アメリカン・ビューティー＠映画の森てんこ森

アメリカン・ビューティー
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アメリカン・ビューティー　(1999)
AMERICAN BEAUTY
アメリカン・ビューティー	【『アメリカン・ビューティー　(1999) AMERICAN BEAUTY 』の解説】　映画『アメリカン・ビューティー　(1999) AMERICAN BEAUTY 』を紹介します。　映画『アメリカン・ビューティー　(1999) AMERICAN BEAUTY 』は、イギリス人の一流劇作家であるサム・メンデス監督が現代のアメリカを鋭く描いたファミリー・ドラマ。いつもとは違う普通？のオジサンを演じたケヴィン・スペイシーが 1999 年第 72 回アカデミー主演男優賞を受賞。他、作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞の計５部門を受賞している。　映画『アメリカン・ビューティー』によると、人にはそれぞれ自分の思う美＜ BEAUTY ＞がある。広告代理店に勤続 14 年、リストラ間近の無味乾燥な生活を送る主人公レスター・バーナム（ケヴィン・スペイシー）にとっての＜ BEAUTY ＞は、娘のチアリーディングを見に行った日から、美少女の娘の友人アンジェラとなってしまう。妻のキャロリン（アネット・ベニング）にとっては、憬れられるような美しい家に住み、素晴らしい仕事をすること。高校生の娘ジェーン（ソーラ・バーチ）は、怒りと不満で情緒不安定のため、何が何だかわかっていない。そんなアメリカの崩壊家庭のお話。　『アメリカン・ビューティー』を観ると、ビデオを通して＜ BEAUTY ＞を映し出そうとするリッキー（ウェス・ベントレー）に、「セックスと嘘とビデオテープ」（ 1989 ）のグレアム（ジェイムズ・スペイダー）を連想する。
■映画『アメリカン・ビューティー　(1999) AMERICAN BEAUTY 』の「テキストによる映画の再現」（あらすじとネタばれ）※ご注意：『アメリカン・ビューティー　(1999) AMERICAN BEAUTY 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。 >>「映画解説・レヴュータイトル一覧表」へ（画面の切り替え）
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
■映画『アメリカン・ビューティー』のデータ　上映時間 117分　製作国アメリカ　公開情報ＵＩＰ　初公開年月 2000/04/ 　ジャンルドラマ／コメディ　《米国コピーTagline》 ... look closer
【『アメリカン・ビューティー　(1999) AMERICAN BEAUTY 』のスタッフとキャスト】監督：サム・メンデス　Sam Mendes 製作：ブルース・コーエン　Bruce Cohen 　　　　ダン・ジンクス　Dan Jinks 脚本：アラン・ボール Alan Ball 撮影：コンラッド・Ｌ・ホール　Conrad L. Hall 音楽：トーマス・ニューマン　Thomas Newman 　出演：ケヴィン・スペイシー　Kevin Spacey　レスター　　　　アネット・ベニング　Annette Bening　キャロリン　　　　ゾーラ・バーチ　Thora Birch　ジェーン　　　　ウェス・ベントリー　Wes Bentley　リッキー　　　　ミーナ・スヴァーリ　Mena Suvari　アンジェラ　　　　ピーター・ギャラガー　Peter Gallagher　バディ　　　　クリス・クーパー　Chris Cooper　フィッツ大佐　　　　アリソン・ジャネイ　Allison Janney バーバラ・フィッツ　　　　スコット・バクラ　Scott Bakula　ジム・オルマイヤー　　　　サム・ロバーズ　Sam Roberds　ジム

