ブラック・ダイヤモンド
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ブラック・ダイヤモンド (2003)
CRADLE 2 THE GRAVE
 映画『 ブラック・ダイヤモンド (2003) CRADLE 2 THE GRAVE 』をレヴュー紹介します。

 映画『 ブラック・ダイヤモンド CRADLE 2 THE GRAVE 』を以下に目次的に紹介する。
■映画『 ブラック・ダイヤモンド 』のポスター、予告編および映画データ
■映画『 ブラック・ダイヤモンド 』の解説
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■ジェット・リー作品
■映画『 ブラック・ダイヤモンド 』のスタッフとキャスト
■映画『 ブラック・ダイヤモンド 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 ブラック・ダイヤモンド 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 ブラック・ダイヤモンド (2003) CRADLE 2 THE GRAVE 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 ブラック・ダイヤモンド 』の結末
映画『 ブラック・ダイヤモンド 』の感想
■映画『 ブラック・ダイヤモンド 』の更新記録

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幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 ブラック・ダイヤモンド 』のポスター、予告編および映画データ
ブラック・ダイヤモンド
ブラック・ダイヤモンド
Links:  Official Web Site
Trailers:  Quick TimeSmall
Quick TimeMedium
Quick TimeLarge
上映時間 Runtime: 1:40
製作国 Country: アメリカ
USA
製作会社
Production Company:
Silver Pictures [us]
全米配給会社 Distributer: Warner Bros. [us]
全米初公開
Release Date:
2003/02/28
日本初公開
R. D. in Japan:
2003/03/29 予定
日本公開情報 : ワーナー
ジャンル Genre: アクション/犯罪/サスペンス
Action / Crime / Thriller
MPAA Rating 指定: Rated R for violence, language and some sexual content.
日本語公式サイト
http://www.warnerbros.co.jp/blackdiamond/
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 ブラック・ダイヤモンド 』の解説

