ゴスフォード・パーク
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映画の森てんこ森■映画レヴュー
ゴスフォード・パーク (2001)
GOSFORD PARK
 映画『 ゴスフォード・パーク (2001) GOSFORD PARK 』をレヴュー紹介します。

 映画『 ゴスフォード・パーク GOSFORD PARK 』を以下に目次的に紹介する。
■映画『 ゴスフォード・パーク GOSFORD PARK 』のポスター、予告編および映画データ
■映画『 ゴスフォード・パーク GOSFORD PARK 』の解説
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 ゴスフォード・パーク GOSFORD PARK 』の主なスタッフ
■映画『 ゴスフォード・パーク GOSFORD PARK 』のあらすじ
■映画『 ゴスフォード・パーク GOSFORD PARK 』のスタッフとキャスト
■映画『 ゴスフォード・パーク GOSFORD PARK 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 ゴスフォード・パーク 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタばれ)です。※ご注意:映画『 ゴスフォード・パーク (2001) GOSFORD PARK 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 ゴスフォード・パーク GOSFORD PARK 』の登場人物表
■映画『 ゴスフォード・パーク GOSFORD PARK 』のネタばれ
■映画『 ゴスフォード・パーク GOSFORD PARK 』の感想
■映画『 ゴスフォード・パーク GOSFORD PARK 』の更新記録

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幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 ゴスフォード・パーク (2001) GOSFORD PARK 』のポスター、予告編および映画データ
ゴスフォード・パーク
ゴスフォード・パーク
Links:  IMDb
Trailers: Quick Time
上映時間 Runtime: 2:17
製作国 Country: イギリス/アメリカ/ドイツ/イタリア
UK / USA / Germany / Italy
製作会社
Production Company:
Capitol Films
Chicagofilms [us]
Film Council [gb]
Medusa Produzione [it]
Sandcastle 5 Productions [us]
USA Films [us]
全米配給会社 Distributer: USA Films [us]
全米初公開 Release Date: 2002/01/04
日本初公開 R. D. in Japan: 2002/10/26
日本公開情報 : UIP
ジャンル Genre: コメディ/犯罪/ミステリー/ドラマ
Comedy / Crime / Mystery / Drama
MPAA Rating 指定: Rated R for some language and brief sexuality.
日本語公式サイト
http://www.uipjapan.com/gosfordpark/
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 ゴスフォード・パーク (2001) GOSFORD PARK 』の解説

 映画『 ゴスフォード・パーク (2001) GOSFORD PARK 』は、 2002 年アカデミー脚本賞に輝いた、ブラック・コメディ・サスペンス。『 ゴスフォード・パーク 』は、 1932 年、イギリスのカントリー・ハウスを舞台に、英国貴族とその使用人の群像劇を巧みに描いている。『 ゴスフォード・パーク 』には多くの人物が登場し、この『 ゴスフォード・パーク 』を映画館で一回観ただけでは何だか詳しく分らない。そもそも「ゴスフォード・パーク」ってどんな遊園地なんて!?ことはないけど。幸は、この『 ゴスフォード・パーク 』の登場人物を表で下に整理してみた。『 ゴスフォード・パーク 』を観てからもう一度チェック。

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■映画『 ゴスフォード・パーク GOSFORD PARK 』の主なスタッフ

 この映画『 ゴスフォード・パーク (2001) GOSFORD PARK 』は注目に値する事柄が幾つかある。先ずこの『 ゴスフォード・パーク 』の監督さんだ。『 M★A★S★H マッシュ (1970) MASH 』で 1970 年のパルムドール、『 ザ・プレイヤー (1992) THE PLAYER 』で 1992 年の監督賞と、カンヌ国際映画祭などで評価を受けるロバート・アルトマン監督。監督は 1925 年生まれだから、映画『 ゴスフォード・パーク (2001) GOSFORD PARK 』は、 76歳のころの作品だ。御高齢にもかかわらず、名作を作り続ける監督はスゴイ!有意義な老後に憧れマス。『 ゴスフォード・パーク 』の脚本を手がけたジュリアン・フェロウズは、俳優として活躍していたが、映画『 ゴスフォード・パーク 』で脚本家として一気に名を馳せた。

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■映画『 ゴスフォード・パーク GOSFORD PARK 』のあらすじ

 さて、映画『 ゴスフォード・パーク (2001) GOSFORD PARK 』のストーリーは...1932 年 11 月、ウィリアム・マッコードル卿(マイケル・ガンボン:
スリーピー・ホロウ (1999) SLEEPY HOLLOW
ワイルド・レンジ 最後の銃撃 (2003) OPEN RANGE
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (2004) HARRY POTTER AND THE PRISONER OF AZKABAN 』等)所有のカントリー・ハウスで、ハウス・パーティが開かれた。それぞれの思惑を秘めた招待客は、彼らの使用人と共に、緑と空気の美しい邸宅を訪れたが…。
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【『 ゴスフォード・パーク 』のスタッフとキャスト】
監督: ロバート・アルトマン Robert Altman (Directed by)
製作: ロバート・アルトマン Robert Altman (producer)
    ボブ・バラバン Bob Balaban (producer)
    デヴィッド・レヴィ David Levy (producer)
製作総指揮: ジェーン・バークレイ Jane Barclay (executive producer)
    シャロン・ハレル Sharon Harel (executive producer)
    ロバート・ジョーンズ Robert Jones (executive producer)
    ハンナ・リーダー Hannah Leader (executive producer)
原案: ロバート・アルトマン Robert Altman (idea)
    ボブ・バラバン Bob Balaban (idea)
脚本: ジュリアン・フェロウズ Julian Fellowes (written by)
撮影: アンドリュー・ダン Andrew Dunn (Cinematography by)
美術: スティーブン・アルトマン Stephen Altman (Production Design by)
衣装: ジェニー・ビーヴァン Jenny Beavan (Costume Design by)
編集: ティム・スクワイヤーズ Tim Squyres (Film Editing by)
音楽: パトリック・ドイル Patrick Doyle (Original Music by)

