リトル★ニッキー
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映画の森てんこ森■映画レヴュー
リトル★ニッキー (2000)
LITTLE NICKY
リトル★ニッキー
リトル★ニッキー
【『 リトル★ニッキー (2000) LITTLE NICKY 』の解説】
 映画『 リトル★ニッキー (2000) LITTLE NICKY 』を紹介します。映画『 リトル★ニッキー (2000) LITTLE NICKY 』は、出演料が1本2000万ドル以上という、「サタデー・ナイト・ライブ」出身のアメリカの超人気者コメディアン、アダム・サンドラー主演・製作総指揮・脚本の 2000 年おバカムービー。『 リトル★ニッキー 』『 Mr.ディーズ (2002) MR. DEEDS 』『 N.Y式ハッピー・セラピー (2003) ANGER MANAGEMENT 』等に主演のアダム・サンドラーが好き!という人は日本ではあまり聞かない(映画の中でニッキーが気にしているように、顔があんまり…だからかも)が、アメリカでは大スターみたい。ラジー賞ノミネート数も多いが、それも人気のうちかな。 1999年「ビッグ・ダディ( BIG DADDY )」では受賞。彼の人脈を生かしてか、『 リトル★ニッキー 』には多くの有名人が出演。
 『 リトル★ニッキー 』では、地獄の悪魔大王サタン(ハーヴェイ・カイテル:『 ピアノ・レッスン (1993) THE PIANO 』『 レッド・ドラゴン (2002) RED DRAGON 』等)の三男坊のリトル★ニッキー(アダム・サンドラー)は、兄達からのいじめで顔が歪んでいるが、父サタンからの愛を一身に受ける甘えん坊。そんなリトル★ニッキーに、地獄の未来がかかることに!長男のエイドリアン(リス・アイファンズ)と次男のカシアス(トム・“タイニー”・リスター・Jr.)が、次期大王の継承問題で憤り、地獄を飛び出して地上へと向かった。彼らを同時に地獄に連れ戻さないと、サタンが死んでしまう。ニッキーは兄を連れ戻すため、地上に向かうが…。
映画『 リトル★ニッキー (2000) LITTLE NICKY 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタばれ)ご注意:『 リトル★ニッキー (2000) LITTLE NICKY 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。
映画『 リトル★ニッキー 』の感想(ネタばれご注意)
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●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
■『 リトル★ニッキー (2000) LITTLE NICKY 』のデータ
 上映時間 93分
 製作国 アメリカ
 公開情報 ギャガ=ヒューマックス
 初公開年月 2001/05/26
 ジャンル コメディ/ファンタジー
 《公開時コピー》パパが悪魔でママ、天使。そして僕らは地球を救う!
 《米国コピーTagline》He's Never Been To Earth. He's Never Even Slept Over Some Other Dude's House.
【『 リトル★ニッキー 』のスタッフとキャスト】
監督: スティーヴン・ブリル Steven Brill
製作: ジャック・ジャラプト Jack Giarraputo
    ロバート・シモンズ Robert Simonds
製作総指揮: ロバート・エンゲルマン Robert Engelman
    アダム・サンドラー Adam Sandler
脚本: ティム・ハーリヒー Tim Herlihy
    アダム・サンドラー Adam Sandler
    スティーヴン・ブリル Steven Brill
撮影: テディ・カステルッチ Teddy Castellucci
    テオ・ヴァン・デ・サンデ Theo Van de Sande
 