 ジェット・リーの映画『 ブラック・ダイヤモンド (2003) CRADLE 2 THE GRAVE 』は一種のバディ・ムーヴィー。ジェット・リーは台湾秘密警察からの捜査官で、タッグを組むのが、娘を浚われた黒人のギャング。
リーサル・ウェポン4 (1998) LETHAL WEAPON 4
マトリックス (1999) THE MATRIX
マトリックス リローデッド (2003) THE MATRIX RELOADED
マトリックス レボリューションズ (2003) THE MATRIX REVOLUTIONS 』等でも製作のジョエル・シルヴァーがプロデュースする、ジェット・リーのハリウッド主演第1作『 ロミオ・マスト・ダイ (2000) ROMEO MUST DIE 』は、ジェットの本物の武術よりもCGが多用されてジェット・リーのファンをがっかりさせた。このことはジェット・リーもファンの声として耳に入れているだろうから、この『 ブラック・ダイヤモンド 』は同じ製作者の手にかかっても、もっと本物を見せてくれるだろうと期待して観て、ピンポーン!上のポスターの雰囲気でも分かるように、ジェット・リーは『 ブラック・ダイヤモンド 』では黒い服で通し、ハードな格闘シーンが全編に多い。
 『 ブラック・ダイヤモンド 』の原題の『 CRADLE 2 THE GRAVE 』は、< from the cradle to the grave 揺りかごから墓場まで, 一生の間>をもじったタイトル。米国キャッチコピーは< Born 2 the life. True 2 the code. Bad 2 the bone. >で、兎に角 to の語を 2 にして言葉遊びしている。黒い宝石ブラック・ダイヤモンドの正体は…。ジェット・リーののファンとアクション大好きの方にはうってつけの娯楽映画『 ブラック・ダイヤモンド 』乞うご期待!
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■ジェット・リー作品
SPIRIT (2006) 霍元甲 (原題) / FEARLESS (英題)
ダニー・ザ・ドッグ (2005) UNLEASHED / DANNY THE DOG
ブラック・ダイヤモンド (2003) CRADLE 2 THE GRAVE
HERO (2002) HERO (英題) / 英雄 (原題)
ザ・ワン (2001) THE ONE
キス・オブ・ザ・ドラゴン (2001) KISS OF THE DRAGON
ロミオ・マスト・ダイ (2000) ROMEO MUST DIE
リーサル・ウェポン4 (1998) LETHAL WEAPON 4
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ/天地風雲 (1997) 黄飛鴻之西域雄獅 / ONCE UPON A TIME IN CHINA & AMERICA
ラスト・ヒーロー・イン・チャイナ 烈火風雲(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地雄覇)(1993) 黄飛鴻鐡雎門蜈蚣 (原題) / CRAWS OF STEEL / THE LAST HERO IN CHINA
マスター・オブ・リアル・カンフー/大地無限 (1993) 太極張三豊 (原題) / THE TAI-CHI MASTER (英題)
阿羅漢(あらはん) (1986) 南北少林 / MARTIAL ARTS OF SHAOLIN
少林寺2 (1983) 少林小子 / SHAOLIN TEMPLE 2
少林寺 (1982) 少林寺 / THE SHAOLIN TEMPLE
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【『 ブラック・ダイヤモンド 』のスタッフとキャスト】
監督: アンジェイ・バートコウィアク Andrzej Bartkowiak (Directed by)
武道指導: コーリー・ユエン Corey Yuen(元奎) (fight coordinator / martial arts choreographer)
製作: ジョエル・シルヴァー Joel Silver (producer)
    メリナ・ケヴォーキアン Melina Kevorkian (co-producer)
    スーザン・ルヴァン Susan Levin (co-producer)
    リチャード・ミリシュ Richard Mirisch (associate producer)
    ギル・ウィリアムズ Gil Williams (associate producer)
製作総指揮: レイ・コープランド Ray Copeland (executive producer)
    ハーブ・ゲインズ Herb Gains (executive producer)
原案: レジー・ロック・バイスウッド Reggie Rock Bythewood (story)
    ジョン・オブライエン John O'Brien (story)
脚本: ジョン・オブライエン John O'Brien (screenplay)
    チャニング・ギブソン Channing Gibson (screenplay)
撮影: ダリン・オカダ Daryn Okada (Cinematography by)
編集: デレク・ブレシン Derek Brechin (Film Editing by)
音楽: ジョン・フリッゼル John Frizzell (Original Music by)
    デイモン・'グリース'・ブラックマン Damon 'Grease' Blackman (Original Music by)
    エミネム Eminem (song)
    チャド・ヒューゴ Chad Hugo (songs)
    ファレル・ウィリアムズ Pharrell Williams (songs)
衣装: ハ・グエン Ha Nguyen (Costume Design by)
メイク: ジュディ・クラウン Judy Crown (personal hair stylist: Jet Li)
    ミンディ・ホール Mindy Hall (makeup department head)

出演: ジェット・リー 李連杰 Jet Li (リー・リンチェイ) as Duncan Su ダンカン・スー
    DMX DMX as Fait トニー・フェイト
    マーク・ダカスコス Mark Dacascos as Ling リン
    ケリー・フー Kelly Hu as Sona ソナ
    アンソニー・アンダーソン Anthony Anderson as Tommy トミー
    ガブリエル・ユニオン Gabrielle Union as Daria ダリア
    トム・アーノルド Tom Arnold as Archie アーチィー
    ペイジ・ハード Paige Hurd as Vanessa Fait ヴァネッサ・フェイト
    ロン・ユアン Ron Yuan as Laser Tech レイザー技師

