| ２８日後... | |||||||||||||||||||||||||||
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 ２８日後... (2002) |
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| 28 DAYS LATER | |||||||||||||||||||||||||||
| 映画『 ２８日後... (2002) 28 DAYS LATER
』をレヴュー紹介します。 映画『 ２８日後... (2002) 28 DAYS LATER 』を以下に目次的に紹介する。 ■映画『 ２８日後... (2002) 28 DAYS LATER 』のポスター、予告編および映画データ ■映画『 ２８日後... (2002) 28 DAYS LATER 』の解説 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。 ■映画『 ２８日後... (2002) 28 DAYS LATER 』のスタッフとキャスト ■映画『 ２８日後... (2002) 28 DAYS LATER 』の＜もっと詳しく＞ ＜もっと詳しく＞は映画『 ２８日後... 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー（あらすじとネタばれ）です。※ご注意：映画『 ２８日後... (2002) 28 DAYS LATER 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。 ■映画『 ２８日後... (2002) 28 DAYS LATER 』の結末 ■映画『 ２８日後... (2002) 28 DAYS LATER 』の更新記録 >>「映画解説・レヴュータイトル一覧表」へ（画面の切り替え） |
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幸の鑑賞評価： ８つ星   |
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| ■映画『 ２８日後... (2002) 28 DAYS LATER 』のポスター、予告編および映画データ | |||||||||||||||||||||||||||
２８日後...
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| ●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。 Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com. Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc. |
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| ■映画『 ２８日後... (2002) 28 DAYS LATER
』の解説 映画『 ２８日後... (2002) 28 DAYS LATER 』のプロットは…ロンドンの研究施設で実験材料としてチンパンジーが酷使されていた。『 ２８日後... 』では、それを救うために動物愛護活動家達はラボに忍び込んで檻を開ける。しかし、そのサル達には「凶暴性・激怒」が脳に埋め込まれ、伝染性殺人ウィルスが体内に培養されていたのだ。このウィルスは血液で伝染する為、ロンドンから人類は殆んど消滅してしまう。僅かに生き残った人間達は、人類滅亡から逃れるために戦う。しかし、途中から相手は殺人ウィルスでなく、思いもかけぬ方向へ…。 このホラー映画『 ２８日後... (2002) 28 DAYS LATER 』は『 トレインスポッティング (1996) TRAINSPOTTING 』の英国人監督ダニー・ボイルによる為、ハリウッド映画の様相とは別の角度から作られているので、全体に抑えた演技と効果になっている。『 ２８日後... 』は、派手な映画に見慣れていると地味に思えるかもしれないが、かえって恐ろしさが現実的だと言えよう。ホラーでも、国が違うと『 ２８日後... 』のようにこうもテイストが異なるのかと、改めて噛み締めた映画『 ２８日後... (2002) 28 DAYS LATER 』でした。 |
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| 【『 ２８日後... 』のスタッフとキャスト】 | |||||||||||||||||||||||||||
