Mr.ディーズ | |||||
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Mr.ディーズ (2002) | |||||
MR. DEEDS | |||||
映画『 Mr.ディーズ (2002) MR. DEEDS
』をレヴュー紹介します。 映画『 Mr.ディーズ MR. DEEDS 』を以下に目次的に紹介する。 ■映画『 Mr.ディーズ MR. DEEDS 』の解説及びポスター、予告編 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。 ■映画『 Mr.ディーズ MR. DEEDS 』の映画データ ■映画『 Mr.ディーズ MR. DEEDS 』の主なキャスト ■映画『 Mr.ディーズ MR. DEEDS 』のスタッフとキャスト ■映画『 Mr.ディーズ MR. DEEDS 』の<もっと詳しく> <もっと詳しく>は映画『 Mr.ディーズ 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 Mr.ディーズ (2002) MR. DEEDS 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。 ■映画『 Mr.ディーズ MR. DEEDS 』の結末 ■映画『 Mr.ディーズ MR. DEEDS 』の更新記録 >>「映画解説・レヴュータイトル一覧表」へ(画面の切り替え) |
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幸の鑑賞評価:7つ星 | |||||
■映画『 Mr.ディーズ MR. DEEDS 』の解説及びポスター、予告編 | |||||
Mr.ディーズ
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■映画『 Mr.ディーズ MR. DEEDS 』の解説 映画『 Mr.ディーズ (2002) MR. DEEDS 』は、『 オペラハット (1936) MR. DEEDS GOES TO TOWN 』という昔の映画のリメイク。当時の主人公は 80 本の映画出演を果たしたハリウッドの超ビック・スター、亡ゲイリー・クーパー、共演は名作『 シェーン (1953) SHANE 』の妻役の亡ジーン・アーサーだった。 2002 年版『 Mr.ディーズ 』は主人公がアダム・サンドラーと、共演ウィノナ・ライダー。『 Mr.ディーズ 』のオリジナルを知らないので比較も出来ないが、莫大な遺産を相続した田舎の青年を巡るラブ・コメっぽい人情ものである。『 Mr.ディーズ 』はアメリカの富に対する風刺で、ラストは観客が思い描く通りの素直なエンディング。 『 Mr.ディーズ 』は監督・製作・脚本・製作総指揮・主演それに脇役も『 リトル★ニッキー (2000) LITTLE NICKY 』と同じ面々が多い。『…ニッキー』は悪魔のコメディだから単なる滑稽なマイナー映画かと勝手に思っていたが、この作品と同じ新進スタッフが携わるとなると、案外"今"をリードする影響力のある映画なのかも。 |
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●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。 Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com. Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc. |
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■映画『 Mr.ディーズ MR. DEEDS 』の映画データ | |||||
上映時間:96分 製作国:アメリカ 公開情報:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント アメリカ初公開年月:2002年06月28日 日本初公開年月:2003年02月15日 予定 ジャンル:コメディ/ロマンス |
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■映画『 Mr.ディーズ MR. DEEDS 』の主なキャスト | |||||
