トゥー・ブラザーズ
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トゥー・ブラザーズ (2004)
TWO BROTHERS
 映画『 トゥー・ブラザーズ (2004) TWO BROTHERS 』をレヴュー紹介します。映画『 トゥー・ブラザーズ (2004) TWO BROTHERS 』は 2003/12/05 の時点では邦題は分からなかったので「トゥー・ブラザーズ」としておいたら、そのまま『 トゥー・ブラザーズ 』に決定した。

 映画『 トゥー・ブラザーズ TWO BROTHERS 』を以下に目次的に紹介する。
■映画『 トゥー・ブラザーズ TWO BROTHERS 』のポスター、予告編および映画データ
■映画『 トゥー・ブラザーズ TWO BROTHERS 』の解説
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 トゥー・ブラザーズ TWO BROTHERS 』の主なスタッフ
■映画『 トゥー・ブラザーズ TWO BROTHERS 』のジャン=ジャック・アノー監督
■映画『 トゥー・ブラザーズ TWO BROTHERS 』の主なキャスト
■映画『 トゥー・ブラザーズ TWO BROTHERS 』のあらすじ
■映画『 トゥー・ブラザーズ TWO BROTHERS 』のトリビア
■映画『 トゥー・ブラザーズ TWO BROTHERS 』のスタッフとキャスト
■映画『 トゥー・ブラザーズ TWO BROTHERS 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 トゥー・ブラザーズ 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 トゥー・ブラザーズ TWO BROTHERS 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 トゥー・ブラザーズ TWO BROTHERS 』の結末
■映画『 トゥー・ブラザーズ TWO BROTHERS 』の更新記録

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幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 トゥー・ブラザーズ (2004) TWO BROTHERS 』のポスター、予告編および映画データ
トゥー・ブラザーズ
 トゥー・ブラザーズ
Links:  Official Web Site
Trailers: Quick Time: 
100k ・ 300k ・ 700k
Windows Media: 
100k ・ 300k ・ 700k
上映時間 Runtime: 1:45
製作国 Country: フランス/イギリス
France / UK
製作会社
Production Company:
Pathe Entertainment
Pathe Cinema [fr]
Two Brothers Productions [gb]
全米配給会社 Distributer: Universal Pictures [us]
全米初公開 Release Date: 2004/07/09
日本初公開 R. D. in Japan: 2004/09/18 予定
日本公開情報 : 日本ヘラルド映画
ジャンル Genre: アドベンチャー/ドラマ/ファミリー/自然/歴史
Adventure / Drama / Family / Nature / Historical
MPAA Rating 指定: Rated PG for mild violence.
日本語公式サイト
http://www.herald.co.jp/official/two_brothers/index.shtml
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 トゥー・ブラザーズ TWO BROTHERS 』の解説

 映画『 トゥー・ブラザーズ 』は、“トゥー・ブラザーズ”というくらいだから二人の人間の兄弟と思いきや、なんと二頭の虎の兄弟“トゥー・ブラザーズ”の話である。『 トゥー・ブラザーズ 』の監督・製作・原案・脚本の四役を務めるのは、フランスの名匠ジャン=ジャック・アノーだ。
 この映画『 トゥー・ブラザーズ (2004) TWO BROTHERS 』を含めて、携わった映画はたった十本ほどというのに、この老・名匠が監督・製作・脚本をした作品はどれも『 トゥー・ブラザーズ 』を含めて内容の濃い強烈なものである。『 セブン・イヤーズ・イン・チベット 』では中国に不利な政治面の話を入れた為だろう、お蔭でアノー監督は中国に入国を禁止されてしまった。そのくらいアノー監督の映画づくりにシリアスに取り組む姿勢が伝わってくる。『 トゥー・ブラザーズ 』主演はガイ・ピアース。

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■映画『 トゥー・ブラザーズ TWO BROTHERS 』の主なスタッフ

○『 トゥー・ブラザーズ 』の監督・製作・原案・脚本の四役を務めるのは、フランスの名匠ジャン=ジャック・アノー
『 子熊物語 (1988) L' OURS (仏題) / THE BEAR (英題) 』
愛人/ラマン (1992) L'AMANT (仏題) / THE LOVER (英題)
セブン・イヤーズ・イン・チベット (1997) SEVEN YEARS IN TIBET
スターリングラード (2000) ENEMY AT THE GATES

