ファーゴ | |||||
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映画の森てんこ森■映画レヴュー | |||||
ファーゴ (1996) | |||||
FARGO | |||||
映画『 ファーゴ (1996) FARGO 』をレヴュー紹介します。 映画『 ファーゴ (1996) FARGO 』を以下に目次別に紹介する。 ■映画『 ファーゴ (1996) FARGO 』の解説及びポスター、予告編 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。 ■映画『 ファーゴ (1996) FARGO 』の映画データ ■映画『 ファーゴ (1996) FARGO 』の主なキャスト ■映画『 ファーゴ (1996) FARGO 』のスタッフとキャスト ■映画『 ファーゴ (1996) FARGO 』の<もっと詳しく> <もっと詳しく>は映画『 ファーゴ 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 ファーゴ (1996) FARGO 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。 ■映画『 ファーゴ (1996) FARGO 』の結末 ■映画『 ファーゴ (1996) FARGO 』上方中西部訛り ■映画『 ファーゴ (1996) FARGO 』の感想(ネタバレご注意) ■映画『 ファーゴ (1996) FARGO 』ポール・バニアン ■映画『 ファーゴ (1996) FARGO 』の更新記録 >>「映画解説・レヴュータイトル一覧表」へ(画面の切り替え) |
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幸の鑑賞評価: 8つ星 | |||||
■映画『 ファーゴ (1996) FARGO 』の解説及びポスター、予告編 | |||||
ファーゴ
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■映画『 ファーゴ (1996) FARGO 』の解説 映画『 ファーゴ (1996) FARGO 』は、1996 年第 69 回アカデミー賞で主演女優賞と脚本賞、カンヌ国際映画祭で監督賞・作品賞・脚本賞など数々の賞に輝いたジョエルとイーサンのコーエン兄弟第6作品。二人はカンヌ国際映画祭では「バートン・フィンク」[原題:Barton Fink]( 1991 )でも評価されている。 ファーゴは地名だ。映画『 ファーゴ 』は、 1987 年にミネソタ州中西部で本当に起こった事件に基づいている。これは自分の妻の偽装誘拐で大金を得ようとした、ミネアポリスの自動車販売店の営業部長ジェリー・ランディーガード(ウィリアム・H・メイシー:『 マグノリア (1999) MAGNOLIA 』『 シービスケット (2003) SEABISCUIT 』等)の物語である。 『 ファーゴ 』に関するインタヴューの中で、「 12 年間の女優生活の中で初めて監督と寝て役をもらえたの。」と冗談を言うフランシス・マクドーマンド(:『 恋愛適齢期 (2003) SOMETHING'S GOTTA GIVE 』『 キャットウーマン (2004) CATWOMAN 』等)は、本映画『 ファーゴ 』でアカデミー主演女優賞を受賞した。彼女はジョエル・コーエン監督の奥さんである。ミネソタ州ミネアポリス出身のコーエン兄弟は、故郷を舞台にしたこの映画『 ファーゴ 』で、故郷が持つ様々な面を表現している。 映画『 ファーゴ 』は面白いサスペンス。見逃している方は是非『 ファーゴ 』をご覧下さい。 |
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●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。 Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com. Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc. |
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■映画『 ファーゴ (1996) FARGO 』の映画データ | |||||
上映時間 118分 製作国 アメリカ 公開情報 FOX 初公開年月 1999/04 ジャンル ロマンス 《米国コピーTagline》Desire. Defy. Escape. |
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■映画『 ファーゴ (1996) FARGO 』の主なキャスト | |||||
