表紙目次読む映画試写会レヴュー観たい度映画予告編エッセイ日誌試写会情報リンク集
映画人解説・レヴュー一覧表映画ゲーム思い出映画ブロードバンド(B)版旅行の森てんこ森
 シャイな幸の独り言
エレファント
映画『 エレファント 』の画像は只今、日本の権利者に掲載許可申請中
映画「エレファント」について
2004年02月23日月曜日 「シャイな幸の独り言」トップへ
 映画『 エレファント (2003) ELEPHANT 』について書きます。
 映画『 エレファント 』の解説は、2004/01/19にアップしたのですが、現時点(2004/02/23月曜)で「エレファント 映画」をキーワードとして検索しても、弊ページは、Yahooでは約5090件中 40位、googleでは約9,780件中 41位と、弊サイトの他の映画紹介ページランキングに比べて優れません。折角書いても、訪問して読んで頂かなければ、HP作成の意味はありません。
 それで、上位ランクを目指して、論理的に整理してもう一度書き直します。
映画『 エレファント 』という言葉
映画『 エレファント 』のタイトル由来
映画『 エレファント 』の画像と引用
映画『 エレファント 』の解説
映画『 エレファント 』のキャスト
映画『 エレファント 』のスタッフ
映画『 エレファント 』のストーリー
映画『 エレファント 』の監督
映画『 エレファント 』の受賞
映画『 エレファント 』の資料
映画『 エレファント 』の公開情報関連データ
※「シャイな幸の独り言」の「3/7 コロンバイン」エッセイ(2004年03月07日更新)
※「読む映画試写会」の『 エレファント 』映画レヴュー。(2004年03月06日更新)
※「シャイな幸の独り言」の「2/23 エレファント」。(2004年02月23日作成)
※「幸の観たい度映画」の「エレファント」。(2004年01月19日作成)

【映画『 エレファント 』という言葉】
 映画「エレファント」の調査の時、タイトルが何故「エレファント」か気になった。「エレファント」は覚えやすいが、ネットのポータルでは、この「エレファント」というタイトルは、既に「エレファントマン」が上位を占めているので、上位に来にくいキーワードだ。

【映画『 エレファント 』のタイトル由来】
 「エレファント」の意味は「象」。「エレファント」のタイトルは、北アイルランド Northern Ireland 紛争での IRA ( Irish Republican Army アイルランド共和国軍)の悲劇を扱った、アラン・クラーク Alan Clarke 監督の 39 分間フィルム「エレファント(邦題不明)」(『 Elephant (1989) (TV) 』が英国のBBCテレビで放映されたのを参照に、同じに命名したそうだ。「エレファント」の示していることは、「我々が皆見えているのについ無視してしまう、何か比喩的に巨大なもの」なのだそうだ。また、別の『 ポスター 』でも見られるピンクの「『エレファント」象は、英語で「 pink elephants 〔戯言〕 酒の飲み過ぎなどによる幻覚(EXCEED英和辞典より) 」という意味もあるのだ。

▲最上段へ
【映画『 エレファント 』の画像と引用】
elephant

エレファント
画像は (c)Nostalgia Factory より掲載許諾あり

 以下は引用文です。<泥酔した父親を車に乗せ、学校に遅刻してきたジョン。公園でカップルのポートフォリオを撮り終えたフォトグラファー志望のイーライ。女子に人気のあるアメフト部のネイサンは、ガールフレンドと待ち合わせて旅行を計画している。カフェテリアで女子たちが噂話とダイエット話に花を咲かせ、自意識過剰な少女ミシェルは図書室のボランティアへと急ぐ。教室では内向的なアレックスが、丸めたティッシュを投げつけられている。ごく普通の日常が淡々と流れていくなか、やがてアレックスと親友のエリックは、ウェブサイトで手に入れた「ある物」をバッグにしまい込み、学校へと向かった。その日も、いつもと変わらぬ、平和な一日になるはずだった……。 (株式会社エレファント・ピクチャーより許諾のもと転載)>

