GO!GO!L.A. | |
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映画の森てんこ森■映画レヴュー | |
GO!GO!L.A. (1998) | |
L.A. WITHOUT A MAP | |
映画『 GO!GO!L.A. (1998) L.A.
WITHOUT A MAP 』をレヴュー紹介します。 映画『 GO!GO!L.A. (1998) L.A. WITHOUT A MAP 』を以下に目次別に紹介する。 ■映画『 GO!GO!L.A. (1998) L.A. WITHOUT A MAP 』の解説及びポスター、予告編 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。 ■映画『 GO!GO!L.A. (1998) L.A. WITHOUT A MAP 』の映画データ ■映画『 GO!GO!L.A. (1998) L.A. WITHOUT A MAP 』のカメオ出演 ■映画『 GO!GO!L.A. (1998) L.A. WITHOUT A MAP 』のスタッフとキャスト ■映画『 GO!GO!L.A. (1998) L.A. WITHOUT A MAP 』の<もっと詳しく> <もっと詳しく>は映画『 GO!GO!L.A. 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタばれ)です。※ご注意:映画『 GO!GO!L.A. (1998) L.A. WITHOUT A MAP 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。 ■映画『 GO!GO!L.A. (1998) L.A. WITHOUT A MAP 』の結末 ■映画『 GO!GO!L.A. (1998) L.A. WITHOUT A MAP 』の更新記録 >>「映画解説・レヴュータイトル一覧表」へ(画面の切り替え) |
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幸の鑑賞評価: 8つ星 | |
■映画『 GO!GO!L.A. (1998) L.A. WITHOUT A MAP 』の解説及びポスター、予告編 | |
GO!GO!L.A. |
■映画『 GO!GO!L.A. L.A. WITHOUT
A MAP 』の解説 映画『 GO!GO!L.A. (1998) L.A. WITHOUT A MAP 』は、製作国イギリス・フランス・フィンランドによる、痛烈なアメリカ批判コメディ。リチャード・レイナーの自伝的小説「 Los Angeles without a Map 」を原作にしたフィンランド人ミカ・カウリスマキ監督の 1998 年作品。『 GO!GO!L.A. 』はストーリーもさることながら、多くの有名人がカメオ出演しているのが、楽しい。 ジョニー・デップがクレジット無しで出演している。 『 GO!GO!L.A. 』の序盤は、イギリス・ブラッドフォードで葬儀屋を営む青年リチャード(デヴィッド・テナント)が、墓地で出会った美しいアメリカ人観光客のバーバラ(ヴィネッサ・ショウ)を求め、右も左も分からないアメリカ・ロサンゼルスに、恋の大冒険!だから『 GO!GO!L.A. 』なのだ。しかし、女優を目指す彼女には若手監督の恋人がいて…。 脇役のヴィンセント・ギャロがいい味出してる。この映画『 GO!GO!L.A. 』の日本のジャケット写真も、主役を差し置いてモス(ヴィンセント・ギャロ)とジュリー(ジュリー・デルピー)のカップルだもんね。 |
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。 Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com. Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc. |
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■映画『 GO!GO!L.A. (1998) L.A. WITHOUT A MAP 』の映画データ | |
上映時間 107分 製作国 イギリス/フランス/フィンランド 公開情報 パルコ=ザナドゥ 初公開年月 1999/08 ジャンル コメディ/ロマンス |
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■映画『 GO!GO!L.A. (1998) L.A. WITHOUT A MAP 』のカメオ出演 | |
