ダニー・ザ・ドッグ
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ダニー・ザ・ドッグ (2005)
UNLEASHED / DANNY THE DOG
 映画『 ダニー・ザ・ドッグ (2005) UNLEASHED / DANNY THE DOG 』をレヴュー紹介します。映画『 ダニー・ザ・ドッグ (2005) UNLEASHED / DANNY THE DOG 』は 2004/11/22 の時点で邦題は分からなかったので「ダニー・ザ・ドッグ」としておいたら、そのまま『 ダニー・ザ・ドッグ 』に確定した。

 映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED / DANNY THE DOG 』を目次的に紹介する。
■映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED 』のポスター、予告編および映画データ
■映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED / DANNY THE DOG 』の解説
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED / DANNY THE DOG 』の主なスタッフ
■映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED / DANNY THE DOG 』の武術監督
■映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED / DANNY THE DOG 』の主なキャスト
■映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED / DANNY THE DOG 』のあらすじ
■映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED / DANNY THE DOG 』のトリビア
■映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED / DANNY THE DOG 』のスタッフとキャスト
■映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED / DANNY THE DOG 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 ダニー・ザ・ドッグ 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED / DANNY THE DOG 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED / DANNY THE DOG 』の結末
■映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED / DANNY THE DOG 』の更新記録

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幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED / DANNY THE DOG 』のポスター、予告編および映画データ
ダニー・ザ・ドッグ
ダニー・ザ・ドッグ
ダニー・ザ・ドッグのポスターは
www.cinemovies.frより引用させて頂きました。
マウスを当てて下記トリビア(5)参照。
Links:  Official Web Site 英
Official Web Site
Trailers:

ここで観られます。

上映時間 Runtime: 1:43
製作国 Country: フランス/アメリカ/イギリス/香港
France / USA / UK / Hong Kong
製作会社
Production Company:
Clubdeal Ltd.
Current Entertainment [us]
Danny the Dog Prods Ltd. [gb]
Europa Corp. [fr]
TF1 Films Productions [fr]
全米配給会社 Distributer: Rogue Pictures [us]
全米初公開 Release Date: 2005/05/13
日本初公開 R. D. in Japan: 2005/06/25 予定
日本公開情報 : アスミック・エース
ジャンル Genre: アクション/犯罪/スリラー/ドラマ
Action / Crime / Thriller / Drama
MPAA Rating 指定: Rated R for strong violent content, language and some sexuality/nudity.
日本語公式サイト
http://dannythedog.jp/
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED / DANNY THE DOG 』の解説

 「ダニー・ザ・ドッグ」のことはもうずっと前から見聞きしているので勝手に邦題は『 ダニー・ザ・ドッグ 』と期待しちゃっているのだ(追記:やっぱり『 ダニー・ザ・ドッグ 』に決まった!とっても面白かった!)。『 ダニー・ザ・ドッグ 』の原題は当初は「 DANNY THE DOG 」だったのが、今は「 UNLEASHED 」になっている。犬のように戦う目的だけで育てられたから「犬のダニー」だったのが、「皮ひもを解かれた」という風なタイトルに。「首輪をとった」ダニーは人間性を取り戻す。
 『 ダニー・ザ・ドッグ 』はアクションと‘家族/ファミリー’という温かさの両面からストーリー展開し、近年のジェット・リー映画では一番ストーリー性が高い。『 ダニー・ザ・ドッグ 』のダニーは勿論、本物のアクション俳優ジェット・リー。『 ダニー・ザ・ドッグ 』共演はオスカー俳優モーガン・フリーマン。『 ダニー・ザ・ドッグ 』監督はご存知『 TAXI NY (2004) TAXI 』等のリュック・ベッソン、武術監督は『 カンフーハッスル (2004) 功夫 (原題) / KUNG FU HUSTLE (英題) 』等のユエン・ウーピンである。『 ダニー・ザ・ドッグ 』はピアノがキーワード。ダニーの過去の背景は・・・?

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■映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED / DANNY THE DOG 』の主なスタッフ

 映画『 ダニー・ザ・ドッグ 』はフランス・アメリカ・イギリス合作だけど、スタッフはフランス色が一番濃いようである。でも映画の台詞は英語だ。

○『 ダニー・ザ・ドッグ 』の監督: ルイ・レテリエ
ジャンヌ・ダルク (1999) JOAN OF ARC / THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC
ミッション・クレオパトラ (2002) ASTERIX & OBELIX: MISSION CLEOPATRE (原題) / ASTERIX & OBELIX: MISSION CLEOPATRA (米題)
トランスポーター (2002) THE TRANSPORTER
トランスポーター2 (2005) LE TRANSPORTEUR 2 / THE TRANSPORTER 2

○『 ダニー・ザ・ドッグ 』の製作・脚本: リュック・ベッソン
TAXi (1997) TAXI
ジャンヌ・ダルク (1999) JOAN OF ARC / THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC
TAXi 2 (2000) TAXI 2
YAMAKASI ヤマカシ (2001) YAMAKASI
キス・オブ・ザ・ドラゴン (2001) KISS OF THE DRAGON
ラ・タービュランス (2002) LA TURBULENCE DES FLUIDES (仏題) / CHAOS AND DESIRE (英題)
天使の肌 (2002) PEAU D'ANGE (原題) / ONCE UPON AN ANGEL (米題)
ブランシュ (2002) BLANCHE
トランスポーター (2002) THE TRANSPORTER
マッハ! (2003) ONG-BAK / ONG BAK: MUAY THAI WARRIOR
TAXi 3 (2003) TAXI 3
これ以上の幸せはない (2002) LA FELICITA NON COSTA NIENTE (原題) / HAPPINESS COSTS NOTHING (英題)
ぼくセザール10歳半1m39cm (2003) MOI CESAR, 10 ANS 1/2, 1M39 (原題) / I, CESAR (英題)
花咲ける騎士道 (2003) FANFAN LA TULIPE
クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち (2004) CRIMSON RIVERS 2: ANGELS OF THE APOCALYPSE
TAXI NY (2004) TAXI
トランスポーター2 (2005) LE TRANSPORTEUR 2 / THE TRANSPORTER 2
・・・と、娯楽映画なら任して!ッて感じのリュック・ベッソン。

