007/ワールド・イズ・ノット・イナフ
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007/ワールド・イズ・ノット・イナフ (1999)
THE WORLD IS NOT ENOUGH
 映画『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ (1999) THE WORLD IS NOT ENOUGH 』をレヴュー紹介します。

 映画『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ THE WORLD IS NOT ENOUGH 』を目次的に紹介します。
■映画『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 』のポスターと解説
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 』の映画データ
■映画『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 』のスタッフとキャスト
■映画『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ (1999) THE WORLD IS NOT ENOUGH 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 』の結末
■映画『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 』の更新記録

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【映画『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 』のポスターと解説】
007/ワールド・イズ・ノット・イナフ
007/ワールド・イズ・ノット・イナフ

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【解説】
 映画『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ (1999) THE WORLD IS NOT ENOUGH 』は、007シリーズ第 19 作。ピアース・ブロスナンがジェームズ・ボンド5代目になってから三作目。今回『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 』のボンドガールはフランス人女優ソフィー・マルソー。もう一人のボンドガールは肉体派のデニース・リチャーズ。映画『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 』で、ボンドの敵となる悪役は何とロバート・カーライル。
 映画『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 』を観て、女王陛下の諜報本部のMI6の建物が立派で驚いた。ここで文字通り石油"王"のキング卿が爆死し、ボンドはその娘で後継者のエレクトラ(ソフィー・マルソー)の警護の任務を仰せつかる。上司Mには、護衛という立場を忘れずにと釘を刺されるが、それはプレイボーイのボンドだから、当然エレクトラとお熱くなる。しかし、彼女はテロリスト(ロバート・カーライル)に過去に誘拐されており、いわゆる"ストックホルム症候群"で、犯人と情を通じ、洗脳されていたのか。
 ロバート・カーライルは銃弾を頭部に受けたまま、痛みの感覚神経を損傷しているので、不死身の凄みを上手に演じている。女性陣はいつもながら奇麗。ボンドは例によって007の秘密兵器をフルに活用して、ド派手に暴れてくれる。映画『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 』は、アクションたっぷりのエンターテインメント。
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
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■映画『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 』の映画データ

 上映時間:127分
 製作国:アメリカ
 公開情報:MGM=UIP
 アメリカ初公開年月:1999年11月19日
 日本初公開年月:2000年02月05日
 ジャンル:アクション/アドベンチャー
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【『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 』のスタッフとキャスト】
監督: マイケル・アプテッド Michael Apted
製作: マイケル・G・ウィルソン Michael G. Wilson
    バーバラ・ブロッコリ Barbara Broccoli
脚本: ニール・パーヴィス Neal Purvis
    ロバート・ウェイド Robert Wade
    ブルース・フィアスティン Bruce Feirstein
撮影: エイドリアン・ビドル Adrian Biddle
音楽: デヴィッド・アーノルド David Arnold
テーマ曲: モンティ・ノーマン Monty Norman(ジェームズ・ボンドのテーマ)
キャラクター: イアン・フレミング Ian Fleming
 
出演: ピアース・ブロスナン Pierce Brosnan ジェームズ・ボンド
    ソフィー・マルソー Sophie Marceau エレクトラ・キング
    ロバート・カーライル Robert Carlyle レナード
    デニース・リチャーズ Denise Richards Dr. クリスマス・ジョーンズ
    ロビー・コルトレーン Robbie Coltraine ヴァレンティン・ズコフスキー
    ジュディ・デンチ Judi Dench M
    デスモンド・リュウェリン Desmond Llewelyn Q
    ジョン・クリーズ John Cleese R
    マリア・グラツィア・クチノッタ Maria Grazia Cucinotta ジュリエッタ(シガーガール)
    セレナ・スコット・トーマス Serena Scott Thomas  Dr. モーリー・ウォームフラッシュ
    サマンサ・ボンド Samantha Bond ミス・マニーペニー
    ウルリッヒ・トムセン Ulrich Thomsen ダヴィドフ
    ジョン・セル John Seru ガボール
    コリン・サーモン Colin Salmon チャールズ・ロビンソン
    デヴィッド・コルダー David Calder ロバート・キング卿

