ウインドトーカーズ
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ウインドトーカーズ (2002)
WINDTALKERS
 映画『 ウインドトーカーズ (2002) WINDTALKERS 』をレヴュー紹介します。

 映画『 ウインドトーカーズ WINDTALKERS 』を以下に目次別に紹介する。
■映画『 ウインドトーカーズ WINDTALKERS 』の解説及びポスター、予告編
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 ウインドトーカーズ WINDTALKERS 』の映画データ
■映画『 ウインドトーカーズ WINDTALKERS 』の主なキャスト
■映画『 ウインドトーカーズ WINDTALKERS 』のスタッフとキャスト
■映画『 ウインドトーカーズ WINDTALKERS 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 ウインドトーカーズ 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 ウインドトーカーズ (2002) WINDTALKERS 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 ウインドトーカーズ WINDTALKERS 』の結末
■映画『 ウインドトーカーズ WINDTALKERS 』の後記
■映画『 ウインドトーカーズ WINDTALKERS 』の更新記録

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幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 ウインドトーカーズ (2002) 』の解説及びポスター、予告編
ウインドトーカーズ
ウインドトーカーズ
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■映画『 ウインドトーカーズ WINDTALKERS 』の解説

 映画『 ウインドトーカーズ (2002) WINDTALKERS 』は、製作費は1億ドル(約 120 億円)という大型映画。実は、映画『 ウインドトーカーズ 』は、 2001 年の秋に米国で封切りの筈だったが、9月11日の米国同時多発テロの為に今年の夏まで延期になったといういわくつきの作品。『 ウインドトーカーズ 』とはアメリカ先住民ナバホ族のこと。自然と共に生きる彼らは「風と話す民」ということだと思う。第二次世界大戦中、日本軍に対して米軍は解読不可能のインディアンの話す言葉を暗号に使ったのだ。
 『 ペイチェック 消された記憶 (2003) PAYCHECK 』等のジョン・ウー監督と『 アンナと王様 (1999) ANNA AND THE KING 』『 バレットモンク (2003) BULLETPROOF MONK 』等のテレンス・チャン製作だから、どんなに派手な戦争ものかと予備知識なしに映画『 ウインドトーカーズ 』を観たら、ウー監督の『 M:I−2 (2000) MISSION: IMPOSSIBLE 2 / M:I-2 』のような現実をかけ離れたスマートな娯楽作品でなく、本当に戦いの場面がすさまじい映画だった。実戦の恐ろしさとそれに伴う人間性の変化、そして映画『 ウインドトーカーズ 』の要(かなめ)となるニコラス・ケイジ扮する白人軍曹とインディアンの通信兵が心を通わせていく過程が、2時間を優に越える物語の流れの中でじっくり描かれ、飽きさせない。
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 ウインドトーカーズ 』の映画データ
 上映時間:134分
 公開情報:FOX
 アメリカ公開年月:2002年6月14日
 日本公開年月:2002年8月24日
 ジャンル:アクション/ドラマ/戦争
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■映画『 ウインドトーカーズ 』の主なキャスト
●ニコラス・ケイジ as ジョー・エンダーズ軍曹@ウインドトーカーズ
『 リービング・ラスベガス (1995) LEAVING LAS VEGAS 』< 1996 年アカデミー主演男優賞受賞>
ウインドトーカーズ (2002) WINDTALKERS
ソニー (2002) SONNY 』(監督・製作・出演)
アダプテーション (2002) ADAPTATION 』< 2003 年アカデミー主演男優賞ノミネート>
マッチスティック・メン (2003) MATCHSTICK MEN
ライフ・オブ・デビッド・ゲイル (2003) THE LIFE OF DAVID GALE 』(製作)
ナショナル・トレジャー (2004) NATIONAL TREASURE
ゴーストライダー (2007) GHOST RIDER

●ピーター・ストーメア as 砲術軍曹エリック・ガニーヘルムスタッド@ウインドトーカーズ
9デイズ (2002) BAD COMPANY
マイノリティ・リポート (2002) MINORITY REPORT
スパン (2002) SPUN
タキシード (2002) THE TUXEDO
バッドボーイズ2バッド (2003) BAD BOYS 2 BAD
バース (2004) BIRTH
コンスタンティン (2004) CONSTANTINE

