追跡者
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追跡者 (1998)
U.S. MARSHALS
追跡者
追跡者

■『 追跡者 』のデータ
 上映時間:131分
 製作国:アメリカ
 公開情報:ワーナー
 アメリカ初公開年月:1998年3月6日
 日本初公開年月:1998年6月13日
 ジャンル:アクション

【解説】
 映画『 追跡者 (1998) U.S. MARSHALS 』では、ハリソン・フォード主演の『 逃亡者 (1993) THE FUGITIVE 』で、 1993 年アカデミー賞、ゴールデングローブ賞の助演男優賞など、数々の栄冠に輝いた、トミー・リー・ジョーンズの当たり役サミュエル・ジェラード捜査官が再びスクリーンに!
 映画『 追跡者 』で、サミュエル・ジェラード米連邦保安官補チーフが追跡するのは、囚人の護送飛行機事故で逃亡した、マーク・ロバーツ(ウェズリー・スナイプス)という殺人犯。今回は、追う側が主人公だから、邦題は『 追跡者 』だ。ロバーツを逮捕する為に、連邦政府の特別捜査官ジョン・ロイス(ロバート・ダウニー・Jr)もジェラードのチームに参加。追跡者ジェラードたちの捜査が進むにつれ、その逃亡者が元海兵特殊部隊員で元CIA工作員であるマーク・シェリダンだということが判明する。その高度に洗練された逃亡ぶりに、シェリダンの人柄を感じたジェラートは、彼が犯したとされる殺人事件の裏に陰謀が隠されていることを知る。ジェラードが追う"逃亡者"はやっぱり…。
 映画『 追跡者 』は、スチュアート・ベアード監督作品。
 
◎「映画の森てんこ森」ご訪問有難うございます。弊サイトでは本作『 追跡者 (1998) U.S. MARSHALS 』と同じジャンルであるアクション映画も、たくさんご紹介しております。以下にその内 10 の映画を挙げさせていただきます。また、お立ち寄りください。
リーサル・ウェポン4 (1998) LETHAL WEAPON 4 』 メル・ギブソン主演
トリプルX (2002) XXX 』 ヴィン・ディーゼル主演
エアフォース・ワン (1997) AIR FORCE ONE 』 ハリソン・フォード主演
奪還 DAKKAN アルカトラズ (2002) HALF PAST DEAD 』 スティーヴン・セガール主演
バリスティック (2002) BALLISTIC: ECKS VS. SEVER 』 アントニオ・バンデラス主演
レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード (2003) ONCE UPON A TIME IN MEXICO 』 アントニオ・バンデラス主演
メダリオン (2003) 飛龍再生 (原題) / THE MEDALLION (英題) 』 ジャッキー・チェン主演
キス・オブ・ザ・ドラゴン (2001) KISS OF THE DRAGON 』 ジェット・リー主演
ナショナル・セキュリティ (2003) NATIONAL SECURITY 』 スティーヴ・ザーン主演
キル・ビル (2003) KILL BILL: VOLUME 1 』 ユマ・サーマン主演

●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
【スタッフとキャスト】
監督: スチュアート・ベアード Stuart Baird
製作: アーノルド・コペルソン Arnold Kopelson
    アン・コペルソン Anne Kopelson
製作総指揮: キース・バリッシュ Keith Barish
    ロイ・ハギンズ Roy Huggins
キャラクター創造: ロイ・ハギンズ Roy Huggins
脚本: ジョン・ポーグ John Pogue
撮影: アンジェイ・バートコウィアク Andrzej Bartkowiak
編集: テリー・ローリングス Terry Rawlings
音楽: ジェリー・ゴールドスミス Jerry Goldsmith
 