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<もっと詳しく>

ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 ブラック・ダイヤモンド 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー
 私は日本公開前に字幕スーパーなしの英語で観たので、わかる範囲でレヴューします。映画データについては調査した時点と公開される時点で異なる場合があります。本作の内容については、語学力と経験・常識不足のため、間違いや勘違いや適切でない表現があるかもしれません。どうかご理解賜りますようお願いいたします。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。
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【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 序】  主演ジェット・リーの輝かしいキャリアは幸の
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ/天地風雲 (1997) ONCE UPON A TIME IN CHINA & AMERICA 』のレヴュー等で詳しく読んで頂くとして、ハリウッド進出後は
リーサル・ウェポン4 (1998) LETHAL WEAPON 4
ロミオ・マスト・ダイ (2000) ROMEO MUST DIE
キス・オブ・ザ・ドラゴン (2001) KISS OF THE DRAGON
ザ・ワン (2001) THE ONE 』そしてこの『ブラック・ダイヤモンド』と快進撃を続けている。全部観ちゃった!直前に撮影の
HERO (2002) HERO (英題)/英雄(原題) 』は香港/中国映画だ。
ダニー・ザ・ドッグ (2005) UNLEASHED / DANNY THE DOG 』も大いに楽しみだ。

【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 第01段落】  ロサンゼルス Los Angeles の数車線あるだだっ広いフリーウェイと明るい街並を上から映したオープニング。そこに出演者の名前とタイトルが、鋭角的に幾何学的に投影される。
8 Mile (2002) 8 Mile 』のエミネムらのラップのBGMに映像がノッて、非常に近代的で明るく洗練された始まり方だ。ここLAの街の宝石会社 Diamond Exchange のビルに、宝石がどんどん納入されていく。まるで銀行の現金輸送のように、厳重でものものしい警備体制。ガードマンもいるし、モニターで常時チェックされている金庫室。そこに侵入を図っている窃盗団。

【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 第02段落】  そんな頃、LA南のサンタモニカ Santa Monica, California の高層ビル。マンションのようなホテルのような建物だ。実際のロケは Santa Clarita という所らしい。ここの 10 階くらいのベランダにジェット・リーが立っている。遥か眼下を見下ろす。そして身を軽く、ベランダの柵をヒョイと越えた。???こんな上階で、何するの?一息置いたジェットは、スルリっと1階下のベランダの柵に垂直に落下。握力だけで柵のヘリにとまる。1階ごとにスルリ、スルリっと無表情に下って(むしろ落下して)いく。始まりからして、この度肝を抜くパフォーマンス。こりゃ面白そう!数階下りたところで、ベランダから室内に入り、そこにいた男を詰問して殴り飛ばしている。

【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 第03段落】  この超人的な東洋の男は、台湾秘密警察から派遣されてきているダンカン・スー (ジェット・リー)。彼は、台湾諜報部で同僚だった男を追ってLAまで来ている。ジェット・リーはサングラスをかけ、黒い服で、左ハンドルの黒い精悍なオープンカーに乗る。スーらを裏切り、殺そうとまでした男は、ある宝石を使って悪を企てている。それがさっき映っていた宝石会社の金庫にあるらしい。その宝石が邦題の「ブラック・ダイヤモンド」で、黒い角張った飴玉くらいの大きさだ。これは、映画の途中で明かされるが、宝石とは名ばかりで、レイザーで化学反応を起こして核のように破壊力を持つ恐ろしい物質なのだ。従って価格はダイヤモンドどころではなく、途方もなく高価だ。

【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 第04段落】  その宝石会社のダイヤを盗もうとしているハイテク窃盗グループ。トニー・フェイト(DMX)をリーダーに、女性のダリア(ガブリエル・ユニオン)や太っちょのトミー(アンソニー・アンダーソン)等の数人の窃盗団だ。この日は、その宝石会社の金庫を狙っている。先ずダリアがアンジーと名を変えて、1階受付で客に化けて様子を探る。次にトミーが受付の男に喋りかけて注意をそらしている間に、金庫室のモニターの画像を平常の状態のものと替えてしまう。そうして、短時間で手際よく、沢山の高価なダイヤを盗むことに成功。ブルーダイヤだけでも$2,500,000 ($1=¥ 120 換算で3億円)するという。リーダーのフェイトは、大粒のダイヤのペンダントを娘にやると言って喜んでいる。普通の白い透明なダイヤモンドの粒も、沢山金庫から出して、袋に入れ替えている。そんな中に、黒い宝石があった。数十から百粒はありそうだ。