●ジョニー・デップ as 本人 『 プラトーン (1986) PLATOON 』 『 シザーハンズ (1990) EDWARD SCISSORHANDS 』 『 妹の恋人 (1993) BENNY & JOON 』 『 GO!GO!L.A. (1998) L.A. WITHOUT A MAP 』 『 ナインスゲート (1999) THE NINTH GATE 』 『 スリーピー・ホロウ (1999) SLEEPY HOLLOW 』 『 ショコラ (2000) CHOCOLAT 』 『 ロスト・イン・ラ・マンチャ (2001) LOST IN LA MANCHA 』 『 ブロウ (2001) BLOW 』 『 フロム・ヘル (2001) FROM HELL 』 『 パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち (2003) PIRATES OF THE CARIBBEAN: THE CURSE OF THE BLACK PEARL 』 『 レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード (2003) ONCE UPON A TIME IN MEXICO 』 『 シークレット・ウインドウ (2004) SECRET WINDOW 』 『 リバティーン (2004) THE LIBERTINE 』 『 ネバーランド (2004) FINDING NEVERLAND 』 『 フレンチなしあわせのみつけ方 (2004) ILS SE MARIERENT ET EURENT BEAUCOUP D'ENFANTS / AND THEY LIVED HAPPILY EVER AFTER 』 『 チャーリーとチョコレート工場 (2005) CHARLIE AND THE CHOCOLATE FACTORY 』 『 ティム・バートンのコープスブライド (2005) TIM BURTON'S CORPSE BRIDE 』 『 パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト (2006) PIRATES OF THE CARIBBEAN: DEAD MAN'S CHEST 』 |
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【『 GO!GO!L.A. 』のスタッフとキャスト】 | |
監督: ミカ・カウリスマキ Mika Kaurismaki
原作: リチャード・レイナー Richard Rayner 脚本: ミカ・カウリスマキ Mika Kaurismaki リチャード・レイナー Richard Rayner 撮影: ミシェル・アマテュー Michel Amathieu 出演: デヴィッド・テナント David Tennant リチャード ヴィネッサ・ショウ Vinessa Shaw バーバラ ヴィンセント・ギャロ Vincent Gallo モス ジュリー・デルピー Julie Delpy ジュリー ジョニー・デップ Johnny Depp ジョニー・デップ (uncredited) キャメロン・バンクロフト Cameron Bancroft パターソン ジェームズ・レグロス James LeGros タコウスキー サスキア・リーヴス Saskia Reeves ジョイ スティーヴ・ヒューイソン Steve Huison ビリー リサ・エデルスタイン Lisa Edelstein サンドラ ジョー・ダレッサンドロ Joe Dallesandro マイケル イエジー・スコリモフスキー Jerzy Skolimowski 牧師 アマンダ・プラマー Amand Plummer 赤いプールの持ち主 ジャン=ピエール・カルフォン Jean-Pierre Kalfon ジャン=ミミ アヌーク・エーメ Anouk Aimee アヌーク・エーメ(uncredited) マシュー・フェイバー Matthew Faber ジョエル ロバート・ダヴィ Robert Davi ロバート・ダヴィ モンテ・ヘルマン Monte Hellman モンテ・ヘルマン ▲TOPへ |
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<もっと詳しく> | |
ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。 |