出演: トミー・リー・ジョーンズ Tommy Lee Jones 連邦保安官補主任サミュエル・ジェラード
    ウェズリー・スナイプス Wesley Snipes マーク・J・シェリダン/マーク・ウォレン/マーク・ロバーツ
    ロバート・ダウニー・Jr Robert Downey, Jr. ジョン・ロイス特別捜査官
    ジョー・パントリアーノ Joe Pantoliano 連邦保安官補コズモ・レンフロ
    ダニエル・ローバック Daniel Roebuck 連邦保安官補ボビー・ビッグズ
    トム・ウッド Tom Wood 連邦保安官補ノア・ウッドロウ・ニューマン
    イレーヌ・ジャコブ Irene Jacob マリー・ビノー(シェリダンのガールフレンド) 
    ケイト・ネリガン Kate Nelligan アメリカ連邦保安官キャサリン・ウォルシュ 
    ラターニャ・リチャードソン LaTanya Richardson 連邦保安官補サヴァナ・クーパー
    マイケル・ポール・チャン Michale Paul Chan 中国の国連派遣員シアン・チェン
<もっと詳しく>

ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
▼アメリカ連邦保安局 U.S. Marshals Service についてちょっとだけ。
 アメリカ連邦保安局 U.S. Marshals Service とは、アメリカ司法省 U.S. Department of Justice 下の組織の一つ。司法長官に率いられたアメリカ司法省は、独占禁止、市民権、犯罪、税、環境に関する法律下の事件を調査し、起訴する。その指揮下には、連邦保安局の他にも、連邦捜査局 Federal Bureau of Investigation (FBI)、連邦刑務所 Federal Bureau of Prisons 、麻薬取締局 Drug Enforcement Administration (DEA)、裁判プログラム局 Office of Justice Programs 、移民局 Immigration and Naturalization Service 、インターポル(国際刑事警察機構)の米代表事務局 U.S. representative bureau in Interpol がある。

 1789 年に設立されたアメリカ連邦保安局は、アメリカの最も古く、また最も用途の広い連邦法執行機関である。大統領または司法長官に指名された、連邦保安局長 the Director of the United States Marshals Service 、連邦保安副局長 Deputy Director 、 94 人の連邦保安官 U.S. Marshals は、 95 の地方局、そしてアメリカ全土 50 州とグアム、北マリアナ諸島、プエルトリコ、ヴァージン諸島にわたる 350 以上の場所に駐在させた人員の活動を指揮している。連邦保安局本部はヴァージニア州アーリントン Arlington, Virginia にあり、各地方局は連邦保安官に率いられている。

 およそ 4000 人の連邦保安官補 Deputy Marshals と専門職員がアメリカ全土で日々実行している使命は、逃亡者調査 Fugitive Investigations 、裁判所警備(連邦判事、裁判所職員、目撃者、陪審員の身体警備) Protecting the Courts 、囚人の保護及び輸送 Prisoner Custody and Transportation 、目撃者の安全保護 Witness Security 、財産差押え Asset Seizure 、特別作戦とプログラム Special Operations and Programs だそうだ。本作の主人公サミュエル・ジェラードは連邦保安官補の主任という役職だ。

▼これよりストーリー。
 地下駐車場の防犯カメラに映ったものは…。
一台のベンツからブリーフケースを持ったビジネスマン風の中国人(マイケル・ポール・チャン)が降り立った。そこにコートに身を包んだ男がやって来る。彼もブリーフケースを持っている。何やら怪しげな取引のようで、二人はそれぞれのブリーフケースを交換した。ところが二人は別の二人に襲われる。しかし、コートの男は腕が立つようで、突然の襲撃者たちを撃ち殺した。

 死んだ男の胸には" SPECIAL AGENT (特別捜査官)"のバッチ。二つのブリーフケースを手にしたコートの男が中を調べてみると、一つには札束、もう一つには" TOP SECRET (極秘文書)"の書類があった。

 シカゴの街。アフリカ系アメリカ人の男(ウェズリー・スナイプス)が運転する赤い牽引トラックに、携帯電話をかけて脇見運転のチェロキーが正面衝突しかけた。反射神経のいいその黒人は間一髪でチェロキーをよけるが、赤いトラックは牽引していた乗用車もろ共、大横転!赤い牽引トラックの運転手は、救急隊員によって助けられるが、そのトラックのダッシュボードから拳銃が見つかった。その銃は警察に没収された。

