PLANET OF THE APES 猿の惑星
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PLANET OF THE APES 猿の惑星 (2001)
PLANET OF THE APES
 映画『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 (2001) PLANET OF THE APES 』をレヴュー紹介します。

 映画『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 (2001) 』を以下に目次別に紹介する。
■映画『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 』の解説及びポスター、予告編
 ネタバレをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 』の映画データ
■映画『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 』の主なキャスト
■映画『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 』のスタッフとキャスト
■映画『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 』の結末
■映画『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 』の感想
■映画『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 』更新記録

★映画『 猿の惑星:創世記(ジェネシス) (2011) RISE OF THE PLANET OF THE APES 』はこちらから⇒

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幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 (2001) 』の解説及びポスター、予告編
PLANET OF THE APES 猿の惑星
PLANET OF THE APES 猿の惑星

■映画『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 』の解説

 映画『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 (2001) PLANET OF THE APES 』は、 1968 年にピエール・ブールの同名のSF小説をフランクリン・J・シャフナー監督がチャールトン・へストンを主演に映画化した、SF映画におけるエポック・メイキングな作品を、あのオタク監督ティム・バートンが 2001 年再映画化したもの。『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 』は、バートン監督が、リメイクという言葉ではなく、リ・イマジネーションという言葉を使っているだけあって、現代の映像技術や特殊メイクが遺憾なく発揮された、続編ともB級とも違う新たにイメージされた作品である。 2002 年のラジー賞で、『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 』はワースト・リメイク・続編賞を受賞しているが、なんでなん?って感じ。
 『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 』では、 2029年、アメリカ空軍宇宙探査基地<オベロン>で働く大尉のレオ・デイヴィッドソン(マーク・ウォールバーグ)は、動物研究区画でのサルの訓練に、少々退屈していた。そんなある日、オベロンの前に電磁波の嵐が現れる。その探査のために、訓練していたサルが小型宇宙探査機のポッドに乗り込まされる。しかし、そのポッドは宇宙空間に消えてなくなってしまった。レオはサルを助けるため、無断でポッドを出動させるが…。辿り着いた惑星はなんとサルと人間の地位が逆転した世界「PLANET OF THE APES 猿の惑星」だった。

★2011年『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』の映画情報とネタバレはこちらから⇒
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
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Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 (2001) 』の映画データ
 上映時間 119分
 製作国 アメリカ
 公開情報 FOX
 初公開年月 2001/07/28
 ジャンル アドベンチャー/SF/サスペンス
 《公開時コピー》2001年7月28日・惑星支配。
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■映画『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 (2001) 』の主なキャスト
●マーク・ウォールバーグ as レオ・デイヴィッドソン大尉
ブギーナイツ (1997) BOOGIE NIGHTS
『 ミニミニ大作戦 (2003) THE ITALIAN JOB 』
ハッカビーズ (2004) I HEART HUCKABEES / I LOVE HUCKABEES

●ティム・ロス as セード
パルプ・フィクション (1994) PULP FICTION
海の上のピアニスト (1999) THE LEGEND OF 1900
宮廷料理人ヴァテール (2000) VATEL
ダーク・ウォーター (2004) DARK WATER

●ヘレナ・ボナム=カーター as アリ
『 レディ・ジェーン/愛と運命のふたり<未> (1985) LADY JANE 』
眺めのいい部屋 (1986) A ROOM WITH A VIEW
ラ・マスケラ (1988) LA MASCHERA
『 フランケンシュタイン (1994) FRANKENSTEIN / MARY SHELLEY'S FRANKENSTEIN 』
『 鳩の翼 (1997) THE WINGS OF THE DOVE 』
『 ファイト・クラブ (1999) FIGHT CLUB 』
ノボケイン 局部麻酔の罠 (2001) NOVOCAINE
ビッグ・フィッシュ (2003) BIG FISH
チャーリーとチョコレート工場 (2005) CHARLIE AND THE CHOCOLATE FACTORY
ウォレスとグルミット/野菜畑で大ピンチ! (2005) WALLACE & GROMIT: THE CURSE OF THE WERE-RABBIT
ティム・バートンのコープスブライド (2005) TIM BURTON'S CORPSE BRIDE
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【『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 』のスタッフとキャスト】
監督: ティム・バートン Tim Burton
製作: リチャード・D・ザナック Richard D. Zanuck
製作総指揮: ラルフ・ウィンター Ralph Winter
原作: ピエール・ブール Pierre Boulle
脚本: ウィリアム・ブロイルズ・Jr William Broyles Jr.
    ローレンス・コナー Lawrence Konner
    マーク・ローゼンタール Mark Rosenthal
撮影: フィリップ・ルースロ Philippe Rousselot
SFX: ILM ILM
特殊メイク: リック・ベイカー Rick Baker
音楽: ダニー・エルフマン Danny Elfman