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■映画『 GO!GO!L.A. 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー 【GO!GO!L.A. 第01段落】 リチャード(デヴィッド・テナント)はイギリス・ブラッドフォードで友人ビリー(スティーヴ・ヒューイソン)と一緒に葬儀屋を営む青年だ。 15 歳のときに父と一緒にスコットランドからここへ移り住み、平穏な生活を送っていた。今日も墓地で葬儀を執り行っている。すると、そこら辺を写真に取り捲っている女性を発見。彼女に運命を感じたリチャードは、デートに誘う。彼女はバーバラ(ヴィネッサ・ショウ)というロサンゼルスからやって来たアメリカ人旅行者で、本国では女優を志して若手監督に愛想を振り撒くウェイトレスをしているらしい。リチャードは自分が地方新聞の死亡記事を書きながら、作家を目指していることをバーバラに話す。彼の作品の名は「湿った自殺( Oozy Suicide )」。その日、自分の仕事場を見せたり、写真を撮ったり、映画を観たりと二人は楽しい時を過ごす。しかし、彼女は旅行者だ。時間が来れば去ってしまう。 【GO!GO!L.A. 第02段落】 バーバラと別れてから、リチャードの頭の中はバーバラのことばかり。ガールフレンドであるジョイ(サスキア・リーヴス)の父親の芸術作品が出展されている展覧会に行っても、心ここにあらずだ。どうして住所を訊かなかったんだろうと嘆くリチャードに、自分の部屋に貼ってあるポスター MAD MAN のジョニー・デップ(本人:※ジョニー・デップについてもっと詳しくはこちら...。04/07/07リンク更新)が、目配せをする。その視線の先には、バーバラが置いていったマッチが。リチャードがマッチを取ると、「ヤマシロ」と書かれてある。ここがバーバラを見つける手がかりだと信じたリチャードは、大きな緑の瞳を持つきれいな肌のブロンド・ヤンキー娘を求めて、機上の人となる。 【GO!GO!L.A. 第03段落】 クラーイじめじめしたイギリスとは違い、アメリカ西海岸ロサンゼルスはカラッとして明るい。何だか心が開放的になる。リチャードは早速「ヤマシロ」へと向かう。「ヤマシロ」はロサンゼルスの小高い丘の上にある、日本風建築のレストランだ。フランス人のジャン=ミミ(ジャン=ピエール・カルフォン)がリチャードを席へと案内。リチャードの席の隣では、客がスピルバーグを見た話をしている。まさにハリウッドだ。オーダーを聞きに来た、超ミニスカートの制服を着た可愛いウェイトレスのジュリー(ジュリー・デルピー)が、アメリカ式発音で「 Soup or salad? 」と尋ねると、イギリス人(リチャードはスコットランド人を主張)リチャードは聞き取れず「 Super salad. 」と聞き間違えてしまう田舎者ぶりだ。バーバラのことを尋ねるリチャードを訝しげに見るジュリーに、バーバラのイギリスの友人だと告げると、ジュリーはわかった様に「イギリスの有名作家ね!」とバーバラを呼びに行く。リチャードのことをジュリーから聞くバーバラは、何だか困惑顔。こっちに向かってくる彼女はイギリスで見た彼女とは別人みたいだ。しかし、その美しい肢体にリチャードは心奪われる。リチャードはバーバラから翌日の写真撮影に誘われる。 【GO!GO!L.A. 第04段落】 キリスト像の前で、水着姿でポーズを取るバーバラ。カメラマンは自信過剰でモデルにすぐに手をつけるような男だ。もちろん撮影後バーバラを誘う。怒ったリチャードだったが、カメラマンに打ちのめされる。しかし、バーバラは誘いを断ったため、カメラマンは二人をおいて車で行ってしまう。仕方なく歩いて帰るリチャードとバーバラ。途中で車をヒッチハイクし、「ヤマシロ」に辿り着く。自分のために大西洋を越えてきたリチャードをバーバラは気に入っている感じ。そんな彼女にプロポーズするリチャードだったが、「ヤマシロ」からバーバラの恋人、パターソン(キャメロン・バンクロフト)という若手監督が出てくる。バーバラは自分の赤い車をリチャードに任し、パターソンと行ってしまう。 【GO!GO!L.A. 第05段落】 車社会のアメリカでは車の運転は常識だが、イギリス人のリチャードは車の運転ができない。とりあえず乗ってみるが、警察のお世話になることに。警官は外国人であるリチャードを大目に見てくれたのか、道路に車を置いて、立ち去るように言う。リチャードはホテルに戻る。 【GO!GO!L.A. 第06段落】 翌日リチャードが放置したバーバラの車を見に行くと、車から盗める物は全て盗まれていた。ここはピコ=ユニオン地区という危険な地域で、車を道路に放置するなんてとんでもない。呆然とするリチャードに、ラップ口調の男が声をかける。貸し家の鍵を預かっていると言うその男はモス(ヴィンセント・ギャロ: 『 バッファロー'66 (1998) BUFFALO '66 』 『 GO!GO!L.A. (1998) L.A. WITHOUT A MAP 』 『 ブラウン・バニー (2003) THE BROWN BUNNY 』等)といい、リチャードは彼をつてに、車を置いた向かいの汚い家を借りることにする。モスは、つてを使って車を修理してくれた上に、自分がしているプール掃除の仕事も紹介してくれた。ギタリストとしての成功を願っているモスに、リチャードは彼が欲しがっていた高価なギターをプレゼントする。 【GO!GO!L.A. 第07段落】 モスが出演するライヴにバーバラとジュリーを連れてきたリチャード。