 黄色いニワトリのぬいぐるみが、あまり高級とは言えなさそうな住宅街の街角に立って、チキンの試食を振舞っている。その黄色いニワトリの位置から、二組のカップルが車を降りてアパートの中に入っていくのが見える。すると、そのぬいぐるみは試食のお皿を捨て、ズンズンとそのアパートのほうへ向かっていく。その着ぐるみの正体は、なんとあのサミュエル・ジェラード連邦保安官補主任(トミー・リー・ジョーンズ:『 ダブル・ジョパディー (1999) DOUBLE JEOPARDY 』『 スペース カウボーイ (2000) SPACE COWBOYS 』等に出演)だ。トミー・リー・ジョーンズの岩のような大きな顔に、コミカルなニワトリの格好は"キュート"である。(トークショーで出たジョーンズ流の冗談だと思うけど、 CUTE はハーバード大卒の高学歴俳優である彼の嫌いな言葉。因みに好きな言葉は名誉 HONOR だそうだ。)

 そんなおどけた格好のまま、ジェラードは普段着の仲間と一緒に、アパートの一室に乗り込んだ。ジェラードのチームには、『 逃亡者 (1993) THE FUGITIVE 』からのメンバーである、洒落男のコズモ(ジョー・パントリアーノ:『 マトリックス (1999) THE MATRIX 』等に出演)、ビッグズ(ダニエル・ローバック)、まだ若いニューマン(トム・ウッド)と、新メンバーである紅一点のクーパー(ラターニャ・リチャードソン: 1980 年〜 2003 年2月中旬現在も、『 交渉人 (1998) THE NEGOTIATOR 』『 アンブレイカブル (2000) UNBREAKABLE 』『 ケミカル51 (2002) THE 51st STATE 』『 チェンジング・レーン (2002) CHANGING LANES 』『 トリプルX (2002) XXX 』等でお馴染みのサミュエル・L・ジャクソンの妻。2人の間には Zoe という娘がいる。)の連邦保安官補がいる。敵はなかなか強暴だったが、結束力の硬いこのチームは任務を遂行した。

 しかし、手錠をかけるとき、マッチョな犯人がビッグズに噛み付いた為、ジェラードはライフルで犯人の頭を叩き、 27 針の怪我を負わせてしまった。若い女優のカノジョを連れ、ご機嫌でパーティに現れたジェラードに、上司の連邦保安官キャサリン・ウォルシュ(ケイト・ネリガン:『 サイダーハウス・ルール (1999) THE CIDER HOUSE RULES 』等に出演)は本部からの命令を伝える。ジェラードは囚人を連邦刑務所まで護送し、記者団に 27 針の怪我の説明をしなければならなくなった。ジェラードが部下思いの熱血連邦保安官補であるが故の災難である。

 赤い牽引トラックの運転手マーク・ウォルシュは病院で手当てを受けて出てきたところを警察に連行された。彼の銃の許可証の写真が本人のものではなく、シカゴでは拳銃の携帯は違反であり、その上、彼の指紋が去年の 12 月にニューヨークで起こった殺人事件の容疑者のものと一致したのだ。もちろん彼は容疑を否認するが、弁護士を呼ぶこともできずに、マーク・ロバーツという名前で逮捕される。腕と首にギブスをつけた痛々しい姿なのに、警官に激しく取り押さえられたマークは、机の上におかれた尋問官のメガネのテンプルと先セルの部分(いわゆるメガネを耳にかけるための部分。その名称は株式会社三城<PARIS MIKI Inc.>のHPで勉強させていただきました。)を見つからないようにもぎ取った。ニューヨークへ身柄を引き渡されるマークは、心配で警察に来ていたカノジョのマリー(イレーヌ・ジャコブ)に、「人違いだ、何も心配ない。」と言って数人の警官と一緒にエレベーターを下りていったが…。