▲最上段へ
【映画『 エレファント 』の解説】
 映画『 エレファント (2003) ELEPHANT 』はドラマらしくない映画と言えよう。『 ボウリング・フォー・コロンバイン (2002) BOWLING FOR COLUMBINE 』と同じタイプの、高校乱射事件を描いた作品だ。『 グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち (1997) GOOD WILL HUNTING 』のガス・ヴァン・サント監督が監督・脚本・編集の三役を務め、ガス・ヴァン・サントは 2003年カンヌ国際映画祭 Cannes Film Festival でパルム・ドール Golden Palm / Palme d'Or と監督賞 Best Director の二冠に輝く。 2003年NY批評家協会賞 New York Film Critics Circle Awards ではハリス・サヴィデスが撮影賞 Best Cinematographer に輝いた。

 映画『 エレファント 』の公式サイトを見ると、『 エレファント 』のタイトルのエピソードが載っている。当初、ガス・ヴァン・サント監督やスタッフたちが、クラークの「エレファント」のタイトルに関して、物語中に出てくる仏教の聖典に登場する盲目の男たちの「象」への認識と言う事実が、学校の銃撃のテーマに妥当だったと思っていたらしい。

 幸が考えるに、実際、盲目でなくとも人間は、自分の小さな周りの一部の物しか見ていない。それに、見ても視界が狭い。中々観察する観かたではない。縦(よ)しんば見えたとしても、自分の蓄えたデータを通してしか分析できない。ここに理解の限界がある。哲学で云う、経験とともに理解する「認識」の世界があっても、自分の持つデータをはるかに超えるモノに対して人間はどんな理解の仕方があるのだろうか?(※哲学上の「認識」=〔英 cognition; ドイツ Erkenntnis〕人間(主観)が事物(客観・対象)を認め、それとして知るはたらき。また、知りえた成果。感覚・知覚・直観・思考などの様式がある。知識。大辞林国語辞典より)

 盲目の男が「エレファント(象)」の尻尾を触って蛇といい、あるものは槍とも言うだろう。彼らには、「エレファント(象)」の全容は当然見えないし、感じることもできない。このような状況が映画「エレファント」から発せられるメッセージなのではないのかな?と思ったりしている。原因と結果が得られる芥川龍之介原作・黒澤明 Kurosawa Akira 監督の『羅生門 (1950) 』と異なって、映画は、原因と結果を見せない。そんな映画手法を使うことによって「原因が何で、結果がどうだ」とハッキリとしたいという強いメッセージが感じられる。

 この映画『 エレファント 』は、虐殺の悲劇に対する説明もないし、事件を犯した二人の少年の心理洞察もないし、十代の少年少女たち・社会・銃・異常行動についての理論も述べない。理由付けも拒否し、治癒をすることもしない。ただその日に起こったことを映し出すだけというガス・ヴァン・サント監督の手法は、ある意味で勇敢で急進的だと批評されている。

 これからの日本の高校生活、そして犯罪が若年化していく中学、小学校の日常に無関心であってはならない。学校の日常生活では、学業・進学のストレス、上下関係から来るストレス、同級生との言動から来るお互いのストレス、青春にあるティーンエージャー男女のもつ互いのストレスなど、避けて通れない事柄がある。映画『 エレファント 』は、地域に住む大人や、学校に関わる教師も親も生徒も、自らのスタンスでしっかりと直視しなければならない問題を冷静に描き、問題提起した話題作だ。もっと詳しく・・・
▲最上段へ
【映画『 エレファント 』のキャスト】
 この映画『 エレファント 』の生徒たちの役を演じるのは、基本的には、地元のズブの素人の少年少女たちである。その中に、これから確実にブレイクするであろう、若手俳優たちも出演している。特に主演のジョン・ロビンソンは、高校生 3000 人の中から選ばれた逸材。先日ガス・ヴァン・サント監督と来日をし、「“ポスト”リバー・フェニックス」と言われる程、すでに注目を浴びている俳優だそうだ。配役を担当したのは『 タイタニック (1997) TITANIC 』『 マトリックス (1999) THE MATRIX 』『 グリーンマイル (1999) THE GREEN MILE 』『 K−19 (2002) K-19: THE WIDOWMAKER 』『 8 Mile (2002) 8 MILE 』『 フォーン・ブース (2002) PHONE BOOTH 』『 アドルフの画集 (2002) MAX 』『 マトリックス リローデッド (2003) THE MATRIX RELOADED 』『 マトリックス レボリューションズ (2003) THE MATRIX REVOLUTIONS 』『 ビッグ・バウンス (原題) (2004) THE BIG BOUNCE 』『 ガール・ネクスト・ドア (原題) (2004) THE GIRL NEXT DOOR 』というヒット作を着々と手掛けているマリ・フィンと、『 ハンテッド (2003) THE HUNTED 』のダニー・ストルツ。もっと詳しく・・・

