リトル・ヴォイス
表紙目次読む映画試写会レヴュー観たい度映画予告編エッセイ日誌試写会情報リンク集
映画人解説・レヴュー一覧表映画ゲーム思い出映画ブロードバンド(B)版旅行の森てんこ森
映画の森てんこ森■映画レヴュー
リトル・ヴォイス (1998)
LITTLE VOICE
 映画『 リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE 』をレヴュー紹介します。

 映画『 リトル・ヴォイス LITTLE VOICE 』を以下に目次別に紹介する。
■映画『 リトル・ヴォイス LITTLE VOICE 』の解説及びポスター、予告編
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 リトル・ヴォイス LITTLE VOICE 』の映画データ
■映画『 リトル・ヴォイス LITTLE VOICE 』の主なキャスト
■映画『 リトル・ヴォイス LITTLE VOICE 』のスタッフとキャスト
■映画『 リトル・ヴォイス LITTLE VOICE 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 リトル・ヴォイス 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタばれ)です。※ご注意:映画『 リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 リトル・ヴォイス LITTLE VOICE 』の結末
■映画『 リトル・ヴォイス LITTLE VOICE 』の感想(ネタばれご注意)
■映画『 リトル・ヴォイス LITTLE VOICE 』の更新記録

>>
「映画解説・レヴュータイトル一覧表」へ(画面の切り替え)
幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE 』の解説及びポスター、予告編
リトル・ヴォイス
リトル・ヴォイス

■映画『 リトル・ヴォイス LITTLE VOICE 』の解説

 映画『 リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE 』の映画化の経緯は興味深い。ジュディ・ガーランド、マリリン・モンロー、シャーリー・バッシーなど、伝説の歌手のモノマネを完璧にこなせるジェイン・ホロックスの才能に驚嘆したジム・カートライトが彼女のために創作した戯曲「 The Rise And Fall Of Little Voice (直訳:リトル・ヴォイスの興亡)」は 1992 年にイギリスで大ヒットミュージカルとなり、その舞台に感激したブラス! (1996) BRASSED OFFのマーク・ハーマン監督が 1998 年『 リトル・ヴォイス 』として映画化した。
 『 リトル・ヴォイス 』の小さなヒロインは、自分の殻に閉じこもり、口をきこうとしない女の子ローラ(ジェイソン・ホロックス)。未だに人生の春を謳歌したいと思っている口やかましい母親マリー(ブレンダ・ブレシン)は、無口な彼女をバカにしてLV(エルヴィ: Little Voice (リトル・ヴォイス)の略)と呼んでいた。亡くなった父親を思い、彼の遺したスタンダード・ナンバーのレコードを聞き続けているLVは、伝説の歌手の歌を本人そっくりに歌うことができた…。
 マイケル・ケイン(『 サイダーハウス・ルール (1999) THE CIDER HOUSE RULES 』『 愛の落日 (2002) THE QUIET AMERICAN 』等)が裏ぶれた芸能プロモーター役で、1999 年ゴールデングローブ主演男優賞を受賞した。LVが舞台に立って、素晴らしい歌声で本物の歌手そっくりに歌を歌い上げる『 リトル・ヴォイス 』のシーンは圧巻。
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
▲TOPへ
■映画『 リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE 』の映画データ
 上映時間 99分
 製作国 イギリス
 公開情報 アスミック
 初公開年月 1999/09
 ジャンル ドラマ
 《米国コピーTagline》Finding your own voice can be magic.
▲TOPへ
■映画『 リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE 』の主なキャスト
●ユアン・マクレガー as ビリー @『 リトル・ヴォイス 』
トレインスポッティング (1996) TRAINSPOTTING
Emma エマ (1996) EMMA
ブラス! (1996) BRASSED OFF
普通じゃない (1997) A LIFE LESS ORDINARY
ベルベット・ゴールドマイン (1998) VELVET GOLDMINE
リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE
『 スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス (1999) STAR WARS: EPISODE I - THE PHANTOM MENACE 』
ムーラン・ルージュ (2001) MOULIN ROUGE!
スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃 (2002) STAR WARS: EPISODE II - ATTACK OF THE CLONES
恋は邪魔者 (2003) DOWN WITH LOVE
ビッグ・フィッシュ (2003) BIG FISH
猟人日記 (2003) YOUNG ADAM
ロボッツ (2005) ROBOTS
スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 (2005) STAR WARS: EPISODE III - REVENGE OF THE SITH 』等
▲TOPへ
【『 リトル・ヴォイス 』のスタッフとキャスト】
監督: マーク・ハーマン Mark Herman
製作: エリザベス・カールセン Elizabeth Karlsen
製作総指揮: ニック・パウエル Nick Powell
    スティーヴン・ウーリー Stephen Woolley
原作戯曲: ジム・カートライト Jim Cartwright
脚本: マーク・ハーマン Mark Herman
    ジム・カートライト Jim Cartwright
撮影: アンディ・コリンズ Andy Collins
編集: マイケル・エリス Michael Ellis
音楽: ジョン・アルトマン John Altman