舞台の上でレニングラード・カウボーイズと共演するモスは、かなりカッコいい!すぐにジュリーと仲良くなり、彼女を恋人にしてしまう。それに対して、リチャードはヘンなノリでノリまくり、周囲の顰蹙を買う。バーバラはパターソンが「ヤマシロ」の女上司サンドラ(リサ・エデルスタイン)といちゃついているのを見て、激怒。駐車場に出たバーバラをパターソンが追うが、バーバラはパターソンに別れると言う。以前一緒に昼食を食べた時から、バーバラのために遥々イギリスからやって来たリチャードが気に入らないパターソンは、リチャードを打ちのめす。リチャードは本当にケンカが弱い。それともアメリカ男のケンカが強いのか。しかし、モスやレニングラード・カウボーイズが助けてくれ、難を逃れる。 【GO!GO!L.A. 第08段落】 リチャードは、バーバラ、モスとジュリーと一緒にラスベガスの街を車で走る。モスとジュリーは二人で過ごすために、途中で車を降りる。バーバラは運転しながらリチャードに奔放な自分の母親の話をする。そんな彼女の目に次々と入るのは、ラスベガスの簡易結婚式場の看板。母親と違って、自分は結婚を大切にしたいと言うバーバラに、リチャードは同意する。バーバラの気持ちは決まる。リチャードとバーバラはラスベガスの簡易結婚式場で、モスとジュリーに見守られ、幸せに結婚式を挙げる。 【GO!GO!L.A. 第09段落】 二人の新婚生活が始まる。リチャードの家は、バーバラ好みに内装が変えられている。バーバラは、リチャードを脚本家にするため、エージェントのタコウスキー(ジェームズ・レグロス)にアポをとる。タコウスキーは耳に携帯電話のイヤフォンマイクを入れた、忙しい成功した自分を演出している人物。リチャードは彼に自分の作品である「湿った自殺」を渡す。 【GO!GO!L.A. 第10段落】 オーディションがうまくいきそうだと喜ぶバーバラは、その映画のパーティにリチャード、モスとジュリーを連れて行く。パーティで、なんと映画監督がパターソンであることが判明。ショックを受けたリチャードは、好戦的なパターソンにあおられ、「西海岸の影」というきついカクテルを飲み、悪酔いしてしまう。翌日、パーティーでのリチャードの失態に怒るバーバラ。二人の関係の雲行きが怪しくなってくる。 【GO!GO!L.A. 第11段落】 うまくいくと思っていたオーディションに落ちたバーバラは落ち込みを隠せない。リチャードはバーバラがパターソンから主役と引き換えに肉体関係を迫られ、断ったためにオーディションに落ちたという事実をモスとジュリーから聞く。リチャードはその気になったのかとバーバラを責める。そして、その夜、ベッドで足を絡ませてきたバーバラに応えたリチャードは、最高潮に達した時、「ハレルヤ!」と叫んでしまう。バーバラの気持ちは一気に引く。 【GO!GO!L.A. 第12段落】 パターソンからオーディションのことについての謝りの電話がバーバラにかかり、バーバラは会う約束をする。嫉妬に駆られるリチャードは、バーバラの車のトランクに隠れ、彼女のあとを追おうとする。しかし、バーバラが洗車をしたため、トランクに水が入り、リチャードは「出してくれ!」と叫んでしまう。バーバラは、リチャードに嫌気がさし、パターソンの許へと行ってしまう。 【GO!GO!L.A. 第13段落】 落ち込むリチャード。「パターソンはLA的で、奴と居るほうが、バーバラの幸せなのさ。」とモスは慰めるが、リチャードがモスに当たるため、プール掃除の帰りに車から降ろされる。リチャードが行き着いた先は、心落ち着く墓地。そこで彼はジョニー・デップ本人と会う。ベンチで座りながら、ジョニー・デップに励まされるリチャード。 【GO!GO!L.A. 第14段落】 「ヤマシロ」にバーバラに会うためにやって来たリチャードに、ジャン=ミミはモスと同じことを言う。しかし、そんなに諦められないのなら、とことん何でもやって、力ずくで彼女を連れ戻し、それでも拒まれたら、殺せと言う。勢いづくリチャード。 【GO!GO!L.A. 第15段落】 モスと一緒にバーバラのいるパーティにやって来たリチャード。そこで彼は、パーティの主役アヌーク・エーメ(だと思うのだけど、違ったらごめんなさい!)の隣に居るジョニー・デップに再び会う。ジョニーはリチャードの挨拶に返事をするが、実際はリチャードのことは覚えていないらしい。それとも、墓地でのことは幻想だったのか。 【GO!GO!L.A. 第16段落】 バーバラを見つけたリチャードは、LAのような現実味のない街に居るとおかしくなってくるので、一緒にロンドンへ行こうと言う。自分を受け付けようとしないバーバラに、リチャードはクロロホルムを嗅がすために飛びかかろうとするが、逆に彼女のパンチにあい、倒れてしまう。そしてその時、手からこぼれたクロロホルムにタバコが引火し、炎が上がる。 【GO!GO!L.A. 第17段落】 不法侵入、破壊行為、誘拐未遂で刑務所に入ったリチャード。まだ、妻に対するセクハラで訴えられるかもしれない。