出演: マーク・ウォールバーグ Mark Wahlberg レオ・デイヴィッドソン大尉
    ティム・ロス Tim Roth セード
    ヘレナ・ボナム=カーター Helena Bonham Carter アリ
    マイケル・クラーク・ダンカン Michael Clarke Duncan アター
    エステラ・ウォーレン Estella Warren デイナ
    ポール・ジアマッティ Paul Giamatti リンボー
    ケイリー=ヒロユキ・タガワ Cary-Hiroyuki Tagawa クラル
    デヴィッド・ワーナー David Warner サンダー
    リサ・マリー Lisa Marie ノヴァ
    エリック・エヴァリ Eric Avari ティバル
    ルーク・エバール Luke Eberl バーン
    エヴァン・デクスター・パーク Evan Dexter Parke ガナー
    グレン・シャディックス Glenn Shadix ネード元老院議員
    クリス・クリストファーソン Kris Kristofferson カルービ
    チャールトン・ヘストン Charlton Heston セードの父

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ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 (2001) 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第01段落】  2029年、アメリカ空軍宇宙探査基地<オベロン>。この基地で二年を経たレオ・デイヴィッドソン大尉(マーク・ウォールバーグ)は、動物研究区画での単調な任務にうんざりしていた。今日も、遺伝子と染色体が進化した天才チンパンジーのペリクリーズにポッド(小型の宇宙探査機みたいなの)の運転操作をヴァーチャル教育だ。冒険を求めて宇宙に出てきたはずなのに、毎日単純なサルたちの相手。そのイライラのおかげでペリクリーズにちょっと意地悪だけれども、二人(一人と一匹!)は仲良しだ。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第02段落】  探査基地オベロンが少しの間、停電になる。基地が電磁波の嵐に近づいたかららしい。宇宙空間に美しく存在している電磁波の嵐からは、あらゆる時代の電波が基地に跳ね返されてくる。レオ大尉の上司は探査のために電磁波の嵐の中心にオベロンを突進させることにするが、安全の確認のために規定の手順に従い、ポッド操作を訓練されたサルを先に派遣することにする。宇宙飛行がしたくてウズウズしていたレオは自分が行くと進言するが、却下される。「戻ってこいよ」とレオはポッドに乗ったペリクリーズを宇宙空間に送り出す。しかし、レオの予想通りにサルの手に負える仕事ではなかった。モニターからペリクリーズの乗ったポッドが消える。レオは命令に背いて、ペリクリーズを救うために勝手にポッドに乗って出動する。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第03段落】  「これは人間の仕事だ」と勢い込んで出発したレオ。しかし電磁波の嵐の中に入ってしまうと、オベロンと連絡が取れなくなり、目前にあったペリクリーズのポッドが消え、自分の乗ったポッドの機器も動かなくなってしまった。そして時計がどんどんと進んでいく。レオの乗ったポッドは、電磁波の渦に吸い込まれ、操作不能!草木の生い茂る星に墜落する。そこは湿原で、ポッドは池に落ちてしまう。必死で水の中から脱出すると…。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第04段落】  そこは深い森。この星の住民なのか、原始人のような格好をした人々に出会う。しかし、様子がおかしい。彼らは背後から迫る何かすばしっこいものから逃走しているようだ。一緒に逃げるレオ。そしてそのすばしっこいものが何かを知る。どう猛なサルだ。次々と人間がサルに捕らえられていく。必死で走ったレオが森から出ると、そこは黒く固まった溶岩が広がっており、その地平線からはサルの軍団が現れる。馬にまたがり甲冑を着たサルが、見つめるレオに「おれを見てやがる!」と鋭い眼光で睨む。うそっ!サルが英語をしゃべってる。驚きも束の間、もう一匹のゴリラに「その汚い手をどけろ!汚らわしい人間め!」と倒れていたレオは顔面に蹴りを入れられる。サルによって檻に入れられた人間たちと同様、レオもどこかへと運ばれていく。その檻を引くのも人間の仕事だ。この星は一体どうなっているんだ。因みに、この黒い溶岩のロケはハワイ島で行なわれたらしい。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第05段落】  サルたちが暮らす街、エイプ・シティ。レオが檻から目の当たりにしたものは、まるでディズニーランドのアトラクションのよう。ティム・バートン特有の暗い世界。岩と木でできた街に、サルたちが人間のような生活を送っている。衣服を着、音楽を楽しみ、散髪をしている。レオは「ここはどこだ?」と一緒に檻の中にいる人間に尋ねるが、誰も返事をしない。「臭いぞ!消えちまえ!人間め!」とサルの子供たちが檻をめがけて石を投げてくる。そこに一匹のサルの女性が現れ、サルの子供たちをたしなめる。彼女が運ばれる人間の檻を眺めると、その中には他の人間たちとは様子の異なる人間の姿がある。一体あの人間は何者なのだろう?