◆『アメリカン・ビューティー　(1999) AMERICAN BEAUTY 』の俳優についてケヴィン・スペイシー Kevin Spacey 　『アメリカン・ビューティー　(1999) AMERICAN BEAUTY 』の主役レスターを演じて主演男優賞を受賞したケヴィン・スペイシー Kevin Spacey は、1959/07/26 生まれの今年満 44 歳。アメリカ、ニュージャージー州サウス・オレンジ South Orange, New Jersey, USA 出身。本名はケヴィン・スペイシー・ファウラー Kevin Spacey Fowler。姉と兄の３人の末っ子。親の不規則な仕事のためアメリカ国内を転々とした。南カリフォルニアに落ち着いてから、彼の素行が悪くなり姉の家に火をつけてノースリッジ軍人学校へ送られたが、3ヶ月で退学。サンフェルナンド・ヴァリー San Fernando Valley のチャツワース高校 Chatsworth High School 時代から、演劇に興味を持つようになる。若い彼は、一時期アマチュアでスタンダップ・コメディアンとして、ジミー・スチュワート Jimmy Stewart とジョニー・カーソン Johnny Carson など有名人のモノマネをしていたこともある。その後ロサンゼルス・ヴァリー大学 Los Angeles Valley College に入ったがすぐにやめて、チャツワース高校の級友のヴァル・キルマーのアドヴァイスにしたがってジュリアードで２年間学ぶ。彼は演劇の仕事がしたくなりジュリアードの卒業証書のないまま、ニューヨーク・シェークスピア・フェスティバルと契約を結ぶ。彼の初舞台は、1981年の「ヘンリー6世 Henry VI 」でちょっと出の使者の役だった。　その後ケヴィン・スペイシーの演劇の道は開かれる。ニューヨーク・シェークスピア・フェスティバルのトップ、ジョセフ・パッポ Joseph Papp がケヴィン・スペイシーを演劇の世界に送り出した。1981年に、彼はヘンリック・イプセン Henrik Ibsenの「ゴースト Ghosts」でブロードウェーの舞台デビューを果たした。1986年にはユージン・オニール Eugene O'Neill の原作戯曲の演劇『夜への長い旅路　(1987) LONG DAY'S JOURNEY INTO NIGHT 』のプロダクションで彼の助言者でもあり、尊敬していたジャック・レモン Jack Lemmon と共演する。彼は映画に興味を持つ一方で舞台を中心に活躍。1991年に、ピューリッツア賞を受賞したＮ・サイモン Neil Simon のコメディ舞台戯曲『ヨンカーズ物語 LOST IN YONKERS 』でルイエおじさん Uncle Louie の役柄で、演劇最高の賞トニー賞に輝いた。　ケヴィン・スペイシーの映画デビューは1986年の『心みだれて　(1986) HEARTBURN 』で、『セブン　(1995) SEVEN / SE7EN 』で奇怪な連続殺人者を演じて世間の注目を浴びる。同年の傑作『ユージュアル・サスペクツ　(1995) THE USUAL SUSPECTS 』ではアカデミー助演賞を受賞して脇役の最高峰を極める。『アルビノ・アリゲーター　(1996) ALBINO ALLIGATOR 』で、彼は初めて映画監督をする。しかしすぐに俳優業に戻り、その後は『Ｌ.Ａ.コンフィデンシャル　(1997) L.A. CONFIDENTIAL 』『交渉人　(1998) THE NEGOTIATOR 』と話題作が続き、1999年、プチブルのサーバビア家庭の崩壊を描いた『アメリカン・ビューティー　(1999) AMERICAN BEAUTY 』では、リストラにあった団塊世代のサラリーマンの心の闇を表現して、遂に第７２回アカデミー主演賞を受賞した。　ケヴィン・スペイシーの出演作は、他に『キャスティング・ディレクター　(1998) HURLYBURLY 』、『バグズ・ライフ　(1998) A BUG'S LIFE 』（声の出演）、『シッピング・ニュース　(2001) THE SHIPPING NEWS 』、『オースティン・パワーズ　ゴールドメンバー　(2002) AUSTIN POWERS IN GOLDMEMBER 』などがある。最近では『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル　(2003) THE LIFE OF DAVID GALE 』がリリースされた。因みに、調査した03/09/01の現時点で、ケヴィン・スペイシーは、37 本の映画に出演している。　彼は、彼の持つ独特な個性から、性格俳優として主役を食う脇役を演じてきたが、今では主役をはるハリウッドの大スターの王道を歩んでいる。
（■解説とネタばれ：2002/06/16アップ ◆俳優についてリンク更新：2003/09/01）
＜もっと詳しく＞
ネタばれ御注意！　このレヴューは「テキストによる映画の再現」を目指して作文しています。よって、ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