| 監督： ダニー・ボイル Danny Boyle (Directed
by) 製作： アンドリュー・マクドナルド Andrew Macdonald (producer) ロバート・ハウ Robert How (line producer) 製作総指揮： グレッグ・カプラン Greg Caplan (executive producer) サイモン・ファロン Simon Fallon (executive producer) 脚本： アレックス・ガーランド Alex Garland (written by) 撮影： アントニー・ドッド・マントル Anthony Dod Mantle (Cinematography by) 編集： クリス・ギル Chris Gill (Film Editing by) 音楽： ジョン・マーフィ John Murphy (Original Music by) 配役： ゲイル・スティーヴンス Gail Stevens (Casting by) 衣装： レイチェル・フレミング Rachael Fleming (Costume Design by) 特殊効果： リチャード・コンウェイ Richard Conway (Special Effects) 出演： キリアン・マーフィ Cillian Murphy ジム Jim ナオミ・ハリス Naomie Harris セリーナ Selena クリストファー・エクルストン Christopher Eccleston ウェスト少佐 Major Henry West ミーガン・バーンズ Megan Burns ハナ Hannah ブレンダン・グリーソン Brendan Gleeson フランク Frank レオ・ビル Leo Bill 兵士ジョーンズ Private Jones リッチ・ハーネット Ricci Harnett ミッチェル伍長 Corporal Mitchell スチュワート・マッカリー Stuart McQuarrie ファレル軍曹 Sergeant Farrell ノア・ハントレー Noah Huntley マーク Mark アレックス・パーマー Alex Palmer 活動家 Activist ビンドゥ・ド・ストパニ Bindu De Stoppani 活動家 Activist ジャッカ・ヒルタネン Jukka Hiltunen 活動家 Activist デヴィッド・シュナイダー David Schneider 科学者 Scientist ▲TOPへ |
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| ＜もっと詳しく＞ | |||||||||||||||||||||||||||
 ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。 |
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| 私は日本公開前に字幕スーパーなしの英語で観たので、わかる範囲でレヴューします。 ■映画『 ２８日後... 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー 【２８日後... 第01段落】 これまでにも、人類が滅亡の危機を扱った映画は多い。ミラ・ジョヴォヴィッチ Mila Jovovich 主演の 『 バイオハザード (2002) RESIDENT EVIL 』 『 バイオハザード アポカリプス (2004) RESIDENT EVIL: APOCALYPSE 』は未知のウィルスに冒されたゾンビに。クリスチャン・ベイル Christian Bale とマシュー・マコノヒー Matthew McConaughey 共演の 『 サラマンダー (2002) REIGN OF FIRE 』は火を噴く巨大な怪物に。ベン・アフレック Ben Affleck 主演の 『 トータル・フィアーズ (2002) THE SUM OF ALL FEARS 』は核爆発で。アーロン・エッカート Aaron Eckhart 主演の 『 ザ・コア (2003) THE CORE 』では地球の中心である核（コア）が停止して。 『 デイ・アフター・トゥモロー (2004) THE DAY AFTER TOMORROW 』では氷河期の再来で。このように原因となるものは様々であるが、人類が滅びてしまうという恐怖を描いた点では同じである。 【２８日後... 第02段落】 以上の映画は、どれも娯楽性が高かったと思う。いわゆるフィクションで、物語が進展するのに伴う俳優達の悲鳴、特殊効果、おぞましいＢＧＭ等で観客はハラハラしながら手に汗を握って鑑賞するタイプの映画だ。