エアフォース・ワン
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エアフォース・ワン (1997)
エアフォース・ワン
エアフォース・ワン
AIR FORCE ONE

【解説】
 映画『 エアフォース・ワン (1997) AIR FORCE ONE 』の監督ウォルフガング・ペーターゼンは西ドイツ出身で「ネバーエンディング・ストーリー」大ヒット後、「ザ・シークレット・サービス」「アウトブレイク」でハリウッドのメジャー・スタジオ入り。製作総指揮のトーマス・A・ブリスは「スパイ・ゲーム「 13 デイズ」も手掛ける。
 タイトルの「エアフォース・ワン」とは、米国大統領専用機のこと。この飛行機がテロリストにハイジャックされ、ハリソン・フォード演じる若々しい大統領が一人で解決に向けて犯人に挑むストーリーだ。フォードがあまりにも大統領にはまり役なので、観客は彼が本物の大統領と錯覚しそうになる。テロリスト役のゲーリー・オールドマンは「ハンニバル」「フイフス・エレメント」「レオン」に出演、最近引っ張りだこの俳優だ。
 『 エアフォース・ワン 』は、ハリウッドが、強きアメリカ・強き大統領・アメリカ的な愛国自己犠牲精神を描いた典型的作品。緊迫感あふれるアクションが、ノンストップで堪能できるアクション・サスペンス作品。映画『 エアフォース・ワン 』は、流石アメリカならではと納得する映画だ。
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
■映画『 エアフォース・ワン (1997) AIR FORCE ONE 』のデータ
 上映時間 124分
 製作国 アメリカ
 公開情報 ブエナ
 初公開年月 1997/11
 ジャンル アクション/サスペンス
 《米国コピーTagline》Harrison Ford is the President of the United States.
【スタッフとキャスト】

監督: ウォルフガング・ペーターゼン Wolfgang Petersen
製作: ウォルフガング・ペーターゼン Wolfgang Petersen
    ゲイル・カッツ Gail Katz
    アーミアン・バーンスタイン Armyan Bernstein
    ジョン・シェスタック John Shestack
製作総指揮: トーマス・A・ブリス Thomas A. Bliss
    マーク・エイブラハム Marc Abraham
    デヴィッド・レスター David Lester
脚本: アンドリュー・W・マーロウ Andrew W. Marlowe
撮影: ミヒャエル・バルハウス Michael Ballhaus
特殊効果: リチャード・エドランド Richard Edlund
音楽: ジェリー・ゴールドスミス Jerry Goldsmith
 
出演: ハリソン・フォード Harrison Ford
    ゲイリー・オールドマン Gary Oldman
    グレン・クローズ Glenn Close
    ウェンディ・クルーソン Wendy Crewson
    リーセル・マシューズ Liesel Matthews
    ポール・ギルフォイル Paul Guilfoyle
    ザンダー・バークレイ Xander Berkeley
    ウィリアム・H・メイシー William H. Macy
    ディーン・ストックウェル Dean Stockwell
    ユルゲン・プロフノウ Jurgen Prochnow
    フィリップ・ベイカー・ホール Philip Baker Hall
◆俳優について映画人(俳優・女優・監督など)のリストへ
 ハリソン・フォード Harrison Ford は、1942/07/13 生まれの今年満 61 歳。ヴィデオやTVの洋画劇場でスター・ウォーズやインディ・ジョーンズをワクワクして随分観たが、もうハリソン・フォードは孫もいるおじいちゃんになっているらしい。彼は、アメリカ/イリノイ州シカゴ出身で大学中退後俳優を目指したが、チョイ役と作品に恵まれず、俳優としてパッとせず、アルバイトで大工もしていたとか。
 しかし、ジョージ・ルーカス George Lucas 監督のルーカスフィルム会社 Lucasfilm Ltd 製作、20世紀フォックス 20th Century Fox Film Corporation 配給の『 スター・ウォーズ (1977) STAR WARS 』のハン・ソロ役で大ブレイク。その後すぐにフランシス・フォード・コッポラ Francis Ford Coppola の監督・製作・脚本・音楽担当の『 地獄の黙示録 (1979) APOCALYPSE NOW 』に出演した後、二作目の『 スター・ウォーズ/帝国の逆襲 (1980) THE EMPIRE STRIKES BACK 』 。翌年『 レイダース/失われたアーク《聖櫃》 (1981) RAIDERS OF THE LOST ARK / INDIANA JONES AND THE RAIDERS OF THE LOST ARK 』で世界的ヒット。続いて『 スター・ウォーズ/ジェダイの復讐 (1983) RETURN OF THE JEDI 』、翌年 『 インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説 (1984) INDIANA JONES AND THE TEMPLE OF DOOM 』とスター・ウォーズとインディ・ジョーンズを交互にリリース。不動のスターの地位を確立して一千万ドル大スターとなる。ハリソン・フォードと言えばインディ・ジョーンズだが、1989年、『 インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 (1989) INDIANA JONES AND THE LAST CRUSADE 』で一応幕を閉じる。