出演: アダム・サンドラー Adam Sandler ニッキー
    ハーヴェイ・カイテル Harvey Keitel サタン
    パトリシア・アークエット Patricia Arquette ヴァレリー
    リス・アイファンズ Rhys Ifans エイドリアン
    トム・“タイニー”・リスター・Jr Tom "Tiny" Lister Jr. カシアス
    ケヴィン・ニーロン Kevin Nealon 門番
    ジョン・ロヴィッツ Jon Lovitz 覗き魔
    アレン・コヴァート Allen Covert トッド 
    オジー・オズボーン Ozzy Osbourne オジー・オズボーン
    ルイス・アークエット Lewis Arquette 枢機卿
    クリストファー・キャロル Christopher Carroll ヒトラー
    ダナ・カーヴィ Dana Carvey 審判
    ブレイク・クラーク Blake Clark ジミー
    ロドニー・デンジャーフィールド Rodney Dangerfield ルシファー(ニッキーの祖父)
    クリント・ハワード Clint Howard
    マイケル・マッキーン Michael McKean 警察署長
    クエンティン・タランティーノ Quentin Tarantino 盲人
    リース・ウィザースプーン Reese Witherspoon 天使(ニッキーの母)
    カール・ウェザース Carl Weathers マンボの先生
    ピーター・ダンテ Peter Dante ピーター
    ジョナサン・ログラン Jonathan Loughran ジョン
    ロバート・スミゲル Robert Smigel ビーフィー(声)
<もっと詳しく>
ネタばれ御注意!
 このレヴューは「テキストによる映画の再現」を目指して作文しています。よって、ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 リトル★ニッキー (2000) LITTLE NICKY 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー

【リトル★ニッキー 第01段落】  美しい母親が服を着替えているのを、外の木の枝に座って眺めているスーツを着たサラリーマン風の変態覗き魔(ジョン・ロヴィッツ)。鑑賞を堪能するためのワインも持参している。しかし、悪事はばれるもの。覗きが見つかってしまう。驚いた男は手をバタバタとばたつかせて鳥の振りをするが、彼女の小さな息子にパチンコ玉をぶつけられ、木から墜落。ああー、落ちて落ちて落ちまくる!落ちたところは…地獄。そしてすぐに地獄の門番(ケヴィン・ニーロン)から、地獄での拷問をかせられる。なんと、それは欲情した鳥に襲われること。オーマイガー!変態男の逃げる先には、悪魔大王サタン(ハーヴェイ・カイテル:『 タクシードライバー (1976) TAXI DRIVER 』『 恋におちて (1984) FALLING IN LOVE 』『 愛を殺さないで (1991) MORTAL THOUGHTS 』『 ピアノ・レッスン (1993) THE PIANO 』『 アサシン (1993) THE ASSASSIN 』『 パルプ・フィクション (1994) PULP FICTION 』『 リトル★ニッキー (2000) LITTLE NICKY 』『 レッド・ドラゴン (2002) RED DRAGON 』等)が住む大きくて不気味な城が建っている。その城のある一室では…。

【リトル★ニッキー 第02段落】  歪んだ顔を気にして前髪を長めにしている男が、ヘビメタを楽しんでいる。彼はニッキー(アダム・サンドラー:『 リトル★ニッキー (2000) LITTLE NICKY 』『 ホット・チック (2002) THE HOT CHICK 』『 変身パワーズ (2002) THE MASTER OF DISGUISE 』『 パンチドランク・ラブ (2002) PUNCH-DRUNK LOVE 』『 Mr.ディーズ (2002) MR. DEEDS 』『 N.Y式ハッピー・セラピー (2003) ANGER MANAGEMENT 』等)というサタンの三男坊だ。顔が歪み、前屈みになってヨタヨタ歩くのは、兄のカシアス(トム・“タイニー”・リスター・Jr.)にシャベルで殴られたから。ニッキーには性悪で乱暴者の兄が二人いる。長男のエイドリアン(リス・アイファンズ)は悪知恵が働く冷血漢。次男のカシアスはマッチョでタフだが頭がたりない。サタンの息子なのになぜか気立てのいいニッキーは、父親に一番甘やかされているが、兄二人にイジメられている。そのイジメだって、念力を使うというとても地獄的なやり方だ。

【リトル★ニッキー 第03段落】  在位一万年を迎えたサタンが、次の一万年の後継者を3人の息子の中から選ぶことになった。ニッキーは僕なんか選ばれっこないと否定的。だって、拷問とか得意じゃないし、暗黒のキングはジョージ・クルーニー並みにハンサムじゃなくっちゃいけないし、それに兄貴たちのママはドラゴン、僕のママはヤギなんだ。兄貴が次期大王になったら僕は終わりだ。そんなニッキーとは反対に、二人の兄は父親の引退表明を喜んでいた。次期大王は俺だ。期待に胸を膨らませて、現悪魔大王である父の言葉を聞く。「…私は次の一万年間の支配者を決定した。それは―」