 夜、つまらない任務にクサッて囚人護送用飛行機に乗り込むジェラード。この飛行機を舞台にした、ニコラス・ケイジ Nicolas Cage 主演の『 コン・エアー (1997) CON AIR 』という映画もあった。 CON AIR は、裁判に出廷する犯罪者の輸送、囚人の移転、緊急医療のために使用されているそうだ。ズラッと飛行機の座席に座っている囚人たちの中には、ギブスをつけたマークの姿もある。囚人たちは逃げないように、手錠と足かせで体の自由を奪われ、足かせは飛行機の床に固定される仕組みになっている。警官たちと囚人たちの座席の間には、鉄のフェンスがあり、物々しい警護だ。飛行機の着陸 20 分前に、中国系の囚人がトイレに行く為、足かせの固定とシートベルトを外された。便座に座ったその囚人は、警護の目を盗んでトイレットペーパーの芯からペン型の銃を取り出した。そしてトイレから座席に戻る途中に、マークに向かってその小さな銃を発砲しようとした。

 取調室から盗んできていたメガネのテンプルと先セルの部分で手錠を外していたマークは、中国系の囚人の手を掴んで銃弾をそらすが、代わりに飛行機の窓に弾が当たってしまった。機体に大きな穴があき、機内はパニックに。体が固定されていない狙撃者や係員は機体の外に放り出されてしまった。ジェラードも風圧でフェンスに体を叩きつけられる。

 飛行機は道路に不時着しようとするが、左翼が電信柱に次々と激突し、機体は炎上。途切れた道路の下の川に飛行機は落下した。天井が逆さまになった機内にどんどん水が流れ込んでくる。こういう時にもマニュアルがあるんだなぁ。飛行機の職員たちは、次々とライフル銃を持ち機体の外に脱出する者と、体を固定された囚人たちを助けに行く者とに分かれ、キビキビと行動。ジェラードは囚人たちを救う為、暗い機内の奥へと進んだ。例のメガネの先で足かせを外し、逃亡をしようとしていたマークに懐中電灯を持たせて、ジェラードは次々と囚人の拘束を解いた。機体がいよいよ沈みかけた時、やり出したら止まらないジェラードはできる限り囚人を救おうとしたが、マークは懐中電灯の灯りがジェラードの手元を照らすように座席に固定して、先に脱出する。

 夜が明け、コン・エアーの事故処理を見守るジェラードに、囚人一人の行方不明の知らせが入る。その囚人の書類を見て、ジェラードはその男がメガネの先で足かせを外した男だと気付く。その逃亡者、マーク・ロバーツの捜査が地元警察によって行われるのだが、事故現場はアメリカ南部(ケンタッキー州辺り?)の田舎のようで、事件慣れしていない頼りない指揮官の代わりにジェラードが指示を出す。

 連邦保安官補のジェラードのチームも現場に到着。その後にヘリコプターで国務省外交保安局のラム局長がバローズ特別捜査官たちを連れ立ってやって来た。彼らは1月に国連ビルで殺人事件を起こしたマークをずっと追っていたのだそうだ。シカゴの取調官がマークに殺人事件は 12 月だと言っていたのに、微妙に情報が違うなぁ。何かあるよ。マークに殺された二人は、ラム局長の部下だった。局長は部下の特別捜査官の一人であるジョン・ロイス(ロバート・ダウニー・Jr)をジェラードの捜査チームに加えさせた。

 ジェラードは別組織の監視が気に入らない。ゆえに生意気っぽいロイスのことも気に入らない。ジェラードが気に入らないと、ジェラードの部下たちも彼に親しく接するわけにはいかない。ジェラードはロイスが所持している銃を確認した。ロイスの銃は銀ピカだった。ジェラードはロイスに"グロック GLOCK "という銃を持つように勧める。

▼グロックについてちょっとだけ。
 GLOCK には何種類かあるが、映画に出てきたのは GLOCK 17 らしい。グロック社はガストン・グロック氏 Mr. Gaston Glock によって 1963 年にウィーン Vienna の近くのドイッチュヴァーグラム Deutsch-Wagram で設立され、プラスチックや鋼のコンポーネントの製造を専門に扱っていた。これらの技術が特に軍需製品の製造に適していることに気付いたグロックは、オーストリア軍に色々な製品を供給するようになった。1980年代の初期にオーストリア軍が新しいピストルの入札を依頼したことをきっかけに、グロック社はピストルの製造も行うようになった。グロックのピストルは、ポリマー・フレームで軽いのに、マガジン(弾倉)の容量が大きく、速くてシンプルで安全なのだそうだ。 GLOCK 17 はオーストリアの軍や法執行機関の標準装備の武器となり、 1985 年にはアメリカに会社も設立され、ここでも大いに受け入れられた。