○『 トゥー・ブラザーズ 』の製作は
炎のランナー (1981) CHARIOTS OF FIRE
ワイルド・レンジ 最後の銃撃 (2003) OPEN RANGE 』のジェイク・エバーツら

○『 トゥー・ブラザーズ 』の撮影は
橋の上の娘 (1999) LA FILLE SUR LE PONT
列車に乗った男 (2002) L' HOMME DU TRAIN (原題) / THE MAN ON THE TRAIN (英題) 』のジャン=マリー・ドルージュ

○『 トゥー・ブラザーズ 』の音楽は
カミーユ・クローデル (1988) CAMILLE CLAUDEL
イングリッシュ・ペイシェント (1996) THE ENGLISH PATIENT
リプリー (1999) THE TALENTED MR. RIPLEY
抱擁 (2002) POSSESSION
トロイ (2004) TROY 』のガブリエル・ヤーレらである。

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■映画『 トゥー・ブラザーズ TWO BROTHERS 』のジャン=ジャック・アノー監督

 『 トゥー・ブラザーズ 』のジャン=ジャック・アノー監督の代表作は『 子熊物語 (1988)  』と言えるかもしれない。『 子熊物語 』はチェッキー・カリョ Tcheky Karyo (
1492・コロンブス (1992) 1492 CONQUEST OF PARADISE
ジャンヌ・ダルク (1999) JOAN OF ARC / THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC
パトリオット (2000) THE PATRIOT
キス・オブ・ザ・ドラゴン (2001) KISS OF THE DRAGON
『 ギャンブル・プレイ (2002) THE GOOD THIEF
ザ・コア (2003) THE CORE 』等)出演と言っても、主役は熊たちだ。孤児の子熊と人間に傷を負わされた雄熊を描いたこの作品は、撮影に何と六年間もかけて熊たちの自然の表情をとらえ続けたそうだ。人間と自然の対峙を描くと同時に、野生の動物の逞しさ、可愛らしさ、威厳をあますことなく映し出した感動作であった。ディズニーの
ブラザー・ベアー (2003) BROTHER BEAR 』と相通ずるところがありそうだ。

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■映画『 トゥー・ブラザーズ TWO BROTHERS 』の主なキャスト

●ガイ・ピアース as エイダン・マクロリー
モンテ・クリスト伯 (2002) THE COUNT OF MONTE CRISTO
タイムマシン (2002) THE TIME MACHINE

●フレディ・ハイモア as ラウール
ネバーランド (2004) FINDING NEVERLAND
チャーリーとチョコレート工場 (2005) CHARLIE AND THE CHOCOLATE FACTORY

●ジャン=クロード・ドレフュス as 行政長官ユージン・ノルマンダン
グレースと公爵 (2001) L' ANGLAISE ET LE DUC (原題) / THE LADY AND THE DUKE (英題)
ロング・エンゲージメント (2004) UN LONG DIMANCHE DE FIANCAILLES (原題) / A VERY LONG ENGAGEMENT (英題)

●バーナード・フラヴィアン as 王子の執事長
キス・オブ・ザ・ドラゴン (2001) KISS OF THE DRAGON

●ジュリエット・ハウランド as オークションの女性
アイリス (2001) IRIS

●デヴィッド・ガント as オークションの競売人
娼婦ベロニカ (1998) DANGEROUS BEAUTY / A DESTINY OF HER OWN
ジャンヌ・ダルク (1999) JOAN OF ARC / THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC

●ムーサ・マースクリ as サラディン
ヴィドック (2001) VIDOCQ
マルセイユ・ヴァイス (2003) GOMEZ & TAVARES (原題) / PAYOFF (英題)

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■映画『 トゥー・ブラザーズ TWO BROTHERS 』のあらすじ

 『 子熊物語 (1988)  』から 15 年後、アノー監督はこの『 トゥー・ブラザーズ 』でまたもや野生の動物と人間のエゴを描き出す。『 トゥー・ブラザーズ 』舞台は 1920 年代のカンボジアである。ジャングルの奥深く、アンコールワットの付近、寺の廃墟で二頭のトラが生まれた。兄弟は平和に仲良くじゃれ合って暮らしていたのに、ある日、人間と初めて遭遇する。そしてその捕獲者は二頭を生息地から連れ出してしまった。

 二頭のトラの兄弟“トゥー・ブラザーズ”は人間の手によって別れさせられる。一頭はサーカスに売られ、もう一頭は狂暴な殺し屋トラとして訓練されてしまうのだ。そして何年も経ち、離れ離れになっていた兄弟の二頭は、捕獲者によって闘技を仕組まれることに…。兄弟は幼い時のことを思い出せるだろうか? 本気で戦ってしまうのだろうか?