【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 第05段落】  その最中に突然ケータイがなった。リーダーのフェイトに、何をどれだけ盗もうが勝手だが、黒い宝石だけは取らないように、と言っている。この電話は実はダンカン・スーからで、黒ダイヤは台湾諜報部として追っているものだからだ。でも、窃盗団としたら、そんな事情は知らないから、平気で盗んで、逃走を始める。地下鉄の車両の屋上にへばり付いて逃げるフェイトとダリア。もう一人はスーが捕まえ、カンフーでやっつけて、ダイヤを入れた布袋を奪い取る。その男は、スーの俊敏で重いパンチと蹴りでダウンし、唖然とした顔をしてスーを見送る。袋の中には、普通のダイヤモンドが沢山入っていた。スーは現場検証でごった返す金庫室に赴き、係官に渡す。

【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 第06段落】  空港に小型機が到着した。スーの追っている、元台湾諜報部の同僚のリン(マーク・ダカスコス:
ジェヴォーダンの獣 (2001) LE PACTE DES LOUPS (仏題)/ BROTHERHOOD OF THE WOLF (英題)』等に出演)だ。そこで迎えているのはソナ(ケリー・フー)や部下達。ソナは、あの黒ダイヤが金庫室から盗まれたことをリンに報告している。マーク・ダカスコスは東洋系かとばかり思って観ていたが、フィリピン・スペイン・中国・アイルランド・日本の血が混ざっている。 1982 年にイタリアとヨーロッパのカンフー・空手選手権で優勝している、世界的に有名な武術家でもある。また、ケリー・フーは中国人・ハワイ原住民・英国人の混血の四世。 Miss Teen USA にも Miss Hawaii USA にも選ばれている美人でありながら、空手は「茶帯」の腕前。

【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 第07段落】  窃盗団のボス、フェイトには 10 歳くらいの娘ヴァネッサ(ペイジ・ハード)がいて、目に入れても痛くない可愛がりようだ。彼は早速、盗んできた大粒のダイヤのペンダントを娘にプレゼントする。その後、誰か分からぬが、置いておくようにと電話をかけてきた、例の黒い宝石がどんなものなのか調べさせるために、武器商人のアーチィー(トム・アーノルド:
オースティン・パワーズ (1997) AUSTIN POWERS: INTERNATIONAL MAN OF MYSTERY 』等に出演)に実物を預ける。そんな時、悪玉リンからフェイトに電話が入る。何と、フェイトの娘ヴァネッサを誘拐したというのだ。そして娘と引き換えに、フェイトが盗んだブラック・ダイヤモンドを要求してきた。

【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 第08段落】  フェイトはBMBの青いメタリックのスポーツカーに飛び乗って、黒い宝石を預けたアーチィーの所に急行しようとする。すると、怪しい中国人グループの車が追ってくる。そして追い詰められて殴られ、あの黒い宝石はどこにあるのかと問い詰められる。そこに現われたのがスー捜査官。カンフーでその男をやっつけてくれた。こうしてスーとフェイトは顔を合わせるのだが、このチッコイ得体の知れない東洋人は何者かと、アーチィーともども不思議に思う。ここでスーは身分証明書IDを見せ、台湾 Taiwan (ここでは Formosa と言っていなかった)の中央安全局 Central Security Agency から来た諜報員だと名乗る。中国の諜報機関 Chinese Intelligence だから、カンフーするジェームズ・ボンド James Bond (
007/ワールド・イズ・ノット・イナフ (1999) THE WORLD IS NOT ENOUGH
007/ダイ・アナザー・デイ (2002) DIE ANOTHER DAY 』等)だね、とアーチィーとフェイトはからかって喜ぶ。映画はこういうところが楽しいナ。身分証明書には「台湾 安全局 台北地区」と旧漢字で書かれ、アップで映される。外国人が見たら、漢字でいかにもエキゾチックなのだろう。