●ジェイソン・アイザックス as メリッツ少佐@ウインドトーカーズ
パトリオット (2000) THE PATRIOT
HOTEL (2001) HOTEL
サラマンダー (2002) REIGN OF FIRE
バイオハザード (2001) RESIDENT EVIL
タキシード (2002) THE TUXEDO
ハリー・ポッターと秘密の部屋 (2002) HARRY POTTER AND THE CHAMBER OF SECRETS
ピーター・パン (2003) PETER PAN
エレクトラ (2005) ELEKTRA 』
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【『 ウインドトーカーズ 』のスタッフとキャスト】
監督: ジョン・ウー John Woo
製作: テレンス・チャン Terence Chang
    トレイシー・グレアム Tracie Graham
    アリソン・R・ローゼンツウィグ
    ジョン・ウー John Woo
製作総指揮: C・O・エリクソン C.O. Erickson
脚本: ジョン・ライス
    ジョー・バッティア Joe Batteer
撮影: ジェフリー・L・キンボール Jeffrey L. Kimball
音楽: ジェームズ・ホーナー James Horner

出演: ニコラス・ケイジ Nicolas Cage ジョー・エンダーズ軍曹
    アダム・ビーチ Adam Beach 兵卒ベン・ヤージー
    クリスチャン・スレイター Christian Slater オックス・アンダーソン
    ピーター・ストーメア Peter Stormare 砲術軍曹エリック・ガニーヘルムスタッド
    ノア・エメリッヒ Noah Emmerich チャールズ・チック・ロジャーズ伍長
    マーク・ラファロ Mark Ruffalo 兵卒ニコラス・パパス
    ブライアン・ヴァン・ホルト Brian Van Holt 兵卒ロナルド・ハリー・ハリガン
    マーティン・ヘンダーソン Martin Henderson 兵卒ジョン・ネリー・ネルズ
    ロジャー・ウィリー Roger Willie 兵卒チャーリー・ホワイトホース
    フランシス・オコナー Frances O'Connor 従軍看護師リタ
    ジェイソン・アイザックス Jason Isaacs メリッツ少佐

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ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 ウインドトーカーズ 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー
 私は日本公開前に字幕スーパーなしの英語で観たので、わかる範囲でレヴューします。映画データについては調査した時点と公開される時点で異なる場合があります。本作の内容については、語学力と経験・常識不足のため、間違いや勘違いや適切でない表現があるかもしれません。どうかご理解賜りますようお願いいたします。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。
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【ウインドトーカーズ 第01段落】  主人公のニコラス・ケイジの事を私は詳しくは知らなかったので調べてみた。本名はニコラス・キム・コッポラ Nicholas Kim Coppola 。そう、「ゴッドファーザー」「地獄の黙示録」『 ヴァージン・スーサイズ (1999) THE VIRGIN SUICIDES 』等、数十本ほどの監督や製作で衆知の大御所フランシス・フォード・コッポラの甥なのだ。サンフランシスコ州立大学の学部長の父と元バレエ・ダンサーの母を持つイタリア人とドイツ人の混血。イランの王様の持っていたランボルギーニを所有し、ロサンゼルス郊外の城に住む。…スケール違うなぁ…。

【ウインドトーカーズ 第02段落】  『 シザーハンズ (1990) EDWARD SCISSORHANDS 』のレヴューでも書きましたが、ジョニー・デップの映画界デビューもニコラス・ケイジの紹介で。芸名の"ケイジ"は漫画の主人公" Luke Cage "からとったそうで、一族の七光りを避けたのだろう。でも七光りでなく着実にハリウッドを手中に収めている。 1995 年には「リービング・ラスベガス」でアカデミー主演男優賞をちゃんと獲得しているもの。「フェイス/オフ」「シティ・オブ・エンジェル」「60セカンズ」「コレリ大尉のマンドリン」等、出演していて、割りとアクション系が得意なようだ。ギャラは $20,000,000 だそうだから、 24 億円ということ?ンーン…。成功している人は実力・努力と運と血筋・環境の賜物なのだろう。