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ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第01段落】  舞台はスペインのビルボア Bilboa, Spain の某ビル。ジェームズ・ボンド(ピアース・ブロスナン)は、英国の石油王ロバート・キング卿のお金 3,030,303.03 ポンド(£1=¥ 198換算で約6億円)を取り返す仕事をしに来ている。美女ジュリエッタ(マリア・グラツィア・クチノッタ)が葉巻をボンドに勧める。でも、ここで先ず先方の怪しい男女に襲われそうになり、すかさず<眼鏡>に化けた爆弾で反撃。倒れた男のベルトにカーテンの紐を括って、札束の入ったスーツケースを提げて、3、4階の窓から階下へスルスル。道行く人は呆然とそれを眺めている。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第02段落】  ロンドン London の英国秘密情報部 MI6 本部へ帰ったボンドは、職員のミス・マニーペニー(サマンサ・ボンド)に葉巻一本をお土産だと言って渡し、嫌味を言われている。そして、ボンドの指令役の上司M(ジュディ・デンチ:
眺めのいい部屋 (1986) A ROOM WITH A VIEW
恋におちたシェイクスピア (1998) SHAKESPEARE IN LOVE
ショコラ (2000) CHOCOLAT
アイリス (2001) IRIS
ホーム・オン・ザ・レンジ/にぎやか農場を救え! (2004) HOME ON THE RANGE
ラヴェンダーの咲く庭で (2004) LADIES IN LAVENDER
リディック (2004) THE CHRONICLES OF RIDDICK 』等に出演)に帰国の報告をする。札束の持ち主ロバート・キング卿(デヴィッド・コルダー)はMのオックスフォード大学 Oxford University の同級生で、Mとは親しげにして、お金を取り戻してきてくれたボンドにお礼を言う。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第03段落】  しかし、その札束は後で分かったのだが、尿素に漬けられており、キング卿のすり替えられたネクタイピンが起爆剤となって、爆発。キング卿は爆死してしまう。ボンドは、秘密兵器発明と調達の係Q(デスモンド・リュウェリン)が用意しつつあったボートに飛び乗って、立派な MI6 本部の上階から、遥か下のテムズ川 Thames River に跳び込む。そこには女性の乗った怪しい白いボートが待機していた。ボンドの乗ったボートは、バットマンを連想させる黒い兜のような型で、各種秘密兵器が備えられている。ここでテムズ川を舞台に、国会議事堂等の美しいロンドンの景色を背景にして、ボートの激しいチェイスが行われる。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第04段落】  川の湾曲部を早回りするには、ボンドのボートは<車>に早変わりして、一直線に陸を横断して進む。また、橋が降りてきて通り抜けられなければ、ボートを< DIVE >モードにして、潜水までして進むというスーパーボートだ。勿論、機関銃やミサイルも駆使できる。激しい攻撃でボンドに追い詰められた女性は、冒頭のスペインのビル内でで葉巻を差し出してくれたあのジュリエッタだった。彼女はミレニアム・ドーム The Millennium Dome の建っている河畔でボートをかけ降りる。そこはテムズ川南岸、ロンドン市東部のグリニッジ Greenwich 、そう、地理で習ったグリニッジ天文台の所在地だ。ミレニアム・ドームはロンドン名物の一つ。 2001 年1月1日に、歴史的なミレニアム(一千年の期間)を記念して建てられた、世界最大のドームだ。現在もこの地を通る経線は「本初子午線」とされ、経度の基点とされている。地図上だけだったグリニッジの観念が、映画というメディアによって、観る者に現実感を与えてくれてこんな嬉しいことはない。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第05段落】  ジュリエッタはドームの横に止まっていた色鮮やかな気球に跳び乗る。ボンドも跳びついてロープにつかまる。誰に雇われたのか、身の保障はするから観念するように、と呼びかけるが、彼女は気球の水素ボンベを撃って、自爆した。彼女の最後の言葉は「彼からは無理よ。」果たして、"彼"とは誰なのか?ボンドは気球の爆発と共に、ドームの大屋根に転げ落ち、鎖骨を骨折する。・・・ここで、やっとクレジット。007の映画のクレジットは独特の官能的な美しい画像が特徴で、今回のは水銀のような女体が魅惑的に流動体となって出てくる。それにモンティ・ノーマンのジェームズ・ボンドのテーマ曲はいつ聴いてもいい。
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン (2002) CATCH ME IF YOU CAN 』でもショーン・コネリー Sean Connery の初期の007劇中劇でこの曲がかかっていた。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第06段落】  キング卿の葬式が執り行われている。バグパイプ Bagpipe の音楽が聞こえるから、やはりスコットランドだ。落ち着いた由緒ありそうな佇まいの町カイル・オブ・ロハルシュ Kyle of Lochalsh でロケが行われた。近隣には、映画の舞台や日本のTVコマーシャルのロケ地にもなっているエラン・ドナン城 Eilean Donan Castle があるそうだ。こういう所も行ってみたいなぁ。葬式にはボンドもMも参列している。ボンドはキング卿の娘エレクトラ・キング(ソフィー・マルソー)を初めて見る。ソフィー・マルソーは 14 歳で『 ラ・ブーム (1980) LA BOUM 』でデビューして
真夏の夜の夢 (1999) WILLIAM SHAKESPEARE'S A MIDSUMMER NIGHT'S DREAM 』等で見ているが、ワタシ的にはそんな奇麗に思えなかった。横顔の方がイイかな、なんて!