【リトル★ニッキー 第04段落】  「私だ」思わず「やった!」と叫ぶニッキー。パパが大王のままなら、このままあと一万年間地獄でヘビメタを聞きながら平和に暮らしていける。しかし、二人の兄には納得のいかない話だ。エイドリアンの発案で、二人の兄は地上に新しい地獄を築くことにする。人間を腐らせ、破滅させ、魂をごっそり戴こう!門番が止めるが、二人は業火の門を突っ切った。

【リトル★ニッキー 第05段落】  門番がサタンに二人の脱獄を報告に来るが、二人を止めることができなかった罰として、頭に巨乳をつけられる。二人が業火の門から地獄を出て行くと、門は凍結されてしまい、地上から新たな魂が入ってくることができない。そうなると、サタンの体は消えていってしまう。ああ、パパの小指が折れちゃった!この地獄の危機を救えるのは、サタンの息子であるニッキーしかいない。しかし、お泊まりの経験すらないニッキーは、未知の地上に行くのが恐くて仕方がない。そんな気弱なニッキーをパパサタンが励ます。「地上で最悪の出来事は死だが、おまえは死んでもここにもどるだけ」しかし、あの性悪で乱暴者の兄貴たちを僕が殺す(殺せる)の?とまだまだ心配の種は尽きない。パパサタンは、ニッキーに悪魔の装飾を施された銀の瓶を渡す。同時に脱獄した二人を同時に連れ戻さなければ意味がない。その銀の瓶の中にあるものを一口飲めば、飲んだ者はその中に吸い込まれる。二人をその容器の中に入れて地獄に連れ戻すのが、ニッキーの役目だ。このままだとあと一週間の命しかないサタンは、フラフラの体で「息子よ、頑張れ」と自信のないニッキーの肩を抱く。感激のシーンかと思いきや、毛むくじゃらの地獄のゴリラ(?)、チューバッカに突き飛ばされ、ニッキーは凍結された業火の門を通って地上へ。

【リトル★ニッキー 第06段落】  地面から這い出たニッキーが到着したところは、ニューヨークの地下鉄42丁目グランド・セントラル駅。ニッキーが歩き始めたちょうどその時、先頭にライトが付いている四角い金属が向かってきた。手を振るニッキーだが…。地下鉄に轢かれたため、10秒で地獄に戻ってきたニッキー。たどたどしい言葉で状況を説明するニッキーに、サタンが忠告を与える。「“電車”だ。それの前には立つな」ニッキーは再び地上に向かう。

【リトル★ニッキー 第07段落】  ニッキーが地下鉄のホームに見たものは、「ニッキー」と書いた札をくわえたブルドッグ犬ビーフィー(声/ロバート・スミゲル)。おしゃべりのできる[なぜか字幕は関西弁]犬である彼はサタンの古くからの友人で、地上でのニッキーの世話を頼まれている。兄貴たちは人間に乗り移っているだろうから探すのが大変なこと、駅の外にいる盲人(クエンティン・タランティーノ:『 パルプ・フィクション (1994) PULP FICTION 』監督・原案・脚本・出演、『 フェティッシュ (1996) CURDLED 』製作総指揮、『 リトル★ニッキー (2000) LITTLE NICKY 』出演、『 キル・ビル (2003) KILL BILL 』監督・製作・脚本等)に兄貴が乗り移っているように見えるかもしれないがただの気違いであること、フライドチキンの食べ方などのアドバイスをしてくれる、人(犬?)情味溢れるイイ奴である。おいしいチキンを食べ、ダウンコートに手袋と重装備な服装[地獄の業火になれているニッキーには地上が寒くてたまらない]で暖まったニッキーは、心意気も熱くなる。「エイドリアン!カシアス!」と銀の瓶を掲げて兄たちの名を叫び、道路に飛び出す。今度はバスに轢かれて地獄に戻る。