 その間、その後もヒット作を連発、『 刑事ジョン・ブック/目撃者 (1985) WITNESS 』『 推定無罪 (1990) PRESUMED INNOCENT 』『 パトリオット・ゲーム (1992) PATRIOT GAMES 』『 逃亡者 (1993) THE FUGITIVE 』『 エアフォース・ワン (1997) AIR FORCE ONE 』『 デビル (1997) THE DEVIL'S OWN 』『 6デイズ/7ナイツ (1998) SIX DAYS SEVEN NIGHTS 』 『 ホワット・ライズ・ビニース (2000) WHAT LIES BENEATH 』 『 K−19 (2002) K-19: THE WIDOWMAKER 』 など印象深い。最近では、『 ハリウッド的殺人事件 (2003) HOLLYWOOD HOMICIDE 』 があるが、『 K−19 』 の時は軍服姿でさほど目立たなかったが、『 ハリウッド的殺人事件 』では少し太ってハンサムなお顔も少し精彩がないような気がした...かな?(ファンの方にスミマセン!)
 因みに、調査した 03/08/31 の現時点で、ハリソン・フォードは、44 本の映画に出演している。偉大な俳優である。
(■解説とネタばれ:2002/06/16アップ ◆俳優についてリンク更新:2003/08/31)
ネタばれ御注意!
 このレヴューは「テキストによる映画の再現」を目指して作文しています。よって、ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
<もっと詳しく>
 ハリソン・フォードがスーパーマン的に強い米国大統領を熱演している。 1942 年、米イリノイ州生まれのフォードは、大学中退後、演劇を学んだが端役が続き、一時はスタジオ大工に。それが 77 年「スター・ウォーズ」でハン・ソロ役に抜擢されてブレイク。それ以後ハリウッドの頂点に立つ。夫人のメリッサ・マシスンは「 E.T. 」の脚本家。ワシントン・ポスト紙によると、「最も客を呼べる money making 」俳優番付で見事1位だそうだ。なぜなら彼の出演作には1億ドルの興行収入を上げたものが 10 本もあるからだ!

 エアフォース・ワンとは、アメリカ空軍所有の大統領専用機のこと。機体は最新の情報機器と通信設備が備えられ、大統領側近も数十人お伴して、空を飛ぶ第2のホワイトハウスと呼ばれている。撮影には、こんなエピソードがある。主演ハリソン・フォードがクリントン大統領の誕生パーティに出席した際、映画製作のためにエアフォース・ワンの内部を見せて下さいと大統領に頼んだ。すると即OKをもらって、トップシークレットの筈のエアフォース・ワンの内部を、ハリソン・フォードやペーターゼン監督たちは実際に見学することができたそうだ。だから、それを再現したという機内の様子はリアリティに溢れている。因みに、クリントン大統領はこの作品をプレミアで2度も観て「とてもいい映画だ」と御満悦だったそうだ。

 さぁ、ストーリー。アメリカ合衆国とロシアは協力して、カザフスタンの独裁者イワン・ラデク(ユルゲン・プロホノフ)の逮捕に成功した。ラデクはカザフスタンで恐怖政治を行使して、 20 万人以上の罪のない人々を惨殺してきた将軍だ。アメリカ合衆国大統領ジェームズ・マーシャル(ハリソン・フォード)は、ペトロフ・ロシア大統領(アラン・ウルフ)とモスクワで作戦の成功祝賀パーティーと共同会見を開いた。その壇上でマーシャル大統領は「テロには決して屈しない」と力強く宣言、大統領専用機エアフォース・ワンで次の訪問地へと向かうため、空港に向かう。