出演: マギー・スミス Maggie Smith as Constance Trentham コンスタンス・トレンサム伯爵夫人
    マイケル・ガンボン Michael Gambon as William McCordle ウィリアム・マッコードル卿
    クリスティン・スコット=トーマス Kristin Scott-Thomas as Sylvia McCordle シルヴィア・マッコードル夫人
    ボブ・バラバン Bob Balaban as Morris Weissman モリス・ワイズマン
    カミーラ・ラザフォード Camilla Rutherford as Isobel McCordle イゾベル・マッコードル
    チャールズ・ダンス Charles Dance as Raymond Stockbridge レイモンド・ストックブリッジ卿
    ジェラルディン・ソマーヴィル Geraldine Somerville as Louisa Stockbridge ルイーザ・ストックブリッジ夫人
    トム・ホランダー Tom Hollander as Anthony Meredith アンソニー・メレディス中佐
    ナターシャ・ワイトマン Natasha Wightman as Lavinia Meredith ラヴィニア・メレディス夫人
    ジェレミー・ノーサム Jeremy Northam as Ivor Novello アイヴォア・ノヴェロ
    ジェームズ・ウィルビー James Wilby as Freddie Nesbitt フレディー・ネスビット
    クローディー・ブレイクリー Claudie Blakley as Mabel Nesbitt メイベル・ネスビット
    トレント・フォード Trent Ford as Jeremy Blond ジェレミー・ブロンド
    ローレンス・フォックス Laurence Fox as Rupert Standish ルパート・スタンディッシュ
    ライアン・フィリップ Ryan Phillippe as Henry Denton “ミスター・ワイズマン”ヘンリー・デントン
    スティーヴン・フライ Stephen Fry as Inspector Thompson トンプソン警部
    ケリー・マクドナルド Kelly MacDonald as Mary Maceachran “ミス・トレンサム”メアリー・マキーシュラン
    クライヴ・オーウェン Clive Owen as Robert Parks “ミスター・ストックブリッジ”ロバート・パークス
    ヘレン・ミレン Helen Mirren as Jane Wilson ミセス・ウィルソン(家政婦頭)
    アイリーン・アトキンス Eileen Atkins as Elizabeth Croft ミセス・クロフト(料理長)
    エミリー・ワトソン Emily Watson as Elsie エルシー(メイド頭)
    アラン・ベイツ Alan Bates as Mr. Jennings ジェニングス(執事)
    デレク・ジャコビ Derek Jacobi as Mr. Probert プロバート
    リチャード・E・グラント Richard E. Grant as George ジョージ(従者頭、金庫係)
    ジェレミー・スウィフト Jeremy Swift as Arthur アーサー (副従者頭)
    ソフィー・トンプソン Sophie Thompson as Dorothy ドロシー(キッチン・メイド)
    ロン・ウェブスター Ron Webster as Constable Dexter デクスター警官
    メグ・ウィン・オーウェン Meg Wynn Owen as Mrs. Lewis ルイス
    テレサ・チャーチャー Teresa Churcher as Bertha バーサ(キッチン・メイド)
    エイドリアン・スカーボロ Adrian Scarborough as Mr. Barnes “ミスター・メレディス”バーンズ
    フランシス・ロウ Frances Low as Sarah “ミス・メレディス”サラ
    ジョアンナ・モード Joanna Maude as Renee “ミス・ストックブリッジ”レニー

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<もっと詳しく>

ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
【ゴスフォード・パーク 第01段落】  1932 年 11 月。裕福な貴族、ウィリアム・マッコードル卿(マイケル・ガンボン)のカントリー・ハウス country house 〔田舎の大邸宅〕で、ハウス・パーティ house party 〔個人の家などで、一泊以上滞在して行われるパーティのこと〕が開かれる。パーティのメインは、雉(キジ)撃ちだ。雨でしっとりとした緑の芝生が美しい大邸宅ゴスフォード・パーク〔何故か映画の中では、ゴスフォード・パークという言葉が一言も出てこない。〕に、招待を受けた貴族とその使用人を乗せたクラシカルなロールス・ロイスが集まる。優雅な貴族たちのお遊びを支えるのは、その使用人たち。自らの主人を玄関で下ろすと、使用人たちは裏口からゴスフォード・パークの地下へと入る。

【ゴスフォード・パーク 第02段落】  使用人たちの仕事場である地下は、新たにやって来た招待客の従者やメイド、ゴスフォード・パークの使用人たちでごった返している。混乱を避けるために、招待客の使用人は、本人の名前ではなく、招待客の名前で呼ばれる。コンスタンス・トレンサム伯爵夫人(マギー・スミス:『 ミス・ブロディの青春 (1968) THE PRIME OF MISS JEAN BRODIE 』< 1970 年アカデミー主演女優賞>『 カリフォルニア・スイート (1978) CALIFORNIA SUITE 』<1979年アカデミー助演女優賞>
眺めのいい部屋 (1986) A ROOM WITH A VIEW
ハリー・ポッターと賢者の石 (2001) HARRY POTTER AND THE SORCERER'S STONE / HARRY POTTER AND THE PHILOSOPHER'S STONE
ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密 (2002) DIVINE SECRETS OF THE YA-YA SISTERHOOD
ハリー・ポッターと秘密の部屋 (2002) HARRY POTTER AND THE CHAMBER OF SECRETS
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (2004) HARRY POTTER AND THE PRISONER OF AZKABAN 』等 本作『 ゴスフォード・パーク (2001) GOSFORD PARK 』で 2002 年アカデミー助演女優賞ノミネート。)の新米メイドであるメアリー・マキーシュラン(ケリー・マクドナルド:『 トレインスポッティング (1996) TRAINSPOTTING 』等)は、マキーシュランではなく、”ミス・トレンサム”と呼ばれるのだ。

【ゴスフォード・パーク 第03段落】  映画『 ゴスフォード・パーク (2001) GOSFORD PARK 』では、そういったイギリス貴族の社会の様子がよく描かれている。脚本家のジュリアン・フェロウズは、外交官の父を持ち、若いころは贅沢に暮らしたそうだ。エジプト生まれなのも、きっと父親の仕事のためだろう。野心家の俳優としてむさ苦しい生活をしていた時でも、週末に家に戻ったときは、使用人に自分の洗濯をさせていたというお坊ちゃまだ。どこまで本当か分からないけど、ジョージ3世 George V( 1738-1820 :イギリス国王<在位 1760-1820>。低下した王権の回復に努めたが、植民地アメリカの独立にあい国民の不信を買った)統治下の軍医や、ネルソン卿 Horatio Nelson ( 1758-1805 :イギリスの海軍軍人・提督。1805年トラファルガー沖海戦でフランス・スペイン連合艦隊を撃滅。自身は戦死したがナポレオンのイギリス上陸の意図を挫折させた)と軍務に付いた海軍少将が先祖であるらしい。マギー・スミスが演じたスノッブ( snob 教養のある人間のように振る舞おうとする俗物)なトレンサム伯爵夫人は、彼の大叔母がモデルだそう。

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【ゴスフォード・パーク 第04段落】  映画『 ゴスフォード・パーク (2001) GOSFORD PARK 』は、群像劇を得意とするアルトマン監督の作品だけあって、登場人物が多い。俳優たちのより自然な演技が撮影できるように、カメラが二台据えられ、俳優たちにはワイヤレスマイクが装着されたそうだ。お蔭でアルトマン監督の作風であるというセリフの重なりができ、ボーッと字幕を観ていると、誰がしゃべっているのか分からなくなるし、沢山の登場人物で誰が誰かも分からなくなってくる。故に、ここで整理してみる。
 ■ 登場人物 ■
貴族 従者/メイド
【ウィリアム・マッコードル卿】
 ゴスフォード・パークの所有者である裕福な貴族。猟が好きで、今回のハウス・パーティでも雉撃ちを行う。しかし、腕前は決して良いとは言えない。第一次世界大戦で一儲けした彼のお金を当てにする貴族たちが、彼の周りに群がる。それで人を信頼できないのか、小型犬のピップを溺愛する。(しかし、本人も信頼を得る様な人物ではない。)
 妻シルヴィアの伯母のトレンサム伯爵夫人への仕送りや、シルヴィアの妹(姉?)ラヴィニアの夫であるアンソニー・メレディス中佐への融資を打ち切ろうと思っている。
 ピップを抱いたメイドのエルシーに付いた犬の毛を払うのに、わざと胸を触ったりする、スケベおやじ。シルヴィアの妹(姉?)ルイーザにも色目を使っているみたいで、女好きであるようだ。
 雉撃ちの時に、誰かの銃弾が彼の耳をかすめた。マッコードル卿の命を狙う人物がいる?