 “発見と生存と驚異の叙事詩的なアドヴェンチャー”、と称せられるこの『 トゥー・ブラザーズ 』。観たいけど観るには辛いなぁ。動物ものだから…。

 なお、このあらすじは映画『 トゥー・ブラザーズ 』を観る前に書いたものです。鑑賞後に書いたレヴューは下記<もっと詳しく>にあります。

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■映画『 トゥー・ブラザーズ TWO BROTHERS 』のトリビア

 『 トゥー・ブラザーズ 』のロケはカンボジア Cambodia 、タイ Thailand 、フランス France で。『 トゥー・ブラザーズ 』監督の意向で撮影はCGでなくて本当の虎の動きが使われたが、半年はかかると予想されていた撮影期間はたった4ヶ月で済んだと言う。虎ちゃんが随分よく訓練されていたようで。『 トゥー・ブラザーズ 』の調教師さん達は、
グラディエーター (2000) GLADIATOR 』でライオンに演技指導(?)した Monique Angeon と Randy Miller 、
ミッション・クレオパトラ (2002) ASTERIX & OBELIX: MISSION CLEOPATRE (原題) / ASTERIX & OBELIX: MISSION CLEOPATRA (米題) 』で犬に演技指導した Patrick Pittavino 、それに、
ドラキュラ (1992) BRAM STOKER'S DRACULA 』に俳優として出演したヒューバート・ウェルズ Hubert Wells もアニマル・トレーナーとして名を連ねている。
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【『 トゥー・ブラザーズ 』のスタッフとキャスト】
監督: ジャン=ジャック・アノー Jean-Jacques Annaud (Directed by)
製作: ジャン=ジャック・アノー Jean-Jacques Annaud (producer)
    ジェイク・エバーツ Jake Eberts (producer)
    ザヴィエル・カスターノ Xavier Castano (line producer)
原案: ジャン=ジャック・アノー Jean-Jacques Annaud (story)
脚本: ジャン=ジャック・アノー Jean-Jacques Annaud (screenplay)
    アラン・ゴダール Alain Godard (screenplay)
撮影: ジャン=マリー・ドルージュ Jean-Marie Dreujou (Cinematography by)
編集: ノエル・ボワソン Noelle Boisson (Film Editing by)
音楽: ガブリエル・ヤーレ Gabriel Yared (Original Music by)

出演: ガイ・ピアース Guy Pearce as Aidan McRory エイダン・マクロリー
    ジャン=クロード・ドレフュス Jean-Claude Dreyfus as Administrator Normandin 行政長官ユージン・ノルマンダン
    フレディ・ハイモア Freddie Highmore as Young Raoul ラウール
    オアイン・グエン Oanh Nguyen as His Excellency 王子
    バーナード・フラヴィアン Bernard Flavien as His Excellency's Majordomo 王子の執事長
    フィリピーヌ・ルロワ=ボリュー Philippine Leroy-Beaulieu as Mrs. Normandin 行政長官夫人
    マイ・アン・レー Mai Anh Le as Nai-Rea 通訳の女性ナイ=レア
    Jaran Phetjareon as The Village Chief 村長
    ムーサ・マースクリ Moussa Maaskri as Saladin サーカスのオーナー、サラディン
    ヴァンサン・スカリート Vincent Scarito as Zerbino サーカスの調教師ゼルビーノ
    デヴィッド・ガント David Gant as Auctioneer オークションの競売人
    ジュリエット・ハウランド Juliet Howland as Auction Room Stylish Woman オークションの客
    キャロライン・ワイルディ Caroline Wildi as Auction Room Companion オークションの女性

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<もっと詳しく>

ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 トゥー・ブラザーズ 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー

【トゥー・ブラザーズ 第01段落】  映画冒頭は、イギリスの骨董品オークションの場から。インドシナ半島 Indochinese Peninsula から略奪され運ばれてきた石仏が高価に取引されていく。競売人(デヴィッド・ガント)がセリにかけ、客たち(ジュリエット・ハウランドやキャロライン・ワイルディ)が一人の男性を見てうっとり噂話に興じる。その男性は、野生動物ハンターとして、及びその体験談の本の著者として有名なイギリス人、エイダン・マクロリー(ガイ・ピアース)だ。

【トゥー・ブラザーズ 第02段落】  舞台は一転して、緑深い密林のカンボジア。ジャングルの奥深く、アンコールワット Angkor-Wat の付近、寺の廃墟に虎の一家が住みついている。二頭の赤ちゃんトラが生まれたところだ。二頭の兄弟虎‘トゥー・ブラザーズ’は母親虎の後をついていったり、口にくわえて運んでもらったり、動くシッポにじゃれて噛んだり、可愛いこと限りなし。椰子の実が落ちてくれば、‘トゥー・ブラザーズ’はそれをボールのようにして器用に手で叩いて二頭で遊んでいる。

【トゥー・ブラザーズ 第03段落】  他の小動物に出会うと、その勢いに負けて木に登って逃げてしまうのは弟の方だろうか。枝の上からおっかなびっくり下を見ると、兄トラが見守ってくれている。兄は気が強くて元気いっぱい、弟は弱虫の大人しい性質のようだ。こういう仲良し‘トゥー・ブラザーズ’は親に護られ、密林奥深く、平和に暮らしていた。広大な緑の密林にアンコールワットが聳えているその美しい光景は『 ハムナプトラ2/黄金のピラミッド (2001) THE MUMMY RETURNS 』のシーンにも似ているなと思った。

【トゥー・ブラザーズ 第04段落】  舞台は 1920 年代のカンボジアである。当時、カンボジアはフランス保護領カンボジア王国といった。密林の寺の廃墟には、冒頭のオークションに出たような貴重な石像・石仏の類が眠っている。そこで、ハンターのエイダン・マクロリーは、狩猟でよりも遺跡の石仏を盗み出して売った方がはるかに儲かると分かり、カンボジアの地元の助っ人たちのキャラバンを組んで奥地の密林にやって来ている。そして、トラの一家の住処である古い寺まで近づいてきた。それに感づいた父親トラと母親トラは、子供達‘トゥー・ブラザーズ’と共に、未知の侵入者たちから身を隠す。

【トゥー・ブラザーズ 第05段落】  しかし、人間のお供の犬の鋭い嗅覚で居所がバレてしまった。廃墟の奥の方に身を潜めていたにも拘わらず、一行の一人、カンボジア人が間近に迫ったため、父親トラは彼に襲いかかる。肩に噛み付いているその巨大な虎を、ハンターのエイダン・マクロリーがライフルで射殺した。すると、その陰に隠れているちっちゃな虎が一頭。‘トゥー・ブラザーズ’の兄の方で、まるでネコか子犬のような赤ちゃん虎だ。エイダンは早速保護して、「クマル Kumal 」と名づけて世話を焼くことにした。飲み物も吸わせてやり、レモン・蜂蜜のドロップも舐めさせてやる。

【トゥー・ブラザーズ 第06段落】  エイダン率いる一行は、その廃墟から石仏を略奪し、父親トラの死体も、石仏も、重いのを村まで運んで帰る。すると、トラに片脚を食われて失った男性もいて、「人食いトラ」を殺してくれたと、エイダンは感謝される。カンボジア人との商談は、英語のできる現地女性ナイ=レア(マイ・アン・レー)が通訳となっている。ナイ=レアは大柄できりっとした美人で、『 セブン・イヤーズ・イン・チベット (1997) SEVEN YEARS IN TIBET 』の同じく通訳のチベット人インテリ女性のような感じだ。同じジャック・アノー監督だから、こんなところにも趣向が出るのだろう。エイダンとナイ=レアは打ち解けて、好き同士。