そんな彼にタコウスキーが喜んで面会にやって来た。リチャードの起こした事件は、「最高に映画のネタ」になるそうだ。 【GO!GO!L.A. 第18段落】 傷心でイギリスに戻るリチャード。機内で、自分のアップ写真とともに「運転できない英国人作家セクハラで逮捕」の新聞記事とが目にとまる。本当に有名人になったらしい。 ・・・ ▲TOPへ ◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say ! 【GO!GO!L.A. 第19段落】 リチャードは、また葬儀屋としての日々を淡々と送っている。友人ビリーのお陰だ。新聞もコラムを書かせてくれている。ジョイとはただの友人に戻った。平穏な日常だ。墓地で葬儀を行っているリチャードを、バーバラが訪ねてくる。イギリスでの彼女は、けばけばしくなく美しい。タコウスキーのお陰で、「湿った自殺」が売れ、その報酬の五万ドルを届けに来たのだ。リチャードは本当に作家になった。パターソンはリチャードが言ったとおりの人だったと反省するバーバラに、リチャードも自分の間違いを認める。バーバラを理想化しすぎていたこと、人生を映画みたいに思っていたことを。この失敗映画の先はどうなる?と尋ねるリチャードにバーバラは「英国でも映画を作っているんでしょう。」と微笑む。自分の人生を見据えることのできるようになった二人は、新たなステップを踏み出すのだ。 【GO!GO!L.A. 第20段落】 Oozy なイギリスの葬儀屋の青年が、対照的な女優志願のアメリカンガールを追い求めるというストーリー。この設定は、自分の身の程をわきまえず、成功を目指して突進するというアメリカ的発想を批判しているアレゴリーだ。 【GO!GO!L.A. 第21段落】 LAのクールな傍観者であるモスやフランス人ジャン=ミミが言うように、スコットランド人のリチャードはLA的ではない。彼の願いはバーバラと幸せに過ごすこと。だからLA的な夢を持つバーバラは、リチャードにとっては見果てぬ夢に過ぎないのだ。バーバラはリチャードとただ生活することが人生の目標なのではない。彼との関係を潰しても、女優になることを願っている。しかし、リチャードの理想の女性であるバーバラも結局はリチャードと同じ壁にぶつかる。女優としての華々しい成功は、彼女にとって見果てぬ夢に過ぎないからだ。 【GO!GO!L.A. 第22段落】 女優を目指す自分と同じような美しい女の子はいくらでもいる。そうなると大切なのはコネだ。ところが、自分のコネである若手監督のパターソンはちゃちなプロットしか持たない男。他のコネを探せばいいが、母親を反面教師に持つ彼女は、役のために自分の身体を売ることはできない。アメリカン・ドリームを追いかけようとする彼女だが、彼女には成功の条件が揃わないのだ。 【GO!GO!L.A. 第23段落】 リチャードを失った事で、愛する人を犠牲にしてまで、空虚な自分の欲を追及して何になるのかということに気付いたバーバラはイギリスへやって来る。(もしかしたら、作家として五万ドルを手に入れたリチャードに乗り換えようと思ったのかもしれないけど)アメリカ人バーバラの思考がよりスコットランド人リチャードに近づいたお陰で、この映画のハッピー・エンドはある。自分に手の負えない夢よりも、身近な幸せを追求することが真の幸せであるという、生活文化先進国ヨーロッパからのメッセージである。 【GO!GO!L.A. 第24段落】 幸福追求の国アメリカに船から決して降りようとはしなかったナインティーンハンドレッドの物語、イタリア人ジョゼッペ・トルナトーレ監督の『 海の上のピアニスト (1999) THE LEGEND OF 1900 』を思い出させた。 以上。 <もっと詳しく>からスペースを含まず5937文字/文責:幸田幸 参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集 http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm IMDb allcinema ONLINE Nostalgia.com CinemaClock.com |
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■映画『 GO!GO!L.A. (1998) L.A. WITHOUT
A MAP 』の更新記録 2003/08/24新規: ファイル作成 2004/07/07更新: ◆テキスト一部とリンクおよびファイル書式 2005/03/17更新: ◆一部テキスト追記と書式変更 2005/12/16更新: ◆データ追加 |
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幸田 幸 coda_sati@hotmail.com |
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