モンテ・クリスト伯 | |||||
|表紙|目次|読む映画試写会|レヴュー|観たい度映画|予告編|エッセイ|日誌|試写会情報|リンク集| | 映画人 |解説・レヴュー一覧表 |映画ゲーム |思い出映画|ブロードバンド(B)版|旅行の森てんこ森| |
|||||
映画の森てんこ森■読む映画試写会■映画レヴュー | |||||
モンテ・クリスト伯 (2002) | |||||
THE COUNT OF MONTE CRISTO | |||||
映画『 モンテ・クリスト伯 (2002) THE COUNT
OF MONTE CRISTO 』をレヴュー紹介します。 映画『 モンテ・クリスト伯 THE COUNT OF MONTE CRISTO 』を以下に目次別に紹介する。 ■映画『 モンテ・クリスト伯 』の解説及びポスター、予告編 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。 ■映画『 モンテ・クリスト伯 』の映画データ ■映画『 モンテ・クリスト伯 』の主なキャスト ■映画『 モンテ・クリスト伯 』のスタッフとキャスト ■映画『 モンテ・クリスト伯 』の<もっと詳しく> <もっと詳しく>は映画『 モンテ・クリスト伯 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 モンテ・クリスト伯 (2002) THE COUNT OF MONTE CRISTO 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。 ■映画『 モンテ・クリスト伯 』の結末 ■映画『 モンテ・クリスト伯 』の更新記録 >>「映画解説・レヴュータイトル一覧表」へ(画面の切り替え) |
|||||
幸の鑑賞評価: 8つ星 | |||||
■映画『 モンテ・クリスト伯 THE COUNT OF MONTE CRISTO 』の解説及びポスター、予告編 | |||||
モンテ・クリスト伯
|
■映画『 モンテ・クリスト伯 』の解説 映画『 モンテ・クリスト伯 (2002) THE COUNT OF MONTE CRISTO 』は、フランスの大作家アレクサンドル・デュマの小説「厳窟王」の映画化。題名は「モンテ・クリスト伯」とも呼ばれ、お膝元のフランスでは勿論、世界的にも有名だ。「モンテ・クリスト伯」は、 1998 年にジェラール・ドパルデュー主演でフランスでTV化され、日本でも 1999 年に放映された。それを観たり本を読んだりして、映画『 モンテ・クリスト伯 』のストーリーはご存知の方も多いかもしれない。映画『 モンテ・クリスト伯 』は「三銃士」でも知られるデュマ( 1802 - 1870 )の生誕 200 周年記念として特別製作されただけあって、非常にスケールが大きく見応えある作品。 映画『 モンテ・クリスト伯 』は、親友に裏切られ、罠にはめられて無実の罪で孤島の岩の牢獄に 13 年も幽閉された船乗りが、脱獄に成功、名前と身分を変えて復讐を果たすお話。美しい婚約者が大きく絡んでいるから、活劇とロマンス両方が散りばめられて、2時間を越える上映時間も起伏が激しくて飽きさせない。なお、フランスが舞台でもセリフは英語、たまにフランス語とイタリア語がお飾り程度に出てくる。映像もすごく綺麗。 |
||||
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。 Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com. Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc. |
|||||
▲TOPへ | |||||
■映画『 モンテ・クリスト伯 THE COUNT OF MONTE CRISTO 』の映画データ | |||||