【トゥー・ブラザーズ 第07段落】  エイダンは赤ちゃん虎クマルを可愛がって面倒みているのだが、そんな時、警察に遺跡窃盗罪で留置されてしまう。村長(Jaran Phetjareon)ら、エイダンの遺跡からの盗みに協力しているようでいて、お役人にお金目当てに密告もするのだ。赤ちゃん虎クマルはサーカスに売られていった。エイダンは、サーカスの人達に可愛がってくれるように念を押して別れを告げた。車の小さな箱に入れられたクマルはギャーギャー鳴いて(泣いて?)悲しがる。村から出た一本道で、その泣き声を聞きつけた母親虎はその車を必死で追いかける。追いついたが振り落とされてしまって、母子の悲しい別れとなった。

【トゥー・ブラザーズ 第08段落】  フランス人の総督というか行政長官ユージン・ノルマンダン(ジャン=クロード・ドレフュス)は権力を効かせて、エイダンを留置所から出してくれた。しかし、それには魂胆があって、カンボジアの王子(オアイン・グエン)の歓心を買うためである。王子は国王の偉大な尊厳に何かと比較される立場にいる。野生の虎の射撃をやってみたいし、後で分かるが、王宮には貴重動物のコレクションまでしている。王子の機嫌をよくさせて、アンコールワットへの密林内の観光道路建設の許可を取り付けようというフランス行政長官の計画である。

【トゥー・ブラザーズ 第09段落】  虎の捕獲に必要なのが、有能なハンター、エイダン・マクロリーというわけなのである。だからこそ行政長官はエイダンを出所させ、長官の邸宅にまで招待して歓待した。長官の妻マチルド(フィリピーヌ・ルロワ=ボリュー)はフランスからこんな辺鄙なところに来させられて不満がいっぱいだ。長官夫妻には一人息子のラウール(フレディ・ハイモア)がいる。ラウールは小学低学年くらいで、心の優しい男の子。フレディ・ハイモアは可愛いし、子役として重宝がられている売れっ子ちゃんだ。

【トゥー・ブラザーズ 第10段落】  その頃、父親と子供の一頭と引き裂かれた母と子の虎は、密林内や人間の近くのブッシュをうろうろしていた。王子に虎を仕留めさせる為の生きた虎が必要なので、エイダンの指導でそこらじゅうに罠が張り巡らされているのは母子は知らない。そして遂に母親虎が大きな穴の罠に落下してしまった。チビちゃん虎は下の母親を見てギャーギャー鳴いてパニック。ズルズルっとチビちゃん虎も落ちてしまう。こうして生け捕りされた母親虎は、悲しいかな、王子のレジャーとしての虎狩のターゲットとして使われるのだ。王子は周囲の者たちに煽(おだ)てられてその虎を撃った。虎は倒れ、王子はその体に足を乗せて記念撮影、と思ったら、撃ったのは耳だけで、虎は逃走。そして死ぬ。

【トゥー・ブラザーズ 第11段落】  一緒に生け捕りにされた赤ん坊の虎は、長官の幼い息子ラウールのペットとして引き取られた。ラウールは赤ちゃん虎を「サンガ Sangha 」と名づけてとっても可愛がる。ラウールもサンガも優しい心の持ち主だから、猛獣の子でも親友のように遊び友達になった。かくれんぼをしたり、食事の時はテーブルの下に隠したり、眠るのも一緒だったり。どうしてこんなに可愛いの?!というくらい、虎の赤ちゃんはあどけなく愛くるしい。撮影もどんなに根気強くそれぞれの表情を撮ったのかと脱帽する。

【トゥー・ブラザーズ 第12段落】  しかし、ある日、長官の妻マチルドが飼っている犬がサンガに吠えたため、サンガは犬に追われて邸宅内を走り回り、挙げ句にそのワンちゃんを死なせてしまった。怒り狂ったマチルドはサンガを追い払うことに即決してしまう。サンガを愛しているラウールが泣いて止めても、サンガはよそにやられてしまった。行き先は、王子のコレクションの部屋だ。ワニやら、怖そうな動物が各檻に飼われている。ここでサンガは大人しく成長していった。