【リトル★ニッキー 第08段落】  ニッキーがアッパー・イーストに部屋を借りるようにサタンからお金をもらっていたビーフィーだが、歓楽街で女の子たちと楽しく飲んで、そのお金を使ってしまった。ニッキーはホモの舞台俳優トッド(アレン・コヴァート)のルームメイトになる。ビーフィーに教えてもらった眠り方で、暖房機の上でぐっすり眠るニッキー。やっぱりサタンの子、寝言やいびきは恐ろしい悪魔の声だ。

【リトル★ニッキー 第09段落】  ニューヨークの大聖堂の枢機卿(ルイス・アークエット)にとりついたエイドリアンと、ニューヨーク市長にとりついたカシアス。悪魔がとりついている人間の足は寒くてたまらない感じ。それが普通の人間との見分け方だ。彼らは、神は実際に何かいいことをしてくれたかと大聖堂で神の存在に疑問を投げかけ、神がいないのならば天罰だってない、みんなで罪を犯そうと、人々を惑わせる。ニューヨーク市長にとりついたカシアスは、市の条例等を改悪し、ニューヨークの善悪はメチャクチャになっていく。

【リトル★ニッキー 第10段落】  約人口 1000 万のニューヨーク市民からエイドリアンとカシアスを探し出すのは、簡単じゃない。危ない目に遭い地獄に戻ることもあったが、ビーフィーと一緒にとにかくニッキーは頑張った。あんまり疲れたので、セントラル・パークで眠ることをしたくなり、悪魔的ないびきをかきながら、グースカ。あまりのいびきに人が集まってくるが、「心臓を食ってやる」というニッキーの寝言に、みんな逃げ去ってしまう。そこにニッキーを求めてやってきたのが、悪魔崇拝者の二人組。悪魔を恐れることもない街の盗人がニッキーからフライドチキンと例のあの銀の瓶を盗むところを彼らは目撃する。親切な悪魔崇拝者たちはニッキーを起こし泥棒だと教えてくれる。思わず火を噴いてしまったニッキーに、彼らは大喜び。ニッキーは泥棒を追って走っていく。

【リトル★ニッキー 第11段落】  街のガレージ・セールで自分の銀の瓶が売られているのを発見したニッキーは、売っている泥棒の男に返すように言う。しかし、相手はなかなかのくせ者ですんなり返してくれない。そんなとき、その男の隣で店を開いていた、デザイン学校に通う女の子ヴァレリー(パトリシア・アークエット:『 デブラ・ウィンガーを探して (2002) SEARCHING FOR DEBRA WINGER 』『 穴/HOLES (2003) HOLES 』等)のおかげで、穏便に瓶を取り返すことができた。彼女が警察を呼ぶと男に圧力をかけてくれたのだ。ニッキーは「数年後にまた会おう」と男に言って、店じまいをしたヴァレリーの後を追う。

【リトル★ニッキー 第12段落】  眼鏡をかけた、ちょっと変わったファッションのヴァレリーに、ニッキーはすっかり夢中だ。一緒にジェラートを食べる二人。ニッキーは手袋をしていても手が冷たいので、ヴァレリーはジェラートを紙ナプキンでまいてあげる。ヴァレリーは美しくはない(という設定みたいだけど、パトリシア・アークエットが演じているからブスなわけがない)が、心優しい女の子なのだ。ニッキーはお腹の中をチョウが飛び回っているような、恋する感覚を初めて知る。

【リトル★ニッキー 第13段落】  いい感じのニッキーとヴァレリーだったのに、道でピザとミントのシュナップスを食べていたエイドリアンに見つかってしまい、二人の間に芽生え始めた恋心は脆く打ち砕かれてしまう。エイドリアンの念力でニッキーは心にない下品な言葉をヴァレリーに投げかけ、その言葉に怒って立ち去る彼女に中指を立てる。道の反対側にエイドリアンがいるのを見つけたニッキーは、彼に念力でサタンのピンチを話し、地獄に戻るように言うが、逆にニッキーがエイドリアンに地獄に戻されてしまう。エイドリアンの念力でニッキーはダンプカーに轢かれてしまった。ニッキーを追ってきた悪魔崇拝者の二人は、ニッキーの血を浴びて嬉しそう。