ホラーやサスペンスは概してそういうものだが、この『 ２８日後... 』を観て、これまでにない新鮮味を覚えたのは私だけではないだろう。製作国はイギリス・アメリカ・オランダではあるが、物語の舞台はイギリスであるし、監督や製作は 『 トレインスポッティング (1996) TRAINSPOTTING 』のダニー・ボイルとアンドリュー・マクドナルド。また、 『 フル・モンティ (1997) THE FULL MONTY 』に携わったダニー・ボイルも製作陣にいる。だからハリウッド映画とは非常に異なった趣向の作品で、大人の味がした。 【２８日後... 第03段落】 『 ２８日後... 』の俳優・女優は殆んど知らない人ばかりで、大スターが絡む豪華さはない。でも配役を担当したゲイル・スティーヴンス（ 『 マリー・アントワネットの首飾り (2001) THE AFFAIR OF THE NECKLACE 』等）は、各役柄に適した役者を配して、ごく自然に見入る事ができた。また、チンパンジーがずっと出るのではなくて、最初だけ。動物実験のシーンは 『 インビジブル (2000) HOLLOW MAN 』 『 クリムゾン・リバー (2000) THE CRIMSON RIVERS （英題） / LES RIVIERES POURPRES （仏題）』 『 スペース カウボーイ (2000) SPACE COWBOYS 』 『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 (2001) PLANET OF THE APES 』等でも多少ある。この映画では残酷な面は全然ないので、動物好きの幸としては安心した。 【２８日後... 第04段落】 さて、映画は先ず暴動・戦争・リンチ・爆発・街の銃撃戦の映像から始まった。社会派のドキュメンタリーのようなタッチで、こういう映画なのかなぁ、と暫く見つめる。すると、それは実験台に寝かされた一匹のチンパンジーに見せている、 10 台ほどのモニター画面だと判明する。ここはロンドンのケンブリッジ霊長類研究所 Cambridge Primate Research Institute, London 。広い動物管理室には、数十匹のチンパンジー達が一匹ずつガラスの檻に入れられて、周囲にはやはり暴動などのモニター画像がずらり。この動物達は、一日中こういう凶暴な映像を見せられているのだ。 【２８日後... 第05段落】 「動物の権利を守る」スローガンを掲げる動物愛護の活動家三人が、ある夜この研究所に侵入した。人間の殺し合いのモニターを見せられ続け檻に閉じ込められているチンパンジーたちを、三人は哀れに思う。そこに研究室の当直科学者が来て侵入者に気付き、緊急電話をしようとするが、遮られてしまった。科学者は、そのサル達は「激怒 Rage 」と呼ばれるウィルスを体内に有していて危険だから放してはならないと説明する。しかし、サルの目を見て可哀想に思った活動家の一人の女性が、一匹のガラスの檻を開けてしまった。その途端、チンパンジーは女性に飛びかかり、すごい形相で噛み付いてしまった。女性はドロドロの大量の血を吐く…。 【２８日後... 第06段落】 「 28 日後...」これがタイトルでもあり、あの日から 28日後という「ト書き」も兼ねている表示が出た。病院の一室で目を覚ました若い男性。主人公のジム（キリアン・マーフィ）だ。裸でチューブを付けられて寝ていたジムは、昏睡状態から目覚めたところだったのだ。声を出しても看護婦は来ないので、廊下に出て驚いた。物が散乱して、人っ子一人いない。ロビーの公衆電話はどれも受話器が垂れ下がったまま、不通。ペプシが一缶落ちていたのをゴクゴクと飲んで、散らかっている残飯から、食べられそうなものをビニール袋に入れて、病院から外に出てみた。素っ裸だったので、患者用の服をとり合えず身につけた。 【２８日後... 第07段落】 静まりかえるロンドンの街。テムズ川 the Thames だけが悠然と流れている。ビッグ・ベン Big Ben やピカデリー・サーカス Piccadilly Circus 等、お馴染みのロンドン名所が写るが、人は誰もいない死の町だ。ロンドンは 『 炎のランナー (1981) CHARIOTS OF FIRE 』 『 オースティン・パワーズ (1997) AUSTIN POWERS: INTERNATIONAL MAN OF MYSTERY 』 『 エリザベス (1998) ELIZABETH 』 『 恋におちたシェイクスピア (1998) SHAKESPEARE IN LOVE 』 『 ＧＯ！ＧＯ！Ｌ.