 厳重な警備下のモスクワ空港。大統領始め、側近や政府高官や警護官がエアフォース・ワンに搭乗し始める。しかし、テロリストが6人、ロシアのTV取材班を装って紛れ込んでいた。政治面のインタビューと大統領のプライベイト面でも取材する許可がTV局に下りていたのだ。大統領夫人グレース・マーシャル(ウェンディ・クルーソン)と娘のアリス(リーゼル・マシューズ)は、モスクワバレエ団を観劇してきて、少し遅れて最後に搭乗する。

 離陸する前に、メラニー・ミッチェル副報道官(ドナ・ブロック)は、ロシア取材班をニセ者とは知らずに機内を案内している。間もなく機は離陸した。離陸すると同時に、テロリストたちは行動を開始する。警護官のギブス(サンダー・バークレイ)は実はテロリストの一味で、特別警護室にいた職員の三人を裏切って先ず射殺。そして煙の合図と同時に、ロシアTVの取材班に扮していた、コルシェノフ(ゲイリー・オールドマン)、アンドレイ(エリヤ・バスキン)、ボリス・バジレフ(デビッド・バディム)らはテロを開始する。

 彼らは座席からおもむろに立ち上がると、特別警護室の銃器を入手してコックピットを占領。また、ファーストレディと大統領の娘にコルシュノフは銃を突き付ける。そして、抵抗する者を容赦なく殺す。安全保障会議担当のジャック・ドハティ(トム・エヴァレット)は最初の犠牲者となった。リーダーらしきコルシュノフは乗客乗員を人質に取り、エアフォース・ワンを完全にハイジャックした。

 銃声のただならぬ気配に、シークレット・サービスは大統領を緊急脱出カプセルで脱出させようと急ぐ。民間の旅客機にはないが、大統領専用機エアフォース・ワンには、緊急脱出時の装備がついているのだ。大統領は側近と、脱出カプセルに急いだ。しかし、妻子と側近たちを残してはいけない彼は、脱出したように見せかけて、機内に居残る。

 大統領は貨物室に先ず潜伏、部下の携帯電話を見つける。衛星電話の使い方が解らなくて一生懸命説明書を呼んだり、ホワイトハウスに電話しようとして電話番号がわからなかったり、お笑い場面が楽しめる。交換手を呼んで、自分は大統領だと言っても、どっかの頭のイカレタ男の悪戯だと一笑にふされたりして、思わずクスクスしてしまう。普段、何でも側近がしてくれるから、電話一つかけられないのは一国のトップの大統領として当然かも。交換手の呆れ顔の演技も上手い。

 なかなか電話ではホワイトハウス中枢に通じず、大統領は、知り尽くした機内を犯人に感ずかれないように移動していく。そしてテロリストを一人ずつやっつけ始める。そう、大統領は、元軍人、元ベトナム救出ヘリのパイロット、ベトナム戦争の英雄なのだ!大統領は、自分の執務室にこっそり戻り、今度はFAXに挑戦する。ホワイトハウスの当事件のセンターはごった返していて、誰もFAXに気付かない。そんな中で、FAXに唯一気付いた女性職員(ミズィリ・フリーマン)がいた。この女性、この機転が評価されて、事件解決後、郵政公社総裁に昇格した。こうして、大統領は、ワシントンとの連絡に成功。自分は脱出せず、無事で、機内で潜伏、反撃を機会を覗っていることを伝える。

 そうしている間にテロリストのリーダー、コルシェノフはエアフォース・ワン内で指揮を取り、アメリカ政府にラデク将軍の釈放を要求していく。そして、機内に潜んでいるとわかった大統領を探すよう部下に命令する。エアフォース・ワンの機長(マイケル・レイ・ミラー)と副機長(カール・ワイントラウブ)は同盟国のドイツ・ラムスタン空港に緊急着陸しようとするが、二人は撃ち殺される。一旦エアフォース・ワンは低空に差し掛かったが、再び空高く舞い上がる。

 大混乱のホワイトハウス会議室。合衆国には、非常警戒事態の際は、国家と国民の安全を第一目的として、現大統領の権限の全てを奪ってよい、という規定がある。つまり、代わりの者を大統領にするのだ。ウォルター国防長官(ディーン・ストックウェル)はこの非常時の主導権を求める。そして、高官たちに非常警戒事態下の現大統領の権限の剥奪を請求するために、署名を集め始める。国防長官は「大統領は元軍人だ。戦えるはずだ。」と言いながら、このような非常時で大統領の職を狙っているのだ。マーシャル大統領の全権限を奪いとって、自分がトップに踊り上がろうという魂胆だ。