●マイケル・ガンボン as ウィリアム・マッコードル卿
スリーピー・ホロウ (1999) SLEEPY HOLLOW 』『 ワイルド・レンジ 最後の銃撃 (2003) OPEN RANGE 』等、『 ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (2004) HARRY POTTER AND THE PRISONER OF AZKABAN 』では、2代目ダンブルドア校長となる。
【ジェニングス】執事
●アラン・ベイツ as ジェニングス
プロフェシー (2002) THE MOTHMAN PROPHECIES 』『 トータル・フィアーズ (2002) THE SUM OF ALL FEARS 』等〔 2003 年 12 月 27 日膵臓癌で亡くなった。〕
【ミセス・ウィルソン】家政婦頭
 非の打ち所がなく、テキパキと恙無く使用人たちを統括。トレンサム伯爵夫人がストロベリー・ジャムが嫌いで、自家製のマーマレードが好きなことまでチェック。ストックブリッジ卿の従者であるロバート・パークスの名前に心当たりがあるよう。
●ヘレン・ミレン as ミセス・ウィルソン
『 キャル (1984) CAL 』< 1984 年カンヌ国際映画祭女優賞>『 英国万歳! (1994) THE MADNESS OF KING GEORGE 』< 1995 年カンヌ国際映画祭女優賞>『 カレンダー・ガールズ (2003) CALENDAR GIRLS 』等。本作『 ゴスフォード・パーク (2001) GOSFORD PARK 』で 2002 年アカデミー助演女優賞ノミネート。
【ミセス・クロフト】料理長
 ミセス・ウィルソンと仲が悪い。彼女もストックブリッジ卿の従者であるロバート・パークスの名前に心当たりがあるよう。
 彼女の部屋には幼い子供の写真が飾られている。
●アイリーン・アトキンス as ミセス・クロフト
めぐりあう時間たち (2002) THE HOURS 』『 ロイヤル・セブンティーン (2003) WHAT A GIRL WANTS 』『 コールド マウンテン (2003) COLD MOUNTAIN 』等
【エルシー】メイド頭
 ブロンドの髪に当世流のパーマをかけた彼女は、他の草臥れたメイドとは違う雰囲気を持っている。当時のハリウッド・スター、グレタ・ガルボが好きで、雑誌の切抜きをベッドの周りに張っている。同室となった、トレンサム伯爵夫人の新米メイドのメアリーに貴族たちのゴシップなど、色々とシニカルに教えてくれる。そんな彼女の会話の端々から、シルヴィアのことは嫌いだが、主人ウィリアムのことは気に入っていることが分かる。それもそのはず!彼女はウィリアムと通じていたのだ。ハウス・パーティ二日目の夕食の時に、「あなたが好きなのはお金と猟」と夫ウィリアムをなじったシルヴィアに、思わず反論の言葉が口から出てしまった。そんな一線を越えてしまったメイドは、クビになるしかない。
●エミリー・ワトソン as エルシー
アンジェラの灰 (1999) ANGELA'S ASHES 』『 パンチドランク・ラブ (2002) PUNCH-DRUNK LOVE 』『 レッド・ドラゴン (2002) RED DRAGON 』『 リベリオン (2002) EQUILIBRIUM 』等
【ジョージ】金庫係・従者頭
 エルシー曰く、女性に手がはやい。ハリウッドの映画プロデューサーの従者である、”ミスター・ワイズマン”のことが、どうも気に入らない。
●リチャード・E・グラント as ジョージ
ドラキュラ (1992) BRAM STOKER'S DRACULA 』等
【プロバート】ウィリアム・マッコードル卿付き従者
●デレク・ジャコビ as プロバート
【ルイス】シルヴィア・マッコードル夫人付きメイド
●メグ・ウィン・オーウェン as ルイス
抱擁 (2002) POSSESSION 』『 ラブ・アクチュアリー (2003) LOVE ACTUALLY 』等
【ドロシー】キッチン・メイド
 執事のジェニングスのことを陰ながら慕っている心のきれいな女性。
●ソフィー・トンプソン as ドロシー
エマ・トンプソン Emma Thompson (『 いつか晴れた日に (1995) SENSE AND SENSIBILITY 』『 トレジャー・プラネット (2002) TREASURE PLANET 』『 ラブ・アクチュアリー (2003) LOVE ACTUALLY 』等)の妹。
【バーサ】太ったキッチン・メイド
 トレンサム伯爵夫人付きメイドのメアリーに、アイロン室で貴族の男性と通じていたことを気付かれる。メアリーは彼女のお相手がウィリアム・マッコードル卿だと思っているが…。
 台所から銀の肉切りナイフが足りないことに気付く。
●テレサ・チャーチャー as バーサ
【アーサー】副従者頭
 昔、俳優になりたかったと言う彼は、マッコードル卿の従弟のハリウッド・スター、アイヴォア・ノヴェロのことが好きみたい。
●ジェレミー・スウィフト as アーサー
 
【シルヴィア・マッコードル夫人】
 カートン伯爵の美女三姉妹のうちの一人。カートン伯は、一年の半分を高級保養地で暮らすために、シルヴィアかルイーザをマッコードル卿の妻にすることにした。トレンサム伯爵夫人曰く、どちらの娘をマッコードル卿に嫁がせるかは、カードで決めたそうだ。
 ルイーザに食指を伸ばす、女好きな夫マッコードル卿への当て付けか、ルイーザの夫ストックブリッジ卿と以前”何か”あったかも?
 シルヴィアの夫ウィリアムへの気持ちは、当然ながら冷め切っている。夫とメイドのエルシーとの関係が明らかになった時も、「以前から知っていた」と感情的にはならなかった。
 乗馬が好きで、倦怠感を漂わせる有閑マダム。彼女の食指は、ハリウッドからやって来た、ニュー・タイプな従者、”ミスター・ワイズマン”ことヘンリー・デントンに…。

●クリスティン・スコット=トーマス as シルヴィア・マッコードル夫人
イングリッシュ・ペイシェント (1996) THE ENGLISH PATIENT 』等
【イゾベル・マッコードル】
 ウィリアムとシルヴィアの娘。マッコードル卿の財力を狙って、お年頃の彼女に手を出す男どものせいで悩み、面やつれしている。
 フレディー・ネスビットは、妻がいるにも拘らず、イゾベルと不倫し、その関係を利用してマッコードル卿に仕事の斡旋をしてもらおうとしているし、まだ学生の貴族の次男坊ルパート・スタンディッシュは、イゾベルにやがて入る遺産目当てに求婚している。
 彼女は未婚の娘なので、ベッドで朝食をとらない。