Ａ. (1998) L.A. WITHOUT A MAP 』 『 ００７／ワールド・イズ・ノット・イナフ (1999) THE WORLD IS NOT ENOUGH 』 『 ハムナプトラ２／黄金のピラミッド (2001) THE MUMMY RETURNS 』 『 ハリー・ポッターと賢者の石 (2001) HARRY POTTER AND THE SORCERER'S STONE / HARRY POTTER AND THE PHILOSOPHER'S STONE 』 『 フロム・ヘル (2001) FROM HELL 』 『 オースティン・パワーズ ゴールドメンバー (2002) AUSTIN POWERS IN GOLDMEMBER 』 『 ００７／ダイ・アナザー・デイ (2002) DIE ANOTHER DAY 』 『 ピーター・パン２／ネバーランドの秘密 (2002) RETURN TO NEVER LAND 』 『 ベッカムに恋して (2002) BEND IT LIKE BECKHAM 』 『 シャンハイ・ナイト (2003) SHANGHAI KNIGHTS 』 『 ロイヤル・セブンティーン (2003) WHAT A GIRL WANTS 』 『 ８０デイズ (2004) AROUND THE WORLD IN 80 DAYS 』等で頻出しているが、こんな無人のロンドンは初めて。 【２８日後... 第08段落】 廃墟になっているのではない。人がいないのだ。車は乗り捨てられ、二階建てバスは横転している。道路は汚く散らかっている。でも鳥は飛んでいるナ。新聞スタンドの何日も前のらしい新聞の一面に「EVACUATION （避難）」と印刷されているのを見て、ジムは少し情報を得る。ジムが昏睡状態で病室にいる間に、４週間で世の中は何かが起きてしまったのだ。壁には、ところ狭しと一面に行方不明や連絡を乞うメモが貼られていて、米国の同時多発テロ直後の、行方知らずの家族・友人を探すニューヨークの張り紙とそっくりだった。 【２８日後... 第09段落】 教会に入ってみる。すると、数十体の死体の山が…。" Hello! "と声を出すと、人の動く気配がした。数人生きているらしい。ジムは喜びいさんでその人達と顔を合わそうとした。すると、何か様子がおかしい。牧師さんなのだが、顔は殺気だって、変な構えをして突進してくる。そして、その後にも何人も様子がおかしい人間達が追ってくる。ジムは本能的にそれがただの人間でないことを察し、火炎瓶を投げて逃走した。こういうゾンビや活動を失った都市の風景といった特殊効果担当のリチャード・コンウェイは 『 イングリッシュ・ペイシェント (1996) THE ENGLISH PATIENT 』 『 リプリー (1999) THE TALENTED MR. RIPLEY 』等で活躍の人だ。 【２８日後... 第10段落】 すると、ガスマスクのような物を被った二人連れに遭遇した。マーク（ノア・ハントレー）という男性と、セリーナ（ナオミ・ハリス）という女性だ。二人は、事態を説明してくれた。伝染性のウィルスがロンドンの町に蔓延してしまって、これは血を介して移っていく。イギリスは崩壊状態で、ラジオも電気も電話も放送もできなくなっている。政府も軍隊もない。パリやニューヨークにも感染が始まっていると言う。ジムはこの二人と行動を共にすることにし、自宅に帰ってみた。すると、あんなに元気だった中年の父母は、やつれて老人のようになって、ベッドで並んで息絶えていた。息子ジムは信じられない思いで涙する。 【２８日後... 第11段落】 マークの家族は苦しんで死んだから、ジムの両親は穏やかに亡くなったから感謝しなければ、と言う。恐らくジムの両親は飢え死にしたのではないだろうか。もっと醜い死に方は、先ほどの教会にいたゾンビのような恐ろしい人間になって、お互い噛み付き合いして死ぬことだろう。そんな時、窓を突き破ってゾンビが襲ってきた。ゾンビは殺したが、争ったマークは腕に傷を負っている。すると、セリーナが間髪を入れずにマークを叩き殺す。唖然とするジムに、セリーナは説明した。この殺人ウィルスは、すぐに人を殺すものでない。人は死にかけのゾンビになって、健康体を求めて襲い、その人間に血を移す。すると、その健康だった人間はゾンビとなって、それが繰り返されていく。それを避けるには、血を移された瞬間から 20 秒以内に殺すしかない。家族でも友人でも、容赦なく殺さなければならないのだ。 【２８日後... 第12段落】 ジムとセリーナだけになって街の様子を見ていると、一組の親子と出会った。フランク（ブレンダン・グリーソン： 『 フィオナが恋していた頃 (1998) THIS IS MY FATHER 』 『 Ｍ：Ｉ−２ (2000) MISSION: IMPOSSIBLE 2 / M:I-2 』等に出演）という中年の男性と、 13 、4 歳の娘ハナ（ミーガン・バーンズ）だ。