【リトル★ニッキー 第14段落】  トッドとバスケットボールの試合をTVで見ているニッキー。しかし、試合は異常に厳しすぎる審判(ダナ・カーヴィ)のおかげで、むちゃくちゃだ。その審判がカシアスであることに気づいたニッキーは、急いで試合が行われている会場へ。ニッキーが辿り着いたときは、ちょうどハーフ・タイム。挑戦者がフリー・スローを成功させると、会場にいる観客全員にピザが配られるという趣向だ。審判に怒る観客がヒートアップしているのに、挑戦者の男性がビビってしまったので、ニッキーが彼の代わりになる。現れたニッキーの姿に、観客席にいた悪魔崇拝者の二人は、ニッキーが死から甦ったと大喜び。また、TVを見ていたトッドも驚くが、窓辺にいたビーフィーが言葉を喋るのと聞いて、もっと唖然となる。

【リトル★ニッキー 第15段落】  フリー・スローを外すと、観客が暴徒となりかねない。ニッキーは集中する。悪魔パワーを解き放て!あっ、バスケットボールが割れてしまった。実況の男性(NBAの往年の名センター、ビル・ウォルトン?)の頭も燃えている。悪魔パワーを使うのに慣れないニッキーのお茶目な失敗。もう一度やり直し。今度こそ、ボールを鉄の輪っかに入れてやる!ニッキーの投げたボールが決まりそうになったとき、跳び上がった審判がゴール際でそのボールを阻止した。ニッキーは念力で地獄に戻ってと審判にとりついたカシアスに頼むが、彼はここが地獄だと帰る気はさらさらない。こうなったらカシアスとバスケットボール対決だ。見事なボールさばき、そして悪魔パワーを解き放ち、素晴らしいジャンプをしたニッキーは、ボールをゴールにぶち込んだ。あまりのパワーに、売り子の持つジュースやポップコーンが吹き出し、黒人選手の短い髪はいきなりアフロヘアになり、ゴールのプラスチックの板?もバラバラに割れる。観客は大興奮だ。ものすごいニッキーのワザに驚くカシアスに、ニッキーは「パパのスーパー・デビル・ジュースのおかげさ」と銀の瓶を取り出す。頭のたりないカシアスは罠だと気づかずに、その瓶をニッキーから取り上げ、口をつける。すると審判の口からカシアスが引っぱり出され、瓶の中に吸い込まれた。瓶の中からカシアスは叫ぶが、ニッキーはすぐに瓶のふたを閉める。「ニッキー様、おいら一生ついていくッス」振り返ると、例の悪魔崇拝者の二人組ジョン(ジョナサン・ログラン)とピーター(ピーター・ダンテ)が立っている。

【リトル★ニッキー 第16段落】  トッドの部屋でハッパ入りのケーキを食べ、盛り上がるニッキー、トッド、ジョン、ピーター、そしてビーフィー。ジョンとピーターが帰り、最初の彼女ヘザー(ドブネズミです。)の話しをしたビーフィーもスヤスヤ可愛い寝言を言いながら眠ってしまった。そして、ニッキーはヴァレリーのことが忘れられない。ホモ男トッドに「…彼女の所へ」と励まされ、彼女のいるデザイン学校へと向かう。

【リトル★ニッキー 第17段落】  ニッキーはヴァレリーの香水のにおいを辿って、デザイン学校の非常階段を登って行く。窓の外にいるニッキーの姿に驚いたヴァレリーは、防犯用の催涙スプレーを彼にかける。ニッキーはあまりの眼の痛さに、非常用のベランダから下へまっ逆さまに墜落。「死なないで!」と叫ぶヴァレリー。まさか悪魔の子ニッキーがこれしきのことで死ぬわけない。地面すれすれで浮かんでいる。「また会えた。君はきれいだ」と、ふわふわと飛んできたニッキーに、ヴァレリーはパンチを食らわす。「宙に浮けたって、中指を立てたのは許せない」まだ怒っているヴァレリーの誤解を解くため、ニッキーは自分が地上にいる経緯を話す。ヴァレリーが信じられないと言うと、恋のパワーで宙を浮いているニッキーは下がってしまう。驚いたヴァレリーが信じると言うと、また浮かび上がってくる。「僕の手を取って、空を飛ぼう、パワーをあげるよ( Take my hand, Valerie. Fly with me. I'll give you the power. )」と言ってニッキーが差し出した手を取ったヴァレリー。まるでスーパーマンのような、ニューヨークの夜空での空飛ぶデート。