出演: ジェイン・ホロックス Jane Horrocks LV
    ユアン・マクレガー Ewan McGregor ビリー
    ブレンダ・ブレシン Brenda Blethyn マリー
    マイケル・ケイン Michael Caine レイ・セイ
    ジム・ブロードベント Jim Broadbent ミスター・ブー
    アネット・バッドランド Annette Badland サディー
    フィリップ・ジャクソン Philip Jackson ジョージ

▲TOPへ
<もっと詳しく>

ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー

【リトル・ヴォイス 第01段落】  北イングランド、馬蹄形の入り江のあるスカボロー。舞台ではジェイン・ホロックス所縁(ゆかり)の地ボルトンだ。大好きだった父親が死んでから、自分の殻に閉じこもり、口をきこうとせず、家からも出ようとしない内気な女の子LV[エルヴィ](ジェイン・ホロックス)。LVとは、無口な娘をからかって彼女の母親が付けたニック・ネームである。

【リトル・ヴォイス 第02段落】  父が遺したスタンダード・ナンバーのレコードを聞くのがLVの唯一の心を解放できるとき。母親のマリー(ブレンダ・ブレシン)が「うるさい」と怒鳴っても、お構いなしだ。化粧が濃くケバケバしい身なりのマリーは、LVと同じように無口で、何の足しにもならないレコード店を遺して死んでいった夫との結婚を後悔してか、LVの母親としての務めもろくに果たしていなかった。娘と母の間の溝は深い。マリーは港の魚の卸売市場?で働き、夜は酒と男を求めて遊びまわる毎日だ。

【リトル・ヴォイス 第03段落】  LVの家に電話がついた。(何で今までついていなかったのか不思議。イギリスでは当たり前なのかな?) 電話工事にジョージ(フィリップ・ジャクソン:
ブラス! (1996) BRASSED OFF
リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE 』等)とビリー(ユアン・マクレガー)がやって来た。ビリーは鳩を愛する内気な青年で、伝書鳩の飼育と訓練に熱中している。一番のお気に入りの鳩ドゥエインが戻ってこないのが、最大の気がかりだ。マリーは無口なビリーをからかって、同じように無口な自分の娘のLVとお似合いだと言う。その言葉通りに、そのとき初めて出会ったビリーとLVはお互いどこか心通じ合うものを感じる。

【リトル・ヴォイス 第04段落】  電話がついたことに大喜びのマリーは、近所の友達サディー(アネット・バッドランド)に電話をかけ、食事に出て行く。マリーはサディーに昨夜の出来事を自慢した。レイ・セイ(マイケル・ケイン:
リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE
サイダーハウス・ルール (1999) THE CIDER HOUSE RULES
デンジャラス・ビューティー (2001) MISS CONGENIALITY
オースティン・パワーズ ゴールドメンバー (2002) AUSTIN POWERS IN GOLDMEMBER
『 愛の落日 (2002) THE QUIET AMERICAN 』等)との情事だ。

【リトル・ヴォイス 第05段落】  レイはこの町の場末の舞台小屋?ミスター・ブー(ジム・ブロードベント:
『 未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL
リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE
ブリジット・ジョーンズの日記 (2001) BRIDGET JONES'S DIARY
ムーラン・ルージュ (2001) MOULIN ROUGE!
アイリス (2001) IRIS
ギャング・オブ・ニューヨーク (2001) GANGS OF NEW YORK
80デイズ (2004) AROUND THE WORLD IN 80 DAYS 』等)の店に出入りしている、しがない芸能プロモーターだったが、マリーからすれば、真っ赤なシヴォレーのオープンカーに乗る彼は腕利きの芸能プロモーターに見えた。