【ウインドトーカーズ 第03段落】  さて、この作品『 ウインドトーカーズ 』は米国の 2001/09/11 同時多発テロの大惨事の影響で、倫理的理由でなく興行的な理由で公開延期となった。レオナルド・ディカプリオの『 ギャング・オブ・ニューヨーク (2001) GANGS OF NEW YORK 』もそうだと聞く。ブルース・ウィリス出演の『 バンディッツ (2001) BANDITS 』が封切りはしたものの当時の炭疽菌騒動で大衆の足が映画館に向かわず、興行収入の面で苦心した背景があり、二の舞を踏まぬために延期措置をしたらしい。社会的悲劇は一般大衆のレジャーにさえ影響を及ぼすものだ。

【ウインドトーカーズ 第04段落】  舞台は先ず、アメリカ西部、モニュメント・バレーの景色から始まる。風が吹き渡り、一面の茶褐色の大地と侵食された巨大な岩がモニュメントのように幾つもそびえ立つ。ここは先住民アメリカ・インディアンのナバホ族の居留地だ。

【ウインドトーカーズ 第05段落】  赤ん坊を抱いたインディアン女性と数人の親族達。そこにバスが到着し、夫は目で別れの挨拶をしてバスに乗り込む。ここで気付いたことは、西洋人なら別れ際は二人抱き合い、愛してるよとか言って大泣きするものだが、インディアンの人達は無言でじっと悲しみを堪えることだ。男の名はベン・ヤージー(アダム・ビーチ:『 ジョー・ダート (原題)(2001)JOE DIRT 』等に出演)、英語も話せる。バスには先に乗っていた十数人のインディアンが乗っていて、その内の一人、親友のチャーリー・ホワイトホース(ロジャー・ウィリー:『 アダプテーション (2002) ADAPTATION 』等に出演)が「君がバスに乗るなんて思っていなかったよ」と声をかけて、二人は笑い合う。この人達は徴兵されて軍隊に赴くところなのだろうと察しがついた。でも普通の兵隊さんにではなかった…。

【ウインドトーカーズ 第06段落】  場面変わって 1943 年のソロモン島。迷彩服にヘルメット姿のジョー・エンダーズ軍曹(ニコラス・ケイジ)が、日本軍を相手に苦戦を強いられている。生々しい戦場場面。爆弾に炎に銃声に正に地獄の様だ。部下の兵士達はどんどん撃ち殺され、エンダーズも爆弾の中に倒れこむ…。

【ウインドトーカーズ 第07段落】  次は、対照的に、青空に米国旗がはためく明るいカリフォルニアのペンドルトン・キャンプ。米海軍のこの施設の教室で、インディアンの男達がコード(暗号)の勉強をさせられている。例えば<戦車>は<亀>のインディアン語。日本軍<ジャップ>は何々というように。ここは戦場での暗号を教育して通信兵を養成している所だった。無線で送られてくるインディアン語をいかに短時間で英語に翻訳するかも教育している。

【ウインドトーカーズ 第08段落】  それと並行して、ハワイのカネオヘ湾米海軍病院では、戦争負傷兵たちが心と体に傷を負って治療されていた。その中に、車椅子姿のエンダーズ軍曹が暗い表情で日光浴している。彼は生きていたのだ。しかし、耳と脚に障害を持たされた上、部下達がソロモン島の一戦で全員死んでしまって自分だけ帰還したことが、彼の気をずたずたにしている。美人の従軍看護師リタ(フランシス・オコナー:
悪いことしましョ! (2000) BEDAZZLED
タイムライン (2003) TIMELINE 』等に出演)はそんなエンダーズを勇気付け、また好きでもあるようだ。

【ウインドトーカーズ 第09段落】  罪悪感から、一刻でも早く前線に戻りたく思うエンダーズは歩行のリハビリに励む。また、聴力の検査にはリタに"ずる"してもらって、早期に回復したように見せる。こうして復帰に成功した彼は、現場での新しい任務の指令を受けた。それは、インディアンの通信兵の戦線現場での護衛という役だった。ジャップを殺すのが自分の使命なのにと言い張る彼は、何か不満足そうだ。インディアンのお守なんて!と不機嫌さを顔に表すが、これは最高に重要な任務であって、更に、その通信兵を生きたまま敵に渡すことは決してしてはならん、と釘をさされてしまった。つまり、日本軍は米軍の暗号をどんどん解読できるが、インディアン語なら、文字もないし、何を言っているのか全然解らないので、インディアンの通信兵を前線で働かせ、その大切な通信兵をペアとなって護るのがエンダーズの役割となるのだ。