【リトル★ニッキー 第18段落】  TVの特報でニッキーに 5000 万ドルの懸賞金がかかったことが伝えられた。警察署長にとりついたエイドリアンがニッキーの凶暴性を訴える。ヴァレリーと心が通じた喜びで胸がいっぱいのニッキーが街を歩いていると、 5000 万ドルの懸賞金を求めて、ニューヨーカーたちがニッキーを追ってくる。何が何だかわからないニッキーは、必死で逃げる。追いつめられたとき、ニッキーは無数のニッキー蜘蛛となって逃走!トッドの部屋へと戻る。TVでは、ブライアン・デ・パルマの映画「スカー・フェイス( SCARFACE )」で銃を乱射するトニー・モンタナ(アル・パチーノの役)をニッキーの顔に差し替えたものが放送されている。群衆が大量の虫のフンを辿って、トッドの部屋へと向かってくる。絶体絶命のニッキー。ニッキーを心配してやってきたジョンとピーターが、サタンの助けを借りるようにアドバイス。ニッキーは地獄に戻るため、殺してもらうことにする。 12 時にセントラル駅で会うことを約束して、ジョンとピートはニッキーの頭を思いきり台所のカウンターに打ちつける。「かなり痛かったけど、死んでないよ」すると、窓辺に立っていたトッドが、不敵な笑いを浮かべて振り向く。「殺人は興味ある。試していい?」浴槽にニッキーを沈め、泣きながら「ケヴィン・スペイシーのバカ野郎!お前のせいで役が来ないんだ!」と叫ぶ禿頭のホモ男。

【リトル★ニッキー 第19段落】  地獄に戻ったニッキーは、下半身がなくなったパパの姿に驚く。ニッキーがどうしたらいいか訊こうと思っても、パパは耳も落ちてしまって、何も聞こえない。パパは今夜の 12 時で消滅してしまう。何とかするため、ニッキーは急いで地上に戻る。

【リトル★ニッキー 第20段落】  ジョンとピーターは警察署にニッキーが 12 時にセントラル駅に現れることをチクリに行く。裏切っちゃったの?ジョン、ピーター?警察署長にとりついたエイドリアンは、大勢の部下を連れてセントラル駅へと向かう。地獄と繋がっている穴の側には、トッドとビーフィーがいた。警察に連行されるトッドとビーフィー。トッドはピーターに「ユダめ!」と罵る。駅は封鎖され、地下鉄のホームには、警察署長とジョンとピーターだけが残る。「いいものを見せてやる」とエイドリアンは警察署長の鼻の穴から姿を現す。「すげえクールじゃん」と喜ぶ二人。ニッキーの出現を待つ3人の所に、突然ホームレスの女が現れ、ジョンがその女から酒瓶を奪う。「シュナップスだ」というジョンの言葉に、シュナップス好きのエイドリアンが興味をそそられ振り向く。ああ、そうか。これはエイドリアンを瓶に入れるための罠。さっきの女は実はヴァレリーだ。ジョンから瓶を手渡され、エイドリアンは瓶に口を付けようとする。ん?おかしい。暑い地下鉄の中で、ピーターは大量に汗をかいているのに、ジョンは全くふつうだ。ははーん、こいつはニッキーだ。エイドリアンの念力で、ニッキーはジョンの体から引き出される。瓶の中のカシアスがエイドリアンに助けを求めるが、新地獄の大王は一人でいいと、ふたを閉められる。エイドリアンはニッキーも瓶の中に入るように言うが、もちろん拒否。「飲ませるさ」とエイドリアンはホームレスの女に扮したヴァレリーを魔力で引き寄せ、ニッキーを脅す。「彼女が死んだら、地上には戻れんぞ」地下鉄が走ってきた。エイドリアンはヴァレリーを地下鉄に轢かせる気だ。ニッキーは瓶を飲むことを決心する。