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第07段落】  ボンドはロンドンの MI6 本部へ帰ったが、鎖骨負傷のため、キング卿爆死の捜査から遠のくように命じられる。しかし、仕事大好き人間のボンドは、 MI6 の女性医師の Dr. モーリー・ウォームフラッシュ(セレナ・スコット・トーマス)を口説いて、完治したように診断書に書いてもらう。ジェームズ・ボンドのプレイボーイぶりはいつもの如くだ。それから秘密兵器の調達にQの部屋に赴く。新型の車はBMBのシルバーのスポーツカー。勿論、武器のフル装備つき。それから、滑稽なのは、アノラックが膨らんで真ん丸い直径2メートルほどの白い玉になる新型コート。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第08段落】  ここで印象的だったシーンは、Qが、ボンドに「弱みを見せないこと。逃げ道を確保しておくこと。」とアドヴァイスしながら、階下にスーッと降りて行くところ。引退を暗示しているみたい。"Q"とは" Major Boothroyd "のことで、少佐なのだ。このQ役のデスモンド・リュウェリンは『 007/ロシアより愛をこめて (1963) FROM RUSSIA WITH LOVE 』からこの 19 番目の作品まで007シリーズ 17 作に出演し、今回が最後になる。途中、監督の意向でQ役を映画に作らなかったところ、世論がQ役を欲したため、ずっと彼はQとして出演してきた。 17 作品にQとして出演しているが、出演時間は合計でたった 30 分程だそうで、言わば「薬味」のような役割を演じられて役者冥利に尽きただろう。なぜなら、デスモンド・リュウェリンはこの作品に出演直後に亡くなったのだから…。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第09段落】  亡くなるのが分かっていたのか偶然なのか、この映画で、Qが後継者(ジョン・クリーズ:
プルート・ナッシュ (2002) THE ADVENTURES OF PLUTO NASH
ピノッキオ (2002) PINOCCHIO 』等に出演)を紹介するのだ。ボンドは、その人物を「Qの次だからRですかネ」とからかう。実際、次作
007/ダイ・アナザー・デイ (2002) DIE ANOTHER DAY 』で、ジョン・クリーズはQとして出演している。とにかく、007ものは、秘密兵器を見るだけでも面白い。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第10段落】  ボンドは怪我が完治したことにして、Mから、キング卿の娘エレクトラの警護の任務を命じられる。そして、エレクトラの経歴も知る。エレクトラは以前に誘拐されて、身代金を米国ドルで $5,000,000 ($1=¥ 120換算で約6億円)犯人から要求してきた。パッと閃(ひらめ)いたボンドがコンピュータでレートを計算すると、先日スペインのビルボアから取り戻してきたキング卿のお金£ 3,030,303.03 (英国ポンドで約6億円分)と金額が合致した。誘拐当時、キング卿は自分で犯人と交渉したが埒があかず、友人のMに相談をもって行った。そして、身代金を払わないで様子を見ようということにした。そんな時、エレクトラを釈放してきたという経緯だ。でも、あのスーツケースの札束と同額ということは何かあるに違いない。テロリストは戻ってきたのだ。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第11段落】  その際、無政府主義者のレナード(ロバート・カーライル)を、Mが遣わした諜報員009に暗殺させようとしたが、レナードは死ななかった。銃弾はレナードの頭部の延髄内を移動して、感覚の神経をなくし、「痛み」の感覚まで奪った。だから、レナードは最終的に死ぬまで、痛さを知らないから、とてつもないモンスター状態にある。キング卿の娘エレクトラは父の後継者となり、カスピ海 the Caspian Sea 方面に今いる。レナードはエレクトラを殺しに来るに違いない。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第12段落】  アゼルバイジャン Azerbaijan にBMBに乗って到着したボンド。<アゼルバイジャンとは、西アジア、カフカス Caucasus 地方の南東部を占める共和国。カスピ海西岸に面する本土と、イラン Iran とアルメニア Armenia に囲まれた飛び地(ナヒチェバン自治共和国)から成る。トルコ系アゼルバイジャン人の居住地。石油の産出が多く、綿花・たばこ・ブドウなども栽培される。 1991 年 12 月ソ連の解体により独立。首都バクー Baku 。(大辞林国語辞典参照)> ロケも本当にそこでなされているので、油田の雰囲気が十分に出ている。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第13段落】  エレクトラは大規模な国際的パイプライン計画を立てている。この地に古くからある教会がパイプラインのルートにかかって破壊されようとしており、民衆は反対運動をしている。すると、この土地は母方のルーツだから残します、とエレクトラは宣言して、民衆の喝采を浴びている。ここで百年前、母方の先祖が石油を見つけた。しかし、ソ連が 70 年間メチャメチャにしてきた。だから新しいパイプラインを敷く。全長 1300 km で、トルコ Turkey 、イラク Iraq 、イラン Iran 、シリア Syria を抜けてヨーロッパ Europe まで通じる。黒海 the Black Sea の北方にはソ連の三本のパイプラインがあり、キング一族のこのパイプラインを潰そうとしている。逆に、三本のパイプラインが使えなくなれば、このキング一族のつまりエレクトラのパイプラインが独占できるわけだ。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第14段落】  こういう話をボンドはエレクトラから聞くが、彼女が殺されないように護衛に来た旨を話すと、一笑にふされる。そして父親の爆死の起爆剤となったピンを見せて、内部に裏切り者がいると伝える。それにしても、エレクトラ Elektra ( Electra ) という名は丁度観たばかりの
デアデビル (2003) DAREDEVIL 』のカンフー抜群のヒロインの名もそうだった。日常生活では耳にしない名前で「電気 electric 」みたいなヘンな名前だなと思い、調べてみた。すると、ギリシャ語の「明るい光/輝かしい Bright Light/Brilliant ;Greek 」という語に由来する女性の名前だと分かった。やはり「電気 electric 」は派生語なのだ。それに、女性の名としては凄く勇ましいナと思うような響きがあり、どちらの映画も、劇中では大人しくない女性を象徴しているようである。なにしろ、エレクトラはギリシャ神話 Greek mythology で、父親を殺した男とその恋人を兄が殺すのを手伝ったという女性なのだ。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第15段落】  ボンドとエレクトラは、ヘリコプターで白銀の山にスキーに行く。シュプールの全然描かれていない、大自然の雄大な山々が実に眩(まばや)くように美しい。撮影のエイドリアン・ビドルは
1492・コロンブス (1992) 1492: CONQUEST OF PARADISE
ハムナプトラ2/黄金のピラミッド (2001) THE MUMMY RETURNS
サラマンダー (2002) REIGN OF FIRE
シャンハイ・ナイト (2003) SHANGHAI KNIGHTS 』等に活躍、非常に美しく刺激的なスクリーンを提供してくれる。ロケは、遠くフランスのシャモワ Charmoix, France だ。すぐ影響されてしまうワタシ、あぁ、こんな所にもスキーに行きたい!