そこは彼らの自宅で、妻はもう死んでいる。今晩はここで泊めてもらうことになり、ジムは髭をそって見違えるようにキレイになった。翌朝は、アパートの屋上にありったけのカラフルなバケツを百個ほど置いて、雨乞いしている。も十日も雨が降っていないので、水もないし、ここに滞在し続けることは出来ない。 【２８日後... 第13段落】 屋上で、彼らは試しに無線のラジオを聞いてみた。すると、マンチェスター Manchester の軍隊の声明が聞こえてきた。感染の解決法があることと、ゾンビの攻撃からの避難所があることを約束している。マンチェスターは車で二、三日で到着する距離らしい。彼ら四人はすぐにフランクの車に乗り込んで出発した。途中、地下道では車が何台も放置されて行く手を塞いでいるし、新鮮な人間の気配を感じたゾンビ達が襲って来る。タイヤはパンクするし、危機一髪のところで辛うじて通り抜けられた。 【２８日後... 第14段落】 この後は少しは幸せな時間が待っていた。バジェンズ Budgens というスーパーマーケットに立ち寄って、無人の明るい店内を四人だけがショッピング。好きな物を選んで、好きなだけカートに詰める。車の屋根とトランクに入りきれないほど飲み食いするものを買占めた。というか、タダでもらっちゃった。満たされた思いで進む道路の周りは野の花畑が麗しい。英国の田園風景がたっぷり拝めるシーンだ。 『 エニグマ (2001) ENIGMA 』 『 抱擁 (2002) POSSESSION 』 『 めぐりあう時間たち (2002) THE HOURS 』等でもこうした美しいシーンが観られる。風力発電の抒情詩のような幻想的風景、野生馬の一家が平和に野を駆け抜ける光景。音楽がまたいい。神々しい音楽は、これから彼らの被ることになる困難への慰みになっているようだ。 【２８日後... 第15段落】 ガソリン補給で寄った所にも、ゾンビはいた。ジムは生まれて初めて人を殺すことになって、憂鬱な顔になる。相手は少年のゾンビだったが、傷を負って血が入る前に、倒さなければならないのだ。夜は野宿。こうして、無人のハイウェーを突っ走って、とうとうマンチェスターに到着した。軍隊の居留地らしい所にはバリケードがしてあり、四人の車はシズシズと入って行った。寂れていて、人の気配がない。建物上部では、カラスが死体をついばんでいる。フランクは忌々しいカラスに「どけ！」と柱を蹴ると、死体から血が一滴、ポタッ。あぁ、フランクの目の中に落ちてしまった…。フランクは娘ハナに「愛してるよ。」と言い残して、近寄るなと言って蹲（うずくま）る。でも、このウィルスの怖いところは、それで父娘とも悲嘆に暮れるだけでは済まないことだ。血で感染したら 20 秒以内に殺さねばならないのだから。 【２８日後... 第16段落】 ハナの目前で、その辛い事実は起こる。丁度、軍の兵士がそれを見ていて、父を銃殺したのだ。その兵士はヘンリー・ウェスト少佐（クリストファー・エクルストン）といい、ここには熱いシャワーもあるし、ゆっくりしたらいいと言ってくれた。ただし、無線を聞いたのなら、恐らく想像とは違って、ここは軍隊と言ってもヘリコプターもないし病院もない所。しかし安全だと保証してくれた。ジムはシャワーを浴びて清潔になり、セリーナとお互い愛し始めていることに気付く。少女ハナは父親をああいう状況で失ったショックは大きい。・・・ ▲TOPへ ◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say ! 【２８日後... 第17段落】 この兵舎の一角には、ゾンビが一人、生かされて飼われて？いる。また、周辺地域からのゾンビ集団が襲撃してくるとサイレンが鳴って、兵士達は激しい銃撃戦をする。ここにいる兵士は男性ばかり十人くらい。ミッチェル伍長（リッチ・ハーネット）ら兵士は、ここに逃げてきたジムの一行三人の内の成人女性セリーナを手篭めにしようとするが、ジムが救った。この後、ジムはウェスト少佐と話をして、思いもかけない事を知るのだ。「ここには何の未来もない。感染するか飢え死にするだけだ。だから、故意に無線放送を流して、人をおびき寄せようとしたのだ。即ち、女性には未来がある。子供を産むから…。」 【２８日後... 第18段落】 そうだったのか、こういう極限の場で、女性が生殖の道具として求められていたのだ。ジムはすぐにセリーナとハナを連れて出て行こうとするが、阻まれてしまう。ジムは殴り倒され、女性二人は絶対に去らせないと彼らは息巻く。彼らにとって不要なジムは、森林の中を歩かされ、死体の山の所で射殺されるところを、間一髪で脱出できた。