 キャサリン・ベネット副大統領(グレン・クローズ)はテロリストと交渉し、悩む。地味なシーンで、感情的になってはいけないし、能面のような表情で、役をこなさなければならない場面を上手く演じている。また、人質が射殺されたという情報を聞いて、副大統領は涙をこぼし、「エアフォース・ワンのために祈って下さい。」と記者会見で力強く発言する。そして、最後には、国防長官から、現大統領の権限の剥奪の決断を迫られる。

 さて、機上からは、テロリストは、ラデク将軍の釈放という要求が通るまで、人質を 30 分に一人ずつ処刑するという条件を言ってきた。人質は政府高官たち、側近、そして大統領の妻子たちだ。ここからハリソン・フォードの緊迫感たっぷりのアクションが本格的に始まる。「絶対テロに屈しない」アメリカの威信を守り、妻子を救うため、大統領は軍人としての経験を活かして単独で犯人に挑んでいく。

 エアフォース・ワンの機体は核爆弾の衝撃にも耐えられるという。機体の壁は防弾になっていて、銃弾が当たっても平気だ。犯人グループと大統領は銃撃戦を行うが、よくある飛行機パニック映画と違って、防弾なので、穴の開いた壁から空気が漏れて空気圧の違いで悲鳴が起こる、といったことはない。また、機内の配線を切断するシーンで、赤と青と黄色のコードがある。どの色のコードを切ったらいいか、大統領は選択を迫られる。そのとき、「赤と青はアメリカの国旗の色だから違う。黄色だ!」とか言って、無事成功。ウッソ〜…観客はニタッとしてしまう。

 ハリソン・フォードの大統領は強い。パンチでも闘う。「俺のエアフォース・ワンから出て行け。 Get off my airplane! 」と言って犯人を蹴落としたりもする。ミグ(設計技師ミコヤンとグレビッチの頭文字からとった、ロシアの戦闘機名)と旅客機の空中戦も出てくる。その時大統領は自らジャンボの操縦竿を握って、ミグ戦闘機のミサイルをヒョイヒョイとかわすのだ。大統領はパラシュート室から機外に放り出されそうになる。でも腕一本になっても、しがみついてぶら下がっている超人さ。

 こうして、不死身の必殺技で頑張った大統領は、めでたし、めでたしのエンディング。とにかく、ハリソン・フォードファン必見の楽しい作品。

 なお、エアフォース・ワンの御乗客様は以下の通りでございま〜す。

ハリソン・フォード Harrison Ford(ジェームズ・マーシャル米国大統領)
ウェンディ・クルーソン Wendy Crewson(グレース・マーシャル/ファーストレディ)
リーゼル・マシューズ Liesel Matthews(アリス・マーシャル/娘)
ドナ・ブロック Donna Bullock(メラニー・ミッチェル副報道官)
トム・エヴァレット Tom Everett(ジャック・ドハティ/安全保障会議担当)
サンダー・バークレイ Xander Berkeley(ギブス警護官)
ポール・ギルフォイル Paul Guilfoyle(ロイド・シェファード)
クリス・ハウエル Chris Howell(パーキンス少佐)
ウィリアム・H・メイシー William H. Macy(コールドウェル少佐)
ミズィリ・フリーマン Messiri Freeman( FAX を送信する女性)
マイケル・レイ・ミラー Michael Ray Miller(エアフォース・ワン機長)
カール・ワイントラウブ Carl Weintraub(副機長)
エレスター・ラザム Elester Latham(ナビゲーター)
ユルゲン・プロホノフ Jurgen Prochnow(イワン・ラデク将軍)
ゲイリー・オールドマン Gary Oldman(テロリストのコルシェノフ)
エリヤ・バスキン Elya Baskin(テロリストのアンドレイ)
デビッド・バディム David Vadim(テロリストのボリス・バジレフ)
グレン・クローズクローズ Glenn Close(キャサリン・ベネット副大統領)
ディーン・ストックウェル Dean Stockwell(ウォルター国防長官)
フィリップ・ベーカー・ホール Philip Baker Hall(ワード司法長官)
アラン・ウールフ Alan Woolf(ペトロフ・ロシア大統領)
ブライアン・リビー Brian Libby(メカニック)
ビル・スミトロヴィッチ Bill Smitrovich(ノースウッド将軍)

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず4396文字/文責:幸田幸
coda_sati@hotmail.com
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