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第16段落】  この山間(やまあい)に、パイプラインの両端が繋がる合流点が見える。こうしていると、不審なモノが数機、上空を飛んで来た。スノーボードのような乗り物にパラシュート状のものがついている。それが機関銃を二人に浴びせてきたので、二人は二手に分かれてスキーで逃げる。こういうシーンはスパイものでよく観られて、いつ観てもワクワクする。『 アイ・スパイ (2002) I SPY 』でも似ている場面があったっけ。二機を空中衝突させると雪崩が起こるが、ボンドの着ている新型コートの秘密兵器で、二人は無事だ。Qの後継者Rが作ってくれた、あの球状になるアノラックのお蔭で、雪の中で丸くなって生き延びる。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第17段落】  アゼルバイジャンのバクー Baku 。エレクトラの豪邸がここにあり、贅沢三昧に暮らしている。雪崩で怖がったのでボンドは彼女を見舞いに行き、その足でヴァレンティン・ズコフスキー(ロビー・コルトレーン:
フロム・ヘル (2001) FROM HELL 』や
ハリー・ポッター (2001 - 2002) HARRY POTTER 』シリーズのハグリッド役)の邸宅のパーティに顔を出す。ボンドのここでの秘密兵器は、青いサングラス。人の衣服の内側が透き通って見えるキワモノだ。女性の下着も、男達の武器も見えてしまう。ズコフスキーはキャビア工場を大規模に所有する有力者。ボンドは、スキー場で襲ってきたパラシュートの端切れを見せ、それからソ連が絡んでいるという情報を得る。ということは、レナードの存在がやっぱり浮かんでくるのだ。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第18段落】  レナードのアジトは、ヒンデュー教の巡礼の地にある。彼は気に食わない部下はすぐ殺してしまうという残虐な男だ。レナード役のロバート・カーライルは
フル・モンティ (1997) THE FULL MONTY
アンジェラの灰 (1999) ANGELA'S ASHES
リトル・ストライカー (2000) THERE'S ONLY ONE JIMMY GRIMBLE
ケミカル51 (2002) THE 51st STATE / FORMULA 51
家族のかたち (2002) ONCE UPON A TIME IN THE MIDLANDS 』等で観ているが、このレナードという極悪人も物凄く似合っているではないか。スキンヘッドが凄まじく、こめかみに残る銃弾の痕が生々しい。それから、部下の男ダヴィドフ(ウルリッヒ・トムセン)は、冒頭のスペインでのキング卿のお金の取り戻しの際にいた男だ。やはり、レナードが完全に絡んでいた。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第19段落】  その頃、ボンドはバクーのエレクトラの寝室で、ベッドを共にしていた。必ずボンドガールとは、そういう関係になるんだ。夜中には、そこを抜け出して、VISAカードを鍵を開ける小道具に変身させて庭内の小屋を探索。その後、ダヴィドフの車のトランクに隠れて、飛行場に着く。レナードに殺された博士の振りをして飛行機に合流して、カザフスタン Kazakhstan に到着した。ここはプルトニウムの研究施設が地下にあり、ボンドは下りて行く。この施設でプルトニウムに詳しい女性の博士 Dr. クリスマス・ジョーンズ(デニース・リチャーズ:
わたしが美しくなった100の秘密 (1999) DROP DEAD GORGEOUS 』等に出演)と知り合う。デニース・リチャーズもボンドガールなわけで、その個性的な風貌とスタイルには参るなぁ。エレクトラのソフィー・マルソーよりも生き生きして魅力的で見応えがあると思う。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第20段落】  この地下施設にレナードが急襲し、核弾頭(ミサイルの先端部に装着される、核爆発を起こす装置)を奪って行く。ボンドは反撃するが、撃ち合いと爆発で、施設はダメージを受け、大爆発が起こる。炎に追われるシーンは凄い。ボンドは Dr. クリスマス・ジョーンズを連れてどうやら逃げ延びた。しかし、核弾頭を入手したレナードには逃げられてしまった。悪用されたら大変だ。なにしろ原爆だから、使われたら一帯は木っ端微塵だ。ここで Dr. クリスマスに「あなた、誰?」と問われて、イギリスの諜報部員だとボンドは名乗る。
 