【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 第09段落】  アーチィーは事情を全然知らなかったので、そのブラック・ダイヤモンドをフェイトが来る前にもう渡してしまっていた。対策を考えるスーとフェイト。そこに悪漢リンから電話がかかり、娘の声を聞かせる。パニックの父親フェイト。すると、その場に居合わせたスーが、途中で電話を代わる。「 Wai, ・・・(ワイ=中国語で『もしもし』)」とジェットが喋る。ハリウッド映画はいい。なぜかというと、ジェット・リーの英語にしろ中国語にしろ彼の肉声が聞えるから。リー・リンチェイの実名でデビューした「少林寺」三部作
少林寺 (1982) 少林寺 / THE SHAOLIN TEMPLE
少林寺2 (1983) 少林小子 / SHAOLIN TEMPLE 2
阿羅漢(あらはん) (1986) 南北少林 / MARTIAL ARTS OF SHAOLIN 』より後の香港製作の映画では、広東語のセリフのため、ジェットの声は吹き替えなのだ。彼は香港生まれのジャッキー・チェン Jackie Chan 成龍 (
シャンハイ・ヌーン (2000) SHANGHAI NOON
タキシード (2002) THE TUXEDO
シャンハイ・ナイト (2003) SHANGHAI KNIGHTS 』等)と違って、大中国出身。生まれは日本総領事館駆け込み事件のあった瀋陽(または北京とも言われる)なので北京語(普通話という)を話すから、全然知らない人の広東語の声に替えられているのだ。でもハリウッド作品では、遠慮がちな可愛いジェットの英語が聞かれる。

【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 第10段落】  台湾諜報部で一緒だったリンの裏切りと冷酷さを充分心得ているスーは、リンの言うままにしても、娘は無事に帰さない、交渉なんてしようとしても無駄だ、とフェイトに話す。それで、自分はブラック・ダイヤモンドを、フェイトは娘を手に入れるという並行の目標で作戦を練ろうということになった。片やLAの強盗団、片や遠く台湾から来た秘密警察という、普通では考えられないアンバランスなコンビがこうして出来上がった。しんみりと娘の話をするフェイト。娘ヴァネッサはまだ8歳だという。今度の九月で9歳になる。心配でたまらない。・・・その頃、ヴァネッサはある広い倉庫のような建物の中で、バンに窓ガラスごとペンキを塗られて監禁されていた。

【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 第11段落】  スーとフェイトは内偵するために、刑務所にも足を運ぶ。ここでも、大きな顔をして威張っている看守をスーは殴り倒す。ここで、ある賭博の格闘技会場が悪の巣と関係あるという情報を入手して、スーはアーチィーを伴って、会場へ行く。スーは入場させてもらえないので、"袖の下"を与えて選手登録ということで 12 番のエントリー・ナンバーを首からぶら下げて入場。でもスーは、小さい声で「僕、戦うために来たんじゃないよ。」 小指にしている大きな指輪の人物が怪しいということで、アーチィーは場内を偵察。並行して、リングでは格闘技が荒々しく行われている。そしてレフリーが「 12 番!」と告げる。思いもよらず、スーは無理やりリングに上げられてしまった。選手達も、観客も、「こんな小さい奴が?!」

【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 第12段落】  スーの武術の強いこと(なにしろジェット・リーは十代の頃、中国全国武術大会で5度も総合優勝)を全く知らない客達のお陰で、アーチィーだけはたんまりスーに賭けている。そして試合開始。スーは自分があまりにも強いことを自覚しているから、自分からは何も仕掛けない。相手が襲ってくるのを俊敏にかわすだけ。ブーイングが起こるが、スーはフェンスを越えて退出しようとする。でも、相手に引っ張られて、せざるを得なくなった。ここから人が変わったように狂暴にカンフーを始める。脚を 180 度開いて高〜く跳び上がるジェット・リーを、彼のハリウッド進出後では久しぶりに観られた。そして蹴って、殴って、客達の盛り上がりは最高。アーチィーも獲得した掛け金の札束をいっぱい抱いてご機嫌だ。