【ウインドトーカーズ 第10段落】  海辺の基地でジョッギングのトレーニングを誰よりも速く走ってやる気まんまんのエンダーズ。そこに暗号教育を終えたインディアン達を乗せたトラックが到着する。ペアに指名されているパートナーのエンダーズの許にヤージーが自己紹介に挨拶に近寄るが、緊張して昼食の皿にコーヒーをこぼしてエンダーズの気分を害する。これは白人がインディアンを軽蔑する象徴的な光景で、この時点ではエンダーズも例外ではなかった。日がたつにつれ、白人の兵士達はインディアン通信兵達を少しずつだが人間扱いするように変化していく。

【ウインドトーカーズ 第11段落】  トランプの輪に誘ったり、故郷を思い出して笛を吹くホワイトホースの音色を護衛役のオックス・アンダーソン(クリスチャン・スレイター:
ハードキャッシュ (2002) HARD CASH / RUN FOR THE MONEY
マインドハンター (2004) MINDHUNTERS 』等に出演)が優しい目で眺めたりして。他にも兵士の役は:
ミラクル (2004) MIRACLE
セルラー (2004) CELLULAR 』のノア・エメリッヒ、    
ラスト・キャッスル (2001) THE LAST CASTLE
ハッピー・フライト (2003) VIEW FROM THE TOP 』
エターナル・サンシャイン (2004) ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND
コラテラル (2004) COLLATERAL 』のマーク・ラファロ、
コンフィデンス (2003) CONFIDENCE
閉ざされた森 (2003) BASIC
S.W.A.T. (2003) S.W.A.T. 』のブライアン・ヴァン・ホルト
トルク (2004) TORQUE 』のマーティン・ヘンダーソンらが登場している。

【ウインドトーカーズ 第12段落】  その翌日の朝、いよいよサイパン島に出航した。サイパン島は西太平洋のミクロネシアにあって、東京・ホノルル間の距離 6200 kmの5分の2である約 2360 kmなので、米軍としては東京攻撃の足がかりにするのにどうしても欲しい島だった。上官は死に物狂いでこの島を日本軍から取り上げるようにハッパをかける。白い夏の軍服に身を包むリタは美しい。エンダーズに鎮痛剤?の小瓶を渡して別れを惜しむ。彼は狂気の戦場の光景を思い出しては頭が痛くなり、吐いたりするのだ。ホワイトホースはインディアンの薬を差し出して、労りの仕草を見せる。因みに、サイパン島などの撮影は大部分ハワイで行なわれたという。

【ウインドトーカーズ 第13段落】  1944 年 6 月 16 日、米海軍はサイパン島に上陸した。早速激しい銃撃と爆撃の嵐。前線に戻ったエンダーズは気が狂ったように突進し始めた。通信兵ヤージーの"お守"が任務の筈なのに、「俺の尻に引っ付いていろ」と言って、じっとしていなくて銃を手にして動いて撃ちまくるのだ。知的作業班であるヤージーは、今までのエンダーズ軍曹の姿との変わりようにびっくりする。戦争は人間をこうも変えてしまうのだ。殺すか殺されるかで一瞬の気の緩みが命取りになる。周りは轟音と爆風と炎とばたばた倒れていく悲鳴。ジョン・ウー監督は、戦闘の場面をこの映画の何割を費やしたかと思うほど、これでもかこれでもかと観せる。生々しさと激しさも恐ろしい。

【ウインドトーカーズ 第14段落】  日本軍の攻撃が優勢で米兵が窮状に陥ってきたとき、ヤージーやホワイトホースらのインディアン通信兵の出る幕となった。インディアン語で無線機で話すヤージーの言葉を盗聴する日本軍は解読できず、海上の本部ではホワイトホースが無線を受けて英語に直して位置を知らせ、すぐに大砲の応酬に出られた。これで急に米軍の勢いがつく。また、塹壕の中で日本兵と差し向かいになって体が凍り付いて動けないヤージーを、エンダーズが救って、お互い大分信頼関係ができてきた。この戦い、ヤージーらナバホ族の通信兵の活躍で米軍はそれ以上の死傷者を出さずに済んで、インディアンは健闘を称えられ、護衛役のエンダーズも賞賛される。