【リトル・ヴォイス 第06段落】  ジョージから電話工事人の口説きテクニック、<取扱説明書を次の日に渡す>というのを聞いたビリーは、早速LVの家に取扱説明書を届けに行く。ちょうど鳴る電話にびくついて出られなかったLVは、ビリーに電話に出てもらうことにするが、電話は切れてしまった。ちょうどそこへ戻ってきたマリーが突然家にいるビリーに難癖をつけると、ビリーは切れた電話の電話番号を調べるサービスがあると、そつなくマリーへの応対をする。そんなビリーを頼もしく思うLV。

【リトル・ヴォイス 第07段落】  その夜マリーはレイを連れて、二人で酔いつぶれて家に帰ってきた。そんな母親の姿に耐えられないLVは、すぐに二階の自分の部屋に上がり、レコードを聞いた。いちゃつくマリーとレイだったが、二階からジュディ・ガーランドの声が聞えてくると、レイは歌声に聞きほれてしまう。歌っているのがLVだと知ると、レイは興奮した。これだ!今までオレが捜し求めていたものは!

【リトル・ヴォイス 第08段落】  翌朝、レイは内気なLVに舞台に立つことを話し、喜んで帰っていった。レイの喜びが自分との結婚を意味していると思ったマリーは大喜びだったが、それが勘違いだということが分かるのに時間はかからなかった。レイとデートだと思って、ミスター・ブーの店に命一杯おしゃれしていったマリーは、彼とミスター・ブーがLVの歌を聴きに家にやって来ることを知る。最高の出会いとは私ではなく、LVのことだったのね。機嫌が悪くなるマリー。

【リトル・ヴォイス 第09段落】  その上、LVは二人の前で歌おうとはせず、二階へと引きこもる。そんな娘をマリーは罵るが、効き目はない。ミスター・ブーは帰って行った。LVは嫌な現実から懐かしのパパとの思い出に逃避する。パパの写真を見ながら、ジュディ・ガーランドの「 The Man That Got Away 」を歌う。その声を通りから聞いたミスター・ブーは感激し、舞台にLVのための時間を設けることにする。すねていたマリーだったが、レイに成功を熱く語られ、その気になる。

【リトル・ヴォイス 第10段落】  ミスター・ブーの店に連れてこられたLVは、舞台に上がらせられるが、ライトがまぶしく何もできずにつっ立っている。レイは彼女のためにライトを消す。すると、LVは少しずつモノマネを披露していったが、暗闇のショーに客が喜ぶはずがない。仕方なくライトをつけると、驚いたLVは舞台から逃げてしまった。

【リトル・ヴォイス 第11段落】  しかし、成功を夢見るレイはLVを説得しようとする。さり気ない振りを装って、LVの部屋に入り、彼女が気に入るような話をし、彼女の心を動かすキーワードが父親であることを知ると、「パパは喜ぶと思うよ。…彼女(マリー)にないがしろにされて、パパとレコードはかわいそうだ。」と決め台詞。LVは一回だけと舞台に立つことにする。

【リトル・ヴォイス 第12段落】  レイは一世一代の賭けに意気込んだ。ミスター・ブーの店はLV用に改装されて行く。貴金属、大事な車と次々に売り飛ばしてレイはお金を作り、LVの舞台へとつぎ込む。そして舞台の当日。「 Little Voice 」のネオン、満員の客席、フル・バンド。全てが整った。舞台の上にはピンクのドレスを着たLV。緊張で胸が張り裂けそう。そんな時LVは客席に父親の姿を見た。急に人が変わったように歌いだすLVの素晴らしい歌声に、観客もバンドも大盛り上がり。大成功で幕は閉じる。しかし、余りの衝撃にLVは倒れてしまう。成功に目が眩んだレイは、LVの心配をせず、1回限りの約束だったのに、明日も舞台をすると大物プロモーターを呼ぶ。 ・・・