●カミーラ・ラザフォード as イゾベル・マッコードル
【コンスタンス・トレンサム伯爵夫人】
 シルヴィアたち三姉妹の伯母。シルヴィアがウィリアム・マッコードル卿と結婚したお蔭で、卿から仕送りを受けて生活している。
 親戚のハリウッド・スター、アイヴォア・ノヴェロの素晴らしい歌とピアノを素直に受け入れず、嫌味ばかり言っている。
 給料が安くて済む若い娘をメイドを使っていたり、まだ、古い型のロールス・ロイスに乗っていたりと、切り詰めた生活を送っているようだ。それで、ハウス・パーティの間に機会をうかがって、ウィリアムに仕送りの値上げを頼もうと思っている。ところが、姪のシルヴィアの話によると、ウィリアムが自分への送金をやめようとしているらしい…。
●マギー・スミス as コンスタンス・トレンサム伯爵夫人
【メアリー・マキーシュラン/“ミス・トレンサム”】
 トレンサム伯爵夫人付きの新米のメイド。水筒のふたが開かないとか、急にブラウスの洗濯をさせられたりとか、スノッブな伯爵夫人のお世話は大変。招待客の一人であるハリウッド・スター、アイヴォア・ノヴェロに憧れる、まだまだ少女の彼女であったが、初めて体験するゴスフォード・パークでのハウス・パーティで、戸惑いながらもメイド道そして人生を学んでいく。一応、群像劇『 ゴスフォード・パーク (2001) GOSFORD PARK 』の主人公的存在。
 若くて鋭い感受性を持つ彼女は、ゴスフォード・パークで起こる事件の真相を知ることになる。
●ケリー・マクドナルド as メアリー・マキーシュラン
【アイヴォア・ノヴェロ】
 ウィリアム・マッコードル卿の従弟。赤いロールスロイスに乗っている、ハリウッド・スター。夕食後、貴族たちは彼の美しいピアノと歌声をBGMに他愛無い会話や、カード・ゲームを楽しむ。
 実在の俳優・脚本家・作曲家のアイヴォア・ノヴェロ( 1893-1951 )がモデル。イギリスはウェールズ出身のノヴェロは、収税官の父親と有名な歌の教師である母親の息子。映画『 ゴスフォード・パーク (2001) GOSFORD PARK 』で言及された、ノヴェロが教師の息子であることや、映画『 下宿人 (1926) THE LODGER 』(アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock 監督)に出演していることなどは本当だ。また、映画の中で、実際に彼が作曲した曲も使われているそうだ。
●ジェレミー・ノーサム as アイヴォア・ノヴェロ
理想の結婚 (1999) AN IDEAL HUSBAND 』『 エニグマ (2002) ENIGMA 』『 抱擁 (2002) POSSESSION 』等
 
【ヘンリー・デントン/”ミスター・ワイズマン”】
 怪しいスコットランド訛りがある。ゴスフォード・パークでは、”ミスター・ストックブリッジ”と同室。木型を入れて靴を磨くことを知らなかったような節があったり、他の使用人たちに色々質問したり、あまり従者暦は長くない?
 夜、「やめましょう。危険です。」と言う彼に、主人ワイズマンは黙ったまま。一体何をやめるというのか?その時、ワイズマンから床に散らかった衣類を片付けるように言われた彼は、乱暴にそれらを拾い上げた。
 ちょっと謎めいた雰囲気が女心を擽(くすぐ)ったのか、シルヴィアに気に入られ、夜のお相手を務める。また、自らも女性を求める性質なようで、自分の部屋に“ミス・トレンサム”を引き入れて犯そうとしたり、シルヴィアに思わず反論してしまって部屋に引きこもったエルシーを誘おうとしたりと、かなりな女好きだ。(でも、“ミス・トレンサム”とエルシーには嫌われる。)
 “ミス・トレンサム”をベッドに押し倒したときに見えた彼のズボンのウェストのところに、”FOX衣装部”の文字があり…。

●ライアン・フィリップ as ヘンリー・デントン
Re:プレイ (2003) THE I INSIDE 』等。
 リース・ウィザースプーン Reese Witherspoon (『 リトル★ニッキー (2000) LITTLE NICKY
キューティ・ブロンド (2001) LEGALLY BLONDE
メラニーは行く! (2002) SWEET HOME ALABAMA
キューティ・ブロンド/ハッピーMAX (2003) LEGALLY BLONDE 2: RED, WHITE & BLONDE 』等)が奥さん。
【モリス・ワイズマン】
 『探偵チャーリー・チャン』シリーズのハリウッド映画プロデューサー。イギリスを舞台にした、シリーズ最新作映画のために、貴族の生活をリサーチしにやって来た。カントリー・ハウスで猟が行われ、夜中に殺人がおこり、居合わせた全員が容疑者になる…というのが、その映画のストーリー。
伯爵夫人: How horrid. And who turns out to have done it? (恐ろしい。それで誰が犯人?)
ワイズマン: Oh, I couldn't tell you that. It would spoil it for you.(観るまでのお楽しみです。)
伯爵夫人: Oh, but none of us will see it. (私たちは観ないわ。)
 彼の新作映画『 チャーリー・チャンのロンドンの冒険 (1934) CHARLIE CHAN IN LONDON 』は、実在の映画。しかし、本当の映画のプロデューサーはジョン・ストーン John Stone ( 1888-1961 )という人で、モリス・ワイズマンは架空の人物。
 アメリカ人である彼は、ゴスフォード・パークに集まっている英国貴族たちを鼻持ちならない連中だと思っている。菜食主義者で、雉撃ちもノヴェロと従者と共にリサーチのために見学。
●ボブ・バラバン as モリス・ワイズマン
タキシード (2002) THE TUXEDO 』(uncredited)『 みんなのうた (2003) A MIGHTY WIND 』等
【レイモンド・ストックブリッジ卿】
 シルヴィアの妹(姉?)ルイーザの夫。妻ルイーザとの関係は冷めている。耳が少し悪いみたい。もしかしたらそれは第一次世界大戦の後遺症かも?シルヴィア曰く、彼は彼女たちの一族では大戦の時に前線で戦った唯一の人物らしい。彼に近づこうとするシルヴィアに対して、わざと距離を置こうとしている。妻の姉のモーションに引っかからないのは、一般人的には当たり前だど、貴族にしては、真面目で退屈みたい。