▼ストーリーに戻る。
 叩き上げのジェラードが捜査範囲を南に拡大すると言うと、ロイスは統計を持ち出し北にすべきだと、意見衝突。もちろんゴーイング・マイ・ウェイのジェラードは自分の意見を採用。機内で例のペン型銃を見つけたとき、ロイスは携帯電話で外交保安局に連絡するが、ジェラードは彼の携帯電話を取り上げ、川に捨てる。自分に無断で行動しようとしたロイスに怒っているジェラードは、彼に手錠をかけた。ところがロイスも特別捜査官。一筋縄ではいかない。ロイスはコズモのサングラスを奪い、テンプルと先セルの部分で手錠の鍵を開けた。連邦保安官チームはロイスの妙技に感心した。(もちろんコズモ以外)しかし、この技は前にも見たとジェラードは思う。マークと同じだ。

 その頃、マークは老夫婦の運転するコンボイに潜伏していた。そのコンボイが警察の封鎖を突っ切ったため、マークの居所が知れる。ジェラードの予想通り、彼は南に下った。銃を奪いコンボイを降りたマークは、手漕ぎボートで沼地に逃げた。ジェラードたち警官はそれぞれモーターボートに乗って沼地を捜索する。マークを見つけたら、照明弾を上げてボートで応援を待つはずだった。鬱そうとした森林に、ロイスはマークの姿を見た。しかし、彼は照明弾を上げるより先にボートを降りてマークを追った。同乗の案内人が照明弾を上げ、ジェラードたち他の捜索隊に知らせた。

 森林の中でロイスがマークに捕まった時、ジェラードがやって来る。ジェラードはマークを説得しようと試みるが、マークはロイスから奪った銀ピカ銃でジェラードに発砲。まさか、主人公がこんなところで死んじゃうの?ジェラードは倒れ、ロイスは自分の銃を奪い返すが、マークの逃走を許してしまった。

 ジェラードは軽傷で済んだようだ。マークはわざと彼の防弾チョッキを狙って撃った。殺そうと思えばジェラードを殺すことができた筈なのに。ジェラードはマークが本当に冷酷な殺人犯なのだろうかと疑いを持つ。

 ジェラードは、ロイス、コズモ、ニューマンと共にシカゴへ戻ることに。シカゴへの機内でロイスはジェラードに謝るが、連邦保安官補主任は答える。「俺でよかった。あれが部下なら俺がお前を撃ち殺していた。」

 先ずは逃げ切ることができたマークは、公衆電話からスターバックス・コーヒー Starbucks Coffee で働いているマリーに電話をかけた。二人は本当に愛し合っている恋人同士なのだ。マークは、自分が以前国家の任務で働いていたこと、ハメられた自分が正当防衛で二人を殺害したことをマリーに明かした。彼は事件の黒幕を捜して身の潔白を証明するために逃亡している。マークは今信じられるのは君しかいないと、彼女に助けを求める。

 シカゴでジェラードたちが逃亡者を捕まえる為に様々な調査を行っている時、マークはニューヨークにいた。嘗ての自分の上司なのだろうか、マークが軍曹と呼ぶ黒人男性が経営する骨とう品店(?)で、彼は携帯電話、パスポート、お金、銃を調達した。ここまではマークに協力してくれたその経営者だが、これ以上はできないとマークに伝える。マークは国連ビルが見えるアパートの一室を借りた。

 マークの恋人マリーを自宅に訪ねたジェラードは、二人が愛し合っていることに気付いた。マークが必ずマリーに連絡をとると確信し、彼女の見張りと電話の盗聴が手配された。案の定、仕事中のマリーに、マークから電話がかかってきた。特殊な車から彼女を見張る連邦保安官補たちは、何やら機械を操作して、携帯電話で話すマリーの映像をコピーし、電話の内容も盗聴した。マークはマリーにロッカーに入ったカバンを明日自分に渡してくれるよう頼んでいた。