●フランシス・マクドーマンド as マージ・ガンダーソン 『 ファーゴ (1996) FARGO 』 『 ワンダー・ボーイズ (2000) WONDER BOYS 』 『 あの頃ペニー・レインと (2000) ALMOST FAMOUS 』 『 バーバー (2001) THE MAN WHO WASN'T THERE 』 『 しあわせの法則 (2002) LAUREL CANYON 』 『 恋愛適齢期 (2003) SOMETHING'S GOTTA GIVE 』 『 キャットウーマン (2004) CATWOMAN 』 ●ウィリアム・H・メイシー as ジェリー・ランディガード 『 妹の恋人 (1993) BENNY & JOON 』 『 ブギーナイツ (1997) BOOGIE NIGHTS 』 『 マグノリア (1999) MAGNOLIA 』 『 エアフォース・ワン (1997) AIR FORCE ONE 』 『 ウェルカム トゥ コリンウッド (2002) WELCOME TO COLLINWOOD 』 『 THE COOLER (2003) 』 『 シービスケット (2003) SEABISCUIT 』 『 セルラー (2004) CELLULAR 』 ●ピーター・ストーメア as グリムスラッド 『 レナードの朝 (1990) AWAKENINGS 』 『 ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク (1997) THE LOST WORLD: JURASSIC PARK 』 『 ダンサー・イン・ザ・ダーク (2000) DANCER IN THE DARK 』 『 ショコラ (2000) CHOCOLAT 』 『 9デイズ (2002) BAD COMPANY 』 『 ウインドトーカーズ (2002) WINDTALKERS 』 『 マイノリティ・リポート (2002) MINORITY REPORT 』 『 スパン (2002) SPUN 』 『 タキシード (2002) THE TUXEDO 』 『 バッドボーイズ2バッド (2003) BAD BOYS 2 BAD 』 『 コンスタンティン (2004) CONSTANTINE 』 『 ブラザーズ・グリム (2005) THE BROTHERS GRIMM 』 |
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【『 ファーゴ 』のスタッフとキャスト】 | |||||
監督: ジョエル・コーエン Joel Coen 製作: イーサン・コーエン Ethan Coen 製作総指揮: ティム・ビーヴァン Tim Bevan エリック・フェルナー Eric Fellner 脚本: イーサン・コーエン Ethan Coen ジョエル・コーエン Joel Coen 撮影: ロジャー・ディーキンス Roger Deakins 美術: リック・ハインリクス Rick Heinrichs 音楽: カーター・バーウェル Carter Burwell 出演: フランシス・マクドーマンド Frances McDormand マージ・ガンダーソン スティーヴ・ブシェミ Steve Buscemi カール ウィリアム・H・メイシー William H. Macy ジェリー・ランディガード ピーター・ストーメア Peter Stormare グリムスラッド ハーヴ・プレスネル Harve Presnell ウェイド ジョン・キャロル・リンチ John Carroll Lynch ノーム・ガンダーソン クリステン・ルドルード Kristen Rudrud ジーン・ランディガード ▲TOPへ |
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<もっと詳しく> | |||||
ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。 |
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■映画『 ファーゴ (1996) FARGO 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー 【ファーゴ 第01段落】 ジェリー・ランディガード(ウィリアム・H・メイシー)は8万ドルと新車[茶色のシエラ]で二人の犯罪者を雇い、もし誘拐がうまくいけば、妻の父親に 100 万ドルを身代金として払わせるつもりだった。実際には妻ジーン・ランディガード(クリスティーン・ルドリュード:『 わたしが美しくなった100の秘密 (1999) DROP DEAD GORGEOUS 』等に出演)を傷つけるつもりは無かった。