●チャールズ・ダンス as レイモンド・ストックブリッジ卿
スイミング・プール (2003) SWIMMING POOL 』等
【ロバート・パークス/“ミスター・ストックブリッジ”】
 招待客の使用人は、皆主人の名前で呼び合う中、“ミス・トレンサム”に本当の名前を尋ねる。
 主人たちの夕食の進行を見計らって、地下で使用人たちが食事をする時、テーブルの席順は主人の位に従って座る。彼が末席に座っていたから、ストックブリッジ卿は案外位が下みたい。執事のジェニングスが夕食を取り分けていると、”ミスター・ワイズマン”が「親の代から奉公人の人は?」と皆に質問した。“ミスター・ストックブリッジ”が施設で育ったことを明らかにすると、一瞬その場が沈黙に。
 彼が部屋に戻ると、”ミスター・ワイズマン”に危険な目に合わされそうになって部屋を出ようとした“ミス・トレンサム”ことメアリーに出会う。彼女が去った後、彼は”ミスター・ワイズマン”を咎めるようなことはしなかった。”ミスター・ワイズマン”は彼に質問をした。ウィリアム・マッコードル卿はいい人かと訊かれ、彼は否定した。彼は以前は伯爵家で働いていたが、ストックブリッジ卿のところに移ってきたそうだ。また、彼のベッドの横に飾られた写真の母親は、若くして工場で働き、彼を産んで亡くなったらしい。
 彼はマッコードル卿のことが嫌いなようだ。そのことを感じたメアリーが彼に尋ねてみると、「今に分かる。」と意味ありげ…。
●クライヴ・オーウェン as ロバート・パークス
ボーン・アイデンティティー (2002) THE BOURNE IDENTITY 』『 すべては愛のために (2003) BEYOND BORDERS 』『 キング・アーサー (2004) KING ARTHUR 』等
【レニー/”ミス・ストックブリッジ”】
●ジョアンナ・モード as レニー
【ルイーザ・ストックブリッジ夫人】
 シルヴィアの妹(姉?)。姉の夫ウィリアム・マッコードル卿と関係がある?

●ジェラルディン・ソマーヴィル as ルイーザ・ストックブリッジ夫人
ハリー・ポッターと賢者の石 (2001) HARRY POTTER AND THE SORCERER'S STONE / HARRY POTTER AND THE PHILOSOPHER'S STONE 』『 ハリー・ポッターと秘密の部屋 (2002) HARRY POTTER AND THE CHAMBER OF SECRETS 』(uncredited)等
【アンソニー・メレディス中佐】
 お金に困っている。ウィリアム・マッコードル卿とスーダンで事業を始めようとしていたが、卿が融資をやめることにしたため、破産の大ピンチ。切羽詰ってピリピリしてる小男。
●トム・ホランダー as アンソニー・メレディス中佐
エニグマ (2002) ENIGMA 』『 抱擁 (2002) POSSESSION 』等
【バーンズ/”ミスター・メレディス”】

●エイドリアン・スカーボロ as バーンズ
堕天使のパスポート (2002) DIRTY PRETTY THINGS 』等


【サラ/”ミス・メレディス”】

●フランシス・ロウ as サラ
【ラヴィニア・メレディス夫人 】
 シルヴィアの妹(姉?)。三姉妹の中では、一番心あるかも。
●ナターシャ・ワイトマン as ラヴィニア・メレディス夫人
使用人を連れてこなかった貴族
【フレディー・ネスビット】
 伯爵夫人曰く、猟の人数合わせに招待された人。イゾベルとの不倫をネタに、ウィリアム・マッコードル卿から仕事を得ようとしている。お金目当てに民間出の妻と結婚したが、案外少なくて、使い果たしてしまった。妻メイベルは、貴族たちの間で身のつまされる思いをしているというのに、彼女を守る才覚もない最低な男だ。
●ジェームズ・ウィルビー as フレディー・ネスビット
【メイベル・ネスビット】
 貴族のハウス・パーティに緊張を隠せない元民間人。父親は手袋工場の経営者。一張羅の緑色の機械編みレースのドレスは安物で、靴もちぐはぐだとエルシーの失笑を買っている。また、毎回同じ服であることは、伯爵夫人のイヤミの的にもなっている。夫フレディーとイゾベルのことは知っていて、まだちゃんと夫婦喧嘩をする位、夫への愛情がある。
●クローディー・ブレイクリー as メイベル・ネスビット
【ルパート・スタンディッシュ】
 イゾベルに求婚中だが、ウィリアム・マッコードル卿から反対されている。貴族の次男で、余り遺産が手に入らないので、イゾベルが手にする遺産を狙っている。
 ハウス・パーティには遅れて出席。
●ローレンス・フォックス as ルパート・スタンディッシュ
【ジェレミー・ブロンド】
 ルパートの学友。彼と一緒に遅れてハウス・パーティにやって来る。メアリーがマッコードル卿だと思ったキッチン・メイドのバーサのお相手の貴族は、実は彼だった。
●トレント・フォード as ジェレミー・ブロンド
ラブ・スクール (2003) HOW TO DEAL 』等

【ゴスフォード・パーク 第05段落】  雉撃ちが行われた日の夜、夕食を終えた貴族たちが、アイヴォア・ノヴェロの美しいピアノと声が響く中、豪華な部屋で寛(くつろ)いでいる。トレンサム伯爵夫人とイゾベルとルパートとフレディーは、カードを楽しんでいる。ソファで他愛のない会話をしているシルヴィアとルイーザ。その近くにストックブリッジ卿。少し離れたソファにラヴィニアとアンソニー。モリス・ワイズマンは外のホールでカリフォルニアに電話をかけている。メイベル・ネスビットは、ノヴェロの横でピアノの音色に酔いしれ、同じように使用人たちもそれぞれの持ち場で音楽にウットリ。(ノヴェロの音楽に心から感動しているのは、民間人だけみたい。)貴族たちと一緒にいる使用人は、執事のジェニングスと従者頭のジョージ。

【ゴスフォード・パーク 第06段落】  ちょうどその前の夕食で、エルシーとの関係がバレ、極り悪くなったウィリアム・マッコードル卿は、書斎で独りピストルの手入れをしている。もちろん犬のピップも一緒だ。そこへミセス・ウィルソンがコーヒーを運んで来た。ウィリアムは、欲しければ自分でベルを鳴らすと言って、乱暴にそのコーヒーを床へ叩き落した。書斎にはウィスキーのセットが置いてあり、ウィリアムはミセス・ウィルソンにウィスキーを注いでくれるように頼む。ウィリアムはミセス・ウィルソンに手渡されたウィスキーを飲んだ。

【ゴスフォード・パーク 第07段落】  フレディーがブリッジをしている席を立ち、部屋の外に出た。階段を上がる振りをして、また別の方向へ行くという挙動不審なところを見せる。また、アンソニーも途中で部屋を出た。ジョージもミルクを取りに行くとジェニングスに言って、タバコを吸いに外に出た。メアリーは他の使用人たちと同様に、こっそりと階下の部屋を覗き込んで、ノヴェロの生演奏に心震わせている。ロバートはそんな彼女の傍を離れて、どこかへ行ってしまったが、メアリーは歌声に感動しきっている。