 ジェラードたちはマークが起こしたとされる殺人事件を映した国連ビルの極秘のビデオテープを、ロイスを通して手に入れた。その映像に映っていた、マークとカバンを交換した中国人は、ジェラードとコズモが飛行機にペン型銃を仕込んだとされる整備士を訪ねたちょうどそのとき、その整備士を殺して逃走した謎の中国人と同一人物だった。取引の邪魔に入ったのが、ロイスの同僚たちだ。明らかにマークは自分の身を守る為に彼らを銃で撃っている。それにモニタに映っているマークの手には皮の手袋がはめられていた。殺人犯とマークの指紋が一致したとする、国務省外交保安局長の話は筋が通らなくなってしまった。

 ジェラードは上司のキャサリンを連れて、ニューヨークの国務省外交保安局に乗り込んだ。キャサリンがラム局長に殺人事件の矛盾点を突きつけると、彼は極秘文書を見せ、マーク・ロバーツが本名マーク・シェリダンという元海兵隊特殊部隊員かつ元CIA秘密工作員で、外交保安局の"凧"であったことを明かした。"凧"とは一人で危ないことをして、ドジれば糸を切られるといった役割だ。国連ビルの防犯テープに映っていた謎の中国人が、シアン・チェンという中国の国連派遣員かつ諜報部員だということも分かった。この2年間、アメリカ国防省の機密が中国側に流れていた。その国家を裏切った張本人がシェリダンであり、その取引を抑えようとした特別捜査官二人が彼に殺されたと局長は言うのだが、それならなぜこの殺人事件を機密にする必要があったのだろうか。ラム局長曰く、マークはどこかで腐ってしまったのだそうだが、本当に腐っていたのは…?

 マークの足取りを追っていたビッグズとクーパーがニューヨークのジェラードたちと合流した日、マリーが例のカバンを持ってシカゴから飛行機でニューヨークに向かった。マークがマリーに電話をかけていた場所が、ニューヨーク3番街 42 丁目だったことも判明する。ニューヨークの朝早く、ジェラードたちは休む間もなく捜査に向かった。マークの潜伏先のアパートが判明したが、もう既にマークの姿はなかった。部屋に残されたアップルのブック型PCをロイスが操作すると、中国領事館の4つの出入り口を映し出した生中継映像が出てきた。

 マリーは高級っぽい洋服店で試着室に入った。実は、その奥で彼女は恋人マークと久しぶりに会っていた。しかし、マリーを尾行する連邦保安官補たちは気付かずに、洋服店内で彼女が出てくるのを待っている。ジェラードに連絡を取ったその連邦保安官補は、自分たちの過ちを知らされ、試着室に直行したが、もう遅かった。着替え中のマリーにドッキリした連邦保安官補は「スリの捜索を」と誤魔化す。

 マークの潜伏アパートに居るジェラードたちは、コンピュータの中国領事館の映像から、彼の狙いがシアン・チェンであることを知る。すると、その時偶然に中国領事館の生中継映像にチェンが映り、ジェラードたちもチェンを追う。

 ニューヨークの人ごみの多い横断歩道。チェンは向かいから歩いてきた黒人男性とブリーフケースを交換する。その黒人の男はタクシーに乗った。ジェラードは官権を振りかざして、走行中のキャデラックを止めて運転手を降ろした。そして、ニューマンと一緒にその車に乗り込み、タクシーを追う。タクシーの向かった先はクィーンズ墓地。男はタクシーを待たせたまま、その中のチャペルに入ったが、暫くすると出てきて、再びタクシーに乗って行った。ジェラードはタクシーを市警に止めさせるように手配し、チャンを追って中国領事館前に来ていたロイスとコズモを墓地へと呼んだ。

 葬儀の為、墓地に沢山の車が行列になって現れた。その車の中に保安局のバローズがいる。しかし、彼は葬儀には加わらず、一人チャペルの中へと入っていった。すると暫くして、カツラと髭とサングラスで変装したマークがやって来て、彼もチャペルに侵入した。チャペルの祭壇の横の柱の下に隠されていたブリーフケースを取り出すバローズ。腐っていたのは、コイツだったのか。背後からやって来たマークがバローズに銃を突きつけ、真相を尋ねた。バローズがマークをハメたのは、自分たちのしていたことが局長にばれそうになったからだ。主語を" we "で話すバローズには仲間がいる。