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第06段落】  レオたちは、このエイプ・シティの奴隷商人リンボー(ポール・ジアマッティ)のもとに運ばれてきた。この星では人間がサルの奴隷として扱われ、汚い卑しい者と考えられている。サルの子供は、従順な人間の子供をペットにしている。人間たちに比べ、文明的な装いをしているサルたちだが、暴力的で力強い。人間は彼らに対しとても無力だ。ここでも檻に押し込められ、奴隷としての焼き印を押し付けられていく。檻に入れられ涙を流すペットの子供や、熱い焼き印は、人間社会への風刺だろう。籠の鳥も犬も、焼印を入れられる牛も、可哀想なのだ。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第07段落】  そこへさっき通りで見かけた、人間に対して同情的であるサルの女性・アリ(ヘレナ・ボナム=カーター)が現れる。すばやく奴隷の焼き印を取り上げた彼女は、このサルの社会での権力者の娘であるらしく、リンボーは彼女を暴力的に扱うことはできない。人間がアホでないことを立証すると、アリは檻から人間を出そうとする。その瞬間レオは彼女を捕まえ、地面からうまく拾った焼き印を彼女の顔に近づける。サルたちが驚いている間に、レオはアリの耳元で「助けてくれ」とつぶやく。この人間はやはり他のとは違う。アリはリンボーに、レオと、この出来事で逃げ出そうとした美しい人間の女性デイナ(エステラ・ウォーレン)を買うと申し出る。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第08段落】  エイプ・シティの元老院議員サンダー(デヴィッド・ワーナー)を父に持つアリの邸宅では、もと元老院議員夫妻や将軍たちを招いての食事会が催される。セード将軍(ティム・ロス)が病気の父親の見舞いのため、遅れてやってくる。彼はこの星からの人類撲滅を考える冷酷で残虐なサルの権力者である。テーブルの話題は、今やサルの4倍の人口を持つ人間たちの繁殖を抑える施策についてだ。人間を擁護するアリは、人間は文化を生み出せる種族で魂があると言って、人間を下等な生物だとみなす他のサルたちに反論する。セードは食事を運んできたレオを捕まえて、彼の口を開き、「魂はどこだ」と叫ぶ。怒ったアリは食欲を失ったと席を立つ。セードは彼女の後を追う。エイプ・シティでの最高権力者となることを是とする彼は、元老院議員の娘であるアリに言い寄るが、断られる。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第09段落】  屋敷を出たセードに、二人の部下が見せたいものがあると、彼を森に連れていく。「空から火の翼を持った物が落下して、その衝撃で大地が揺れました」と、レオがこの星に墜落してきたときにできた森の焼け跡を見せられたセード将軍は、情報の漏洩を防ぐために二人を殺す。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第10段落】  レオは檻からの脱出をはかる。この星の中では一番知能のある生物であるレオにとっては、檻の鍵を開けることなど簡単だ。デイナとこの屋敷の長年の奴隷であった男もレオについた。デイナの要望で、彼女の家族も助けに行く。サルの追手が迫る中、知恵と統率力を持つレオは、人間たちを率いて逃げる。やってきたサルを迎え討とうとするが、そのサルは逆に捕まえられてしまう。しかし、幸運なことに、そのサルはアリと彼女の家の執事であるクラル(ケイリー=ヒロユキ・タガワ)だった。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第11段落】  アリは再びレオを助けようする。「君らの世界がひっくり返るところを見せてやる」というレオの言葉に心動かされたアリは、危険な行為であるが、脱出路を彼らに案内する。アリが子供の頃に街を抜け出すときに使った秘密の道だ。その通路に行くまでに、サルの軍隊の後ろを通らなければならない。やはりサルの軍人アター(マイケル・クラーク・ダンカン)に見つかってしまう。傷ついて動きが鈍くなっているデイナの父親カルービ(クリス・クリストファーソン)は、あとで足手まといになるよりは、ここでみんなに貢献しようと、娘たちを逃すためにサルに立ち向かっていく。彼の勇敢な犠牲のおかげで、彼以外の全員が通路に逃げ込むことができた。カルービは騎士道精神をもつアターと一瞬心通わせるが、後ろからやってきたセードに無惨に殺害される。そしてセードはレオとアリ以外は皆殺しにするようにアターに命令する。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第12段落】  通路から出てきたレオたちは、森の中に入っていく。レオが目指すのは、ポッドが墜落したロアー・ボレ湿原だ。途中サルたちを「モンキー」と呼ぶレオに、「エイプ」だとクラルが激昂する。サルたち側からすれば、進化において「モンキー」は下級で人間の少し上らしい。ポッドの沈む池が見つかった。池に跳び込もうとするレオに、アリは叫び声をあげる。サルは水を恐がり、おぼれ死ぬと思っているのだ。池に潜ったレオが戻ってこないことを心配したデイナも跳び込む。すると、水の中にはセードに殺された二人のサルが沈められていた。驚くデイナ。ポッドから荷物を取り出したレオは、デイナと一緒に水面に上がる。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第13段落】  荷物の中から、銃や、基地と宇宙船とを連絡する交信装置を取り出す。電波で交信するその装置に、サルも人間も驚きだ。この星では、まだ科学と呼べるほどのものが発達していないのだ。レオが交信装置のスイッチを押すと、なんと仲間がこの星にいるようなのだ。交信装置に反応がある。仲間が助けに来てくれたと思ったレオは、「助かった」と喜んで交信装置が示す土地を目指す。サルも人間もレオが何者なのかどこから来たのか興味津々だ。レオは、自分が地球という星にあるアメリカ空軍のレオ・デイヴィッドソン大尉であることを告げ、地球ではサルは動物園にいることを教える。動物園って何?ここでも文明批判。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第14段落】  電波を辿って森の中を歩いているとき、奴隷商人のリンボーに見つかり、囚われそうになるが、レオは銃で彼を脅す。リンボーをエイプ・シティに返すことはできない。手錠をかけ、一緒に連れていく。銃を持って一安心だと思っていたら、クラルがレオから銃を奪って壊してしまう。クラルは銃の威力に脅威を覚えたのだ。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第15段落】  エイプ・シティでは、娘を人間に誘拐されたと思っているアリの父親サンダーに、セードが自分に戒厳令を敷く権限を持たせるように頼んでいた。今まで人間に対して優しい立場をとり、この街の権力が軍にわたることを懸念していたサンダーであったが、セードの頼みを聞き入れる。軍の志気を高めようと、セードはアターに父以外に頼れるのはお前だけだと言い残し、病床の父を訪ねるために馬に乗る。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第16段落】  セードに父親(チャールトン・ヘストン)は、由緒あるこの家の言い伝えを語る。時が始まる太古の昔、サルの主人は人間だったという父親の言葉に、驚きを隠せないセード。そしてサルたちの神であるセモスのイコンの前に置かれている、赤い火の形をした陶器の置物を打ち割るように父は言う。その中には、壊れた銃が納められていた。セードの父は、その銃が人間の発明力と技術を証明するものであり、人間が狡猾で凶暴な生物であることを力説する。そして違う星からやってきたと考えられる男レオを捕まえ、決してカリマ(サルの発生の秘密が隠されている場所)に近づけてはならないと教える。「人間どもを一人残らず地獄へ送り込め!」という言葉を遺し、セードの父は息絶える。チャールトン・ヘストンは元祖「猿の惑星」の人間の主役だった。その人をこの映画では猿側に出演させると言うのも、ちょっと気がきいている。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第17段落】  レオの交信装置が指し示す場所は、なんとサルたちにとっての聖なる遺跡のあるカリマだった。万能の神が、最初のサルであるセモスに命を吹き込んだとされているところだ。しかし、そこに辿りに付くには、駐留するサルの軍を突っ切らなければならない。サル軍の向こうには、川がある。サルは水を怖がる。うまく川まで辿り着ければ、逃げおおせるかもしれない。日が落ちると、レオは発煙筒を打ち上げた。サルたちが発煙筒に気を取られている間に、サルたちから盗んだ馬を一気に走らせる。しかし、川までもう少しのところで、馬の足がアターに投げられたヒモ状の武器にからまり、レオは落馬してしまう。レオは必死で川岸まで走り、馬から落ちてしまったアリに泳いで川を渡ろうと言う。拒むアリだったが、敵が迫ってくる。「来るんだ、さぁ!」というレオの力強い言葉に、アリはレオの背中に負ぶさる。レオは水を恐がるアリに思いきりしがみつかれながら、川を渡りきる。レオたちに逃げられたと知ったセードは怒り、師団を組ませてサルの大軍をカリマへと進軍させる。
 