▲TOPへ

◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【リトル・ヴォイス 第13段落】  次の日、ベッドから出ようとしないLV。彼女にとって歌は父親を思い出すためのもの、母にないがしろにされて死んでいった父を思って歌うもの、自分を振り返ろうとしない母親から逃げて、思い出の父と心つなぎ合わすためのものであった。とても精神的なもので、もともと彼女にとっては人に聞かせるためのものではないのだ。舞台の時間が迫り、レイがやってきても依然としてLVはベッドの中。そんな状況にレイはぶち切れ、マリーを傷つける。家を出るマリー。レイはLVを打って連れて行こうとするが、LVは壊れたラジオのように、映画のセリフや歌を自分の魂の叫びとしてレイに向かって投げつける。LVの迫力にひるんだレイは階段から落ち、家から出て行った。そのときもともと電気関係のトラブルの多かったLVの家のブレーカーが燃え、家は火に包まれていく。

【リトル・ヴォイス 第14段落】  ミスター・ブーの店で「 It’s Over 」を悲しく熱唱するレイ。いつまで経ってもLVが舞台に現れないことを不審に思っていたビリーは、レイの歌を聴いて、彼女に何かあったと思い、彼女の家に急ぐ。火がまわる自分の部屋で大切なレコードと一緒にいるLV助けるため、ビリーは電話工事用のワゴンに乗って、部屋の窓の外から手を差し伸べる。外に出よう。

【リトル・ヴォイス 第15段落】  LVは父がよくコンサートを見に連れてきてくれた野外劇場にビリーに連れてきてもらった。「お父さん以外にも君のことを思っている人はいる。」と言うビリーの言葉を聞いていたのかいないのか、LVは突然走り去る。

【リトル・ヴォイス 第16段落】  LVは大切なレコードが心配で黒く焼けた家に戻ってきた。そしてそこで偶然出会った母親にこれまでの不満を大声でぶちまける。「パパが無口だったのは、あなたがパパの言うことを聞こうとはしなかったから。私が無口だったのは、あなたにやり込められたからよ。」その言葉に衝撃を受けるマリーをよそに、LVは出て行く。

【リトル・ヴォイス 第17段落】  LVはビリーの鳩小屋にやって来た。ビリーが鳩の訓練をするのを手伝うLVの手から、鳩が空に飛び立っていった。

▲TOPへ

■映画『 リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE 』の感想

 現代のおとぎ話のような物語。登場人物は皆心に傷があるようなちょっと可笑しな人ばかり。自分の殻に閉じこもっているLVは、何年もイバラに囲まれたお城の中で眠っているお姫様のようで、その彼女を助け出す王子様が、鳩愛好家の青年ビリー。舞台ではビリーは鳩愛好家ではなく、照明係の青年らしい。私は、鳩愛好家の方が意外性があるし、小鳥のさえずりを持つお姫様のLVが心のイバラを飛び出して、心の自由を取り戻すという設定が効果的に表せていると思う。男女平等に拘る人には、鳩を操る青年に、小鳥のLVが操られることなので、真の心の自由はありえないと異議を唱えるかもしれないが、実際の社会にはちょっと馴染めそうにないLVには、自分の方向性を示してくれる人がいつも隣に必要だと思う。映画の初めにかかるフランク・シナトラの「 Come Fly With Me 」は、LVのまだ見ぬ王子様ビリーの登場を予感させるのだ。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず4348文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
■映画『 リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE 』の更新記録
2002/11/07新規: ファイル作成
2004/07/07更新: ◆テキストとリンク一部およびファイル書式
2005/03/19更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
▲TOPへ
幸田 幸
coda_sati@hotmail.com
「映画の森てんこ森」へ 「旅行の森てんこ森」へ
映画解説・レヴュータイトル一覧表
映画の森てんこ森 バナー03

映画の森てんこ森 coda21幸田幸 クレジット バナー01
幸のイタリア各都市情報へ
旅行の森てんこ森 バナー03
136x70
本サイトの作文、データ及び画像などのコンテンツの無断転用はお控え下さい。
貴サイトへの御掲載についてはメールにてお知らせ頂ければ幸いです。
© 2002-2005 Sachi CODA at Eigano-Mori Tenko-Mori, CODA21. All Rights Reserved.