●アダム・サンドラー as ロングフェロー・ディーズ 『 リトル★ニッキー (2000) LITTLE NICKY 』 『 パンチドランク・ラブ (2002) PUNCH-DRUNK LOVE 』 『 ホット・チック (2002) THE HOT CHICK 』 『 N.Y.式ハッピー・セラピー (2003) ANGER MANAGEMENT 』 『 スパングリッシュ 太陽の国から来たママのこと (2004) SPANGLISH 』 『 50回目のファースト・キス (2004) 50 FIRST DATES / FIFTY FIRST DATES 』 ●ウィノナ・ライダー as ベイブ・ベネット 『 シザーハンズ (1990) EDWARD SCISSORHANDS 』 『 ドラキュラ (1992) BRAM STOKER'S DRACULA 』 『 若草物語 (1994) LITTLE WOMEN 』 『 17歳のカルテ (1999) GIRL, INTERRUPTED 』 『 シモーヌ (2002) SIMONE/S1M0NE 』 |
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【『 Mr.ディーズ 』のスタッフとキャスト】 | |||||
監督: スティーヴン・ブリル Steven Brill
製作: ジャック・ジャラプト Jack Giarraputo シドニー・ギャニス Sidney Ganis 共同製作: アレックス・シスキン Alex Siskin 製作総指揮: ジョセフ・M・カラッシオロ Joseph M. Caracciolo アダム・サンドラー Adam Sandler 原作: クラレンス・バディントン・ケランド Clarence Budington Kelland 脚本: ティム・ハーリヒー Tim Herlihy オリジナル脚本: ロバート・リスキン Robert Riskin 撮影: ピーター・ライオンズ・コリスター Peter Lyons Collister 音楽: テディ・カステルッチ Teddy Castellucci 出演: アダム・サンドラー Adam Sandler ロングフェロー・ディーズ ウィノナ・ライダー Winona Ryder ベイブ・ベネット ジョン・タートゥーロ John Turturro エミリオ・ロペス ピーター・ギャラガー Peter Gallagher チャック・シーダー エリック・アヴァリ Erick Avari セシル・アンダーソン ジャレッド・ハリス Jared Harris マック・マグラス スティーヴ・ブシェミ Steve Buscemi クレイジー・アイズ アレン・コヴァート Allen Covert マーティ コンチャータ・フェレル Conchata Ferrell ジャン ブルース・フレンチ Bruce French パイロット ブランドン・モラーレ Brandon Molale ケヴィン・ウォード ハーヴ・プレスネル Harve Presnell プレストン・ブレイク ジーナ・ガレコ Gina Gallego コンスエラ・ロペス クレイグ・カスタルド Craig Castaldo 本人ラジオマン ジョン・マッケンロー John McEnroe 本人 ロブ・シュナイダー Rob Schneider ナツォ 配達人(uncredited) ▲TOPへ |
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<もっと詳しく> | |||||
ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。 |
