1492・コロンブス | |
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映画の森てんこ森■映画レヴュー | |
1492・コロンブス (1992) | |
1492 CONQUEST OF PARADISE | |
1492・コロンブス |
【『 1492・コロンブス (1992) 1492 CONQUEST
OF PARADISE 』の解説】 映画『 1492・コロンブス (1992) 1492 CONQUEST OF PARADISE 』を紹介します。 映画『 1492・コロンブス (1992) 1492 CONQUEST OF PARADISE 』は、コロンブスの新大陸発見 500 周年を記念した 1992 年アメリカ/フランス/スペイン製作の作品。ある映画会社がコロンブス映画を作りたいと考え、「エイリアン」や「ブレードランナー」等SFで有名な監督リドリー・スコットで痛快アドベンデャーを製作しようとした。しかし、監督側は新大陸発見の意義まで問う重くシリアスな内容で描きたく、二者は喧嘩別れとなった。その為、前者は「 CHRISTOPHER COLUMBUS THE DISCOVERY (コロンブスの発見)」と題名にコロンブスの名前をつけられたが、リドリー・スコット側はコロンブスの名を使えずにこのように「 1492 : THE CONQUEST OF PARADISE(直訳: 1492 年 パラダイスの征服)」=『 1492・コロンブス 』とせざるを得なかった背景がある。 『 1492・コロンブス 』の主演ジェラール・ドパルデューは「ヴィドック」「仮面の男」等出演、ジャン・ギャバンの後継者として名高いフランス人俳優。イザベラ女王役のシガーニー・ウィーヴァーはご存知「エイリアン」が代表作、芸名シガーニーは「華麗なるギャッツビー」の登場人物から取った。映画『 1492・コロンブス 』で歴史上のコロンブスに等身大の人間性が見て取れる。 |
■映画『 1492・コロンブス (1992) 1492
CONQUEST OF PARADISE 』の「テキストによる映画の再現」(あらすじとネタばれ)※ご注意:『 1492・コロンブス (1992) 1492 CONQUEST
OF PARADISE 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。 >>「映画解説・レヴュータイトル一覧表」へ(画面の切り替え) |
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●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。 | |
■『 1492・コロンブス (1992) 1492 CONQUEST
OF PARADISE 』のデータ 上映時間 162分 製作国 アメリカ/フランス/スペイン 公開情報 松竹富士=アスキー映画 初公開年月 1992/10 ジャンル 歴史劇 《公開時コピー》英雄か!略奪者か!500年目の真実。 《米国コピーTagline》Centuries before the exploration of space, there was another voyage into the unknown. |
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【『 1492・コロンブス (1992) 1492 CONQUEST
OF PARADISE 』のスタッフとキャスト】 監督: リドリー・スコット Ridley Scott 製作: リドリー・スコット Ridley Scott アラン・ゴールドマン Alain Goldman 製作総指揮: ミミ・ポーク・ソテラ Mimi Polk イエン・スミス Iain Smith 脚本: ロザリン・ボッシェ Roselyne Bosch 撮影: エイドリアン・ビドル Adrian Biddle 音楽: ヴァンゲリス Vangelis 出演: ジェラール・ドパルデュー Gerard Depardieu シガーニー・ウィーヴァー Sigourney Weaver アーマンド・アサンテ Armand Assante アンヘラ・モリーナ Angela Molina フェルナンド・レイ Fernando Rey チェッキー・カリョ Tcheky Karyo フランク・ランジェラ Frank Langella マイケル・ウィンコット Michael Wincott ローレン・ディーン Loren Dean ケヴィン・ダン Kevin Dunn アーノルド・ヴォスルー Arnold Vosloo |