上映時間:131分 製作国:イギリス/アメリカ 公開情報:東宝東和 アメリカ初公開年月:2002/1/25 日本初公開年月:2002/11/02 ジャンル:ドラマ/ロマンス/アドベンチャー |
|||||
▲TOPへ | |||||
■映画『 モンテ・クリスト伯 THE COUNT OF MONTE CRISTO 』の主なキャスト | |||||
●ジム・カヴィーゼル as エドモン・ダンテス/モンテ・クリスト伯 『 G.I.ジェーン (1997) G.I. JANE 』 『 シン・レッド・ライン (1998) THE THIN RED LINE 』 『 モンテ・クリスト伯 (2002) THE COUNT OF MONTE CRISTO 』 『 アイ・アム・デビッド (2004) I AM DAVID 』 『 ハイウェイマン (2003) HIGHWAYMEN 』 『 パッション (2004) THE PASSION OF THE CHRIST 』 『 ファイナル・カット (2004) THE FINAL CUT 』 ●ガイ・ピアース as フェルナン・モンデーゴ 『 タイムマシン (2002) THE TIME MACHINE 』 『 トゥー・ブラザーズ (2004) TWO BROTHERS 』 ●リチャード・ハリス as ファリア司祭 『 グラディエーター (2000) GLADIATOR 』 『 ハリー・ポッターと賢者の石 (2001) HARRY POTTER AND THE SORCERER'S STONE / HARRY POTTER AND THE PHILOSOPHER'S STONE 』 『 ハリー・ポッターと秘密の部屋 (2002) HARRY POTTER AND THE CHAMBER OF SECRETS 』 『 ケイナ (2003) KAENA LA PROPHETIE (原題) / KAENA THE PROPHECY (米題) 』 ●ルイス・ガスマン as ヤコポ 『 ブギーナイツ (1997) BOOGIE NIGHTS 』 『 ボーン・コレクター (1999) THE BONE COLLECTOR 』 『 マグノリア (1999) MAGNOLIA 』 『 モンテ・クリスト伯 (2002) THE COUNT OF MONTE CRISTO 』 『 パンチドランク・ラブ (2002) PUNCH-DRUNK LOVE 』 『 ウェルカム トゥ コリンウッド (2002) WELCOME TO COLLINWOOD 』 『 プルート・ナッシュ (2002) THE ADVENTURES OF PLUTO NASH 』 『 コンフィデンス (2003) CONFIDENCE 』 『 N.Y式ハッピー・セラピー (2003) ANGER MANAGEMENT 』 『 ニューオーリンズ・トライアル (2003) RUNAWAY JURY 』 『 レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語 (2004) LEMONY SNICKET'S A SERIES OF UNFORTUNATE EVENTS 』 |
|||||
▲TOPへ | |||||
【『 モンテ・クリスト伯 』のスタッフとキャスト】 | |||||
監督: ケヴィン・レイノルズ Kevin Reynolds
製作: ゲイリー・バーバー Gary Barber ロジャー・バーンバウム Roger Birnbaum ジョナサン・グリックマン Jonathan Glickman 製作総指揮: クリス・ブリガム Chris Brigham 原作: アレクサンドル・デュマ Alexandra Dumas 脚本: ジェイ・ウォルパート Jay Wolpert 撮影: アンドリュー・ダン Andrew Dunn 編集: スティーヴン・セメル Stephen Semel クリストファー・ウォマック Christopher Womack 音楽: エド・シェアマー Ed Shearmur 出演: ジム・カヴィーゼル