【ウインドトーカーズ 第15段落】  翌朝5時にサイパン島を北上することになる。交代人員や爆弾類も供給してくると無線が入る。そして新しいパスワードは< Wind >と< Talkers >だと知らせてきた。ナバホ族が自分達を呼ぶ< Windtalkers >で、映画のタイトル『 ウインドトーカーズ 』になっている言葉だ。ひと戦いの後の休息の夜、焚き火を囲んでしんみりするみんな。いつ死ぬかわからない怖さを全員が抱えている。ホワイトホースはパートナーのオックス・アンダーソンにナバホ族の祈りと顔に墨をつけて家族の誇りとなる風習を教える。

【ウインドトーカーズ 第16段落】  白人とインディアンの友好度と信頼関係は深まってきている。でも悪い白人もいる。ヤージーに、インディアンと日本人の違いは軍服だけだと言って、からんで暴力を振るう。それを見たエンダーズは二度とそんな真似はさせないと怒って、ヤージーを護る。ホワイトホースはナバホ族の哀愁ある笛の響きを聞かせ、オックスは父からもらったという笛で吹き合い、夜は更けていく。

【ウインドトーカーズ 第17段落】  翌朝、エンダーズらの第2偵察隊は6時に始動して北上する。無線によるとその辺りは敵は少ないと言ってくるが、とんでもなかった…。モニュメント・バレーの居留地に残してきた妻子の写真を見せるヤージ一。エンダーズはリタからのラブレターを読んでいる。そうしたちょっとした平和的、人間的状況の時に限って、急襲されるのだ。エンダーズらの乗ったトラックは日本軍に攻撃され、炎に包まれ横転して、彼らは必死に逃げるが、また何人も死者が出る。

【ウインドトーカーズ 第18段落】  凄い爆撃シーン。米軍は完全に劣勢だ。更に悪いことには、無線機が撃たれて交信できなくなってしまった。ここでインディアンのヤージーは究極の怖いことを考え出す。日本兵とは軍服しか違わないと屈辱されたことを思い起こし、そばに死んで横たわる日本兵の軍服をはがして着替えるのだ。エンダーズと組んでヤージーは日本兵に近づいて危機一髪のところで日本軍の無線機を奪う。そして交信に成功し、助っ人の大砲が撃たれて米軍はここでも勝った。

【ウインドトーカーズ 第19段落】  多くの海軍兵士の命を救ったと、エンダーズは栄誉の星のバッジをもらうが、出来たばかりの仲間達の墓からはうめき声と悲鳴が聞こえ、彼は苦しさで気が狂わんばかりだ。そんなエンダーズに、ヤージーはナバホ族の祈りと煙草の灰をまいて、彼の為に祈る。二人は完全にペアになっている。

【ウインドトーカーズ 第20段落】  次の日は行進を進め、日本人の島民の村に着いた。ここで一休みらしい。漢字の書かれたのれんや障子など、一生懸命日本風にロケ用に作った感じだ。数十センチもある金色の仏像がちょこんと民家の居間に置いてあるのは何とも変だけど。ここでは米軍はみんな"いい人"。むずかる子供に薬をやったり、お腹をすかせて泣く子にチョコレートをやったりして、婦女暴行など全然ない。これは恐らく現実とはかけ離れているのでは

【ウインドトーカーズ 第21段落】   ニコラス・ケイジは村でのシーンや別のシーンでも、少し日本語を話す。「どうしたの?」「心配するな」とかの片言で、発音もいかにも米人のだけれど。なんでも彼は子供の頃、日本語に興味を持って少し習ったことがあるそうで、撮影でも自分からこの案を出したみたいだ。ニコラス・ケイジは裕福でちょっと変わった子だったのかな? さて、このつかの間の休息時間に二人は遠くを見て語っている。「戦争が終わったらナバホ・カントリーに来てよ。乗馬したり狩りをしたりしようよ。息子には僕を護ってくれたジョー・エンダーズさんだと紹介するんだ。」とヤージーは夢を語る。