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■映画『 Mr.ディーズ 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー 私は日本公開前に字幕スーパーなしの英語で観たので、わかる範囲でレヴューします。映画データについては調査した時点と公開される時点で異なる場合があります。本作の内容については、語学力と経験・常識不足のため、間違いや勘違いや適切でない表現があるかもしれません。どうかご理解賜りますようお願いいたします。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。 ▲TOPへ 【Mr.ディーズ 第01段落】 先ず主演二人の概要から。製作総指揮と主演のアダム・サンドラーは 1966 年ニューヨークはブルックリン生まれ、ニューハンプシャー州マンチェスター育ち、ニューヨーク大学卒。両親はユダヤ系。身長 174 cm ( IMDb で調べたら 5' 9" だから換算するとこうなりますが、もっと大きく見えます)で髪型や顔の形からジャイアンツの清原選手チックに私には見える。高校生のとき自分でコメディアンの素質を悟って、大学在学中から方々でコメディを演じて活躍。そして見出され、有名なショーに出演。しかも、出演だけでなく、ショーの脚本も書き、そして映画出演に進む。更に、自分の出る映画の脚本も書き、製作もし、映画音楽の作曲までする。多才だなァ…。こんなに立派な能力の持ち主だから大きく見えるのだろう。 【Mr.ディーズ 第02段落】 アダム・サンドラーの大部分の映画での配役名は" y "の音で終わるのだそうだ。例えば『 リトル★ニッキー (2000) LITTLE NICKY 』の"ニッキー Nicky "や他の映画の"Bobby" "Shlecky" "Robby" "Happy" "Billy" というように。この『Mr.ディーズ』での名前は「ロングフェロー・ディーズ Longfellow Deeds 」で、直訳すれば「のっぽの奴・行為」。町のみんなもどっちが苗字でどっちが名前か気に留めていない。そして硬くは「 Mr.ディーズ」、仲間には「ディーズ」と呼ばせている。ごく親しい間柄では、「ディーズィ Deedsy 」と、やはり" y "の音で終わる甘えた呼び方をされていた。そして s がついてタイトルにもなっている「 deed 」は名詞で<行為, 行動; 実行; 偉業; 【法】証書>の他に、動詞で<(財産を)証書によって譲渡する>という意味がある(EXCEED英和辞典より)。すると、この映画、莫大な財産を相続してどうにか(お楽しみに!)する話だから、名前とストーリーと掛けていたんだ! 【Mr.ディーズ 第03段落】 次に、 Mr.ディーズの相手となる女性陣はウィノナ・ライダー。『シザーハンズ』で共演したジョニー・デップとは彼女が 17 歳の時から付き合い、超美男美女のカップル。デップの身体には< WINONA FOREVER >(ウィノナよ、永遠に)という物凄いラブラブのタトゥーが彫られていて(『シザー〜』のレヴューでも書きましたが)、破局を迎えてからはちょっと消して< WINO FOREVER >になっているそうだ。その後ウィノナ・ライダーは 2000 年に 『 ボーン・アイデンティティー (2002) THE BOURNE IDENTITY 』のマット・デイモンと婚約した(している?)。 【Mr.ディーズ 第04段落】 ウィノナ・ライダーの髪の毛はスクリーンでは黒い。しかし、彼女の本来の髪はブロンドで、メジャーのデビュー作品で黒く染めたのが成功したらしく、それ以降、黒のままでいるように指示されたという。『Mr.ディーズ』でも黒髪だが、途中から身を偽るためにブロンドっぽい薄茶にしているのは珍しい彼女の姿。そうするとシャロン・ストーンの感じに似ていると新たな発見。いずれにしても美人なのは間違いなく、ウィノナ・ライダーは「 People 誌」の 1997 年度「世界で最も美しい 50 人」に選ばれ、及び「 Empire 誌」の 1997 年度「 100 人のトップ映画スター」の 42 位にランクされている。因みに、彼女の芸名の由来は、<ウィノナ>は出生地の町の名、<ライダー>は、芸名をどうするか訊かれた時、丁度父親のアルバム、リズム・アンド・ブルースの王者ミッチ・ライダーの曲が流れていたので。 【Mr.ディーズ 第05段落】 さて、映画の始まりは、サンタ・クロースを連想させる白髪の陽気な老人のアップから。ここはチョモランマ(エヴェレスト)の頂上から 100 メートルの吹雪の中。この 82 歳のお茶目な老人は大富豪のメディア王プレストン・ブレイク(ハーヴ・プレスネル)だ。天候悪化でスタッフが下山を勧めるのに独り登頂を敢行し、とんがった頂上に笑いながらしがみついたまま凍死した。ヘリコプターが、しがみついた格好の凍死体を吊り下げていく。もうこの辺から完全に喜劇の世界。