Jim Caviezel エドモン・ダンテス/モンテ・クリスト伯 ガイ・ピアース Guy Pearce フェルナン・モンデーゴ ダグマーラ・ドミンスク Dagmara Dominczyk メルセデス リチャード・ハリス Richard Harris ファリア司祭 ルイス・ガスマン Luis Guzman ヤコポ ジェームズ・フレイン James Frain ヴィルフォール判事 アレックス・ノートン Alex Norton ナポレオン・ボナパルト マイケル・ウィンコット Michael Wincott イフ城看守ドルレアク アルビー・ウディングトン Albie Woodington ダングラール ヘンリー・カヴィル Henry Cavill アルバート ▲TOPへ |
|||||
<もっと詳しく> | |||||
ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。 |
|||||
■映画『 モンテ・クリスト伯 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー 私は日本公開前に字幕スーパーなしの英語で観たので、わかる範囲でレヴューします。映画データについては調査した時点と公開される時点で異なる場合があります。本作の内容については、語学力と経験・常識不足のため、間違いや勘違いや適切でない表現があるかもしれません。どうかご理解賜りますようお願いいたします。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。 ▲TOPへ 【モンテ・クリスト伯 第01段落】 絶望の牢獄の中で<神は私に正義を与えてくださる>という石に刻まれた文字が出てくるし、獄中の主人公をあらゆる面で救ってくれたのが同じく投獄されていた神父なので、ひょっとして、と思い「モンテ・クリスト」の意味を調べたら、思った通り「キリスト山」だった!"イエス・キリスト"はイタリア語では" Gesu Cristo "そして"山"は" Monte "だから。主人公が変身してモンテ・クリスト伯爵という名にしたのも、命の恩人の神父が財宝を隠していた場所がイタリアのモンテ・クリストという小島で、そのお蔭で大金持ちに変身して復讐できたからだ。こんな背景を知って頂ければ、活劇も奥深く感じられると思う。 【モンテ・クリスト伯 第02段落】 1814 年、フランスの皇帝ナポレオン・ボナパルトはイタリア沖のエルバ島に流刑にされた。ナポレオンの救出を恐れて、英国軍は、エルバ島に上陸する者は誰でも銃撃した。と、先ずテロップが映し出される。今回も例外ではなかった。フランス南部の港町マルセイユの船乗りエドモン・ダンテス(ジム・カヴィーゼル)が親友フェルナン・モンデーゴ(ガイ・ピアース)らとファラオン号で航海中、漂流してエルバ島に着いてしまった。馬に乗った赤い軍服の英国兵は彼らに気付くと発砲し、撃ち合い、取っ組み合い、もう活劇が始まった。二人は英兵たちに取り押さえられる。 【モンテ・クリスト伯 第03段落】 ここはナポレオンの島流しの地。「平家物語」で俊寛が鬼界ケ島に島流しにされるが、絶海の孤島ってどんな感じの所なんだろうと思っていたが、このエルバ島は、さすが皇帝ナポレオンの流刑先だけあって、一種の町のようになっており、<島流し>の想像と違って驚いた。ここでナポレオン(アレックス・ノートン)は、ダンテスに「マルセイユの旧友に届けて欲しいのだが」と言って手紙をダンテスに託す。「絶対、他人には話さないでくれ」という言いつけもダンテスは真摯に受け止め、友人モンデーゴの問いにもはぐらかして眠り、皇帝の秘密を守る。アレックス・ノートンは 『 リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE 』のバニー・ボリス役とは全然気付かないくらい、ナポレオンになりきっているな。 【モンテ・クリスト伯 第04段落】 重態だったファラオン号の船長はエルバ島で息を引き取り、ダンテスらはマルセイユに戻る。