【ゴスフォード・パーク 第08段落】  屋敷の中から出てきた男が外からやってきたように装うために、泥の付いた靴に履き替え、再び使用人の出入り口から進入してきた。その男は、廊下のゴミ(?)バケツから銀の肉切りナイフを取り出し、ゆっくりとウィリアム・マッコードル卿の書斎へと近づいていった。ウィリアムは机にうつ伏せになって座っている。眠っているのだろうか?男はウィリアムを上に向かせると、一思いに胸を突いた。しかし、ウィリアムはうめき声も上げないし、傷口から血も吹き出ない。

【ゴスフォード・パーク 第09段落】  貴族たちが集っている部屋に、部屋を出た人間、フレディー、ジョージ、アンソニーが戻って来る。やっぱり主人がいなくてはと、シルヴィアに頼まれたルイーザが、書斎にいるウィリアムを呼びに行く。カントリー・ハウス中にノヴェロの歌声が響いている。ルイーザの叫び声!和やかな雰囲気が吹っ飛んでしまった。貴族も使用人も急いでウィリアムの書斎にやって来ると、そこには変わり果てたゴスフォード・パークの主人の姿が…。モリス・ワイズマンの映画が現実になってしまった。

【ゴスフォード・パーク 第10段落】  トンプソン警部(スティーヴン・フライ:『 ル・ディヴォース/パリに恋して (2003) LE DIVORCE 』等)と部下の警官デクスター(ロン・ウェブスター)が殺人事件の捜査のためにゴスフォード・パークを訪れた。モリス・ワイズマンはそんなことお構いなしにカリフォルニアに電話をかけている。彼にとっては、この殺人事件は心を痛めるものではなく、新作映画『チャーリー・チャン…』の格好の題材だった。ワイズマンが電話口で口にする女優は、クローデット・コルベール Claudette Colbert ( 1903-1996 )やクララ・ボウ Clara Bow ( 1905-1965 )といった、当時を代表するハリウッド・ミューズだ。

【ゴスフォード・パーク 第11段落】  まず、ウィリアム付きの従者であるプロバートが、殺害現場にいるトンプソン警部に呼ばれた。机にうつ伏せにされたままの主人ウィリアムを見て、プロバートはもう少し楽な姿勢にしてあげたいと警部に願った。警部の許可を得て、プロバートがウィリアムの上半身を起き上がらせると、突き刺さったナイフが胸に。ギョッとするプロバートを見て、トンプソン警部はそれ見たかとせせら笑い。その時、上司とは違って、観察力のある警官デクスターが不自然な死体に気付く。ナイフの傷口から血がほとんど出ていないのだ。ウィリアム・マッコードル卿は、ナイフで刺された時にすでに毒殺されていた。彼は二度殺されたのだ。

【ゴスフォード・パーク 第12段落】  ベッドですすり泣いているルイーザに、夫のストックブリッジ卿は、” Do stop sniveling, anyone would think you're Italian. (イタリア人みたいに泣くな。)”とピシャリ。また、本妻のシルヴィアはというと、神妙な面持ちでベッドに横たわっている。ところが、”ミスター・ワイズマン”ことヘンリー・デントンが部屋に忍んで来ると、” Well, I suppose life must go on. Unhook me. (人は生き続けるのね。ホックを外して。)”と今夜も火遊び。翌朝、朝食に向かうアンソニー・メレディス中佐は、” There is one thing. The bastard's death may have saved my bacon. (あいつの死で破産は免れそうだ。)”と妻のラヴィニアに漏らす。

【ゴスフォード・パーク 第13段落】  いつも主人たちの噂話をしている使用人たちの翌朝の話題は、やはりウィリアム・マッコードル卿の殺人事件。それと、”ミスター・ワイズマン”は実は従者ではなく、ハリウッドの俳優であったということ。昨夜、マッコードル卿の死体が見つかった後、”ミスター・ワイズマン”は執事のジェニングスに本当のことを告白したのだ。”ミスター・ワイズマン”こと俳優ヘンリー・デントンが役作りのために、使用人になりすましていたことは、マッコードル卿も認めていたことだったらしい。何にせよ嘘をついていたヘンリーは、貴族側にも、使用人側にも居場所がなくなってしまう。

【ゴスフォード・パーク 第14段落】  仕えていた主人が殺されたことに動揺している若いキッチン・メイドに、ミセス・クロフトが話す。” Well, he wasn't exactly Father Christmas. (マッコードル卿は聖人ではなかった。)”彼の工場には、若い娘が沢山いて、女好きの経営者のお蔭で、娘たちにトラブルが耐えなかった。彼女たちが妊娠すると、産まれた子は養子に出され、養子に出すのを拒めば、仕事をクビになった。ウィリアム・マッコードル卿はそういう男だったのだ。

【ゴスフォード・パーク 第15段落】  ウィリアム・マッコードル卿が殺された夜、ノヴェロがピアノを弾く部屋から出て行った二人の貴族、フレディーとアンソニーは何をしていたのか?フレディーはイゾベルの部屋にウィリアムに自分たちの関係をばらすと脅迫状を入れていた。そんな姑息な手段で職を得ようなんて、情けない男だ。マッコードル卿が死んでしまうと、再び猫撫で声でイゾベルに取り入り、小切手をもらおうとする。アンソニーはたぶん下に降りて、食料貯蔵室のジャムを舐めていたと思う。アンソニーには、気がめいるとジャムを舐めるという習性があるようだ。

【ゴスフォード・パーク 第16段落】  アンソニー付きの従者バーンズから、アンソニーにはウィリアムを殺す動機が十分にあることを聞いたトンプソン警部は、アンソニーをしつこく尋問した。アンソニーにとっては、尋問は随分堪えた。その後、廊下で出遭ったストックブリッジ卿がアンソニーにあんまり貪欲になるなと諌めた。ストックブリッジ卿は言った。” I saw you. Of course it was an accident. When a man is as short as you, I know it must be very difficult to gauge the height of the birds. (私は見たんだ。もちろん事故だったよ。君のように背の低い男には、高いところにいる鳥を狙うのはとても難しいからね。)”雉撃ちの時、ウィリアムの耳をかすった銃弾は、アンソニーのものだったのだ。

【ゴスフォード・パーク 第17段落】  下の食料貯蔵室で、気がめいったアンソニーがジャムを舐めているのを、キッチン・メイドのドロシーが見つけた。居るはずのない貴族が居るのを見て、ドロシーは驚いたが、彼に別のジャムを勧めるという気配りを見せた。ボヤくアンソニーに、きれいな心のドロシーは言った。” I believe in love. Not just getting it. Giving it. I think as long as you can love somebody, whether or not they love you, then it's worth it and... (私は愛を信じます。人に愛を与えることを。愛されなくても、愛することが大切なんです。)”密かに心を寄せている執事のジェニングスの役に立とうとする彼女らしい言葉である。純朴なキッチン・メイドの真摯な返答に、アンソニーは何が大切かを悟ったようだ。再び貴族たちの部屋に戻ると、妻のラヴィニアに思い切りキスをした。