【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第18段落】  やっとカリマに辿り着いたレオたち。交信装置はここの位置を示しているが、おかしい、ここではない。遺跡の中に入ると、交信装置が受信中になるが、誰もいない。レオは砂にうずくまっていた人間の頭蓋骨を取り出す。壁にカリマという文字を見つけるが、その字にかかっている砂を払うと、なんと「動物研究区画  CAUTION LIVE ANIMALS 」の文字が。 CAUTION の CA 、 LIV Eの LI 、 ANIMALS の MA でカリマだったのだ。もしかしてここは…、レオの頭の中に最悪のシナリオが浮かぶ。「僕の船だ」司令室のドアセンサーに手を当てると、透明の扉が開く。船の永久核動原力を起動させ、データーベースの映像日誌を見る。「何が起こったのかわかる」レオはモニターの上に被さった土をどけた。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第19段落】  行方不明となったレオを捜索するため、オベロンは電磁波の嵐の中に入ったが、オベロンは宇宙図にない無人の星に不時着する。最初サルたちは、人間たちの役に立っていたが、セモスというオスザルがリーダーとなり、反乱を起こしたのだ。レオは全てを理解した。電磁波の嵐の中で、レオは未来に流されたのだ。そしてこの星のサルたちの祖先はオベロンで飼育していたサルたちで、人間たちの祖先はオベロンの乗組員たちだったのだ。「俺のせいで皆死んでしまった」と言うレオの肩を持ち、「でも私たちを救ってくれた」とつぶやくアリ。セモスに命を吹き込んだ万能の神とは、レオのようなものだ。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第20段落】  レオたちがオベロンから出てくると、その周りには、サルに反抗した人間レオのうわさを聞き、希望に燃えてやってきた人間たちでいっぱいだ。セードの大軍が着々とこちらに近づいているが、助けは来るはずがない。レオはデイナに助けは来ないと皆に伝えるように言うが、「あなたが来たわ」と彼女はレオの頬に手を寄せる。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第21段落】  その夜、アリとクラルはセードの軍のもとに姿を現す。昔クラルは軍に所属していたが、何か問題があって軍を追われる。不遇のところをアリの父親に救われ、現在に至っていた。そんなクラルの出現に、アターは不快感を示す。アリはセードに会いに来た。アリはセードにあなたの側にいると言うが、セードはアリが人間たちを助けるように取引に来たことに気づき、彼女の手に奴隷の印である焼き印を押しつけ、彼女を追い返す。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第22段落】  オベロンのデーターベースの映像日誌を見ながら、自分のせいでこうなってしまったと、落ち込んでいるレオのところに、アリが戻ってきた。レオはアリの手を見て、彼女が人間のためにサルたちのところへ行ったことに気づく。権力は暴力に結びつくというアリに、レオは抵抗すれば防げるという。しかし、今の彼にはその自信がないのだ。アリが手の手当に行った後、レオはオベロンに燃料が残っていることに気づく。もしかしたら、助かるかもしれない…!