エルバ島の暗く寂しい光景と対照的に、マルセイユは太陽がいっぱい降り注ぎ、町全体も港も本当に明るく生き生きして美しい。船長を亡くし、咎められると覚悟していたが、航海士のダンテスは商船会社の社長から船長に任命される。大喜びのダンテスに、年上のわけありそうな船の同僚ダングラール(アルビー・ウディングトン)は悔しがる。なお、ナポレオンからの私信の受け取りは、クラリオンという男の方から接触してくるはずだとダンテスはナポレオンから聞いている。 【モンテ・クリスト伯 第05段落】 マルセイユの港の岩場で恋人ダンテスを待っているのはメルセデス(ダグマーラ・ドミンスク)という魅力的な女性。メルセデスって、メルセデス・ベンツというので知っていたけど、女の人の名前にもあるんだ!メルセデスはエドモン・ダンテスの親友フェルナン・モンデーゴからも言い寄られているが、貧しく教育もないけれどダンテスが大好き。ダンテスがあと2年して船長になったら結婚できるのよとモンデーゴに言っている。フェルナン・モンデーゴは、マルセイユの町の裕福で有力者であるモンデーゴ伯爵の子息だが、メルセデスに相手にされないで、内心、"親友"のダンテスに嫉妬しているのだ。 【モンテ・クリスト伯 第06段落】 ダンテス役のジム・カヴィーゼルは 『 G.I.ジェーン (1997) G.I. JANE 』や「エンジェル・アイズ」( 2001 )に出演。冒頭の若く素朴な海の男から、中盤の牢獄内の長髪で髭もじゃもじゃの容姿、そして後半の「モンテ・クリスト伯爵」としてのリッチで洗練された姿へと、多様な変化を見せてくれる。モンデーゴ役のガイ・ピアースは「メメント」( 2000 )や 『 タイムマシン (2002) THE TIME MACHINE 』の時と大部イメージが違い、観ているといかにも悪者という気がしてくるから不思議だ。 【モンテ・クリスト伯 第07段落】 さて、ダンテスは大急ぎでメルセデスと再会しに行き抱擁し合う。そして、船長になったから結婚まで2年待たなくてよくなったと喜んで伝える。すぐ結婚しよう、でも指輪を買うまで待ってと言うダンテスに、その必要ないわと言って、質素な<皮紐>を婚約指輪にしてダンテスへの愛を示す。その二人を見ているモンデーゴには、君はずっと親友だよと改めてダンテスは言うのだ。モンデーゴの心の奥を知らないで…。モンデーゴはファラオン号の例の船員ダングラールに何か秘密を耳打ちしている。 【モンテ・クリスト伯 第08段落】 その夜、ダンテスの小さな家では、ダンテスとメルセデスの婚約がダンテスの父に祝われていた。ささやかな祝いの席でグラスで乾杯し幸福絶頂のとき、警官たちがなだれ込んできて、反逆と殺人のかどでダンテスは逮捕されてしまう。何かの間違いだと父親に必死に言って、恋人メルセデスと繋いだ手も離されて連行される。悪夢の始まりだった。 【モンテ・クリスト伯 第09段落】 判事ヴィルフォール(ジェームズ・フレイン)に接見し、事情聴取をされる。どうやら、ナポレオンから託された私信が問題になっているようだ。エルバ島であの夜、私信を託されて、上着の内ポケットにしまって眠っている間、同室にいた"親友"の筈のモンデーゴが抜き取って中身を読んだのだ。そして、字の読み書きが出来ないダンテスを尻目に、こっそり内容を書き変えた。エルバ島の英軍の見張りの巡回の時刻を知らせる内容に変えてしまったのだ。だから反逆罪に問われる羽目になったダンテス。マルセイユの友人への手紙だと聞いていたのだと必死に説明するダンテスに、ヴィルフォール判事は解ったような素振りを見せ、誰にも話していないのなら、こんな時勢だから注意しなさいと言って、その手紙を蝋燭で燃やしてしまう。そして帰宅してよいと言われる。でも、仮にその手紙が本当の物なら証拠品を燃やす筈はないのだ。後で解るのだが…。 【モンテ・クリスト伯 第10段落】 帰宅の馬車に乗ったダンテスは、実は予想もしない地獄へ送られることになる。マルセイユの沖合にあるイフ島という岩の城砦の牢獄へだ。