【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第21段落】  ロンドンの MI6 本部のMに、バクーにいるエレクトラからヴィデオカーテンのメールのようなものが届く。『 ソラリス (2002) SOLARIS 』にも出ていたのと同じ感じの、進歩した通信機器なのだろう。ジェームズ・ボンドが行方不明だからMに来て欲しい、という切羽詰った内容に、エレクトラが何か企んでいるとも知らずにMは旅立つ。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第22段落】  ボンドは、イスタンブール Istanbul のエレクトラの所に姿を現し、追及する。プルトニウムの地下施設でレナードに襲われた時、レナードはボンドがエレクトラと寝たことも、鎖骨を骨折して痛いことも知っていた。だからボンドは、レナードとエレクトラがつるんでいる事に気付いたのだ。それは、彼女が以前レナードに誘拐された時、若く、世間知らずで、男女関係にも不慣れだったので、犯人の言うことに共感し、洗脳されてしまい、いわゆる「ストックホルム症候群 Stockholm syndrome 」になってしまったとボンドは考える。<人質監禁事件において人質に長い監禁のうちに外部にいる味方に反感を抱き,逆に犯人に屈服して親近感を抱くようになること。 1973 年ストックホルムで起きた銀行強盗事件から。(現代用語の基礎知識 2001 より)> しかし、エレクトラはそれを認めず、ヒステリックに怒って否定するが。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第23段落】  そういう間に、エレクトラのパイプラインの中に爆弾がセットされる事件が起こる。起爆装置を解除するために、専門家の Dr. クリスマス・ジョーンズを伴って、ボンドはパイプライン内に入る。しかし、静止しているのでなく、リムと呼ばれる球状の高速トロッコのような物に乗りながら作業するのだ。凄いスピードで細いパイプライン内を飛ばしていくシーンは見もの。ここの起爆装置のプルトニウムの量は、地下施設からレナードが奪っていった核弾頭の量の半分しかなかった。それは分かったが、リムのブレーキが効かなくなっているのに気付き、二人はパイプライン内で飛び降りる(時速 70 km ではチト不自然…)。その直後、爆発。エレクトラたちは、ボンドはこれで死んだと思う。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第24段落】  Mがロンドンから到着すると、エレクトラは化けの皮を剥がした。自分が誘拐された時、身代金を払わず、助けてくれなかったことを父ともども非難し、屋敷の一室の檻の中に監禁する。そして、翌日の正午にプルトニウムの残りの半分が爆発すると言って、これ見よがしに時計を置いてMに恐怖を味わわせる。これで私もようやく分かってきた。レナードとエレクトラは、核弾頭の残り半分を爆発させ、イスタンブール一帯を廃墟にする。そうすると、その汚染の関係で、黒海の北のソ連側のパイプライン三本が使えなくなり、ヨーロッパの石油の需要はエレクトラの会社のパイプライン一本に頼らざるを得なくなる。これで独占してますます大富豪になろうともくろんでいるのだ。そして、爆発前に避難できるように潜水艦まで用意してある。