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第23段落】  馬にまたがった人間側のセウルやデイナたちは、セードの軍と睨み合う。血気盛んなデイナの弟も、とどまるように言われていたのに、最前線にやってくる。セードからの命令で、アターが攻撃開始の号令をかける。サルたちが動き出すと、デイナたちは一斉に踵を返して、オベロンの方向に馬を走らせる。そのときデイナの弟の馬が倒れ、彼は馬の下敷きになり、身動きがとれなくなってしまう。迫ってくるサルの兵士たち。レオは一か八かで彼を助けることができた。そしてサルたちがオベロンに近づいたとき、レオは交信装置の遠隔操作でオベロンのエンジンを発火させる。ものすごい爆発と轟音で吹き飛ばされるサルの兵士たち。しかし、燃料はこの一回分しか残っていない。人間たちは弱ったサルの兵士に奇襲をかけるが、新たな兵力が人間たちのところに送り込まれる。次々と倒される人間たち。クラルとアターは因縁の対決を果たし、クラルは命を落とす。レオの姿を見つけたセードは、彼を叩きのめす。レオの首がへし折られそうになったとき、空から光輝くものが…。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第24段落】  ポッドだ!ポッドがゆっくりと着地すると、中からなんとあのチンパンジーのペリクリーズが現れた。ペリクリーズがサルの神セモスだと信じたサルたちは、彼に跪く。特に信心深いアターは、予言は正しかったと感激ぎみだが、父から事の始まりを聞いているセードは、合点がいかない様子。レオはペリクリーズに「いい着地だ」とほめる。ペリクリーズの手を引くが、ペリクリーズは急にオベロンに向かって走り出してしまう。後を追うレオにセードが襲いかかる。レオを助けようと、アリがセードに飛びかかるが、逆に跳ね退かれてしまう。レオとセードはオベロンの中に入る。二人の戦いは圧倒的にセードが有利。レオの危機にペリクリーズがセードに飛びかかるが、思いっきり壁に打ちつけられる。その隙に、レオはペリクリーズの荷物から銃を取り出し、セードを撃つが、すばしこいため命中しない。セードに銃を奪われてしまう。銃を観察したセードがレオを撃ち抜こうとしたとき、レオはドアセンサーに手を当てた。防弾の透明の扉が閉まり、セードは司令室に閉じこめられてしまった。アターがやってくるが、レオから自分たちのルーツを聞かされ、セード一族に騙されていたと感じる。誰もセードを助けようとはしない。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第25段落】  レオはペリクリーズをアリに預け、彼が乗ってきたポッドで懐かしい地球に戻ることにする。この星の人間たちは、レオがこのままここに残ることを願っているが、やはり地球に戻りたい。レオはアリとデイナにキスをして、この星を離れる。