 マークはバローズにブリーフケースを持たせ、チャペルの外に連れ出した。そのマークをチャペルの屋上からチャンがライフル銃で狙っている。しかし、うまい具合にジェラードがマークたちを止めようとしたお陰で、チャンの弾はバローズの頭を直撃した。マークは引き続くチャンの銃弾をよけ、迎えに来ていたマリーの車に乗って逃走。チャンはビッグズとクーパーに捕まえられた。墓地の出口で、ちょうどやって来たロイスとコズモの車とマークとマリーの車は激突。マークとマリーは走って逃げるが、マリーにはマッチョな逃走劇は無理だ。マリーはマークを一人で行かせた。

 老人ホームの中に逃げ込んだマークをジェラードとロイスが追う。ニューマンも別の入り口から老人ホームに入った。ジェラードと二手に分かれてマークを捜していたロイスは、酸素ボンベを付けた老人の部屋で、彼を見つけた。ドタバタと取っ組み合う音を聞きつけたニューマンが、その部屋に入ったとき、ロイスの銀ピカの銃(画面上では黒く見えたけど、確かにこれは銀。そうじゃないと、これからの話に辻褄が合わない。)がマークの頭に突きつけられていた。その時、思いがけないことに、ロイスはニューマンを撃った。銃弾の音にジェラードが部屋に駆けつけると、血みどろになって倒れる部下ニューマンの姿。ロイスはマークが彼を撃ったと伝えた。怒りに震えるジェラードは救急車を要請し、窓の外に出てマークを追った。瀕死のニューマンはロイスを悔しそうに睨んだ。

 老人ホームの屋上に追い詰められたマーク。遥か下の駅に電車が入ってくるのが見える。ジェラードが銃を構え、屋上の縁に立つマークににじり寄って行くと、マークは設置されていた滑車のロープを掴んで飛び降りた。そして『 スパイダーマン (2002) SPIDER-MAN 』のごとく、駅のホームの屋根へと飛び移ったのだ。そして動き始めた電車の屋根に乗り、マークはジェラードの追跡を逃れた。

 ジェラードたちのオフィス。外交保安局のバローズ特別捜査官殺害のニュースが流れている。世論ではバローズとマークが共謀して中国に機密を売ったことになっているようだ。連邦保安官補死亡のニュースも流れ、ジェラードたちにやるせない雰囲気が広がる。チームで一番若かったニューマンは死んだのだ。取調べの結果、チェンとブリーフケースを交換した黒人の男はバローズの指示で動いていた"凧"であることが判明。チェンは外交特権をかざして黙秘を続けている。逮捕されているマリーはマークを信じている。

 工業団地に乗り捨てられた車から、マークの指紋が付いた錠剤の入れ物が見つかった。ジェラードはスーパーで薬の箱を開けまくり、その錠剤が船酔いの酔い止め薬であることが分かった。マークは船で逃亡するつもりなのだ。ジェラードは市警の応援も待たずに、止めるコズモを振り切って、一人でマークが乗ったと思われる穀物貨物船に向かった。しかし、ジェラードが乗り込もうとしたヘリコプターにはすでにロイスが居た。

 ジェラードとロイスは貨物船に到着。すぐにマークがCデッキの4号室にいることが判明した。マークを見つけた二人は彼を追うが、ロイスは細い廊下で急に開いたドアにあたって倒れてしまう。甲板に出たジェラードは、マークに掴みかかられる。そして、二人でクレーンにぶら下げられた荷物に引っ張り上げられ、穀物が貯蔵されているところに落ちてしまう。ジェラードとマークは穀物の中で必死に戦うが、優勢になったマークがジェラードに銃口を向けた時、上方からロイスがマークを撃った。マークが自分を殺すつもりでなかったことに気付いていたジェラードは、ロイスの行動を不審に思う。