○『 ダニー・ザ・ドッグ 』の撮影: ピエール・モレル
恋愛適齢期 (2003) SOMETHING'S GOTTA GIVE

○『 ダニー・ザ・ドッグ 』の配役: ナタリー・シェロン
犯罪の風景 (2000) SCENE DE CRIMES (原題) / CRIME SCENES (英題)
ジェヴォーダンの獣 (2001) LE PACTE DES LOUPS (原題) / BROTHERHOOD OF THE WOLF (英題)
ボーン・アイデンティティー (2002) THE BOURNE IDENTITY

○『 ダニー・ザ・ドッグ 』の配役: スザンヌ・スミス
リトル・ストライカー (2000) THERE'S ONLY ONE JIMMY GRIMBLE
スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする (2002) SPIDER
バイオハザード (2001) RESIDENT EVIL
エイリアンVS. プレデター (2004) ALIEN VS. PREDATOR

○『 ダニー・ザ・ドッグ 』の音楽: マッシヴ・アタック
ムーラン・ルージュ (2001) MOULIN ROUGE!

○『 ダニー・ザ・ドッグ 』の音楽: RZA
ブレイド3 (2004) BLADE: TRINITY
キル・ビル Vol.2 (2004) KILL BILL: VOL. 2
キル・ビル (2003) KILL BILL: VOLUME 1
コーヒー&シガレッツ (2003) COFFEE AND CIGARETTES

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■映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED / DANNY THE DOG 』の武術監督

○『 ダニー・ザ・ドッグ 』の武術監督: ユエン・ウーピン 袁和平
ラスト・ヒーロー・イン・チャイナ 烈火風雲(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地雄覇)(1993) 黄飛鴻鐡雎門蜈蚣 (原題) / CRAWS OF STEEL / THE LAST HERO IN CHINA
マスター・オブ・リアル・カンフー/大地無限 (1993) 太極張三豊 (原題) / THE TAI-CHI MASTER (英題)
マトリックス (1999) THE MATRIX
グリーン・デスティニー (2000) 臥虎藏龍 (原題) / CROUCHING TIGER, HIDDEN DRAGON
天上の剣 The Legend of ZU (2001) 蜀山伝 / THE LEGEND OF ZU
ブラックマスク2 (2001) BLACK MASK 2: CITY OF MASKS (英題) / 黒侠II (原題)
マトリックス リローデッド (2003) THE MATRIX RELOADED
キル・ビル (2003) KILL BILL: VOLUME 1
マトリックス レボリューションズ (2003) THE MATRIX REVOLUTIONS
キル・ビル Vol.2 (2004) KILL BILL: VOL. 2
カンフーハッスル (2004) 功夫 (原題) / KUNG FU HUSTLE (英題)

 このベテラン武術監督ユエン・ウーピンのことは、撮影中の皆が、「マスター Master (先生・親方)」と呼んでいたそうだ。携わった映画を見ても、大ヒット作がズラリ。この実績は本ものだぁ〜。

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■映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED / DANNY THE DOG 』の主なキャスト

 映画『 ダニー・ザ・ドッグ 』の配役で驚くのは、ジェット・リーの共演があのモーガン・フリーマンだということ。どういう意味かって? ・・・お芝居はあまり必要ない‘武術皇帝ジェット・リー様’に、お芝居の巧い老練俳優フリーマンがつくというアンバランスのこと。でも、このミスマッチとも思えるケミストリーこそが映画に幅と奥行きをもたらしているのだ。

●ジェット・リー as ダニー@ダニー・ザ・ドッグ
少林寺 (1982) 少林寺 / THE SHAOLIN TEMPLE
少林寺2 (1983) 少林小子 / SHAOLIN TEMPLE 2
阿羅漢(あらはん) (1986) 南北少林 / MARTIAL ARTS OF SHAOLIN
マスター・オブ・リアル・カンフー/大地無限 (1993) 太極張三豊 (原題) / THE TAI-CHI MASTER (英題)
ラスト・ヒーロー・イン・チャイナ 烈火風雲(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地雄覇)(1993) 黄飛鴻鐡雎門蜈蚣 (原題) / CRAWS OF STEEL / THE LAST HERO IN CHINA
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ/天地風雲 (1997) 黄飛鴻之西域雄獅 / ONCE UPON A TIME IN CHINA & AMERICA
リーサル・ウェポン4 (1998) LETHAL WEAPON 4
ロミオ・マスト・ダイ (2000) ROMEO MUST DIE
キス・オブ・ザ・ドラゴン (2001) KISS OF THE DRAGON
ザ・ワン (2001) THE ONE
HERO (2002) HERO (英題) / 英雄 (原題)
ブラック・ダイヤモンド (2003) CRADLE 2 THE GRAVE
『 ダニー・ザ・ドッグ (2005) UNLEASHED / DANNY THE DOG 』
SPIRIT (2006) 霍元甲 (原題) / FEARLESS (英題)

●モーガン・フリーマン as サム@ダニー・ザ・ドッグ
ショーシャンクの空に (1994) THE SHAWSHANK REDEMPTION
アンダー・サスピション (2000) UNDER SUSPICION
ベティ・サイズモア (2000) NURSE BETTY
トータル・フィアーズ (2002) THE SUM OF ALL FEARS
LEVITY (2003)
ドリームキャッチャー (2003) DREAMCATCHER
ブルース・オールマイティ (2003) BRUCE ALMIGHTY
ビッグ・バウンス (2004) THE BIG BOUNCE
ミリオンダラー・ベイビー (2004) MILLION DOLLAR BABY 』<アカデミー賞助演男優賞を受賞>
バットマン ビギンズ (2005) BATMAN BEGINS 』
この映画で養女ヴィクトリアがいるが、実生活でも娘一人は養女だ。