【リトル★ニッキー 第21段落】  警察署から逃げてきたビーフィー参上!ビーフィーはおシッコの代わりに鉄の槍をエイドリアンの足に向けて放出する。痛がるエイドリアンから逃れようとするヴァレリーだったが、エイドリアンと一緒に線路に落ちてしまう。迫る列車。ニッキーは線路に跳び降り、ヴァレリーをホームに投げ、エイドリアンと一緒に地下鉄に轢かれる。 ・・・

◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【リトル★ニッキー 第22段落】  エイドリアンは地獄に戻ってきた。ニッキーはどこに?ニッキーは天国にいた。ニッキーはヴァレリーを助けた犠牲的な行為のおかげで天国に送られたのだ。ニッキーは3人のキャピキャピしたギャルの天使たちに迎えられる。そこで新たな真実を知る。その3人の天使の内の一人が、なんとニッキーのママ(リース・ウィザースプーン:『 キューティ・ブロンド (2001) LEGALLY BLONDE 』『 メラニーは行く! (2002) SWEET HOME ALABAMA 』『 キューティ・ブロンド2 (2003) LEGALLY BLONDE 2: RED, WHITE & BLONDE 』等)なのだ。パパとママは昔天国と地獄の合コンで知り合ったらしい。キャピギャルのママと過ごすのはとっても嬉しい。しかし、大変だ!地上のことが何でも見える天国版のTVを見たニッキーは、セントラル・パークに地獄らしきものが出現したことを知る。野次馬たちが群らがり、騒乱状態だ。地下から現れた地獄の玉座には、なんと大王の印である角の生えたエイドリアンが座っている。パパはどうなっちゃったの?地獄にいるパパは口だけになっていた。それに、ニッキーの大切な友達のビーフィー、トッド、ジョン、ピーター、そして最愛のヴァレリーが、マグマのうえに吊されている。パパを、彼らを助けなきゃ!時計が 12 時を打つとき、父サタンは完全に消滅し、人間たちの魂はエイドリアンのものに。 12 時までの余興として、エイドリアンは俳優のヘンリー・ウィンクラーを蜂まみれにする。それを見たニッキーは、あんなに強くて賢いエイドリアンに勝てるわけがないと弱気になる。ママ天使はニッキーには何にも勝る武器である心の優しさがあると励まし、ピンチになったら使いなさいと、神様からの光る珠を渡してくれた。
 
【リトル★ニッキー 第23段落】  ニューヨークに降り立ったニッキーに、地獄の鬼たちが襲いに来る。しかし、善パワーを身につけたニッキーは、鬼たちにやさしい心を呼び覚まさせる。ニッキーはエイドリアンに戦いを挑む。二人の壮絶?な戦いが始まる。善パワーでパワーアップしたニッキーはエイドリアンの口に瓶を近づけるが、エイドリアンの手下である地獄の鬼たちに取り押さえられ、形勢が逆転する。ニッキーは瓶の中に吸い込まれるが、エイドリアンも道連れにする。瓶の中で、サタンの息子3人の戦いがおこる。勝者となり、瓶から出てきたのは、ニッキー!喜んで駆けつけたヴァレリーがニッキーとキスをする。しかし、ニッキーの様子がおかしいことに気づいたヴァレリーは、彼から離れる。実はニッキーではなく、エイドリアンだったのだ。エイドリアンは大きな蝙蝠に姿を変えた。ヴァレリーは瓶を拾い、中にいるニッキーに話しかける。「お願い、出てきて。チョウのために。」「あのチョウチョ?」ヴァレリーと一緒にいる時に感じる、お腹の中のチョウを思い出したニッキーは、愛の善パワーで瓶の中から脱出する。そして神様から頂いたあの光る珠を取り出す。その中から現れたのは、なんと、オジー・オズボーン!蝙蝠を食らう伝説を持つ、 80 年代ヘビメタの帝王であるオジーは、蝙蝠に変身したエイドリアンの頭を喰いちぎる。そして、その頭を瓶の中へと吐き出す。エイドリアンは瓶の中へと収まった。早くビンを持って地獄に戻らないと、もう時間がない!ニッキーは良い行いをしたため、もし死ねば天国に行ってしまう。地獄へ行くには何か罪を犯さなければ!群衆の中から、ヘンリーを蜂まみれにしろよと声が上がる。「許して、ヘンリー」蜂に刺されてボコボコのヘンリーは再び蜂まみれに。「ヴァレリー、愛してるよ」「私もよ」ニッキーはヴァレリーに大きな石で頭を殴られ、地獄へ戻る。