【ウインドトーカーズ 第22段落】   ここは安全かと思っていたら、また日本軍が急襲してきた。通信兵としておとなしく働いてきたホワイトホースはだんだん戦争色に染まってきた。インディアンの闘争の血が沸いてきたように映画では言いたいらしく、すねに結わいつけたナバホのナイフを突然かざして実戦に参加するようになる。そのホワイトホースが数人の日本兵に捕まって、通信兵だから大切な尋問の対象だと言って殴って連れ去ろうとする。日本軍は通信傍受しても、英語でない不可解な言葉なので暗号解読ができず、このインディアンがその正体だと気付いたのだろう。連れ去られたら拷問されて…。相手が数人なので銃撃しても倒せないと悟ったエンダーズがとった行動は、手榴弾だった。上官に「通信兵は敵に生きて渡してはならない」と言われた命令を実行してしまった。呆然自棄となるエンダーズに、知ったヤージーはエンダーズに殺意を抱く。ホワイトホースの護衛係だったオックスも泣く。

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【ウインドトーカーズ 第23段落】   サイパン島も大分北上した。最後の日本軍の要所、それは北の端の大きな高い岩山だ。そこを奪えば最後になる。そこに向かって行進する一行は地雷原に踏みこんでしまい、また多数の死者が出る。ここらへんからクライマックスの激戦のシーンだ。ヤージーはこれまで通信兵だから銃撃などしなかったのが、戦場で、これまた人間性が変わってしまった。人が変わったようにライフルで撃ちまくる。本当に恐ろしい。仲間がどんどん撃たれ、刺され、吹き飛ばされる。それを見ていたら精神はおかしくなってしまうのだろう。ベトナム戦争の後遺症の人たちの話をよく聞くが、平和な生活をしている私達には想像も出来ない恐ろしく狂気の世界なのだろう。

【ウインドトーカーズ 第24段落】   助っ人の要請と状況と細かい場所を知らせるのにどうしても無線機が必要だ。この映画はインディアン語の暗号による通信の話だけあって、無線機の場面がよく出てくるな。ポスターにも無線機が映っているくらいだ。無線機を求めてエンダーズは日本兵のこもる所に決死の前進をし、無線機を入手する。それでヤージーは本部に連絡をとって米軍は飛行機を何機も飛ばして空から爆弾を落とす。ヤージーは脚を撃たれ、故郷に帰れないと覚悟を決め、エンダーズに射殺してくれるよう言うが弾の飛び交う中、エンダーズは命を顧みずにヤージーを安全な場所まで引っ張っていく。助かったという安堵と信頼の顔のヤージー。これで日本軍はほぼ鎮圧された。と同時にエンダーズは胸を撃たれる…。

【ウインドトーカーズ 第25段落】   広大なナバホ・カントリー。モニュメント・バレーが一面に広がる。エンダーズのペンダントでナバホ族の祈りと清めの儀式をしているヤージー。傍らには歩ける大きさに成長した息子と妻が佇んでいる。居留地のインディアンの人はこの映画、いつも無感情で静かに描いているな。神秘性をおもてに出しているのだろうか。父親ヤージーは幼い息子に語り始める…「ジョー・エンダーズという人がいてね…。」 ヤージーは白人エンダーズとの長くて短かった一緒の生活で友情・人間関係を確かに築いたのだった。

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【ウインドトーカーズ 後記01】   1944 年 7 月 9 日、サイパン島での激戦は米軍の勝利で終わった。上陸以来ほんの三、四週間の間に日本軍は殆ど戦死し、米軍も戦死者が多数出た。日本本土へのステッピング・ストーン(踏み台)獲得という目的でこんなに多くの人命が失われたのは非常に悲しい事実だ。ジョン・ウー監督は戦争の恐ろしさと愚かさを激戦の凄まじさでわかり易く表現している。これを観て戦争がカッコイイと言う愚か者はいないと信じるし、信じたい。

【ウインドトーカーズ 後記02】  最後の「暗号は決して解読されることはなかった。」はこの映画ウインドトーカーズを象徴している一文だと思った。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず7412文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      サイパン紀行 http://aichanworld.com/1998saipan/98saipan_tokusen.html
      公式サイト(英語版)
       http://www.mgm.com/windtalkers/
■映画『 ウインドトーカーズ 』の更新記録
2002/07/17新規: ファイル作成
2005/03/20更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
2005/10/06更新: ◆追記
2006/01/09更新: ◆データ追加
2007/02/05更新: ◆データ追加
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幸田 幸
coda_sati@hotmail.com
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