船に乗りかえる時、スキを見て逃げて、親が実力者である親友モンデーゴの屋敷に助けを求めに行くが、そこで初めてモンデーゴが味方ではないことを知る。ナポレオンの私信の書換だ。文字が読み書き出来ないハンディの上に、剣で勝負しても負けるしで、冷たく追っ手に引き渡されるダンテス。彼は自分の無力さをひしひしと感じ、"親友"の裏切りを悔しく腹が煮えくりかえる思いだ。モンデーゴは"思い出に"と憎らしくほくそえんで、ダンテスにチェスの駒を一つ手渡す。 【モンテ・クリスト伯 第11段落】 イフ島は断崖絶壁の孤島、見渡す限り岩だけの、人里から無縁の絶望の地。小船で断崖の下部の穴状の所から入っていって船着場があるのは、レオナルド・ディカプリオの 『 仮面の男 (1998) THE MAN IN THE IRON MASK 』とそっくりだ。このイフ島に着いたダンテスを、看守署長ドルレアク(マイケル・ウィンコット)は、着いて早々鞭打って痛めつける。独房は真っ暗な石の牢獄。こんな不潔で湿って冷たい牢屋では、一体これまで何人の同様の無実の者達が命を落としていったのだろうか。石の壁に刻み込まれた過去の獄中の人の数々の書いた跡。ダンテスは、毎日毎日、あの憎しみの象徴<チェスの駒>で日数を刻んでいく。 【モンテ・クリスト伯 第12段落】 舞台はマルセイユに戻って、ナポレオンはエルバ島から脱出し、パリに向かっているという。ヴィルフォール判事の許に、ダンテスの父親と婚約者メルセデスが、モンデーゴに付き添われて無罪放免の懇願にやって来ている。しかし、ヴィルフォール判事は証拠があると言って受けつけない。その時のモンデーゴの親身にしてくれているという芝居にメルセデスは感動し、感謝する。またヴィルフォール判事は、メルセデスの美しさに、モンデーゴが親友を裏切ってまでもダンテスから婚約者を奪いたいという気がよくわかる。そして、しばらくして「ダンテスを処刑した」という偽の知らせをメルセデスに送り、嘆き哀しんだメルセデスは、モンデーゴの嘘の優しさに惑わされて結婚してしまう。 【モンテ・クリスト伯 第13段落】 一方、イフ島の牢獄では、ダンテスは髪は伸び放題、髭も伸びて、衣服はよれよれに。こうして絶望の日々が続き、出来事と言えば、一年に一度の鞭打ちの日だけだ。これで数年経っていった。絶望から首をつって自殺しようとした日もあったが、壁の石に刻んだ<神は私に正義を与えてくださる>という字を見て思い留まる。そんな時、床の石が剥がされて、白髪の老人が床下から現れる。ファリア司祭(リチャード・ハリス)といって、 11 年間幽閉されていて、脱出しようと掘り続けていたのが、誤ってダンテスの独房に辿りついてしまったのだった。リチャード・ハリスは 60 本くらいの映画出演のベテランだ。(追記:亡くなりました。合掌…) 【モンテ・クリスト伯 第14段落】 ファリア司祭はナポレオンの下に以前いて、知識も武術も備えている。財宝の在り処を思い出させるためにここに入れられたのだ。ファリア司祭は脱出の穴を別方向に掘るのを手伝ってくれれば、何でも君の為になるものを上げようとダンテスに持ちかける。経済学も数学も哲学も科学も、そして読み書きも。二つ返事でダンテスは引き受け、その時から二人のチームワークが開始する。ダンテスの前向きの生活が始まるのだ。そして、ダンテスの話から、罠に落とし入れた犯人は、モンデーゴと船員ダングラールと判事ヴィルフォールの三人だということをファリア司祭は結論付けて教えてやる。罠にはめた彼らへの復讐と、恋人メルセデスに再会したいという一途な気持ちで、ダンテスは穴掘りを手伝っては司祭にいろいろ教わるのだ。文字の読み書きから始まって、理論書も読破する。剣術や格闘の実戦も指南を受ける。知識・武術を兼ね備えた新生ダンテスだ。 【モンテ・クリスト伯 第15段落】 穴掘りがもう少しで完成という時、岩が崩れ落ちてファリア司祭は死んでしまう。死ぬ寸前、ファリア司祭は財宝の隠し場所をダンテスに教えてやる。そして神は必ず守ってくれるから、よく頭を使って頑張るように言って息を引き取った。