【映画『 エレファント 』のスタッフ】
 『 エレファント 』の製作総指揮のダイアン・キートンは『 ナンシー・メイヤーズ・プロジェクト (原題) (2003) SOMETHING'S GOTTA GIVE 』等に出演の女優さんでもある。音響のデヴィッド・コーヘンは『 シックス・センス (1999) THE SIXTH SENSE 』『 グラディエーター (2000) GLADIATOR 』『 ハンニバル (2001) HANNIBAL 』『 ハムナプトラ2/黄金のピラミッド (2001) THE MUMMY RETURNS 』『 ウインドトーカーズ (2002) WINDTALKERS 』『 アダプテーション (2002) ADAPTATION 』『 メイド・イン・マンハッタン (2002) MAID IN MANHATTAN 』『 シービスケット (2003) SEABISCUIT 』『 ロスト・イン・トランスレーション (原題) (2003) LOST IN TRANSLATION 』『 ラスト サムライ (2003) THE LAST SAMURAI 』で、また視覚効果のコリン・ファウラーは『 ブルース・オールマイティ (2003) BRUCE ALMIGHTY 』『 ワイルド・スピードX2 (2003) 2 FAST 2 FURIOUS 』『 ヴァン・ヘルシング (原題) (2004) VAN HELSING 』『 プリティ・プリンセス2 (2004) THE PRINCESS DIARIES 2 』で活躍している。もっと詳しく・・・
▲最上段へ
【映画『 エレファント 』のストーリー】
 『 エレファント 』にはストーリーらしいストーリーはない。米国はオレゴン州ポートランド Portland, Oregon の町。『 エレファント 』のロケは実際にポートランドのマルトノマ郡ウィテカー中等学校 Whitaker Middle School, Multnomah County, Portland で行なわれた。
 ある秋の晴れた日、緑の芝生に木々の黄金色の葉がそよぐ。そこではごくありふれた学生生活が営まれていた。

 写真好きのエリアス(エリアス・マコネル)は教室への途上、パンクロックの男女学生カップルにポーズをとってもらって数枚カメラに収める。水難救助員でもあるネイサン愛称ネイト(ネイサン・タイソン)は、フットボールの練習を早く終えて、ガールフレンドのキャリー(キャリー・フィンクリー)とランチを一緒に食べようと急いでいる。カフェテリアでは、大食漢のブリタニー(ブリタニー・マウンテン)とジョーダン(ジョーダン・テイラー)とニコール(ニコール・ジョージ)の三人組は、噂話と母親の悪口に花が咲く。

 アケイディア(アリシア・マイルズ)は同性愛問題の授業へ。アルコール中毒の父親(ティモシー・ボトムズ)のことで頭が痛いジョン(ジョン・ロビンソン)は、父の車のキーを弟が取りに来れるように事務室にキーを預けている。ミシェル(クリステン・ヒックス)は体育の授業に脚を出すのを嫌がってロンパンを着用しているため叱られている。教師等の大人は、マット・マロイ(『 わたしが美しくなった100の秘密 (1999) DROP DEAD GORGEOUS 』『 チェンジング・レーン (2002) CHANGING LANES 』『 エデンより彼方に (2002) FAR FROM HEAVEN 』『 カレンダー・ガールズ (2003) CALENDAR GIRLS 』)やエリス・ウィリアムズ(『 アリ (2002) ALI 』『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー (2002) ANTWONE FISHER 』)ら。