【PLANET OF THE APES 猿の惑星 第26段落】  再び電磁波の嵐に飛び込んだレオ。ポッドの時計はどんどん過去に向かっていく。衝撃をこらえ嵐を抜け出る。地球軌道に接近してきた。宇宙船管制塔からの声が受信された。もうすぐ地球に着陸だ。ポッドはなんとか着陸することができた。レオが壊れたポッドから出てくると、そこはワシントンD.C.のリンカーンメモリアルの前。しかし、そこにある像はリンカーンではなく、あのセード将軍の顔だった。「我々サルのために、この惑星を救ったセード将軍をここに祀る」レオはサルの警官に取り囲まれ、呆然と手を挙げる。

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【PLANET OF THE APES 猿の惑星 感想】  アリとデイナのレオをめぐる女の対決がなかなか面白かった。レオ的には、容姿で選ぶなら断然デイナだけど、精神的に考えるとアリかなーって感じだと思う。もしデイナにもっとアリが持つような現代的な知性とか繊細さがあれば、レオはデイナが大好きになって地球に帰ることなんてなく、ラスト・シーンのようなことは起こらなかったかも知れないのにな。でも、原始時代から急に 2029 年の精神レベルに達するのは無理な話か。なお、チンパンジーのペリクリーズが無事だったことはホッとした。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず8362文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
■映画『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 (2001) 』の更新記録
2002/11/07新規: ファイル作成
2005/03/16更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
2005/05/04更新: ◆データ追加
2005/10/14更新: ◆データ追加
2011/08/26更新: ◆『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』ファイルリンク追加
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幸田 幸
coda_sati@hotmail.com
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