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第25段落】  エレクトラは戻ってきたレナードと抱き合い、再会を喜ぶ。そして監禁しているMを彼に見せて、憎しみいっぱいに論じる。「父は母の王国を盗んだ。私がそれを取り戻す!」明日の正午にこの町全体と一緒にMが吹き飛ぶと豪語して笑い、レナードとベッドを共にする。ボンドの推測したストックホルム症候群は的中していたのか?実は、それが奥深いのだ。エレクトラは父が救ってくれないことで恨みを抱き、父キング卿の石油会社を後継して、自分が天下を取ろうと決心した。誘拐犯のレナードは、エレクトラを心から愛し、弾丸の入ったままの頭であと僅かしかない自分の命を、彼女の計画に捧げようと命を張って行動しているのだ。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第26段落】  カスピ海。ズコフスキーのキャビア工場。ロールスロイスに乗って現れたズコフスキーの部下が、陰に停まっているジェームズ・ボンドのBMBを発見、エレクトラに、ボンドは生きていると連絡する。そして今度の敵の武器は、ヘリコプターの下に、回転式のこぎりが幾つもついている獰猛なもの。これも007ならでは。極端に意表を突く、ダイナミックで、またコミカルでもある秘密兵器だ。ここでもアクションが撮られ、ボンドも走ったり泳いだり大活躍する。ロールスロイスは水中に沈没され、BMBのスポーツカーはそのヘリののこぎりで縦に真っ二つに切断されてしまって、勿体ないナ。なお、 Dr. クリスマス・ジョーンズはレナード側に連れ去られる。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第27段落】  一方、イスタンブールで監禁されているMは、時計の電池を利用して発信機を作動でき、 MI6 本部に送信成功。ボンドはその館に到着するが捕まる。このシーンの台詞にタイトルの" The World Is Not Enough "が聞かれるのだ。
Elektra : You could have had the world. (あなただって世界を手中に収めることが出来たのに。)
James Bond: The world is not enough. (世界では十分じゃない。=まだ不足だ。)