彼は借金の返済に困っており、お金が目当てだった。 【ファーゴ 第02段落】 ジーンの父ウェイド・グスタフソン(ハーヴ・プレスネル: 『 Mr.ディーズ (2002) MR. DEEDS 』 『 キューティ・ブロンド (2001) LEGALLY BLONDE 』 『 アダルト♂スクール (2003) OLD SCHOOL 』等に出演)は、裕福な実業家で、実はジェリーが働く自動車販売店のオーナーである。しかし、気弱な娘婿ジェリーは、真実を語ってウェイドからお金を借りることができない。いい投資があるといってお金を引き出そうとするが、ジェリーはウェイドからは信頼されておらず、話はうまくはいかなかった。 【ファーゴ 第03段落】 誘拐は実行されたが、ジェリーの計画とは違う方向に事は進んで行く。そして不幸にもこの事件にかかわった人間の人生が狂っていくのだった。ジェリーが雇ったカール・ショウォルター(スティーヴ・ブシェミ: 『 ビッグ・フィッシュ (2003) BIG FISH 』 『 コーヒー&シガレッツ (2003) COFFEE AND CIGARETTES 』 『 ホーム・オン・ザ・レンジ/にぎやか農場を救え! (2004) HOME ON THE RANGE 』 『 アイランド (2005) THE ISLAND 』等に出演)とゲア・グリムスラッド(ピーター・ストーメア)は、誘拐したジーンを隠れ家に連れて行く途中、ミネソタ北部のブレイナードという町の近くで警官に車を止められてしまい、その警官を射殺。たまたま車で通りかかって事件を目撃してしまった二人の民間人も殺す。 【ファーゴ 第04段落】 三人の罪の無い人間が殺害されたことで、警察が動き出すことになる。捜査を担当するのは鋭い知性を持った婦人警察署長マージ・ガンダーソン(フランシス・マクドーマン)。彼女は妊婦で、しがない画家っぽい優しい夫ノーム・ガンダーソン(ジョン・キャロル・リンチ: 『 コンフィデンス (2003) CONFIDENCE 』 『 ゴシカ (2003) GOTHIKA 』等に出演)がいる。彼女はミネアポリスへと向かい、この恐ろしい犯罪にジェリーが関与している事に気付いていく。・・・ ▲TOPへ ◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say ! 【ファーゴ 第05段落】 警察が真実へと近づくに連れ、ジェリーが企てた誘拐はますます暴力的で複雑なものへと変化していく。殺人を犯した事でカールはジェリーによりお金を請求し、ウェイドは個人的に娘を誘拐した奴が誰なのかを突き止めようとする。状況はジェリーの手には負えなくなっていた。 【ファーゴ 第06段落】 結局"ほんの少しのお金"のために、何人もの命が奪われる事となった。身代金を渡しに行ったウェイドはカールに殺され、ジーンはうるさく騒いだのでゲアに殺される。また、ゲアは取り分をケチられそうになったのでカールを殺す。ゲアがカールを機械に入れて粉砕しているときに、捜査に来たマージが現れて、ゲアは逮捕される。マージに感づかれたと知ったジェリーは逃亡していたが、泊まっていたモーテルに警官が踏み込み、結局は捕まった。 ▲TOPへ 【映画『 ファーゴ 』 上方中西部訛り】 映画を通して使われている”上方中西部訛り”のおかげで、「ファーゴ」はアメリカの多くの地域でとても人気があったそうだ。おそらくウィスコンシンからノースダコタ[ファーゴという町は実際にはノースダコタにあり、ミネソタではない]という特別な地方の方言を熱狂的に調査している映画は他にはないらしい。" yes "が" yaw "、" you bet "を" you betcha "と繰り返し発音する。また、カリフォルニアの若者達が適当な言葉を捜すときに" like "を使うのと同じくらいにミネソタでは文の終わりに" here "を付けていたりしている。 ▲TOPへ 【映画『 ファーゴ 』の感想】 【映画『 ファーゴ 』の感想 第01段落】 実際にあった悲惨な事件を題材に淡々と話が進行していくところにユーモアを同居させた完成度の高い映画に仕上がっているのは、対照的な登場人物のコンビ:ダメ男のジェリーと成功した男のウェイド、婦人警察署長であるバリバリのキャリアウーマンであるマージとヒモのような夫ノーム、おしゃべりな小男カールと無口な大男ゲア−のお蔭であり、やはり脚本が冴えていると思う。 【映画『 ファーゴ 』の感想 第02段落】 ディテールへの拘りで知られてきたコーエン兄弟らしく、ポスターもおもしろい。白い布地に赤を基調として刺繍された工芸品のようで、一見とても可愛らしく見えるが、よく見ると、赤いジャンパーを着た被害者が血を流して倒れている姿が縫いこまれている。事件を起こした張本人であるジェリーのキャラクターを思わせる。表向きは良き夫で父親であるように見えるが、実は借金返済のために妻を偽装誘拐させるような、とんでもない奴なのだ。