●ボブ・ホスキンズ as バート@ダニー・ザ・ドッグ
スターリングラード (2000) ENEMY AT THE GATES
メイド・イン・マンハッタン (2002) MAID IN MANHATTAN
悪女 (2004) VANITY FAIR
ビヨンド the シー 夢見るように歌えば〜 (2004) BEYOND THE SEA
マスク2 (2005) SON OF THE MASK
ジェット・リー様を犬のように首輪をかけて戦う奴隷にしてきた嫌なヤツ。

●ケリー・コンドン as ヴィクトリア@ダニー・ザ・ドッグ
アンジェラの灰 (1999) ANGELA'S ASHES
ダブリン上等! (2003) INTERMISSION
サムの養女。白人だよ。

●スコット・アドキンス@ダニー・ザ・ドッグ
メダリオン (2003) 飛龍再生 (原題) / THE MEDALLION (英題)

●クリスチャン・ガツィオ@ダニー・ザ・ドッグ
ゴッド・ディーバ (2004) IMMORTEL AD VITAM

●シルヴィオ・シーマック@ダニー・ザ・ドッグ
ブラックマスク2 (2001) BLACK MASK 2: CITY OF MASKS (英題) / 黒侠II (原題)
背の高いマッチョなこの人がジェット・リー様にパンチを食らわす!

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■映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED / DANNY THE DOG 』のあらすじ

 映画『 ダニー・ザ・ドッグ 』はスコットランドのグラスゴー Glasgow, Scotland (
トレインスポッティング (1996) TRAINSPOTTING
猟人日記 (2003) YOUNG ADAM 』等のロケ地)とイングランドのノーフォーク Norfolk, England (
恋におちたシェイクスピア (1998) SHAKESPEARE IN LOVE 』等のロケ地)とフランスという各地でロケがなされたが、物語の舞台はグラスゴーだ。寒そう。

 ダニー(ジェット・リー)はこれまで一度も教育を受けさせてもらっていない孤児。五歳の時に誘拐されたまま、身体はガッチリと大人なのに、精神年齢はたった十歳くらいしかない。何故かと言うと、悪玉バート(ボブ・ホスキンズ)がダニーを飼い殺しにしているからだ。ダニーに戦い方だけ教え込んで、まるで『 グラディエーター (2000) GLADIATOR 』のファイターのように賭博のファイトをさせ、‘飼い主’でありボスの自分にたんまり儲けが入ってくるようになっているのである。ダニーのファイトの強さは誰にも負けない強烈なものだから、そういう不法ファイトで常に勝利を挙げている。『 デッドロック (2002) UNDISPUTED 』みたいに undisputed champion なのである。

 ダニーはまるで動物扱いで、ぼろぼろの服で地下の檻に入れられ、食べ物はインスタント品を手でつかんで食べる。人間らしい感情もないし、単なるファイティング・マシーンだ。タイトルにある「ダニー・ザ・ドッグ Danny the Dog 」は「犬のダニー」。これは、ダニーが首輪を嵌められていることからも由来している。ステンレスのような銀色で太くて強固な首輪である。いつもはそれを嵌められていて、‘ご主人’バートが首輪を外すと、そこにいる相手を狂犬のごとく攻撃するように教育されている。誰かを痛めつける場合とか、賭博試合とかに、そうするように言わば洗脳されているのだ。

 ある時、‘ご主人’バートとダニーが車に乗っていると、バートは暗殺されかけて車は大事故になる。そしてバートは昏睡状態に陥ったので、ダニーは生まれて初めて逃げてみた。そしてへとへとになって倒れこんだところを救ってくれたのが、ピアノ調律師のサム(モーガン・フリーマン)。サムは盲目だけどピアノを弾けるし調律できる。盲目にしようと提案したのはモーガン・フリーマン自身だそうだ。一般人の世界へ初めて出て怯えて不信感を露(あら)わにするそのアジア系の青年(ジェット・リーは 41 歳だけど若く見えるでしょ)を、サムは優しく自宅に匿ってあげた。

 美しい邸宅、家庭的な居室、柔らかいベッド、清潔な衣服、温かい食事。何もかもがダニーにとって目新しい。サムがお皿でくれた食事も、ベッドの下から上目遣いに恐る恐る受け取る。ちょっとオドオドした犬みたいにして。それに、若くて清楚な女性を見てまたまたビックリするダニー。サムは妻に先立たれ、その女性はサムの養女ヴィクトリア(ケリー・コンドン)なのだ。ヴィクトリアは何者かも分からない普通じゃないダニーを嫌がらず、親身に接してくれる。ダニーは首輪も取ってもらった。でも、外しても、以前みたいに攻撃体勢をとらずに済むのだろう。外してくれるのが優しい若い娘さんなのだから。

 サムはダニーにピアノを教えてあげる。ヴィクトリアはダニーを街まで連れてって、普通の人達の生活を垣間見せてあげる。撮影が寒そうな町のアイスクリーム屋さんでは、ダニーは生まれて初めてアイスクリームを口にしてその冷たさにびっくりしたり。父娘という一般家庭の環境に包まれ、温かく和やかな空気の中で、ダニーは徐々に‘動物’から人間へと変身していくのだ。そしてサムとしたら、ダニーに奴隷ファイターから足を洗って欲しいと願う。ダニーは人の親切を初めて経験したから、人間を信じることを覚え、愛情、友情、家族という概念と価値を理解するようになる。このまま幸せが続けばいいのだが…。

 元‘ご主人’バートが昏睡から覚めてしまった。そして自分の大事な‘稼ぎ道具’ダニーを探し回る。また自分の手元に置いてファイトマネーを搾取するために、ダニーという最強のファイターを失うことなんかできないのだ。そして遂にダニーは見つかってしまった。映画『 ダニー・ザ・ドッグ 』では、ジェット・リーの泣くシーンがあるが、ひょっとしてこの辺りでだろうか。アップで涙がぽろぽろこぼれ落ちる極めて人間的なダニーのシーンである。『 スクービー・ドゥー2 モンスター パニック (2004) SCOOBY-DOO 2: MONSTERS UNLEASHED 』にもある語‘ Unleashed ’で、『 ダニー・ザ・ドッグ 』英語タイトル「 Unleashed (皮ひもを解かれた)」の通り、やっと首輪を外してもらって人間らしくなったのに、もう動物扱いに戻るのなんてイヤだ〜!