【アメリカン・ビューティー　第01段落】　　先ずバーナム家の家族構成から。夫レスター・バーナム＠『アメリカン・ビューティー』人生諦め感の漂う 42 歳。広告代理店勤務だが、会社から肩たたきを受けている。妻とはもう肉体交渉していないので、専ら自分で。マイ・カーは国産車。妻キャロリン・バーナム＠『アメリカン・ビューティー』主婦兼不動産ブローカー。不動産ブローカーの資格は結婚後、努力して取得。あまり裕福な家庭に育っていないと思われる彼女は、世間から嘱望されるような家や仕事に拘っている。マイ・カーはメルセデス・ベンツ。娘ジェーン・バーナム＠『アメリカン・ビューティー』高校生。怒りと不満で情緒不安定の今時のティーンエイジャー。両親とはろくに口もきかない。　アメリカン・ビューティー（バラの一品種）の咲く庭のある家を郊外に建て、一応夢を達成したかのように見えるバーナム家だったが、その代償として、家族はお互いに関心を失っていた。【アメリカン・ビューティー　第02段落】　　ある日、夫レスターは気が進まないながらも妻キャロリンと一緒に、バスケットボールの試合でチアリーディングをする娘のジェーンを見に行く。娘の横には美しい少女アンジェラ（ミーナ・スヴァーリ）の姿が。レスターは一気にアンジェラの虜になる。その気持ちが態度にも表れ、ジェーンはより父親不信に、美人を鼻にかけるアンジェラはまんざらでもない様だ。怒りと不満のジェーンが家に帰ると、隣の家から自分にビデオカメラが向けられていた。新しく越してきた男の子らしい。変態チックな行為に不快感を表すジェーンだが、両親さえも自分に関心のない、アンジェラのようではなく見た目も平凡なジェーンは、誰かからの自分への興味に内心嬉しそうだ。【アメリカン・ビューティー　第03段落】　　隣の男の子はリッキー（ウェス・ベントリー）という。彼の父は元海軍大佐で厳格な人物だ。その父のお陰で、家庭の中はいつも緊張感が走り、母親は精神を少し患っているようだ。リッキーがジェーンの高校に転向してきた。彼は、美しいアンジェラよりも平凡に見えるジェーンのことが好きみたいだ。一風変わった家庭環境で育ったリッキーには、むしろ何でもないように見えるものの中に＜ BEAUTY ＞を見出しているようだ。【アメリカン・ビューティー　第04段落】　　不動産王バディ（ピーター・ギャラガー）のクリスマス・パーティーで、幸せな夫婦を装おうとするキャロリンに辟易しているレスター。そんなレスターにボーイのアルバイトをしているリッキーが声をかけた。実はヤクの売人としての顔を持つリッキーは、レスターに高級マリファナを勧める。レスターは久々の感覚にすっかり舞い上がる。家に戻ると、アンジェラが泊まりに来ていた。娘の部屋の話を盗み聞きするという最低な父親レスターは、「もう少し筋肉をつけたら、レスターと寝るわ」というアンジェラの言葉に触発され、ガレージで古い鉄アレーを探し出し、素っ裸になって筋トレを始める。そんな様子を部屋から見ていたリッキーはその光景をビデオに収める。【アメリカン・ビューティー　第05段落】　　バラの花びらを浮かべた湯船につかるアンジェラをベッドの中で思い描いているレスターは、寝ている妻の横で…。そんな夫の様子に気づいたキャロリンは、離婚だと騒ぎ立てる。そんな彼女に日頃の鬱憤をぶちまけたレスターは、何かが自分の中で変わっていくのを感じる。【アメリカン・ビューティー　第06段落】　　アンジェラに恋した事で、若さを取り戻したような気になったレスターは、後先を無視した思い切った行動に出ていく。先ずは、上司の不倫をネタに６万ドルを脅して会社を辞職。転職先は学生時代に経験のあるハンバーガー・ショップ。憬れの車を購入し、ＢＧＭはもちろんロック。リッキーから高級マリファナを買い付け、そして＜最終目標＞のための筋トレだ。夫の異常な行動に、キャロリンも反撃。不動産王バディと不倫し、欲求不満を解消する。【アメリカン・ビューティー　第07段落】　　傲慢なアンジェラと車で帰るのをやめ、リッキーと歩いて下校するジェーン。彼の家に行き、心を病んでいる彼の母親に会い、父親のコレクションであるナチスのお皿を見せてもらう。そしてリッキーが今迄で一番美しいと感じているビデオ映像を見せてもらう。それは木の葉と共に風に舞うビニール袋だ。映像を見ながら話すリッキーに、今まで人に感じたことのない共感を覚えたジェーンは、彼にキスをする。その晩、キャロリンに生意気なことを言って打たれたジェーンは、ふと窓を見ると、リッキーが部屋からこちらをビデオに撮っている。窓辺に立って、彼に手を振るジェーン。そして彼女は、一枚一枚身につけているものを脱いでいく。リッキーのビデオと接続されたテレビ画面には、徐々に大きくなるジェーンの姿が映し出される。そこに、リッキーの父親が入ってくる。