看守に袋に入れられたファリア司祭の遺体と入れ替わって、ダンテスは独房脱出、そして絶壁から海に投げ捨てられても、機転を利かせて鎖を解き、とうとう夢にまで見た脱出に成功して陸地に泳ぎ着いた。イフ島に送られてから 13 年の歳月が流れていた。こうして逃げられたのもファリア司祭のお蔭だと、ダンテスは心から感謝する。 【モンテ・クリスト伯 第16段落】 泳ぎ着いた海辺で遭遇したならず者の一味に決闘させられ、昔のダンテスとは生まれ変わったように武術が強くなったことが証明される。この時、ヤコポ(ルイス・ガスマン)という男を殺さないでやったことから、ヤコポは一生あなた様の僕(しもべ)になりますと言って、良き家来となる。思い出のマルセイユに赴いたダンテスは知人のふりをして自分の身の回りの人達の消息を確かめる。すると、惨い真実が…。ダンテスの父は、息子が処刑されたと聞いて首を吊って死んだ。婚約者のメルセデスはダンテスが逮捕されて1ヶ月後にモンデーゴと結婚し、パリにいるという。因みにヤコポ役のルイス・ガスマンは独特のキャラクターを生かした配役で当たっている。 【モンテ・クリスト伯 第17段落】 ダンテスとヤコポは、ファリア司祭が言い残してくれた財宝の隠し場、モンテ・クリストという小島に行く。濃紺色の海が実に美しい。そこで有り余る財宝を手に入れることに成功した。「これで何を買いたい?」と問うヤコポに、ダンテスは一言「復讐」。ヤコポは、パリに行って自分が撃ち殺してあげるから、そうしてあとはお金を使って楽しもうと提案するが、ダンテスの憎しみはそんな事では収まらないのだ。簡単に殺したらつまらない、自分と同じ苦しみを味わわせてやるのだ! ▲TOPへ ◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say ! 【モンテ・クリスト伯 第18段落】 大金を見せびらかして豪華な城を購入し、ダンテスは亡きファリア司祭の遺志に敬意を払って<モンテ・クリスト伯>という名で社交界デビューする。招待状をもらった上流社会の面々はパーティに出席し、モンテ・クリスト伯のリッチでハンサムでインテリで威風堂々の姿に圧倒される。夜空に花火が打ち上げられ、その中を気球で舞い降りるシーンは幻想的で圧巻。このパーティで、自分を罠にはめたヴィルフォール判事夫妻やモンデーゴとメルセデスの夫妻にも顔を合わせるが、誰も昔のダンテスだとは気付かない。 【モンテ・クリスト伯 第19段落】 ヤコポがすごい知らせを持ってくる。モンデーゴとメルセデス夫妻には、アルバート(ヘンリー・カヴィル)という 15 歳の息子がいると言うのだ。ダンテスはアルバートに近づき、モンデーゴとメルセデス夫妻の屋敷に招待されるように仕向ける。丁度アルバートの16 歳の誕生日パーティだ。「あなたの奥様を盗んでもいいですか---ワルツに」と妖しげな台詞でモンデーゴを驚かせ、メルセデスと社交ダンスをするダンテスのモンテ・クリスト伯。メルセデスはさすが元恋人だ。亡くなった昔の大事なあるお方を思い起こしますと言ってじっと顔を見つめる。そしてダンテスだと見破って許しを請うが、永遠の愛を誓い合った婚約者を裏切ってモンデーゴと結婚してしまったメルセデスを、ダンテスは断じて許さない。しかし、彼女はモンデーゴとは幸せな結婚生活ではなかった。モンデーゴは事業にも失敗してやけくそになっているし、平気で人を傷つけたり殺したりもする冷血な男、妻にも優しくない。 【モンテ・クリスト伯 第20段落】 モンテ・クリスト伯となったダンテスは、復讐の鬼となって着々と事を進める。モンデーゴ伯爵の船の倉庫からはヤコポの仲間に金貨を盗ませて破産させた。船乗りの同僚だったダングラールにはロープ一本で船から海に吊るして、復讐を遂げる。そして又、ヴィルフォール判事を落とし入れて、自分が昔されたのと同じ、イフ島へ送る。恐怖の顔のヴィルフォール判事が、イフ島の牢獄の恐ろしさを物語っている。こうして、自分を罠にはめた三人のうち、二人への復讐は果たした。あと一人、"親友"を装っていたモンデーゴだ。 