 バートに戦うように命じられるが、ダニーはもう以前のダニーではない。救ってくれたサムが望んだ通りに、ファイトの世界は捨てたのだ。でも無理やりリングに立たされる。今回の相手は新しい強いファイター(シルヴィオ・シーマック)だ。シルヴィオが殴ってくるけど、ダニーはもう戦わないと心に決めたから、打ち返さない。このシーンでは、ジェット・リーはシルヴィオから本当にパンチを食らっているそうだ。普通、大スターというのは本当にぶたれることはしないそうで、相手役のシルヴィオはその姿を尊敬したと語っている。ジェット・リーは少林寺の訓練でさんざん叩かれるのは慣れているかな。いや、それはリー・リンチェイ時代、ン十年も前のことですネ。

 ダニーはその試合では物凄くダメージを受けたので、最後の方では自衛のためだけ戦って死なずに済んだ。そして優勢になって勝利するけど、シルヴィオを殺したくはない。そしたら、試合後にボブがシルヴィオを射殺してしまうそうで。何という悪いヤツ! こういう進展になって、あとは、サムが悪者たちが暴かれたら困る何か秘密を握っているらしく、スリリングな展開になる模様。ラストはどんななのだろう。

 なお、このあらすじは映画『 ダニー・ザ・ドッグ 』を観る前に書いたものです。鑑賞後に書いたレヴューは下記<もっと詳しく>にあります。

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■映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED / DANNY THE DOG 』のトリビア


【ダニー・ザ・ドッグのトリビア その1】  ジェット・リーがこれまでに中国・香港時代とハリウッドに渡ってからも出演した映画は 31 本だそうだ。扮してきた役は、ヒーローか信頼できる助っ人で、人々を助けたり、家族を助けたり、更に大きな単位になって、都市・国まで救うようなキャラクターばかりだった。だから、この映画『 ダニー・ザ・ドッグ 』は、モーガン・フリーマンに救われるという初めての役になる。人生の意義も知らず、人間らしさのこれっぽちも備えていないファイティング・マシーンということで、それらしき立ち方、歩き方、感情の表し方を毎日コーチから教わっていたという。

【ダニー・ザ・ドッグのトリビア その2】  武術の面でも、『 ダニー・ザ・ドッグ 』は普段のジェット・リー作品と違う。まず、アクションの量はジェットのハリウッド作品の中では多いほう。一番の違いは、ジェットの本来の中国仕込みのマーシャルアーツばかりを駆使せずに、卑屈なファイティング・マシーンという役柄、もっとストリート・ファイティング的になっている。そして嬉しいことに、カメラは数台使わないでたった一台で撮り、ファイトシーンは断続せずに一本として撮ったから非常に本物で滑らかなアクションが見られること。この撮影手法はハリウッド的というよりも、むしろ香港的に近いそうだ。

【ダニー・ザ・ドッグのトリビア その3】  ジェット・リーが映画『 ダニー・ザ・ドッグ 』で楽だったことが一つある。『 ダニー・ザ・ドッグ 』は英語の映画だけど、ストーリーで分かるように教育を受けていない十歳くらいの子の能力ということで、ジェット・リーの喋る台詞は極めて少なかったのだ。(追記:そうでもなかったです。実際に観たら、後半はよく喋っていますヨ。)

【ダニー・ザ・ドッグのトリビア その4】  因みに「ダニー・ザ・ドッグ Danny the Dog 」の「犬」だけど、ワンちゃんを卑しい獣のように捉えた言い方だ。ワタシ的には正反対ですから、念のため。ワンちゃんは神様です!(『 少林寺 (1982) 少林寺 / THE SHAOLIN TEMPLE 』でジェット・リー様が犬を食べちゃうのは誰もがショックを受けました…。) 『 ダニー・ザ・ドッグ 』には、白い杖のモーガン・フリーマンと共に優しい眼差しでブルテリアらしき白い犬をジェット・リーのダニーが見守っているシーンもあり、ワンちゃんが全て悪者になっているわけではないようでホッとしている。

【ダニー・ザ・ドッグのトリビア その5】  『 ダニー・ザ・ドッグ 』のポスターが、ジェット・リーの祖国中国で、東洋人が白人に侮辱されていると捉えられて問題になった(足で押さえつけられている方)。それで、別のポスター(睨んでいる2種類)になったという経緯がある。マウスを当てると三種類の『 ダニー・ザ・ドッグ 』のポスターが見られます。