街では、このメディア王の死を大々的に取り上げ、人々は嘆き悲しむ。そして、この大富豪が残した遺産は、豪華で広大な邸宅のみならず、 400 億ドル($1=¥ 120 換算で4兆8千億円)という途方もない額なのである。しかも、唯一の血縁のある相続人は、甥の息子たった一人だと判明する。 【Mr.ディーズ 第06段落】 早速、顧問弁護士の二人、チャック・シーダー(ピーター・ギャラガー)とセシル・アンダーソン(エリック・アヴァリ)がメディア王プレストン・ブレイクの甥の息子の許へ赴く。チャック役のピーター・ギャラガーは 『 アメリカン・ビューティー (1999) AMERICAN BEAUTY 』でバディの役をしていた人。交通手段は、勿論、大富豪企業家の自家用ヘリだ。行き先は、ニューハンプシャー州の小さな田舎町マンドレイク・フォールズ Mandrake Falls だ。ここでピザ屋を経営しているロングフェロー・ディーズ(アダム・サンドラー)がその該当の相続人。ディーズは明るく、強く、面倒見のよい、皆に好かれている 30 歳くらいの独身男だ。ピザ屋の商売は一生懸命する。従業員にも慕われている。両親に早くから死に別れているから、老人に非常に心優しい。地域の人達には、折に触れてグリーティング・カードを送るのが彼の信条になっている。 【Mr.ディーズ 第07段落】 すぐニューヨークに相続書類に署名のため来てほしい、ただし報道関係からは離れているようにと二人に言われ、ディーズは1時間後、二人と共に町を出発する。田舎町だけあって、田園地帯からヘリが飛び立つのを、町の人たち総勢がお祭り騒ぎで見送ってくれる。人情たっぷりなのだ。この< DEEDS >と胴体に書かれた白い大型ヘリのパイロット役のブルース・フレンチは 『 イナフ (2002) ENOUGH 』で突然家を売ってくれと言われる家主の役の人だ。ウキウキ気分で暫しの飛行の後、ディーズにとって初めての大都会ニューヨークに着く。摩天楼がライトアップされて夜空にきらめいてそれはそれは美しい。 【Mr.ディーズ 第08段落】 ニューヨークでは、 400 億ドルの相続人をスクープしようと報道関係が躍起になっている。< DEEDS >の自家用ヘリに、往きは二人だったのが帰りには三人になっている、ということは相続人を乗せて帰って来たのだと大騒ぎ。ヘリコプターが< DEEDS >ビルの屋上に着陸した途端、プレスのカメラマンが一瞬の内にロングフェロー・ディーズにシャッターを押す。セキュリティに捕まえさせようとすると、パラシュートを広げて屋上から舞い降りてしまった。兎に角コメディ・タッチだ。インサイド・アクセス INSIDE ACCESS というTVニュース番組のディレクター、マック・マグラス(ジャレッド・ハリス)は部下達に必死に指揮をとる。このジャレッド・ハリスは名優リチャード・ハリスの息子でどことなく似ているかな。リチャード・ハリスは 『 グラディエーター (2000) GLADIATOR 』 『 ハリー・ポッター1・2 (2001 / 2002) 』及び 『 モンテ・クリスト伯 (2002) THE COUNT OF MONTE CRISTO 』等、多数の映画に出演、2002年10月25日に惜しまれて亡くなった。またジャレッド・ハリスは『 クレオパトラ (1963) CLEOPATRA 』『 マイ・フェア・レディ (1964) MY FAIR LADY 』の大俳優レックス・ハリソンのまま息子でもある。 【Mr.ディーズ 第09段落】 ニューヨークに到着したディーズは、亡き大叔父プレストン・ブレイクのお屋敷に案内される。今日からここはディーズが主人だ。玄関を入ると、邸内のあまりの広さに見とれ、子供みたいに" Wow! "と言って、こだまが" Wow〜! "と戻ってくるのを喜ぶ。プレストン・ブレイク付きの執事エミリオ・ロペス(ジョン・タートゥーロ)は名の通り、スペイン系のすらっとした男性。エミリオが引き続きディーズの執事となるのだ。直立不動でかしこまるエミリオに、ディーズはこだまさせるように何か叫ばせる。すると、やはり子供みたいに無邪気にこだまさせ、他の使用人達も出て来てみんなこだまさせる。 【Mr.ディーズ 第10段落】 こういう他愛のないようなシーンだが、ディーズがいかに人情のある人物かを描いている。だから、<召使>という範疇の人たちも、一個一個の血の通った人間としてディーズが解放しているのだ。他にもそういうシーンが幾つもある。