【ゴスフォード・パーク 第18段落】  フレディーの妻メイベルは、伯爵夫人のイヤミのお蔭か、殺人事件のお蔭が、強くなったみたい。隠れてイゾベルから小切手をもらった夫に、自分にそれを渡さないと大声を出すと、けんか腰。貴族たちが集まる部屋でそんなことをされては、自分の面目が丸つぶれだと考えたフレディーは、その場で小切手を破った。

【ゴスフォード・パーク 第19段落】  そうそう、殺人事件の捜査はというと、まだトンプソン警部は犯人に辿り着けないでいる。というか、トンプソン警部にはその才能がない。指紋採取の済んでいない殺人現場にあるウィスキーの瓶を素手で触ったりもするし、デクスターがせっかく見つけた貴重な物証〔割れたコーヒー・カップや泥の付いた足跡〕に目もくれないのだから。ウィリアム・マッコードル卿殺人事件は、迷宮入りになるかも?招待客も使用人たちも足止めしていたトンプソン警部は、明日皆を解放することにした。

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【ゴスフォード・パーク 第20段落】  ゴスフォード・パークで過ごす最後の夜、仕事を終えたメアリーは部屋で淡々と過ごすエルシーにマッコードル卿との愛は本物だったのかどうか尋ねた。エルシーによると、お互いにそんな真剣なものではなかったようだ。でも、たぶん根っからの使用人にはなれないエルシーには、マッコードル卿との情事に優越感があっただろうし、「望めば叶う」と言ってくれたマッコードル卿は、彼女にとっては大切な人だったに違いない。エルシーは今回の出来事を変わるチャンスだと捉えていた。それはマッコードル卿の教えでもある。” Carpe diem.(カルペ・ディエム) ”は英語で言う” Seize the day. (機会を逃すな。/今を生きろ。)”

【ゴスフォード・パーク 第21段落】  ラテン語”Carpe diem.(カルペ・ディエム)”は、古代ローマの詩人ホラティウス Horatius / Horace (前 65-前 8 )が「歌集」の中で使った言葉で、その瞬間を生きるようにと伝える文学用語となっている。そのテーマは 16〜17 世紀の恋愛詩の中で広く用いられ、映画『 いまを生きる (1989) DEAD POETS SOCIETY 』のロビン・ウィリアムズ Robin Williams (
パッチ・アダムス (1998) PATCH ADAMS
ストーカー (2002) ONE HOUR PHOTO
デス・トゥ・スムーチー (原題) (2002) DEATH TO SMOOCHY
NOEL ノエル (2004) NOEL
ファイナル・カット (2004) THE FINAL CUT
ロボッツ (2005) ROBOTS 』等)演じる教師が生徒たちに読ませた、ロバート・ヘリック Robert Herrick ( 1591-1647 :イギリスの詩人)の詩「 To the Virgins, to Make Much of Time 」がその良い例である。
−To the Virgins, to make much of Time−
Gather ye rosebuds while ye may,
Old time is still a-flying;
And this same flower that smiles today
Tomorrow will be dying.

マッコールド卿はロマンティックな人でもあったのかな?

【ゴスフォード・パーク 第22段落】  その言葉を聞いて、メアリーは急いで部屋を出た。彼が犯人かどうかはっきりさせる機会を逃してはならない。突然部屋に入ってきたメアリーに少々驚いたのは、ロバート・パークス。メアリーはロバートにマッコードル卿のことを知らないのに憎んでいたのは何故なのか尋ねた。実はウィリアム・マッコードル卿はロバートの父親だった。もちろん故人はそのことを知らない。彼を産んで死んでしまったロバートの母親はマッコードル卿の工場の従業員だった。そして彼の母親だけでなく、大勢の女性が同じような目に遭い、子供たちが施設へ送られた。施設はマッコードル卿の悪行に見て見ぬ振りをしてお金をもらっていた。ロバートは施設で自分のファイルを見て自分の出生について知り、そこから母親の写真も盗んだ。

【ゴスフォード・パーク 第23段落】  父を憎み続けたロバートは、父を殺すためにストックブリッジ卿のところで働くことにしたのだろう。ところが、ロバートはマッコードル卿を毒殺したことは否定した。彼は毒殺されたマッコードル卿をナイフで刺したのだ。では、マッコードル卿を殺したのは誰か?しかし、ロバートにはそんなことはもうどうでもよかった。ロバートは、初めて会ったときからしたかったと、いきなりメアリーにキスをする。しかし、父親を反面教師にしているのか、それ以上はしなかった。

【ゴスフォード・パーク 第24段落】  真夜中、使用人たちの食卓で酔いつぶれているジェニングス。ミセス・ウィルソンとドロシーが泥酔の彼を部屋まで運んだ。彼がこんなになっているのには訳がある。彼には人には言えない秘密があるのだ。翌日、屋敷を出る前にデクスター警官がジェニングスを訪ねた。デクスターはこの屋敷は毒薬で溢れていると言って、ジェニングスの反応を見た。デクスターはジェニングスが隠し続けてきたことを知っていた。彼は屋敷に居たものの中で、唯一前科のある人間だった。ジェニングスは第一次世界大戦時に兵役を拒否して刑務所に居たことがあった。そんなことが知れれば、ジェニングスは執事の職を追われてしまう。デクスターの兄も良心的兵役拒否者だったそうで、ジェニングスを咎めることはしなかった。デクスターが部屋を出た後、ジェニングスは鏡の前で兵隊のように敬礼をしたが、虚しくその手を下ろした。

【ゴスフォード・パーク 第25段落】  貴族たちが屋敷を後にする。階段を下りながらイゾベルの遺産について話すルパートとブロンドの話を聞いて、イゾベルはルパートの本性を知り、愕然とする。イゾベルに取り成そうとするルパートだったが、もう遅かった。エルシーはマッコードル卿の犬ピップを連れて、屋敷を出る。そんなエルシーにワイズマンがロンドンまで送ろうと声をかけた。エルシーは変化を求めてアメリカ人の赤いロールスロイスに乗った。

【ゴスフォード・パーク 第26段落】  トレンサム伯爵夫人は部屋で召使へのチップを封筒に入れるのに大わらわだった。メアリーは伯爵夫人の荷物をまとめていると、シルヴィアが入ってきた。メアリーは二人の話からミセス・ウィルソンとミセス・クロフトが昔マッコードル卿の工場で働いていたことを知った。シルヴィアが話しているには、ミセス・ウィルソンの元の苗字がパークスかパーカーかパーキンソンだったらしいのだ。メアリーは真犯人が誰だか知った。

【ゴスフォード・パーク 第27段落】  メアリーがミセス・ウィルソンのところへ行くと、彼女はナプキンの在庫調べをしているところだった。犯人を知ってしまったメアリーにミセス・ウィルソンは淡々と真相を話した。ミセス・ウィルソンは子供にだけはいい暮らしをさせたいと思い、養子に出すというマッコードル卿の考えを受け入れ、子供を手放した。しかし、それは嘘で、実際には子供は施設に入れられた。ミセス・クロフトは実はミセス・ウィルソンの姉で、彼女もまたマッコードル卿の子供を産んでいた。妹のとった行動が許せない彼女は、子供を手放すことを拒み、クビになった。その上、その子供はしょうこう熱で死んでしまった。だからミセス・クロフトの部屋には赤ん坊の写真が飾られていたのだ。ロバートの部屋にあった彼の母親の写真は、ミセス・ウィルソンが赤ん坊に持たせたものだ。ミセス・ウィルソンはミセス・クロフトの復職を願い出て、二人はまた一緒に働くようになった。