【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 第13段落】  武道指導のコーリー・ユエンはジェット・リーの数々の出演映画は勿論のこと、
クローサー (2002) SO CLOSE (英題)/ 夕陽天使 (原題)
トランスポーター (2002) THE TRANSPORTER 』でも活躍している。『ロミオ・マスト・ダイ』の時は、骸骨を透き通して見せるCGや、不自然なワイヤーアクションで、本来のジェット・リーの本格武術を知っている者にはショックだった。『ブラック・ダイヤモンド』では、ワイヤーを使っている場面もあるらしいが、それを感じさせず、非常にハード。無論、ジェット・リーの若い頃の武術総合優勝後まだ間もない時代は、体も細くて、跳びも蹴りも、ずっと鋭かったのは当然だけど。

【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 第14段落】  スーとアーチィーがそういう行動をしている時、フェイトの一味は別の場所で作業している。トニー・フェイト役のDMXはもともとミュージシャンで、『ロミオ・マスト・ダイ』で歌も歌い、共演もしている。DMXという芸名は Dark Man X の略だそうだ。トミー役のアンソニー・アンダーソンも『ロミオ・・・』でやはり共演、愛嬌ある太り方で、声が特徴あるからすぐ分かる。それに、
マトリックス (1999) THE MATRIX
13ゴースト (2001) THIR13EN GHOSTS / 13 GHOSTS
ゴーストシップ (2002) GHOST SHIP
マトリックス・リローデッド (2003) THE MATRIX RELOADED
蝋人形の館 (2005) HOUSE OF WAX
Vフォー・ヴェンデッタ (2006) V FOR VENDETTA
キスキス,バンバン (2005) KISS KISS, BANG BANG 』等で有名なプロデューサーのジョエル・シルヴァーとは『 ロミオ・マスト・ダイ (2000) ROMEO MUST DIE 』でジェットは初仕事。

【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 第15段落】  このように、この映画はジェット・リーは記念すべきハリウッド主演第1作『 ロミオ・・・』の面々と一緒に仕事をしているのだ。また、
追跡者 (1998) U.S. MARSHALS
13デイズ (2000) THIRTEEN DAYS 』等のアンジェイ・バートコウィアク監督は、
リーサル・ウェポン4 (1998) LETHAL WEAPON 4 (英題) / ARMA LETALE 4 (伊題) 』でジェットにクールな悪役を初めて演じさせ、アメリカ人にジェット・リーの存在を知らしめることに大成功した人物。

【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 第16段落】  フェイトは捕まったが、バイクを奪って逃走し、パトカーや追っ手の別のバイクと派手なチェイスが始まる。それを巻いて、仲間と合流したフェイトに、娘ヴァネッサから電話がかかる。ヴァネッサは、ペンキで一面塗られたバンの中で猿轡(さるぐつわ)をされて両手を後ろで縛られていたが、自力で解き、車内からケータイを見つけ出して、決死でかけてきたのだ。お父さんに会いたい!助けて!と泣き叫ぶ少女を落ち着かせ、どこにいるのか少しでも手懸かりを言わせる。すると、ウィンドーのペンキの薄い部分から倉庫内が少し見渡せた。「椅子が数脚とレーザー光線のような実験のものが見える」とヴァネッサは伝える。だが、ケータイはローバッテリーの為、切れてしまった。・・・

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 第17段落】  椅子とレーザー光線の装置のことを聞いて、スーはピンと来る。とうとう、悪漢リンの一味は、ブラック・ダイヤモンドの破壊力を招待客(小指に指輪をしている人達)に顕示して、取引に持っていく段階まで来たのだ。招待されているバイヤーは、フランス、ロシア、パキスタン、エジプト等から来ている。リンの部下のレイザー技師(ロン・ユアン:
少林サッカー (2001) SHAOLIN SOCCER (英題) / 少林足球(原題)
クン・パオ!燃えよ鉄拳 (2002) KUNG POW: ENTER THE FIST 』等に出演)がその黒い宝石の粒をその装置に設置して、実験を見せる。レーザーが不気味に輝き、破壊的な稼動を予期させる。客たちはそれを見て歓声を上げる。リンがその破壊力を解説し、いよいよセリが始まった。みんな莫大な価格を提示して必死だ。