【モンテ・クリスト伯 第21段落】 メルセデスにきつく当たっていたダンテスだが、彼女の薬指に、いまだに<皮紐>のリングがつけられているのを発見して考えを改める。彼女は永遠の愛をやはり持っていてくれたのだ。そしてモンデーゴと結婚したのも、ダンテスが処刑されたと知ったショックの成り行きだったのだと理解する。二人は 14、15 年ぶりに結ばれ、幸せを再確認する。それで、いよいよパリを後にするという日、メルセデスと息子のアルバートを一緒に連れて国を去るつもりだと、ヤコポに伝えさせる。有頂天のメルセデス。 【モンテ・クリスト伯 第22段落】 モンデーゴは破産し、殺人罪で逮捕されるという。乱心状態のそんなモンデーゴに、アルバートはあなたの息子ではないと伝えるメルセデス。そうか、やっぱり。若き日のダンテスとの甘く幸せ最高潮の時にお腹に宿った子なのだ。だから、アルバートの髪の毛の色もダンテスと同じ黒なのか。アルバート役のヘンリー・カヴィルは舞台の 『 真夏の夜の夢 (1999) WILLIAM SHAKESPEARE'S A MIDSUMMER NIGHT'S DREAM 』のオベロン役等に活躍している将来有望な美男子の若手らしい。 【モンテ・クリスト伯 第23段落】 往生際の悪いモンデーゴは、財宝の箱の中を調べにやって来た。でも中は砂だけ。一つの箱の中には<チェスの駒>が。それも、 13 年間、牢獄の石の壁を刻んで半分の長さに擦り切れている…。アッと驚くモンデーゴ。やっと気が付いた。モンテ・クリスト伯はダンテスか!そこにダンテスは長年の恨みを果たすべく、スッと現れる。剣で戦う二人だが、以前の弱いダンテスではない。優勢で戦って、モンデーゴを刺し殺そうという時、アルバートが"父"モンデーゴを救いに間に入ってしまった。モンテ・クリスト伯に凄い剣幕で戦おうとしている。それを見て、今度は母メルセデスが息子に真実を告げる。お前のお父様はモンテ・クリスト伯よ。ショックのアルバート。そのすきにモンデーゴが撃った弾はメルセデスに当たる。でも肩だから致命傷ではなさそう。ダンテスとモンデーゴは草原で最後の力を振り絞って剣で戦い合う。遂にダンテスの剣がモンデーゴを突き刺した時、「お前には慈悲があるのでは?」と言うモンデーゴに、ダンテスはこう言い放つのだ。「俺は伯爵であって、聖人ではない。」こうして遂に復讐劇は幕を閉じた。教育的ではないけれど…。 久しぶりの西洋の<勧善懲悪>の映画でした。 以上。 <もっと詳しく>からスペースを含まず7164文字/文責:幸田幸 参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集 http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm IMDb allcinema ONLINE Nostalgia.com CinemaClock.com 公式サイト(英語版) http://www.thecountofmontecristo.com/ |
|||||
■映画『 モンテ・クリスト伯 』の更新記録 2002/10/19新規: ファイル作成 2005/01/03更新: ◆一部テキスト追記と書式変更 2005/10/06更新: ◆追記 2005/12/04更新: ◆データ追加 |
|||||
▲TOPへ | |||||
幸田 幸 coda_sati@hotmail.com |
「映画の森てんこ森」へ | 「旅行の森てんこ森」へ | |||||||
映画解説・レヴュータイトル一覧表
|
幸のイタリア各都市情報へ 136x70 |
|||||||
本サイトの作文、データ及び画像などのコンテンツの無断転用はお控え下さい。 貴サイトへの御掲載についてはメールにてお知らせ頂ければ幸いです。 |
||||||||
© 2002-2005 Sachi CODA at Eigano-Mori Tenko-Mori, CODA21. All Rights Reserved. |