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第28段落】  中世の拷問の道具を使って、エレクトラはボンドをいたぶって楽しむ。そこに、ズコフスキーが駆けつけ、友人の潜水艦のニコライ船長の帽子を見て、船長がエレクトラの仲間に殺されたと察知する。しかし、その途端、エレクトラに撃たれてしまう。ズコフスキーは死ぬ直前、拷問椅子の金具にピストルを命中させて、そのお蔭でボンドは体が自由になった。原子炉が溶解すれば 800 万人の人々を殺戮することになる。早く止めなければ!ボンドはエレクトラに、プルトニウムの爆発を止めさせるように強く言う。でもエレクトラは、あなたには私を撃てない、と自信たっぷり。でも、ボンドは撃った。所詮、諜報部員というのは人を殺すのが仕事なんだ。
コンフェッション (2002) CONFESSIONS OF A DANGEROUS MIND 』でも、主人公はCIAにスカウトされて初めて仕事の内容が「お国の為に」という大義名分で殺人だと分かる話だ。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第29段落】  ボンドは屋敷内のMを救ってから、 Dr. クリスマス・ジョーンズを救いに、レナードの乗り込んだ潜水艦に侵入する。ここで、潜水艦は銃撃で水がドーッと入ってきたり、傾いたり、大変な目に遭う。潜水艦の映画は最近では
K−19 (2002) K-19: THE WIDOWMAKER 』だが、水面下ということで、逃げ場のない怖さを絶えず抱えている。水中で呼吸を止めて動作する超人的なボンドも見られ、苦しいながら、とうとうレナードをやっつけることが出来た。潜水艦内の原子炉は水に浸かったので、潜水艦が爆発しても大丈夫だと、専門家の Dr. クリスマス・ジョーンズはボンドに教える。これで、イスタンブールへの原爆とその汚染は避けることに成功した。ボンドの任務は、テロリストを負かして、無事に完了。

【007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 第30段落】   MI6 本部では、艦の爆発で、ボンドの生死を心配している。しかし、コンピュータ画面に熱の存在として現れたのは、グラマラスな美女 Dr. クリスマス・ジョーンズと重なっているボンドの姿であった。どこまでもプレイボーイの007…。監督のマイケル・アプテッドは『 イナフ (2002) ENOUGH 』、音楽のデヴィッド・アーノルドは
ズーランダー (2001) ZOOLANDER
クン・パオ!燃えよ鉄拳 (2002) KUNG POW: ENTER THE FIST
チェンジング・レーン (2002) CHANGING LANES 』等を担当している、当代の売れっ子だ。兎に角、007シリーズは、映画の規模が大きくて製作費も莫大だろうし、派手で、豪快で、オシャレで、ウィットがあり、ユニークな秘密兵器がいろいろ見られ楽しく、加えて、世界を股にかけて移動するので異国情緒をたっぷり味わうことができるので、気分転換に最高!

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず10709文字/文責:幸田幸

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参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      公式サイト(英語版)
      http://www.jamesbond.com
      The Greenwich 2000R Network of Internet websites
      http://millennium-dome.com/
      British Tourist Authority Area Information Scotland
      http://www.uknow.or.jp/bta/area/scotland/scotland09.htm
      dramatis personae
      http://www.clinched.net/umbrae/trivia/people.html
      Baby Name World
      http://www.babynameworld.com/e.asp
■映画『 007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 』の更新記録
2003/03/08新規: ファイル作成
2003/05/26更新: ◆解説とネタばれ
2004/07/08更新: ◆テキスト一部とリンクおよびファイル書式
2004/12/05更新: ◆ 一部テキスト追記と書式変更および再登録
2004/12/27更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
2005/04/04更新: ◆データ追加
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幸田 幸
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