【ダニー・ザ・ドッグのトリビア その6】  『 ダニー・ザ・ドッグ 』の中国語の題が分かった! 『 狼犬丹尼 』という。
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【『 ダニー・ザ・ドッグ 』のスタッフとキャスト】
監督: ルイ・レテリエ Louis Leterrier (Directed by)
武術監督: ユエン・ウーピン 袁和平 Woo-ping Yuen (action choreographer)
製作: リュック・ベッソン Luc Besson (producer)
    スティーヴ・チャスマン Steve Chasman (producer)
    ピエランジュ・ル・ポギャム Pierre-Ange Le Pogam (producer)
    ピエール・スペングラー Pierre Spengler (co-producer)
脚本: リュック・ベッソン Luc Besson (Writing credits)
    ロバート・マーク・ケイメン Robert Mark Kamen (Writing credits)
撮影: ピエール・モレル Pierre Morel (Cinematography by)
編集: Nicolas Trembasiewicz (Film Editing by)
配役: ナタリー・シェロン Nathalie Cheron (Casting by)
    スザンヌ・スミス Suzanne Smith (Casting by)
音楽: マッシヴ・アタック Massive Attack (Original Music by)
    RZA RZA (additional music)
    ジョルジュ・ビゼー Georges Bizet ("Habanero" from Carmen)
    ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト Wolfgang Amadeus Mozart (from "Sonata No.11")

出演: ジェット・リー 李連杰 Jet Li as Danny
    モーガン・フリーマン Morgan Freeman as Sam
    ボブ・ホスキンズ Bob Hoskins as Bart
    ケリー・コンドン Kerry Condon as Victoria
    スコット・アドキンス Scott Adkins
    クリスチャン・ガツィオ Christian Gazio as Infirmier
    シルヴィオ・シーマック Silvio Simac
    アンディ・ベックウィズ Andy Beckwith as Righty
    フィリーダ・ロウ Phyllida Law as Distinguished Lady
    キャロル・アン・ウィルソン Carole Ann Wilson as Maddy
    クエンティン・ピエール Quentin Pierre as Concert Announcer

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ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 ダニー・ザ・ドッグ 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー
 私は日本公開前に字幕スーパーなしの英語で観たので、わかる範囲でレヴューします。映画データについては調査した時点と公開される時点で異なる場合があります。本作の内容については、語学力と経験・常識不足のため、間違いや勘違いや適切でない表現があるかもしれません。どうかご理解賜りますようお願いいたします。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。
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【ダニー・ザ・ドッグ 第01段落】  ジェット・リーの顔の部分部分のアップから映画『 ダニー・ザ・ドッグ 』は始まる。そしてカメラは首を映し出す。そこには銀色の幅広の首輪が。首輪を外され(それが『 ダニー・ザ・ドッグ 』の原題「 Unleashed 」)、「 Danny, go! (かかれ!)」と命じられるとダニー(ジェット・リー)は狂犬のごとく殺人マシンに変貌する。数人相手にキック、パンチ、頭突き、エルボーを狂暴に浴びせるダニー。相手を倒し終われば「 Good boy! 」と、まるで犬を褒めるのを同じにボスに褒められ、車に乗せられ帰っていく。首輪が嵌められていれば大人しい。一言も発さず、子供のような純真さ。

【ダニー・ザ・ドッグ 第02段落】  ここはスコットランドのグラスゴー Glasgow, Scotland 。ダニーのボス、‘飼い主’はバート(ボブ・ホスキンズ)といういかにも悪そうな恰幅のいい中年男。いつも白いスーツに身を包んでいる。バートは運転手や手下を数人抱えており、高利貸しを仕事にしているワルの男だ。借金取りをスムースに成功する秘訣は拳銃等の武器で脅かすのではない。狂犬のような‘飼い犬’ダニーを連れて行き、首輪を外して放てばいいのだ。相手はすぐにやっつけられて降参する。そしてお金を回収できる仕組みだ。

【ダニー・ザ・ドッグ 第03段落】  バートのアジトでは、ダニーは地下の穴のような空間に入れられてまるで卑屈な動物扱いだ。服もボロボロで、髪の毛もモジャモジャ。バートばかりか、バートの部下たちまでダニーを馬鹿にして邪険に扱っている。でもダニーは大人しいのだ。逆らわず、淡々と缶詰を手で食べ、サンドバッグを打って鍛錬している。この中国人の青年がどうしてこういう境遇になっているのか? 後のバートの説明では、路上で泣いている幼子を拾って育ててやったのだと。そして教育も受けさせず、殺人マシンになるように武術だけ叩き込んできたのだ。

【ダニー・ザ・ドッグ 第04段落】  そんなダニーの手元に残る、幼い記憶の断片。それは使い古したクマの縫いぐるみとアルファベットの絵本だ。ダニーは腹筋運動で起き上がるごとにそのテディベアを触っているし、幾度となくページをめくるABC絵本では、いつも目に留まるのはキス kiss のK、ラブ love のL、ピアノ piano のPである。それが遠い昔の何かを思い出させるのだろうか、何かをチラッと目撃した恐怖の感触だけが無情にダニーの脳裏を駆け抜ける。

【ダニー・ザ・ドッグ 第05段落】  翌日のお金の回収の行き先は宝石店。バートはいつもの通りにダニーを連れて行くが、首輪を外したら襲うのを知っているそこの主人はバートを押さえ込み、首輪を外させない。だからバートは痛い目に遭わされてからやっとダニーの首輪を外した。ここから勿論ダニーは大暴れしたのだが、外されるまで‘飼い主’バートを助けようとしないでボーとしているだけだったので、帰りにバートに怒られる。このように、ダニーは首輪をしていると戦うこともせず、何も考えもしない。自分の意志を持っていないのだ。

【ダニー・ザ・ドッグ 第06段落】  今度は骨董品倉庫 Antiques に連れて行かれた。そこの奥の方でバートはまた仕事をするので、ランプを点滅させたらすぐに来い、と命じられるが、ダニーは上の空。何故かというと、そこは骨董ピアノが何十台と置いてあるところなので、ダニーの目は自然とピアノの方に行ってしまうからだ。ダニーはどうしてピアノに関心があるのか自分でも分からない。とうとう鍵盤をソッと叩きすらした。すると、盲目の調律師サム(モーガン・フリーマン)が気配を感じて声をかけてきた。ピアノ一台を調律するのに二時間、全部するには一ヶ月かかるから、手を貸してくれないか、と。黙っていると、いるんだろ、と訊かれ、初めてダニーは口を開いた「 Yes. 」。