 こういう、各人のごく日常の風景が淡々と映し出されていく。一人一人の動作や台詞が映画の流れに繋がって行くという従来の映画手法ではない。エリアスがジョンのスナップショットを撮って、ジョンが校庭の芝生に足を進めると、アレックス(アレックス・フロスト)とエリック(エリック・デューレン)とすれ違う。アレックスは、級友たちにいつも苛められている男子生徒だ。苛めに我慢を強いられている毎日。アレックスは親友エリックと、この穏やかな秋の日に、校内で一大事件を起こすのだ。無差別乱射…。逃げ惑う生徒たち。 13 人も殺した。
▲最上段へ
【映画『 エレファント 』の監督】
 キアヌ・リーヴス(『 マトリックス (1999) THE MATRIX 』『 マトリックス リローデッド (2003) THE MATRIX RELOADED 』『 マトリックス レボリューションズ (2003) THE MATRIX REVOLUTIONS 』『 ミッドナイトをぶっとばせ! (1988) THE NIGHT BEFORE 』『 ドラキュラ (1992) BRAM STOKER'S DRACULA 』『 ギフト (2000) THE GIFT 』『 陽だまりのグラウンド (2001) HARDBALL 』 『 リトル・ブッダ (1993) LITTLE BUDDHA 』『 ディアボロス/悪魔の扉 (1997) THE DEVIL'S ADVOCATE 』)、ベン・アフレック((『 恋におちたシェイクスピア (1998) SHAKESPEARE IN LOVE 』『 パール・ハーバー (2001) PEARL HARBOR 』『 チェンジング・レーン (2002) CHANGING LANES 』『 トータル・フィアーズ (2002) THE SUM OF ALL FEARS 』『 デアデビル (2003) DAREDEVIL 』『 ペイチェック (原題) (2003) PAYCHECK 』『 ジリ (原題) (2003) GIGLI 』)、マット・デイモン(『 リプリー (1999) THE TALENTED MR. RIPLEY 』『 オーシャンズ11 (2001) OCEAN'S ELEVEN 』『 スピリット (2002) SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON 』『 コンフェッション (2002) CONFESSIONS OF A DANGEROUS MIND 』『 スタック・オン・ユー (原題) (2003) STUCK ON YOU 』『 ブラザーズ・グリム (原題) (2004) THE BROTHERS GRIMM 』『 オーシャンズ12 (2004) OCEAN'S TWELVE 』)を世に送り出したガス・ヴァン・サント監督は、もうお金儲けなんか必要じゃないからと、娯楽映画でなく、収入と集客を気に留めなくていい、こういう種類の映画を作ったそうだ。
▲最上段へ
【映画『 エレファント 』の受賞】
・2003年カンヌ国際映画祭パルムドール&監督賞受賞
・2003年ハリス・サヴィデス(撮影)がNY批評家協会撮影賞受賞
・2004年仏 セザール賞外国語映画賞ノミネート

【映画『 エレファント 』の公開情報関連データ】
 日本語公式サイト
  http://www.elephant-movie.com/elep_index.htm
 英語公式サイト
  http://www.elephantmovie.com/
 配給:東京テアトル、エレファント・ピクチャー 
 提供:東京テアトル、エレファント・ピクチャー、テレビ東京 
 協力:ジェネオン エンタテインメント
▲最上段へ
【映画『 エレファント 』の資料】
 「エレファント」公式サイト
  http://www.elephant-movie.com/elep_index.htm
 エレファント・ピクチャー資料
 IMDb
  「ELEPHANT (2003)」<http://us.imdb.com/title/tt0363589/>
  「Elephant (1989) (TV)」<http://us.imdb.com/title/tt0097270/>
 allcinemaONLINE
 CINEMACLOCK
  http://www.cinemaclock.com
 Nostalgia Factory
  http://www.nostalgia.com/
以上。
▲最上段へ
Text by Sati
coda21「映画の森てんこ森」幸田幸。
coda_sati@hotmail.com
「映画の森てんこ森」へ 「旅行の森てんこ森」へ
新作映画情報「読む映画試写会」へ
映画の森てんこ森 バナー03

映画の森てんこ森 coda21幸田幸 クレジット バナー01
幸のイタリア各都市情報へ
旅行の森てんこ森 バナー03
136x70
本サイトの作文、データ及び画像などのコンテンツの無断転用はお控え下さい。
貴サイトへの御掲載についてはメールにてお知らせ頂ければ幸いです。
© 2004 Sachi CODA at Eigano-Mori Tenko-Mori, CODA21. All Rights Reserved