【ゴスフォード・パーク 第28段落】  優れた使用人は的確に先を読むことができる。主人が空腹の時は食事を用意し、疲れている時はベッドを用意する。言われなくても、次の動作が分かるのだ。完璧な使用人のミセス・ウィルソンは、息子のロバートが何のためにこの屋敷を訪れたのか察知した。彼女はロバートを守るために、先にマッコードル卿を毒殺した。
ミセス・ウィルソン: Not much of a crime to stab a dead man, is it? They can never touch him. That's what's important, his life. (死体を刺して何の罪になるの?あの子の人生を救えればそれでいいの。)
メアリー: And your life? (あなたの人生はどうなるの?)
ミセス・ウィルソン: Didn't you hear me? I'm the perfect servant; I have no life. (聞いてなかったの?私は完璧な使用人よ。私には人生なんてないわ。)

【ゴスフォード・パーク 第29段落】  ジョージがトレンサム伯爵夫人が出発することを告げに来た。ミセス・ウィルソンはメアリーに行くように言った。

【ゴスフォード・パーク 第30段落】  一人自室に戻り、嗚咽するミセス・ウィルソン。いつも冷静沈着な彼女が感情的になっている。そこへミセス・クロフトがやって来た。
ミセス・クロフト: Don't cry, Jane. They'll hear you. Come on. You did what you felt was best for him at the time. I see that now. (泣かないで、ジェーン。外に聞こえるわよ。さぁ。あなたは彼にとって一番いいと思うことをやった。今はそれがわかるわ。)
ミセス・ウィルソン: Lizzie. I've lost him. I've lost him. He'll never know me now. My boy. Oh, my boy.(リジー。私は彼を失ってしまった。失ってしまったのよ。彼は私のことを決して知ることはないわ。私の息子よ。あぁ。)
ミセス・クロフト: Well, at least your boy is alive. He's alive. That's what matters. (でもね、あなたの息子は生きてるじゃない。生きてるのよ。それが重要だわ。)
抱き合う姉妹。

【ゴスフォード・パーク 第31段落】  メアリーは”ミスター・ストックブリッジ”ことロバートに真犯人について明かすことなく、彼に別れを告げた。車に乗ったトレンサム伯爵夫人は不安げな面持ちで裁判になって召喚されるようなことがあったらどうしようとメアリーに尋ねた。完璧な使用人に近づいていっているメアリーは毅然として答える。” I know. And what purpose could it possibly serve anyway? (そんな事をして一体何の益が?)”トレンサム伯爵夫人はそんなメアリーを頼もしく感じた。黄色いロールスロイスがゴスフォード・パークを離れて行く。伯母を送り出したシルヴィアが屋敷の中へと入り、執事のジェニングスがドアを閉めた。

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〔ゴスフォード・パーク 感想〕
 1932 年と言えば、日本では 3 月 1 日の満州国建国、 5 月 11 日の五・一五事件、ドイツでは 7 月にナチスが第一党に躍進するなど、キナ臭くなってきた頃。第一次世界大戦で勝利したものの傷だらけの大英帝国は確実に変化していた。貴族たちも帝国の衰退を感じ始めている。
−初日の夕食での貴族たちの会話。
アンソニー: You mean you think he's losing interest in that sort of thing?(ウィリアムがそのようなこと<つまり、アンソニーが企てているスーダンでの帝国主義的な事業>に興味を失っているって君は思ってるの?)
イゾベル: Well, not just that. The whole Empire. I think he said the steam's gone out of it.(それだけじゃないわ。帝国全部に関してよ。父は帝国の活力が失われたと言ってたと思うわ。)
アンソニー: William? That's not true, is it? That you think the Empire's finished?(ウィリアムが?嘘だろ?大英帝国が終わってしまったって言うのかい?)
ウィリアム: I've been what?(私が何だって?)
フレディー: Well, the Empire was finished after the war. Well, because of the war. It changed everything.(大英帝国は大戦後終わったんだよ。戦争のためにね。それで全てが変わってしまった。)
ウィリアム: Empire Leicester Square?(帝国って、レスター・スクエア帝国劇場<ロンドンの劇場>のこと?)
ラヴィニア: Well, I don't care what's changed or not changed. As long as our sons spared what you all went through.(私は変わろうが変わらなかろうが構わないわ。私たちの息子が出征しなくても済むならね。)

 多くの良心的なエリート層の若者を失った第一次世界大戦は、まさにイギリスにとって「悲しみの大戦」だった。確信に支えられて統治を行うエリート層を無くしたイギリスの精神は、徐々に退廃的になっていく。イギリスのカントリー・ハウスを舞台にした映画『 ゴスフォード・パーク (2001) GOSFORD PARK 』では、モラルを失い、威厳も失った貴族たちと、彼らに仕える使用人たちの心や行動の変化を描くことで、大英帝国の衰退と新たな時代の到来を描き出している。

 国家自体が大打撃を受けた第一次世界大戦で富を築き、上下両方の身分の女性たちを従え、ウィリアム・マッコールド卿の帝国は繁栄した。新たな大戦の足音が聞こえ始めたころ、その帝国に衰退の兆しが見え始める。その流れを食い止めるため、マッコールド卿は緊縮財政を行おうとするが、致命的な問題はすでに成長を遂げていた。マッコールド卿は自らが生み出した問題によって崩壊する。まさに大国が内憂によって滅びるように。

 しかし、仕える主人がだらしなくなっていても、ラストシーンのメアリーのように使用人たち庶民は逞しく生きている。英国貴族たちは、アメリカ人のワイズマンたちを小ばかにしていたが、イギリス庶民たちはアメリカ・ハリウッドが発信する映画や音楽に心奪われている。 20 世紀は、誰もが機会を手にすることができる国、アメリカの世紀だ。ハリウッド映画好きのエルシーは、変化を求めて旅立った。そういうアメリカ的なものの影響のせいなのだろうか、現在イギリス人の執事は少なくなっていて、後進国からやって来た労働者がその職に付くことが多いらしい。ミセス・ウィルソンのような自己犠牲タイプの使用人も、大英帝国の衰退と共に消えていってしまったのだろうか。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず19216文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      「ゴスフォード・パーク」日本語公式サイト
      大辞林
      infoplease
      「大英帝国衰亡史」中西輝政 著(PHP研究所)
■映画『 ゴスフォード・パーク (2001) GOSFORD PARK 』の更新記録
2004/02/08新規: ファイル作成
2005/03/01更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
2005/12/04更新: ◆データ追加
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幸田 幸
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