前の主人プレストン・ブレイクに毎日靴下をしゃがんで履かせていたエミリオに、そんな必要はないと友達っぽく言う。そして、ディーズの右足は怪我か病気で感覚が利かなくなっていると話し、エミリオに思いっきり踏みつけさせる。エミリオも一生懸命?これでもかこれでもかと踏みつける。また、テーブルで食事中も横で直立しているエミリオに、自分の横に座るように言うし、なにしろ、ディーズが相手を本当に同等の人間として扱うように描いているのだ。 【Mr.ディーズ 第11段落】 ディーズはまた、腕っ節も強いし先を見通せる能力もある。大叔父プレストン・ブレイク率いるコングロマリットが抱えるフットボール・チームの一人、ケヴィン・ウォード(ブランドン・モラーレ)が血相を変えて部屋に入ってきた時もそうだ。もっと給料を上げろといういきなりの主張に、ディーズはげん骨で一蹴。大きな体格でクォーターバックをしているウォードも、一撃で倒される。そして負け惜しみの言葉を言いながら去って行く。心配していた周囲をよそに、息子をよく教育してくれたと、ウォードの父親から感謝の電話。ケヴィン・ウォード役のブランドン・モラーレは 『 ザ・ワン (2001) THE ONE 』でスタントをしている。実際、大学でフットボール選手だっただけあるな。 【Mr.ディーズ 第12段落】 番組インサイド・アクセスの女性レポーター、ベイブ・ベネット(ウィノナ・ライダー)は上司マック・マグラスと共謀して、話題の主ロングフェロー・ディーズに近づく手を考える。彼女は黒髪を薄茶に染め、キャリア・ウ−マン風の出で立ちから優しそうなひ弱な女性に変身。リムジンを降りてきたディーズにタイミングを合わせ、通りで強盗に襲われる芝居をしてディーズに助けてもらって接近に成功。アイオワ州の田舎町ウィンチェスターから出て来て学校の看護婦をしているノナ・ドーソンだと嘘をついて素朴なディーズを騙す。優しそうな田舎娘ノナに一目ぼれしたディーズはデートの約束をして純粋に嬉しがる。 【Mr.ディーズ 第13段落】 レストランでデートする二人。ディーズは 400 億ドルを相続したことを彼女に淡々と伝える。そこに、 400 億ドルの相続人を巡って何やらチョッカイを出してくる人たち。そういう相手を殴り倒すのも、ノナに化けているベイブ・ベネットは胸に隠した小型カメラで撮影している。また、とっても面白かったのは、 1981 ・ 1983 ・ 1984 年ウィンブルドン・テニス・チャンピオンであるジョン・マッケンローが登場するのだ!前妻はテイタム・オニール、このマッケンローが本人の役で、そのレストランに来ていてディーズと意気投合する。そして普通見られないニューヨークを案内してくれると言う。何を?何と、場末の街でテニス・ボールを通りすがりの車に当てまくって喜んでいる。或いは、酒に酔って街角で車の屋根に飛び乗ったり踊ったりという無礼講を。そういう二人の姿もノナのベイブはカメラにバッチリ。翌日のTV番組インサイド・アクセスでは、早速ディーズのこのような悪い面ばかりスクープで流す。 【Mr.ディーズ 第14段落】 プレストン・ブレイクの葬式が執り行われる。列席者の一人が韻を踏んで故人を称える挨拶に、グリーティング・カード・マニアのディーズは妙に感心し、母の日のカードにそのような韻を踏んで送ろうと話す。そういうディーズを、彼は善人だよと言ってくれる。また、執事のエミリオは、ずっとプレストン・ブレイクに付いて人生・愛などについて教えてもらったとしみじみディーズに語る。エミリオの父も母も死に別れていない。エミリオは、プレストン・ブレイクがつけていたと言う日記をディーズに渡す。この日記は密かにつけていたもので、他の誰もその存在を知らない。 【Mr.ディーズ 第15段落】 別の日、ディーズとノナに化けたベイブが自転車デートをしていた時、付近で火事があった。現場に乗り込むと、炎と煙の階上から中年女性が助けを求めており、猫を置いて自分だけ逃げられないらしく、消防隊員もどうしようもない。すると、ディーズは身を軽く3、4階まで外壁づたいによじ登り、窓から女性の部屋に入る。そして飼い猫を7匹、窓から下で待ち受けるクッション目掛けて次々に投げて猫も無事、女性も無事救助した。この行動力と勇気と潔さにベイブは感動する。でも隠しカメラにはやはり撮っているが。翌朝のTV番組インサイド・アクセスで、この火事でのディーズの行動は悪く見えるようにフィルムを編集して放映される。