また、ポスターには、< a homespun murder story >と縫われている。 Homespun とは辞書で調べてみると、「*手織りの*素朴な、洗練されていない」という意味があり、手織りの工芸品のようなポスターと、間抜けなジェリーの犯罪計画をかけているのだと思う。 【映画『 ファーゴ 』の感想 第03段落】 THIS IS A TRUE STORY. The events depicted in this film took place in Minnesota in 1987. At the request of the survivors, the names have been changed. Out of respect for the dead, the rest has been told exactly as it occurred. −これは、本当にあった話である。1987 年にミネソタで起こった事件を、この映画では描いている。生存者の要望によって、当事者の名前は変えてある。死者への敬意から、それ以外は事件が起こった通りに伝えている。−と映画の初めにあるが、実際は、実話を基にしてストーリーを自由に展開していて、映画の中で描かれているディテールは事実通りというわけではないらしい。 【映画『 ファーゴ 』の感想 第04段落】 ということで気になるのは、日系人のマイク・ヤナギダ(スティーヴ・パーク)の存在である。これって、もしかして国辱映画?と思わせるような、笑いを誘う変な登場人物である。ジェリーが計画する誘拐事件には無関係なので、ストーリー展開に絶対に必要というわけでもない。しかも、ミネソタ州には日系人が少ないらしい。北欧系・ドイツ系の移民が多いという地域で、他に有色人種として登場しているのは、整備工場で働く元囚人のネイティヴ・アメリカンである。彼はジェリーにカールとゲアを紹介するという重要な役どころである。ミネソタ、日系人、ネイティヴ・アメリカンに共通するような事柄は何なのか。 【映画『 ファーゴ 』の感想 第05段落】 ネットで調べてみたところ、ミネソタにはインディアンの居留地、太平洋戦争時には日系人を収容する強制収容所があったことがわかった。マージとノームが新しく生まれてくる赤ちゃんを楽しみにしているラストシーンに、居留地・強制収容所の歴史を持つユダヤの血を引くコーエン兄弟からの、人類の希望のメッセージを感じるのだ。 ▲TOPへ 【映画『 ファーゴ 』 ポール・バニアン】 ブレイナードの町の入り口に立っている像のポール・バニアンとは何者かと気になり、少し調べてみた。 ポール・バニアンとは? アメリカ合衆国の開拓者である伝説の巨人の木こり。強さと活力の象徴である彼は、ベイブという巨大な青い雄牛を連れている。ピュージェット湾を造ったり、グランド・キャニオンを掘ったり、ブラック・ヒルズを築いたりしたとされている。また、物凄い食欲は有名で、スケート靴を履かなければ油をさせないくらい、とても大きな鉄板で焼いたホットケーキを平らげる。彼の英雄物語は、材木キャンプから生まれ、ジェイムズ・マックギルヴレイの「 The Round River Drive 」( 1910 )で初めて出版された。そしてその物語は、すぐにアメリカの神話となった。 ディテールに拘るコーエン兄弟。このポール・バニアンにも何か意味が込められているんだろうな。 以上。 <もっと詳しく>からスペースを含まず3655文字/文責:幸田幸 参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集 http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm IMDb allcinema ONLINE Nostalgia.com CinemaClock.com 公式サイト(日本語版) http://www.asmik-ace.co.jp/M/Asmik/1996/Fargo/index.html |
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■映画『 ファーゴ (1996) FARGO 』の更新記録 2002/04/14新規: ファイル作成 2003/05/23更新: ◆映画や俳優についてリンク 2004/07/14更新: ◆テキスト一部とリンクおよびファイル書式 2005/03/18更新: ◆一部テキスト追記と書式変更 2005/04/29更新: ◆データ追加 2005/08/27更新: ◆データ追加 |
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幸田 幸 coda_sati@hotmail.com |
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