【トゥー・ブラザーズ 第13段落】  一方、サーカスに売られたクマルは檻に入れられ、全然食欲がなくて衰弱している。隣接した檻には成獣の虎シーザーがいて、この新来の赤ちゃん虎を可哀想だと思ってくれているみたい。なにしろシーザーは虎でも大人しく、ちっとも攻撃的でないのだが、サーカスだから「血に飢えた虎のシーザー」という謳い文句で観客にアピールしているわけだ。この優しい虎シーザーは、クマルが弱って寝込んでいるのを知ると、檻の隙間からシッポを入れて振り、クマルをあやしてくれるではないか。何という演技!!! クマルは尾にじゃれ付いて、お母さんを思い出したのか、元気が戻った。

【トゥー・ブラザーズ 第14段落】  調教師ゼルビーノ(ヴァンサン・スカリート)はクマルを早く大きくして、消極的なシーザーに代わって曲芸をさせたいと思っている。クマルは大分成長して、もう赤ん坊ではない。今日は燃え盛る輪をくぐってジャンプする調教を受けている。火だからクマルは怖がってジャンプしないでいると、サーカスの意地悪なオーナー、サラディン(ムーサ・マースクリ)はクマルにきつい仕打ちをする。これで、ようやくクマルは火くぐりをできるようになった。もうシーザーのあとを継ぐことが出来る。こういうふうに、‘トゥー・ブラザーズ’の兄と弟の各エピソードは交互に映し出されていく。

【トゥー・ブラザーズ 第15段落】  そんなところに、ハンターのエイダンは王子に献上する「虎の皮」が欲しいと、サーカス団のところにやって来た。エイダンは久しぶりにクマルと再会する。大きくなったけど、クマルはエイダンを覚えていて、優しい目つきで甘える。毛皮は明日必要なのだと言うエイダンに、はい、あります、と言うサーカスのサラディンとゼルビーノ。大金を貰って大喜びの二人が「あります」と答えたのは、惨いことに、もうお呼びじゃない大人しい老虎シーザーだった。銃殺して、その毛皮を使うのだ。シーザーに代わって「血に飢えた虎のクマル」という看板も上がった。

【トゥー・ブラザーズ 第16段落】  その毛皮を王子に進呈して一応は喜ばれるが、耳の銃口が左右逆だったので、あの虎ではないことが暴露してしまった。フランスとしては、アンコールワットへの密林内の観光道路建設の許可が是非ともほしいので、更に王子の歓心を得らねばならない。そこで、二頭の虎の戦いのショーを開催することにした。この格闘技は、一方が死ぬまで戦わせるという『 グラディエーター (2000) GLADIATOR 』の場合と同じである。二頭の虎とは、‘トゥー・ブラザーズ’の兄クマルと弟サンガなのだが、人間どもは、この二頭が‘トゥー・ブラザーズ’だとは知りもしない。・・・

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【トゥー・ブラザーズ 第17段落】  円形の闘技場(アリーナ)にカンボジアの王家の人々、フランス人の役人達、それにイギリス人のエイダンと通訳のナイ=レアらが集まってきた。燦燦と照る明るい日光、お洒落した見物客、まるでお祭り騒ぎである。先ず片方の入り口から兄クマルが送り込まれた。兄クマルは元気者だからウォーって感じに興奮して唸っている。一方、もともと大人しい弟サンガは、怖がって闘技場に出ていけない。シッポを丸めて怯えてしまっている。でも無理やり出されてしまった。

【トゥー・ブラザーズ 第18段落】  興奮する見物人たち。その中で、成長して体が大きくなってもサンガだと気づいたラウール少年は懐かしさで胸がいっぱいだ。トラ同士が殺し合いするなんて許せない。それに、エイダンは、一頭が、自分の可愛がったクマルだと気づいて、やはり見ていられなくなった。‘トゥー・ブラザーズ’は格闘を始めている。睨み合い、鋭い牙と爪で相手に挑んでいる。このまま兄弟だと知らずに殺し合いを果たしてしまうのだろうか。なお、二頭の区別はできるようになっている。王宮のコレクションで飼われていたサンガには、宝石の首輪がつけられているから。

【トゥー・ブラザーズ 第19段落】  一方が組み伏された時、昔の記憶が蘇った。あの、小動物に威嚇されて木に登ったとき、下できょうだいが見上げてくれたあの瞳だ。一緒にじゃれて遊んだのと同じ椰子の実も、格闘技場に落ちてきて転がっている。‘トゥー・ブラザーズ’は明白にお互いに兄弟だと思い出した。無邪気にじゃれ始めた。嬉しさを隠せず、戦いなんてしないで寝転んでじゃれっこしている。あ〜よかった。