それを知ってベイブは、ディーズが悪く報道されるのがたまらなくなり、上司にも訴える。この頃には、ベイブは芝居ではなく本当にディーズを愛し始めているのだ。 【Mr.ディーズ 第16段落】 一方、ディーズも田舎出身の女の子と知り合えたことを故郷の太ったピザ屋のおばさんジャン(コンチャータ・フェレル)にチャットして報告し、ジャンは微笑ましく応援していると激励する。ジャン役のコンチャータ・フェレルは 『 エリン・ブロコビッチ (2000) ERIN BROCKOVICH 』 『 光の旅人 K−PAX (2001) K-PAX 』等、結構メジャー作品に多く出演。このようにディーズがベイブに本気で恋しているのを知って、TV番組インサイド・アクセスの連中は、真実を< DEEDS >顧問弁護士チャックの耳に入れる。ノナ・ドーソンとは偽りの名で、学校の看護婦ではない。リポーターで、スクープするためにディーズに近づいたのだと…。 【Mr.ディーズ 第17段落】 そうとは知らないディーズは、自家用ヘリでノナ・ドーソンつまりベイブをある所に飛んで連れて行ってあげる。空飛ぶデートではしゃぐベイブだが、降り立って俄然とした。ディーズに「故郷」と偽って話したアイオワ州の田舎町ウィンチェスターだったのだ。町民の寄り集まっている所に連れて行って、ノナ・ドーソンが戻って来ましたよ、みんな覚えているでしょう、とディーズは得意げに「ノナ」を引き合わせたり、赤い玄関ドアに白壁の家という架空の「ノナの故郷の家」とそっくりな家を見つけて、こここが君の家だねと入って行ったり。当惑しながらも、ベイブはディーズの優しさに心打たれるのだった。 【Mr.ディーズ 第18段落】 夜、ベイブをアパートまで送ると、ベイブは嘘をついている自分に耐えられなくなって「ニューハンプシャーに帰って、そこでリッチに暮らして」と涙ながらに伝える。ディーズは彼女に韻を踏んだ詩をしたためたカードを渡し、感極まったベイブは彼にキスする。そして泣きながら「許して」とアパートに消えていった。ディーズはキスされたことを「許して」だと思って、有頂天だ。そんな善人の彼を想い、真実を打ち明けるとベイブは上司のマグラスに話すが、そうは簡単に許されようがない…。 【Mr.ディーズ 第19段落】 ここはマディソン・スクウェア・ガーデン。ディーズはここを借り切って、中央にテーブルと椅子ニ脚をセッティング。シャンペンを交わして今夜7時半にベイブにプロポーズするつもりなのだ。ダイアの婚約指輪も用意して、執事エミリオ相手にプロポーズの練習をしている。すると突然、スタジアムの大モニターにTV番組インサイド・アクセスの女性レポーター、黒髪のベイブ・ベネットが映される。これは顧問弁護士チャックとTV局ディレクター、マグラスの陰謀だった。真実を知って呆然となるディーズ。ベイブが説明したいと泣きながら現れるが、いくらお人よしディーズでも、悲嘆のどん底に落とされたのだから立ち直れない。 【Mr.ディーズ 第20段落】 荷物をスーツケースに詰めてニューヨークを去るディーズ。ヒッチハイクで故郷マンドレイク・フォールズの町に帰る。傷ついたディーズを故郷の仲間は慰めているが、彼は落ち込んでいる。そこにベイブ・ベネットがディーズを追ってやって来た。事情を知っているジャンおばさんは、太って強い自分を負かしたら居所を教えてやると言って、女二人、取っ組み合いの喧嘩。中年のコンチャータ・フェレル相手に細身のウィノナ・ライダーは頑張って挑戦し、遂に勝ってディーズの家に向かう。雪深いニューハンプシャーの森の中を進んでいくと、池だったのが雪で気付かず、氷が割れてベイブは氷点下の池に落ちたしまった。そこにディーズが歩いてくるが、自分と近づくために強盗に襲われた振りをしたのと同様に芝居かと思い、そっけなくする。またカメラで撮っているのかと。でもベイブが本当に溺れそうなのが分かり、例の感覚のない右足で氷を割って、ずぶぬれの彼女を救い上げた。・・・ ▲TOPへ ◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say ! 【Mr.ディーズ 第21段落】 亡きプレストン・ブレイクのコングロマリットの株式総会の日が来た。ディーズは失恋してニューヨークを去る時から相続権を捨てて、株主でもなくなっているから列席していない。総会を取り仕切るチャック・シーダーは、エミリオを含んでお屋敷の使用人、何と 51 人の解雇を申し渡す。