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◆俳優について 主演ジェラール・ドパルデュー Gerard Depardieu の出演映画は、『 ルビー&カンタン (2003) TAIS-TOI! (原題) / RUBY & QUENTIN (英題) 』『 ナタリー... (2004) NATHALIE... 』『 ボン・ボヤージュ (原題) (2003) BON VOYAGE 』『 ブランシュ (2002) BLANCHE 』『 シティ・オブ・ゴースト(原題) (2002) CITY OF GHOSTS 』 『 ミッション:クレオパトラ (2002) ASTERIX & OBELIX: MISSION CLEOPATRE (仏) / ASTERIX & OBELIX: MISSION CLEOPATRA (米) 』『 ヴィドック (2001) VIDOCQ 』『 CQ (2001) CQ 』『 宮廷料理人ヴァテール (2000) VATEL 』『 メルシィ!人生 (2000) LE PLACARD (仏) / THE CLOSET (米) 』『 仮面の男 (1998) THE MAN IN THE IRON MASK 』『 1492・コロンブス (1992) 1492: CONQUEST OF PARADISE 』など多数ある。監督は、『 マッチスティック・メン (2003) MATCHSTICK MEN 』『 ハンニバル (2001) HANNIBAL 』 『 ブラックホーク・ダウン (2001) BLACK HAWK DOWN 』 『 グラディエーター (2000) GLADIATOR 』 などで偉大なリドリー・スコット Ridley Scott。 |
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<もっと詳しく> | |
ネタばれ御注意! このレヴューは「テキストによる映画の再現」を目指して作文しています。よって、ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。 |
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【1492・コロンブス 第01段落】 映画の導入は先ずコロンブスの息子の語りから始まり、最後も息子が伝記を書き始める形となっている。これは本当にコロンブスの息子が書いた「コロンブス伝記」を元にしているそうだ。 【1492・コロンブス 第02段落】 15 世紀、まだ地球が平面だと信じられていた時代、イタリア人のクリストバル・コロンつまり英語式ではクリストファー・コロンブス(ジェラール・ドパルデュー)は、地球が丸いと信じ、幼い息子にそれを海辺で教えていた。広い海を見渡して、水平線のかなたに船が消えていく様を息子に見せて、問いかける。あの船はどうなってしまうの?海の向こうは絶壁になっていて船は落っこちてしまうの?でも船は戻ってくるよね。地球は丸いからなんだよ。てな具合に。 【1492・コロンブス 第03段落】 周囲の人々から数々の非難を浴び、宗教的にも迫害されるが、コロンブスは屈せずに地球は丸いと主張する。地球は平面だと誰もが当然思っていた当時だから、彼は奇人扱いされ、常識はずれな人物と見なされてしまう。そのたびに説得しようとするが、当時の常識人にとっては彼は危険人物だったようだ。とかく生前は無名とか奇人扱いだった人が天才だと理解されるのには数百年かかるものだ。 【1492・コロンブス 第04段落】 当時、海運王国だったスペインのイザベラ女王(シガニー・ウィーバー)に、新航路を発見したい、西へと海を行けばアジアに着ける、アジアは楽園だそうだ、そして黄金という莫大な富をどっさり持ってこられると言って、幾度となく西への航海の許可と後援を懇願する。そして遂に、女王に許可を貰い、やっと資金を出してもらえることになる。 【1492・コロンブス 第05段落】 愛しい妻と二人の息子にしばしの別れを告げなければならない。生きて帰ってこられる保証は皆無の時代なのに、冒険家の妻は見事、文句も言わずに送り出す。しかし、コロンブスの航海に反対な者は山ほどいる為、家族に危害が及ばないように、息子をイザベラ女王の側近として預けることにする。そうすれば女王の家臣たちもコロンブスの妻子に手を出せないからだ。 【1492・コロンブス 第06段落】 コロンブスは出港間際になってソワソワし始める。やはり未知への大冒険だからだ。乗組員たち(数十人くらい?)を引きつれ、水や食糧を積み込んで、お祭り騒ぎの群集に見送られ、とうとう 1492 年、スペイン王室の援助を受けたコロンブスの一行は、サンタマリア号で未知の海へ乗り出した。大西洋を越えて、遥かアジアのインドへ到達することを信じて。 【1492・コロンブス 第07段落】 船員たちは黄金を持って帰るのを夢見てついて来ている連中だ。マストを広げた帆船で、無限に続く海原を見ながら毎日が過ぎていく。嵐も来る。船上という限られた生活空間から数々のストレスが生まれる。未知の航海で恐怖に怯える者も当然出てくる。食糧事情も悪く、ビタミン欠乏で病気の者も続出する。みんな不機嫌になってきた。陸地は依然として見えないではないか。一体いつインドに着くのか。親方のコロンブスの言っている事は本当なのか。コロンブスに船員たちは詰め寄ると、コロンブスは大西洋横断の予想日数にウソを言っていたことがバレる。長い日数を言えば、嫌がって、誰もついてこないからだ。 【1492・コロンブス 第08段落】 7週間の航海が経った。そうして遂にある日、船に蚊が飛んできた。エッ?蚊?そうだ、近くに陸があるという証拠だ!霧の切れ目からジャングルが顔をのぞかせる! 