【ダニー・ザ・ドッグ 第07段落】  この人は目が見えないらしい。優しそうだ。本能的に感じ取ったダニーは横に座って、指示される通りに鍵盤を押していく。こんな易しいことなのに褒めてくれる。その調律師jは昔はニューヨーク New York のカーネギー・ホール Carnegie Hall を目指したピアニストだった。でも事情があって(本人は一流じゃなかったのでと言っているけど)ピアニストは断念して調律師となっているのだ。ダニーは名前を訊かれると答えることはまだ出来ないが、調律師サムは気長に接してくれる。サムから「 Nice to meet you. 」と挨拶されれば「 Me, too. 」と答えられるじゃないの、ダニーは。するとランプが点滅していた。気づくのが遅かった。駆けつけると、バートは殴られた後。ここでまたダニーは怒られてしまう。さっきの調律師とは黙って別れてしまったなぁ。

【ダニー・ザ・ドッグ 第08段落】  アジトに戻ったバートに客が。昨日の宝石店の男で、ダニーの狂暴さと並外れた強さを目の当たりにしていい話を持ってきたのだ。会員制の賭け試合を月に一度開いている。それは一方が死ぬまで戦わせるという原始的な怖〜いファイトのショーだ。これで勝てば大儲けできる。こういう話にバートはすぐ乗って、ダニーを殺人ファイトに意気揚々と連れて行った。そして結果は、大男の喉をたったパンチ三発で殺して楽勝だった。あまりにも圧勝なので、次回はもっと見せ場を頼むと言われるほど。大金を手にしたバートはご機嫌。

【ダニー・ザ・ドッグ 第09段落】  その帰途、車はピアノの保管されている先日の骨董品倉庫を通り過ぎる。車の中で、ご褒美に何が欲しいかと訊かれ、ダニーは「 I want a piano. (ピアノが欲しい)」と答えて一笑に付されてしまった。そこへ巨大なトラックが側面から突っ込み、バートやダニーの乗った乗用車は銃撃された。撃っているのは宝石商の手下達だ。運転手もバートも死んでしまったようだが、ダニーは生き残ったのでそこから脱出。そして骨董品倉庫へと逃げて、調律師サムに見つけられた。ダニーは負傷しており、流血の中で意識を失って倒れこむ。

【ダニー・ザ・ドッグ 第10段落】  気が付くと清潔なパジャマを着せられて家庭のベッドルームのベッドの中だった。サムが自宅に連れて帰ってくれて、二日間、意識不明だったダニーは自分の今の状況に戸惑う。サムが食事を持ってきてくれても、怖がってベッドの下に隠れたり。そんなダニーをサムは詮索せずに優しく見守るのだった。サムが弾くピアノの音を耳にしたダニーは、勇気を振り絞って音の方に進み出る。そこに帰宅した若い女性と顔を合わせてビックリして、また部屋に篭っちゃった。

【ダニー・ザ・ドッグ 第11段落】  その女性はヴィクトリア(ケリー・コンドン)という 18 歳の音楽学校の生徒で、サムの養女だ。一言も口をきかずシャイな東洋人ダニーを、ヴィクトリアはキュートだと言って、やはり偏見も持たずに温かく接してくれた。そしてピアノに関心を示す彼に、亡き実父の形見のキーボードを貸してあげた。その時もベッドの下に潜っているのだが、こういう温かい家庭の雰囲気にやっと安心したダニーは部屋から出て食事に合流した。そして遂に「 My name is Danny. 」と名乗れた。もう大丈夫。温かいスープやご馳走。スプーンの使い方、英単語。何もかも初めてなダニーを、彼よりもずっと年下のヴィクトリアは易しく教えてあげる。ただ、不可解な首輪だけは、いじらせなかった。触れようとするとダニーは怯えた顔をする。

【ダニー・ザ・ドッグ 第12段落】  寒いグラスゴーの街を三人連れがゆく。躊躇うダニーを、一般人の生活を見せるために外出に誘ったのだ。ダニーは以前のように汚い服装ではない。ヘアスタイルも整ったし、何と言っても笑顔が輝いている。ヴィクトリアはグラスゴーの音楽学校に通っているので、サムとダニーとで学校まで送った。すると別れ際にヴィクトリアはダニーの頬にキス。そんな甘い振る舞いを受けてダニーは嬉しい。次は SPAR というスーパーマーケットへ。サムは女店員(キャロル・アン・ウィルソン)にダニーを紹介したり買い物を覚えさせたりして、ダニーはまた英単語を増やしていく。

【ダニー・ザ・ドッグ 第13段落】  サムの家のキッチンには家族写真が飾られていて、ヴィクトリアの実の両親も映っていて幸せそう。ヴィクトリアは白人の両親に生まれたが、父親はヴィクトリアが生まれる前に死んでしまった。その親友だったサムと母親が再婚してから二人は交通事故に遭い、母親は死亡、サムは視力を失ったという経緯なのである。だからヴィクトリアはサムの養女になって、父娘として一緒に暮らしている。本当は二人は米国ニューヨークが自宅なのだが、ピアノの教育に最適な環境ということで、ここスコットランドのグラスゴーに住んでいる。サムからこう事情を聞き、写真を見たダニーは「家族」という存在に心を打たれる。サムに家族のことを訊かれても、いる筈なのだけど思い出せないと寂しく答えるダニー。