【リトル★ニッキー 第24段落】  エイドリアンとカシアスの入った瓶を持ったニッキーが地獄に戻ると、口だけだったサタンの姿はみるみるうちに元に戻る。これで地獄も安泰だ。「パパは地獄を仕切る。ママは天国だ。お前は中間を」と、サタンはニッキーに地上に戻るように言う。モトリー・クルーの言うとおり、「いつも心にはふるさとがある」抱き合う父子。

【リトル★ニッキー 第25段落】  一年後、ニッキーとヴァレリーの間には、かわいい息子ができ、ニッキーの顔の曲がりは、反対側からシャベルで殴られたおかげで治った。だが、ジョージ・クルーニーには程遠い。ビーフィーは昔の彼女ドブネズミのヘザーと結婚し、ベビーが5匹誕生。もちろん門番とチューバッカにもベビーが。ジョンとピートは、懸賞金でツェッペリンのツアー機を入手するが、パイロットがいなかったために離陸直後に墜落、現在は地獄の元ニッキーの部屋で最高に幸せな暮らしを送っている。

【映画『 リトル★ニッキー 』の感想】

【映画『 リトル★ニッキー 』の感想 第01段落】  まさに地上が地獄だといわんばかりの内容に、少々驚きもするが、おバカ・ムービーとして笑い飛ばせばいいのかなぁ?それとも、もっと深読みして、メッセージを考えるべきなのかなぁ?

【映画『 リトル★ニッキー 』の感想 第02段落】  まず、気になったのは、長男エイドリアン(白人)と次男カシアス(黒人)のこと。エイドリアンは悪知恵が働く冷血漢、カシアスはマッチョでタフだが頭がたりないという設定。これって、白人と黒人のこと?それにカシアスは、黒人のヒーロー、モハメド・アリの名前だ。マッチョでタフだが頭がたりないという一般的なイメージにピッタリくる。(私自身は、そのようには思っていません。)次に気になったのは、坂道を下り、バスにぶつかった車椅子の人々。障害者をこんな風に扱った映画は、初めて見た。それにニッキー自身が身体の歪んだ障害者である。

【映画『 リトル★ニッキー 』の感想 第03段落】  二人の兄によって、ニューヨークの善悪がむちゃくちゃになるということだったが、二人がいなくても結構そんなものは崩れているんじゃないのと思わせる。 5000 万ドルの懸賞金欲しさにニッキーに押し寄せた一般大衆だが、彼がエイドリアンから自分達を守ってくれる存在だと知ると、一気に手のひらを返し、ニッキーを応援する。大衆というものはそんなもんだと、人気商売のアダム・サンドラーが皮肉っているような気がする。

【映画『 リトル★ニッキー 』の感想 第04段落】  そして、とても人間的な悪魔大王のパパと天使のママ。そんな人、地上にも一杯おるやんか。この地上に天国も地獄も存在しているということを、象徴的に表していると思う。隠そうとしているが実際の社会には、差別は堂々と存在しており、欲に絡んだ醜い出来事もある。一方で、お腹にチョウが舞うようなステキな瞬間もある。善悪なんてそんなはっきり分かれて考えられるものではないのだ。それが現実だと、ヘビメタを聞いて育った 80 年代世代に教えているのかな、と思った。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず10664文字/文責:幸田幸

参考資料:IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      「リトル・ニッキー」日本語版オフィシャルサイト
■ファイル作成(解説とネタばれ)2002/11/07◆俳優についてリンク更新:2003/10/02
■テキスト一部とリンクおよびファイル書式更新:2004/07/15
coda_sati@hotmail.com
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