【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 第18段落】  そうしている現場に、太っちょトミーが乗った戦車が外壁をぶち破って突進してきた。仲間のアーチィーは武器商人だから、こういう兵器はすぐ手に入るのだ。倉庫内が騒然とし、フェイトの娘ヴァネッサはガラス窓を割って脱出。倉庫から走って逃げるのに成功した。混乱状態の時、リンはブラック・ダイヤモンドをつかみ取り、ポケットに入れる。それに、レイザーの起動用の物質もとった。そして外に逃れ、ヘリコプターに乗り込む。スー捜査官も到着し、リンを追おうとすると、その場にいた中国女性ソナがスーの前に立ちはだかる。ここでスーとソナのカンフー対決。女性相手の戦いは嫌な筈だが、そうも言っていられない。

【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 第19段落】  ソナと戦ったスーはリンを追って、空中に飛び上がったヘリコプターの脚部にしがみ付いた。兎に角アクションいっぱい。スーがヘリから振り落とされたところに、トミーとアーチィーがヘリを爆撃し、ヘリは墜落して大破した。でも、悪役リンは生きている。炎上した現場で、今度はスーとリンの対決。二人とも強い。格闘して、リンは地べたに倒れると、自業自得。ブラック・ダイヤモンドが体内で反応して、口・目・喉と真っ赤に明るくなったと思うと、体は溶け、焼けただれ、破滅してしまった。この黒い宝石は恐ろしい兵器だ。

【ジェット・リーのブラック・ダイヤモンド 第20段落】  フェイトは無事に娘ヴァネッサを取り返すことが出来た。そして、スーも、台湾諜報部を裏切って悪の道に走ったリンを滅ぼして、恐ろしい破壊力のブラック・ダイヤモンドを没収することも出来た。スクラムを組んだ不釣合いな二人は、両方の目的を果たせてハッピーエンド。豚箱行きだと思うフェイトに、できる限りのことはするからと笑って答えるスー捜査官。地球を救ったのだからネ、と太っちょトミーもご機嫌で笑う。

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【映画『 ブラック・ダイヤモンド 』の感想】

 ジェット・リーの好きな色は白・黒・紺で、実際、似合うのも「黒」だと、自他ともに認めているのだろう。衣装のハー・グエン(
プルート・ナッシュ (2002) THE ADVENTURES OF PLUTO NASH 』等で担当)はそのことを心得て、この映画でもジェットを黒づくめにしている。それから、メーキャップについてだが、メイクさんのジュディ・クラウンは
ザ・セル (2000) THE CELL
コーリング (2002) DRAGONFLY 』、ミンディ・ホールは
パッチ・アダムス (1998) PATCH ADAMS
パール・ハーバー (2001) PEARL HARBOR
プロフェシー (2002) THE MOTHMAN PROPHECIES 』等で活躍している方達。願わくは、ジェット・リーをもっとハンサムに見せるようにして!ジェット・リーは、映画でなくて、普通の時の方がずっといいのだ(ファンとして…)。ハリウッド映画だと、いかにも中国的にするから、ヘアスタイルがどうもイカツイ。普段はもっとソフト。それに、ジェット・リーは笑顔がカワイイので有名なのだが、映画だと、怖い顔つきを演じさせられるから、よけいに"よさ"が出てこない。俳優で映画の方がカッコよく見えないのは珍しいのでは?・・・一ファンの愚痴でした・・・。まッ、観たかった『 ブラック・ダイヤモンド 』を観られて嬉しい。アクションもよかった。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず8600文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      ブラック・ダイヤモンド 公式サイト(英語版)
       http://cradle2thegrave.warnerbros.com

いつも参考にしておりますallcinema ONLINE さんには、2003年02月21日の時点で[ 解説 ]は出ていませんので、これをアップしました。Thanks to allcinema ONLINE.
■映画『 ブラック・ダイヤモンド 』の更新記録
2003/02/21新規: ファイル作成
2004/07/09更新: ◆テキストとリンク一部およびファイル書式
2004/12/27更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
2005/10/06更新: ◆追記
2006/03/15更新: ◆データ追加
2006/04/29更新: ◆リンク追加
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幸田 幸
coda_sati@hotmail.com
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