 マークは救急車で病院に担ぎ込まれた。病室の外でロイスは、マークがニューマンを撃った銃だと、銀ピカの銃をジェラードに見せた。ジェラードは初めてロイスに会ったときのことを思い出した。その時、ジェラードは彼に銀ピカよりも"グロック"がいいと勧めたのだ。ジェラードはロイスから彼が今使っている"グロック"を見せてもらい、気付かれないようにマガジン(弾倉)を取り替えた。ロイスがしきりに休みをとるように言うので、疲労困憊のジェラードはコーヒーを飲みに行く。ロイスは警備の警官に証拠品を届けるように言いつけて、マークの見張りを自分だけにした。

 ロイスがマークの病室に入り、彼を殺そうとしたとき、ジェラードが現れた。ロイスはマークが逃げかけたととり繕うとしたが、ジェラードには通用しない。ジェラードは袋に入ったロイスの銀ピカ銃を見せた。その銃は沼地でマークに盗まれたが、マークがジェラードを撃った直後に、ロイスは取り返していた。また、ジェラードを撃った弾とニューマンを撃った弾は同じものである。犯人はロイスだ。全てを知られてしまったロイスは、ジェラード目がけて銃の引き金を引いた。しかし、マガジンが抜かれているために弾は出ない。ロイスは観念したかのように後ろを向いたが、その瞬間腰に入れていた銃を抜いた。ジェラードは先にロイスを撃ち倒した。

 裁判所の前、マスコミのインタヴューに連邦保安官キャサリンは、検察がマークの起訴を取り下げたことを発表した。マークは晴れて自由の身だ。ジェラードのチームの車に乗って、マークを迎えにやって来たマリーと、抱き合ってハッピー・エンド。甘いムードのマークたちに対して、ジェラードの迎えは、ムッツリ顔の連邦保安官補チーム。部下たちは勝手に行動したジェラードに怒りを表している。
コズモ: I think you owe me an apology.(オレに謝らなきゃ。)
ジェラード: I know. I know, but…(わかってるよ、わかってるよ、だが…。)
コズモ: But what?!(だが、何?)
ジェラード: I don't even like you!(俺はお前がきらいなんだ!)
なんて、素直になれないオジサンのジェラードだが、部下たちは彼の真意を分かっている。ジェラードのジョーク(!?)に皆で笑って、アメリカの治安を守る為、連邦保安官補たちが乗り込んだ車は出発した。

 アンダーグラウンドな映画製作者ロバート・ダウニー Robert Downey Sr. の息子であるロバート・ダウニー・Jr は 1965 年 4 月 4 日(おひつじ座)午後 1 時 10 分にニューヨーク・グリニッジヴィレッジで生まれた。『 チャーリー (1992) CHAPLIN 』でアカデミー主演男優賞にノミネートされたり、『 アリー・myラブ (4th Season) (2000〜2001) ALLY McBEAL 』のラリー役でゴールデン・グローブ助演男優賞を獲得するなど、輝かしいキャリアを持つロバート・ダウニー・Jr であるが、度重なる薬物使用で、 1996 年 6 月に一回目の逮捕、1999年 8月に仮釈放中に違反を繰り返した為に3年の実刑判決、 2001 年 4 月の逮捕では『 アリー・myラブ (4th Season) (2000〜2001) ALLY McBEAL 』のキャストから外されるなど、結構大変な人みたい。エルトン・ジョン Elton John のヒット曲" I Want Love "のミュージック・ヴィデオ出演が『 アリー・myラブ 』より解雇後の初仕事。サンダンス映画祭で主演映画『 The Singing Detective (2003) 』が上映され、薬物のリハビリを終えたダウニー・Jr がカムバックを果したと 2003 年 1 月 23 日付けのMSNニュースで読んだけど、大丈夫かなぁ?本作のようにアメリカ司法省下の組織にお世話になるようなことをせず、俳優道を突き進んでいただきたいものです。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず10391文字/文責:幸田幸
参考資料:「追跡者」英語版オフィシャルサイト
     allcinema ONLINE
     Yahoo!
     IMDb
     U.S. Marshals Service http://www.usdoj.gov/marshals/
     Welcome at GLOCK  http://www.glock.com/index.htm
     http://websvr1.paris-miki.co.jp/paris-miki.com/items/frame/structure.html
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