)
脚本: パトリス・シェロー Patrice Chereau (scenario)
    アンヌ=ルイーセ・トリヴィディク Anne-Louise Trividic (scenario)
撮影: エリック・ゴーティエ Eric Gautier (Cinematography by)
編集: フランソワ・ゲディギエール Francois Gedigier (Film Editing by)
音楽: アンジェロ・バダラメンティ Angelo Badalamenti (theme song "Sleep")

出演: ブルーノ・トデシーニ Bruno Todeschini as Thomas
    エリック・カラヴァサ Eric Caravaca as Luc
    ナタリー・ブトゥフー Nathalie Boutefeu as Claire
    モーリス・ガレル Maurice Garrel as Le vieil homme
    カトリーヌ・フェラン Catherine Ferran as Head Doctor
    アントワネット・モヤ Antoinette Moya as La mere
    シルヴァン・ジャック Sylvain Jacques as Vincent
    フレッド・ウリス Fred Ulysse as Le pere
    ロビンソン・ステヴナン Robinson Stevenin as Manuel
    カトリーヌ・ムーラン Catherine Moulin
    パスカル・グレゴリー Pascal Greggory as Le docteur (uncredited)

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ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。

 映画『 ソン・フレール ―兄との約束― (2003) SON FRERE (原題) / HIS BROTHER (英題) 』の「テキストによる未公開映画の再現」レヴューは、現在まだ書けておりません・・・。

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
■映画『 ソン・フレール ―兄との約束― SON FRERE/ HIS BROTHER 』の更新記録
2004/10/27新規: ファイル作成
2004/12/06更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
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幸田 幸
coda_sati@hotmail.com
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