【ダニー・ザ・ドッグ 第14段落】  ヴィクトリアを学校まで送ってから3時間後、迎えはダニーだけでできた。するとヴィクトリアは独りで行動できたお祝いにと言って、アイスクリーム店に案内する。これもスチルで有名なシーン。ダニーは生まれて初めて食べるアイスクリームの冷たさに驚き、また美味しがって食べる。次の日は三人でグラスゴーの街を散策。そして公園の池でボートを漕いだり、水族館を経験したり、映画館でポプコーンを頬張ったり。犬のブルテリアのシーンは、歯科医の待合室だった。ヴィクトリアが歯の矯正のブリッジを外しに行って、サムとダニーが待っているところ。そして三人で「家族写真」の記念撮影までする。

【ダニー・ザ・ドッグ 第15段落】  また、家ではヴィクトリアがダニーに鍵盤を押させてあげてカルメン Carmen の歌曲の簡単な連弾を楽しむ。ダニーは本当にピアノが好きだ。それに、どこかで聴いた覚えのある美しいピアノ曲が心の中で聞こえもするのだ。一体ダニーの過去は何が封印されているのだろうか。サムもヴィクトリアも、どこかに陰のあるダニーを心配している。そんな時、ヴィクトリアは意を決してダニーの首輪に手をかけた。ドキッと怯えるダニーだが、今回は首輪を外されるのに逆らわなかった。平和的に「 Unleashed (首輪を外された)」ダニーは、もはや戦うマシーンではなくなっていた。過去から別れる時が来たのよ、とヴィクトリアは優しくささやき、痛そうな首輪の跡にそっとキスをする。

【ダニー・ザ・ドッグ 第16段落】  サムは調律の仕事場にダニーと一緒に行って、キーを叩く役割をダニーに与える。来月にヴィクトリアの卒業演奏会があること。グラスゴーには音楽学校の為に滞在していたこと。そして彼女が卒業したらニューヨークに帰ること。こういうことを語り、君もファミリーなのだから一緒に来て、とサムは言う。感激したダニーは抱きついて喜ぶのだ(パスポート申請とかの法的な処理はどうするんだろ、なんて考えてしまった!)。そして調律の賃金の半分をダニーにあげる。お小遣いなんて貰ったことないから、これもダニーは大感激。好きなものを買っていいと言われ、店でおかしな帽子を選んだ。温かい‘家族’に守られ、こういう一般人の暮らし方ができて、何て幸せなんだろう。

【ダニー・ザ・ドッグ 第17段落】  でも幸せは長くは続かなかった。その帰り、スーパー近くでバートの部下に遭遇してしまい、バートが生きていてダニーを探し回っていると知る。いい金蔓(かねづる)だからダニーが必要なのだ。断っても、ついて来なければ現在の‘ファミリー’を皆殺しにするという脅しを受け、ダニーはまたバートのもとに戻らされた。再会したバートは大喜びだ。またダニーを殺し合いのマッチに連れて行って大金を儲けられるのだから。すると、ダニーは質問する。母を知っていますか、と。言葉を喋るようになったダニーに驚き、嘲笑しながら、バートの返事は上述の通り。路上で泣いているのを救って育ててやったのだ、母親なんて知らないと。そしてまた新しい首輪を嵌めて、無慈悲にも、デスマッチの格闘場へダニーを連行した。

【ダニー・ザ・ドッグ 第18段落】  ダニーは戦いたくない。もうイヤだ。明日ピアノを買ってやるからというおだてにも乗らずにダニーは拒否し続ける。すると、バートに地下のリングへ無理やり突き落とされた。今度の相手(シルヴィオ・シーマック)はダニーに鋭く攻撃する。でもダニーは全然ファイトはしないで、ただ攻撃をかわすだけだ。賭博の掛け金を払っている客達は当然面白くない。バートは斧を投げ入れ、それで戦わせようとするが、斧は相手が手にしてしまい、一層激しくダニーを殺そうとする。更に別の三人のファイターが追加されて、ファイトを盛り上げようとまでされる。このままでは本当にダニーは殺されてしまう。

【ダニー・ザ・ドッグ 第19段落】  バートにそう指示され、ダニーは身を守る術を最高レベルに駆使し始めた。三人をバタバタと倒し、最後の一人。でも、殺せるところを、殺さなかった。客は殺気立って興奮し、バートも怒っている。するとバートは、ダニーが殺さなかったその相手を拳銃で殺してしまった。命令をきかないダニーに腹を立てたバートは、また邪険な扱いでダニーを床下の檻に閉じ込める。ここでまたアルファベットの絵本を見ながら、母親のことを知りたくなって、天井の鉄の網の蓋をそっと開けて脱出した。そう、ダニーは賢くもなったし、行動に移せる知力も身についたのだ。

【ダニー・ザ・ドッグ 第20段落】  バートのオフィスで探すと、写真が何枚もある。そしてアジア系の若い女性の写真も。これこそ母親だ! ダニーは夢中でバートに食ってかかる。母を知っていたじゃないか! すると今度のバートの答えはこうだ。お母さんは‘whore (売春婦)’だった。俺は愛していた。だから死んだ時、お前を引き取って育てたのだ、と。真実を話さない方がお前の為になると思って言わなかったのだ、と。だからこそ、先日のファイトの負けを取り戻すのだと、また車で試合に向かう。

【ダニー・ザ・ドッグ 第21段落】  車の中で、「 Family should be together, no matter what.... (たとえどんなことがあろうと家族は一緒にいるべきだ。)」と、サムとヴィクトリアに聞かされていた言葉を口ずさんだダニーは、後部座席から運転手とバートを羽交い絞めして、車はひっくり返って大破。ダニーは車から出て、大雨の中、仁王立ち。怒った顔つきで首輪を自分の手で外す。そしてダニーは母の写真を手に、逃走した。その頃、突然姿を消したダニーを、サムとヴィクトリアは心配して待っている。