【トゥー・ブラザーズ 第20段落】  死闘をしないので計画を狂わされたサーカス団のサラディンは、‘トゥー・ブラザーズ’に石を投げつけて戦意を煽(あお)る。すると一方が彼の腕に噛み付いた。それをサーカス団の調教師ゼルビーノが止めに入ったすきに出入り口が開いて、‘トゥー・ブラザーズ’は仲良くアリーナから逃走。見物客たちは悲鳴を上げて逃げ惑う。でも‘トゥー・ブラザーズ’は誰を襲うこともなく、寄り道しながらノホホンと遠くへ逃げる。カンボジア王子のご機嫌取りはこの事件で完全に失敗した。観光道路建設の件はお蔵入りとなる。

【トゥー・ブラザーズ 第21段落】  ‘トゥー・ブラザーズ’は至る所に顔を出し、誰をも襲わないけれど、人間の方が逃げる。この二頭は親からハンティングを習う前に人間の手に渡ってしまったわけなので、独力で獲物をとることを知らない。だから人間を襲うか、或いは飢え死にするしかない、ということで、ハンターのエイダンは‘トゥー・ブラザーズ’を探し出して銃殺することになった。自分だってクマルを可愛がったし、ラウール少年はサンガと友達だったしで、殺したくはなくても仕方がない、と。ラウール少年は泣いて抗議するが、エイダンはこのハンティングを最後に、ハンターは辞めると約束して、銃撃に出かける。

【トゥー・ブラザーズ 第22段落】  エイダンがリーダーとなって、人間たちは野にガソリンを撒いて燃え上がらせ、‘トゥー・ブラザーズ’をじわじわと追い詰めていった。どこへ逃げても炎と煙が待ち受け、‘トゥー・ブラザーズ’は行き場を失う。もう射殺も間近だ。すると、サーカスで覚えた「炎くぐり」のジャンプで兄クマルは華麗に炎を跳び越えていった。残された大人しい弟サンガは途方に暮れて泣いている。すると、動物なのだけど、兄クマルはやはり何やら鳴いてから再び炎を越えて戻り、弟サンガに見本を示して指導するようにまた火をかいくぐってジャンプする。勇気付けられた弟サンガは、初めての「炎くぐり」に成功した!

【トゥー・ブラザーズ 第23段落】  ‘トゥー・ブラザーズ’は首尾よく人間から逃げることが出来た。密林の中を追って、ラウール少年はサンガと再会して抱きしめる。エイダンもクマルと再会して、ドロップの催促をされる。二人は、‘トゥー・ブラザーズ’が上手く自然界に戻れて人間を襲うことのないことを切に祈って二頭を密林へ見送った。すると別のもう一頭の鳴き声がして、‘トゥー・ブラザーズ’はそれと合流できた。こうなれば獲物のハントの仕方も教われるだろう。もう一生会うことのない‘トゥー・ブラザーズ’を、エイダンとラウール少年はいつまでも愛を込めて見送るのであった。

【トゥー・ブラザーズ 第24段落】  ハッピーエンドで、ホントにホッとした。なお、ストーリー展開の「伏線」が数多く用いられているのが印象深い。映画『 トゥー・ブラザーズ 』はトラの可愛らしさ、トラの親子愛、トラの兄弟愛、野生動物を脅かす人間の勝手さ等を描くと共に、ガイ・ピアース扮するハンターが、トラを殺す側から、トラを愛しトラを自然の中で暮らさせようとなるまでの心の変化を描いた作品とも言えよう。真髄は、自然保護・野生保護を訴えて我々現代人を啓蒙しているのである。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず6423文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      公式サイト(英語版)
       http://www.twobrothersmovie.net/
      Cambodia - Wikipedia, the free encyclopedia
       http://en.wikipedia.org/wiki/Cambodia#Foreign_occupation
■映画『 トゥー・ブラザーズ 』の更新記録
2003/12/05新規: ファイル作成
2004/03/29更新: ◆タイトル変更
2004/09/17更新: ◆映画データと画像変更
2004/12/18更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
2005/08/02更新: ◆レヴュー作成
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幸田 幸
coda_sati@hotmail.com
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