上半身裸で、顔は殴られて、ジムは柔な男性から、ワイルドな逞しい姿に変身する。そうして、兵士達の慰み者になりかかっていたセリーナとハナを救うために兵舎に戻って、自らサイレンを鳴らした。 【２８日後... 第19段落】 ジーンズ姿だった少女ハナは、兵士達のお相手をさせるためにか、下着風のドレス姿にされている。こんな幼いのに可哀想に。衣装のレイチェル・フレミングは 『 ブリジット・ジョーンズの日記 (2001) BRIDGET JONES'S DIARY 』等で手腕を見せている人で、ここでもこのハナは綺麗だ。大人のセリーナは、怯える少女ハナを何かと庇って守っている。そんな時にサイレンが鳴ってくれて、兵士達はそちらの方に気がとられたので、二人は取り合えず無事で済んだ。そうして、そのサイレンが、ジムが助けに戻ってくれたのだと知って、勇気百倍。ジムは兵士相手に戦うし、その上、ゾンビが襲ってくるしで、兵舎の内外で戦いは続く。遂にジムは女性二人を保護し、嬉しく抱き合って車で逃走。こんな時、ローティーンの少女でも車の運転が出来てよかった。ウェスト少佐はゾンビに襲われ、三人の乗った車はバリケードを突破する。 【２８日後... 第20段落】 「 28 日後...」が再び表示された。のどかな田園地帯の一軒の農家。ジムはベッドで目を覚ます。あれっ、病院で目を覚ましたのは夢だったの？ そうではなかった。軍隊から逃げてから更に 28 日後ということ。セリーナはひたすらミシンがけしている。ハナは外で、何やら長い布を広げている。フン？ 「来るわ〜！」というハナの呼び声に、急げ急げと三人は何かを外に運び出している。上空に飛来したジェット機の目に付くように、巨大な HELLO の白文字が緑の野原に並べられた。セリーナはシーツを縫い合わせてこの文字を作っていたのだ。こうして、三人はまだ健康に生存していることを救助隊にアピールできて、希望が抱かれて映画は終わる。 【２８日後... 第21段落】 こういう殺人ウィルスからの生還のストーリーだが、似通った他の作品とは異なるイギリスの味がして、違う料理を食べたような満足感がした。田園地帯を平和に進む中盤のシーンはよかった。この静かさは、よく考えると、他に人がいないという前提の上での静寂と平穏である。だからこそ、彼らだけが取り残されたという孤立感が、美しすぎるＢＧＭによって尚更際立たされていた。そして、保護されたと安堵した軍隊が、実は女性を確保する為のでっち上げの無線放送をしていたというどんてん返しは意外であり、かつ、現実だったらどうしようと怖くなるものだった。限られた人数しか人類が残っていなくなった時、そんな風に女性が使われるって、あっても不思議ではないかもしれない。でも絶対いやだナ。あんな少女まで。それには、核戦争とか、変なウィルスを研究しないということも含めて、世界平和に限る、とつくづく思ったのであります。 以上。 ＜もっと詳しく＞からスペースを含まず７５９７文字／文責：幸田幸 参考資料：「映画の森てんこ森」映画タイトル集 http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm IMDb allcinema ONLINE Nostalgia.com CinemaClock.com 28 DAYS LATER 公式サイト（英語） http://www.28dayslaterthemovie.co.uk/main.html The UK Critic [Ian Waldron-Mantgani] http://www.ukcritic.com/28boyle.html BBC News http://news.bbc.co.uk/1/hi/entertainment/reviews/2377729.stm いつも参考にしておりますallcinema ONLINE さんには、2003年06月19日の時点で[ 解説 ]は出ていませんので、これをアップしました。Thanks to allcinema ONLINE. |
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| ■映画『 ２８日後... 』の更新記録 2003/06/19新規： ファイル作成 2004/07/14更新： ◆テキスト一部とリンクおよびファイル書式 2004/12/25更新： ◆一部テキスト追記と書式変更 |
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| 幸田 幸 coda_sati@hotmail.com |
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