【ダニー・ザ・ドッグ 第22段落】  二人のもとに戻るや、ダニーは叫ぶ。母は売春婦だった〜! でも、ヴィクトリアがその写真を見る限り、全然そんな感じではない。もっとハイソ。ステンドグラスがあり、グランドピアノが二台。音楽学校みたい。それを聞いて、サムはピアノのメーカーを尋ねる。「 Pleyel (プレイエル)」だとヴィクトリアが言うと、サムは手掛かりがあるかも、と行動へ。因みに、プレイエルというのは、スタインウェイ Steinway とかベーゼンドルファー Bosendorfer と同様、名高い高級ピアノのブランド名だ。サムはダニーを連れて、ある建物へと赴いた。調律師をしているから、そこにプレイエルのピアノが置いてあるのを知っていたからである。そして老婦人(フィリーダ・ロウ:
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (2004) HARRY POTTER AND THE PRISONER OF AZKABAN
ジャスティス 闇の迷宮 (2003) IMAGINING ARGENTINA
ラブ・アクチュアリー (2003) LOVE ACTUALLY
トレジャー・プラネット (2002) TREASURE PLANET
いつか晴れた日に (1995) SENSE AND SENSIBILITY 』等のエマ・トンプソン Emma Thompson はフィリーダ・ロウの娘)に記録を調べてもらう。・・・

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【ダニー・ザ・ドッグ 第23段落】  すると、該当する女子生徒が確かに在籍していた。それは非常に有能なピアノ学科の生徒で、ある日、突然姿を消したこと。中国の両親も連絡がとれなくなったと心配していたこと。可愛い坊やもいたこと。まさにダニーの真の母親である。ピアノを弾く若き母親の写真を見てダニーは嬉しがる。

【ダニー・ザ・ドッグ 第24段落】  翌日、ヴィクトリアを学校へ迎えに行くのも忘れて、ダニーはその写真に見入っていた。音楽に詳しいヴィクトリアが拡大鏡(笑!映画映画!!)で写真をよく見ると、母の弾いている楽譜の曲名がモーツァルト(『 モーツァルトとクジラ (2005) MOZART AND THE WHALE / CRAZY IN LOVE 』参照)のピアノソナタ第11番 Mozart's Piano Sonata No. 11 (IMDb によると Piano Sonata No.9)だと判明した。ヴィクトリアはそれを弾いてくれる。すると、ダニーの脳裏に5歳の時の悲劇の映像が浮かび上がった。・・・

【ダニー・ザ・ドッグ 第25段落】  自宅のグランドピアノでモーツァルトのピアノソナタ第11番を弾く母。幼いダニーは纏わりついて遊んでいる。そこへ客が来たので、母はダニーを押入れに隠した。客は、若きバートである。バートはダニーの母に言い寄り、拒絶されると、母の頭部を撃ち抜いて殺した。それを狭い隙間から目撃したダニーは、飛び出してその男に反撃する。マーシャルアーツの精神が幼いのに見られたので、ダニーはその時バートに誘拐されたのだ。テディベアとABC絵本は、この時にダニーが掴んで持っていったものだ。それ以来、バートはダニーに格闘技ばかりを教え込んで殺人マシンに仕立て上げたわけである。これがダニーと母親の悲しき真実だった。怒りに燃えるダニー。

【ダニー・ザ・ドッグ 第26段落】  一方、再度逃亡したダニーをバートの一味は追っている。そしてダニーの行きつけのスーパーマーケットで、脅して居場所を突き止めた。ダニーは奴らが襲ってくるのを察知して、サムとヴィクトリアを守るためにすぐ皆で避難しようとしたが間に合わない。だから、昔、母がしてくれたのと同じように、サムとヴィクトリアを押入れに隠して、彼らと戦う。ここから暫く、ジェット・リーの本格派マーシャルアーツやストリートファイトが堪能できる。トイレという狭い空間で一騎打ちするシーンは有名。窓から飛び降りたり屋上で格闘したり『 マトリックス (1999) THE MATRIX 』ばりに身をくねらせて銃弾をかわしたり、見所のシーンがいっぱい。

【ダニー・ザ・ドッグ 第27段落】  サムの家の中も乱闘で使われる。遂にバートの手下を倒して、残るはバート一人。逆らうダニーに首輪をまた嵌めて連れ戻そうとするバートに、ダニーは力強く「ここが家だ」。これまでの恨みつらみをバートに向けたダニーはバートの息の根を止めようとする。本気で憎いこの男を。しかし、サムとヴィクトリアはやはりあの母の時と同様に、押入れから飛び出してきて、そんなダニーを必死で止める。人を殺したら何もかもお仕舞いじゃないかと。それでも憎まれ口を叩くバートを、最後はサムが植木鉢を振り落としてノックアウトした。

【ダニー・ザ・ドッグ 第28段落】  後日のピアノ演奏会。アナウンス(クエンティン・ピエール)の案内でヴィクトリアがステージ中央のグランドピアノ「 Pleyel プレイエル」に向かう。弾く曲目は? それは、ダニーのお母さんの愛した、そしてダニーが心の中にずっと抱き続けてきた母の思い出の曲モーツァルトのピアノソナタ第11番だった。客席でサムと並んだダニーはそれを聞いて感涙する。こんないい人たち、温かい‘ファミリー’に恵まれたダニーにやっと幸福な人生が訪れたのだ。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず8312文字/文責:幸田幸

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参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      公式サイト(英語版)
       http://www.roguepictures.net/index.php
      公式サイト(仏語版)
       http://www.dannythedog-lefilm.com/
      アスミック・エースのご好意により資料提供いただきました。有難うございます。
■映画『 ダニー・ザ・ドッグ UNLEASHED / DANNY THE DOG 』の更新記録
2004/11/22新規: ファイル作成
2004/12/05更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
2005/02/19更新: ◆ポスター更新及び情報追記
2005/03/29更新: ◆タイトル確定
2005/05/27更新: ◆データ追加
2005/06/01更新: ◆レヴュー作成
2005/09/05更新: ◆データ追加
2006/03/15更新: ◆データ追加
2007/02/05更新: ◆データ追加
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幸田 幸
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