1492 年 10 月 12 日のことだった。多くの困難を乗り越えて、コロンブスの一行を乗せたサンタマリア号は、カリブ海に浮かぶ小島グアナハニ島を発見、緑豊かなこの島に無事到着した。これこそスペイン人による新世界の発見と征服時代の幕開けだった。ちなみに、ロケはコスタリカで行われたそうだ。 【1492・コロンブス 第09段落】 海また海の果てしない航海の後、コロンブス一行が陸に足を下ろす瞬間がいい。彼らの足はジャブンと水の中の「陸」を感じる。南国の豊かな樹木に覆われた美しい島。見たことのない黄色や原色の鮮やかな大きな鳥たち。そこに原住民がおそるおそる葉の間から様子を覗っている。コロンブスたちは長い航海で髪の毛はグジャグジャ、白人、服を着ている、帽子もかぶっている。そんな人間を初めて見る先住民たちは怯える。葉の間から先住民たちは槍を手にして出てきた。それを見てギョッとする一行。両者、殺意が見られる。しかし、一瞬あとにコロンブスは微笑んで見せる。すると先住民たちも歯を見せて笑った。異次元の二つの世界が、先ずは平和的な出会いをもった。 【1492・コロンブス 第10段落】 数ヶ月間この島で平和に過ごし、船員の半数くらいを島に残してコロンブスはいったんスペインに戻る。そして2度目の航海で島に戻ると、残していた船員たちは虐殺されていた。怒り狂う部下たちだが、よく見ると先住民たちも殺されているではないか。生き残っている者から話を聞くと、近くの別の凶悪な島人たちが襲ったのだと解る。しかし、納得しきれない部下たちは、だんだん疑惑的になる。一方、先住民の一部からの反乱や敵意が見られ始める。 【1492・コロンブス 第11段落】 次に、船はサンサルバドル島など、付近の島のいくつかに到達し、ここに殖民し、砦を築く。白人と先住民は協力して(というか、先住民を働かせて)大きな釣り鐘を島の門につるす。まさにヨーロッパ文化の象徴だ。彼らは新世界の開拓を始めて、都市建設も始める。しかしコロンブスは、力による現地支配は当時のヨーロッパ人の常識に反して行わない。つまり、当時 15 世紀としては非常識的な民主的な振る舞いなのだ。従って、当時の常識的考えの人間の代表として描かれている部下のモクシカ(マイケル・ウィンコット)ら一部の者は、コロンブスに何かと反抗する。 【1492・コロンブス 第12段落】 コロンブスは合計4回の航海を行う。アンティール諸島(カリブ海諸島群)、中米、南米北部も探検した。そうしている間に、部下のモクシカたちの反乱は激しくなる。また、侵略された側のインディオ側は、主張もさりげなく行う。こうして見ていくと、リドリー・スコット監督が伝えたかった「純粋なるものが周囲の思惑によって汚されてゆく過程」がひしひしと心に突き刺さる。何にも束縛されず天真爛漫に平和に生きてきた先住民は、ヨーロッパ人に侵略されて奴隷になるのだから。 【1492・コロンブス 第13段落】 コロンブスは仲間に裏切られ、先住民との誤解に悩む。採れる黄金も、期待していたのとは月とスッポンの僅かさだった。新大陸アメリカ発見の道を開拓したクリストファー・コロンブスだったが、結局、夢の新世界構想は失敗となる。反コロンブスの人々の野望や欲望は、コロンブスの理想を崩したのだ。失意で故郷へ戻るコロンブス。スペイン王室は、莫大な量の黄金をもち帰ることも出来ず新世界の構想も達成できなかった彼を軽蔑し、援助して損だったという態度を見せつける。だが、イザベラ女王自らは、そんなコロンブスを責めはしなかったのが救いだ。・・・ ◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say ! 【1492・コロンブス 第14段落】 悲しいかな、コロンブスがインドだと思った地はインドでなく、新航路を発見し、アメリカ大陸「付近」の島々を発見した自分よりも、アメリカ大陸「本土」を発見したアメリゴ・ヴェスブッチの方が評価されることになる。そして新大陸は、アメリゴにあやかって「アメリカ」と命名されて、コロンブスは世から忘れ去られてしまった。しかし、冒頭で記述したように、イザベラ女王の元で仕えて成長したコロンブスの息子が、父の帰国を歓迎し、父から大冒険の一部始終の話を聞いて「コロンブス伝記」を書いていたお蔭で、英雄コロンブスの名は現在、世界の誰もが知っているのだ。 【1492・コロンブス 第15段落】 クリストファー・コロンブスは不遇のうちに生涯を終えた。映画のラストでこういう字幕が出る。" Life has more imagination than we carry in our dream…. "「人生には夢にも勝るロマンと夢がある。」そしてコロンブスのラストの回想シーン、霧の切れ目からジャングルが顔をのぞかせる。 以上。 <もっと詳しく>からスペースを含まず3488文字/文責:幸田幸 |
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(■解説とネタばれ:2002/08/24 ◆俳優についてリンク更新:2003/08/30) ■テキスト内容一部とファイル書式更新:2004/07/07 |
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