そしてブレイクの残した遺産を不法にネコババしようとたくらんでいるようだ。すると、ディーズが一株だけ買って持っているから出席する権利があるのだと乗りこんでくる。そして演説して、臨席の株主達に共感を覚えさせる。そこにベイブ・ベネットが生き生きとした自信たっぷりの顔で朗報を持って現れた。 【Mr.ディーズ 第22段落】 彼女が亡きプレストン・ブレイクが密かにつけていた日記を調べて分かったことは…ブレイクが若き日の 1957 年 4 月 12 日に使用人のコンスエラ・ロペス(ジーナ・ガレコ)と恋に落ちて結ばれ、翌 1958 年 1 月 23 日に男の子が生まれた。しかしコンスエラは赤ん坊を産んで亡くなってしまった。(コンスエラ役のジーナ・ガレコは 『 エリン・ブロコビッチ (2000) ERIN BROCKOVICH 』 『 マイノリティ・リポート (2002) MINORITY REPORT 』に脇役で出ている人。)そのコンスエラが産んだ赤ん坊が、実は、執事になっているエミリオ・ロペスだと判明したのだ。従って、相続権もエミリオ・ロペスにある。…これを聞いて、実の親だと知らずに長年プレストン・ブレイクに仕えてきたエミリオは心から喜ぶ。そして今やトップに踊り出たエミリオはチャック・シーダーをその場で解雇した。そして、よく調べてくれたとベイブ・ベネットに感謝する。相続権を破棄したディーズはこれで一安心。人間的に気持が通じ合っていたエミリオなら万々歳だ。 【Mr.ディーズ 第23段落】 一株分の遺産を受け取ったディーズは故郷に戻って、ピザ屋を続けている。どうやら、そのお金で、町のみんなに真っ赤なスポーツカーをお揃いで買ってあげたみたい。そして、遺産相続の出来事で一番の宝となったのは、相思相愛の新妻ベイブ。今、エプロン姿で一緒にピザ屋で働いている。ホールマーク社 Hallmark のグリーティング・カードにはディーズの韻を踏んだ詩が引用されていて、二人は幸福感でいっぱい。このように、幸せはお金より愛だという人情話という印象を受けたので、単なる都会風のラブ・コメとは一線を画して考えたい。更に、都会より田舎のよさを考え直すというのも、 『 メラニーは行く! (2002) SWEET HOME ALABAMA 』と合い通じるものがあり、アメリカの富と大都会崇拝の風潮を皮肉っているのだと思う。 【Mr.ディーズ 第24段落】 製作総指揮のジョセフ・M・カラッシオロは 『 チャーリーズ・エンジェル (2000) CHARLIE'S ANGELS 』製作総指揮。 マーティ役のアレン・コヴァートは 『 25年目のキス (1999) NEVER BEEN KISSED 』出演。 クレイジー・アイズ役のスティーヴ・ブシェミは 『 ファーゴ (1996) FARGO 』で誘拐犯を演じるなど、怪しい風貌が特徴の俳優で、『Mr.ディーズ』では斜視のとぼけた友人を演じる。 ラジオマン役のクレイグ・カスタルドは 『 ズーランダー (2001) ZOOLANDER 』でもクレジットなしで出演。このように、この映画には随分広範囲で観る顔ぶれが出演しているな。 以上。 <もっと詳しく>からスペースを含まず8617文字/文責:幸田幸 参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集 http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm IMDb allcinema ONLINE Nostalgia.com CinemaClock.com Mr.ディーズ 公式サイト(英語版) http://www.spe.sony.com/movies/mrdeeds/ |
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■映画『 Mr.ディーズ 』の更新記録 2002/12/21新規: ファイル作成 2004/12/29更新: ◆一部テキスト追記と書式変更 2005/10/06更新: ◆追記 2005/12/04更新: ◆データ追加 |
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幸田 幸 coda_sati@hotmail.com |
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