勝手に自分の戸棚を開けたことを怒って、リッキーを殴り飛ばす。リッキーは必死に謝る。【アメリカン・ビューティー　第08段落】　　リッキーの部屋で過ごすジェーン。自分の友達に恋する父親への怒りと不満を語るジェーンの姿をリッキーはビデオに撮影。逆に今度はジェーンがリッキーをビデオに撮る。自分のことを語るリッキー。 15 歳のときマリファナをしているのを父親に見つかり、陸軍学校に入れられるが、つとまらず放校。戻ってきた彼を父親は叩きのめしたらしい。しかし彼はそんな仕打ちをした父親のことを憎んではいないと言う。【アメリカン・ビューティー　第09段落】　　リッキーが夕食を食べていると、レスターからマリファナを注文するポケベルが入る。ジェーンからだと偽って、部屋を出るリッキー。そんな息子を不審に思った父親は、リッキーの部屋にマリファナがないか探しに行く。息子の部屋の窓から外を見ると、隣のガレージにレスターとリッキーの姿が見えた。レスターにマリファナのタバコを作るリッキーの姿が、ちょうど父親からはレスターにホモ行為しているように見えた。愕然とした父親は、リッキーの撮影していたビデオを見る。するとそこには素っ裸で筋トレに励むレスターの姿が。部屋に戻ってきたリッキーを殴り飛ばす父親。ゲイの息子を勘当するという父親に、リッキーも怒り、家を出て行く。【アメリカン・ビューティー　第10段落】　　ガレージで筋トレに励むレスターのところに、雨でずぶ濡れになったリッキーの父親がやってくる。レスターを抱きしめ、キスをしようとする父親に驚くレスター。拒絶されたリッキーの父親は、またとぼとぼと帰っていく。【アメリカン・ビューティー　第11段落】　　ハンバーガー・ショップでバイトをしていたレスターに、不倫を知られたキャロリンは、銃を鞄に入れ、車で家に向かっていた。・・・ ◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。　ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say ! 【アメリカン・ビューティー　第12段落】　　ジェーンのところにやって来たリッキーは、自分と一緒にニューヨークへ行こうと彼女を誘う。リッキーの言葉に同意するジェーンに、泊まりに来ていたアンジェラが反対する。友達だから反対するという偽善的なアンジェラに対し、リッキーは自分の自慢しかしない平凡な女だと言い捨てる。怒って部屋を出て行くアンジェラ。【アメリカン・ビューティー　第13段落】　　リビングで泣いているアンジェラを見つけたレスターはやさしく慰め、「君が欲しい」と言う。ソファーに横になるアンジェラは、自分の服を肌蹴させたレスターに、初めての経験だと告白する。急に我に返るレスター。二人は台所で話をする。レスターはアンジェラからジェーンは好きな子ができて幸せだと聞き、嬉しそうに微笑む。彼は父親としても気持ちを取り戻す。アンジェラがトイレにたった後、レスターは家族が幸せだったころの写真を眺める。可愛い娘ができ、夫婦一丸となって夢を追いかけていた頃の写真だ。レスターの頭に背後から突きつけられた銃。バーン！銃声が鳴り響く。驚いて台所にやって来たジェーンとリッキーは、頭から大量の血を流して死んでいるレスターを見つける。レスターの幸福そうな死に顔を見たリッキーは、そこに美しさを見出して微笑む。レスターを殺したのは誰か？妻キャロリン？いや、違う。リッキーの父親が自室で返り血を浴びたＴシャツを脱いでいる。【アメリカン・ビューティー　第14段落】　　人生の終わりに、好きなことをして、幸せだった頃を思い出しながら死んだレスターは、幸せ者ではないかと思う。リッキーの微笑がそれを表していた。アメリカを舞台に描かれているけれども、問題は日本でも同じだ。ニュースなどで郷愁を持って伝えられることが多い高度経済成長期の日本、バブル、バブル崩壊、そして現在。問題が山積みだ。夢は追っている間が幸せ、達成した瞬間を頂点に不幸が忍び寄ってくるということかな。まだまだ現在夢追い人である私には、まだそんな感覚は実感できないけれども…。以上。＜もっと詳しく＞からスペースを含まず３７２５文字／文責：幸田幸参考資料：「アメリカン・ビューティー」日本語版オフィシャルサイト　　　　　　allcinema ONLINE
（■解説とネタばれ：2002/06/16 ◆俳優についてリンク更新：2003/01/15） ■テキスト一部とリンクおよびファイル書式更新：2004/07/08

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