きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー | |||||||||||||||||||||||||||
|表紙|目次|読む映画試写会|レヴュー|観たい度映画|予告編|エッセイ|日誌|試写会情報|リンク集| | 映画人 |解説・レヴュー一覧表 |映画ゲーム |思い出映画|ブロードバンド(B)版|旅行の森てんこ森| |
|||||||||||||||||||||||||||
映画の森てんこ森■読む映画試写会■映画レヴュー | |||||||||||||||||||||||||||
きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー (2002) | |||||||||||||||||||||||||||
ANTWONE FISHER | |||||||||||||||||||||||||||
映画『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー (2002)
ANTWONE FISHER 』をレヴュー紹介します。 映画『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 』を以下に目次的に紹介する。 ■映画『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 』のポスター、予告編および映画データ ■映画『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 』の解説 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。 ■映画『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 』のスタッフとキャスト ■映画『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 』の<もっと詳しく> <もっと詳しく>は映画『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタばれ)です。※ご注意:映画『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー (2002) ANTWONE FISHER 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。 ■映画『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 』の結末 ■映画『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 』の更新記録 >>「映画解説・レヴュータイトル一覧表」へ(画面の切り替え) |
|||||||||||||||||||||||||||
幸の鑑賞評価: 8つ星 | |||||||||||||||||||||||||||
■映画『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 』のポスター、予告編および映画データ | |||||||||||||||||||||||||||
きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー
|
|
||||||||||||||||||||||||||
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。 Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com. Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc. |
|||||||||||||||||||||||||||
▲TOPへ | |||||||||||||||||||||||||||
■映画『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー
』の解説 映画『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー (2002) ANTWONE FISHER 』は、実話に基づいた映画。アントワン・フィッシャーという黒人男性が Sony Pictures Studios の警備員として勤務していた時、プロデューサーのトッド・ブラックが彼の話に注目した。今から十年以上も前のことである。ブラックは話に感動し、フィッシャーを雇い入れて脚本を書くように働きかけた。デンゼル・ワシントンは『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 』を監督・出演することになったが、何しろ売れっ子のワシントンであるので、製作開始まで今まで時間がかかったというわけだ。「 Finding Fish 」という書名のフィッシャー著の自叙伝はニューヨーク・タイムズのベストセラーになっている。 映画『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 』では、不幸な生い立ちのアントワン・フィッシャーが海軍に入っても問題を起こすため、デンゼル・ワシントン扮する精神科医に診療してもらい、自分を捨てた母と親戚を見つけ出し、自分というものを考え直すストーリー。『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 』の主人公アントワン・フィッシャーを演じのは新人のデレク・ルークだ。 |
|||||||||||||||||||||||||||
▲TOPへ | |||||||||||||||||||||||||||
【『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 』のスタッフとキャスト】 | |||||||||||||||||||||||||||
監督: デンゼル・ワシントン Denzel Washington (Directed
by) 製作: トッド・ブラック Todd Black (producer) アントワン・フィッシャー Antwone Fisher (co-producer) ランダ・ヘインズ Randa Haines (producer) クリス・スミス Chris Smith (co-producer) デンゼル・ワシントン Denzel Washington (producer) ジーナ・ホワイト Gina White (associate producer) 製作総指揮: ナンシー・パロイアン Nancy Paloian (executive producer) 原作: アントワン・フィッシャー Antwone Fisher (written by) 脚本: アントワン・フィッシャー Antwone Fisher (written by) 撮影: フィリップ・ルースロ Philippe Rousselot (Cinematography by) 編集: コンラッド・バフ Conrad Buff (Film Editing by) 音楽: マイケル・ダナ Mychael Danna (Original Music by) 配役: ロビ・リード=ヒュームズ Robi Reed-Humes (Casting by) 出演:デレク・ルーク Derek Luke アントワン・フィッシャー マルコム・デヴィッド・ケリー Malcolm David Kelley アントワン・フィッシャー7歳 コーリー・ホッジス Cory Hodges アントワン・フィッシャー14歳 デンゼル・ワシントン Denzel Washington ジェローム・ダヴェンポート ジョイ・ブライアント Joy Bryant シェリル サリー・リチャードソン Salli Richardson バータ エリス・ウィリアムズ Ellis Williams テイト牧師 ノヴェラ・ネルソン Novella Nelson テイト夫人 ヨランダ・ロス Yolonda Ross ナディーン ヴィオラ・デイヴィス Viola Davis イーヴァ ヴァーニー・ワトソン=ジョンソン Vernee Watson-Johnson 叔母アネット O.L. デューク O.L. Duke 叔父デューク スティーヴン・スネデン Stephen Snedden 上官バークリー レナード・ホウツ Leonard Howze ポーク ケント・スコット Kente Scott カンザス・シティ ケヴィン・コノリー Kevin Connolly スリム ジャスカ・ワシントン Jascha Washington ジェシー8歳 ダンジェロ・ウィルソン De'Angelo Wilson ジェシー19歳 ▲TOPへ |
|||||||||||||||||||||||||||
<もっと詳しく> | |||||||||||||||||||||||||||
ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。 |
|||||||||||||||||||||||||||
■映画『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー 私は日本公開前に字幕スーパーなしの英語で観たので、わかる範囲でレヴューします。映画データについては調査した時点と公開される時点で異なる場合があります。本作の内容については、語学力と経験・常識不足のため、間違いや勘違いや適切でない表現があるかもしれません。どうかご理解賜りますようお願いいたします。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。 ▲TOPへ 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第01段落】 オハイオの畑に佇む少年アントワン。ある家のドアを開けると大きな男性に歓迎の握手をされて室内に入る。黒人ばかりの大家族。大テーブルにご馳走がいっぱい並んでいる。みんなニコニコして、アントワンも大喜び・・・突然の大音で目覚めると、それは夢だった。 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第02段落】 そんな夢から目覚めたアントワン・フィッシャー(デレク・ルーク)は米国海軍に入隊して間もない若い黒人青年。みんなは苗字のフィッシャーを短縮して"フィッシュ"と彼のことを呼んでいる。ここアメリカ西海岸の海軍施設では、シャワーや髭剃りといった他愛のないことで兵士仲間とすぐに口喧嘩と暴力が始まる。喧嘩というよりも、アントワンからの一方的な短気の爆発のようだ。海軍の審査で、バークリー上官(スティーヴン・スネデン)から有罪を宣告され、海軍所属のメディカルセンターで診察を受け、それによって軍隊勤めが続けられるかどうか判断されることになった。 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第03段落】 アントワン・フィッシャーの担当医は精神科医ジェローム・ダヴェンポート(デンゼル・ワシントン)と決まり、三回の面談・診察で適性を診断するようにプログラムされた。早速、アントワンに出身地を尋ねるが、クリーヴランド Cleveland と答えはしたものの、何か言いづらい素振りで、それ以降は何も話さない。ダヴェンポート医師は相手の出方を見るのも診察方法のようで、相手が話さなければそのままにしている。そうしてすぐに半時間は経っていく。では来週の水曜日 14 時にと言って、この日は終わり。 『 ラスト・キャッスル (2001) THE LAST CASTLE 』でもそうだったと思うが、軍隊なので、医師でも14時のことを fourteen hundred と表現していた。 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第04段落】 海軍基地内の書店の店員をしている可愛い女性シェリル(ジョイ・ブライアント)にアントワンは一目惚れしているみたい。店に行って少し話すが、全然「押し」がない。女性に対してシャイなようだ。そして二回目の診察日、水曜日にダヴェンポート医師の許に通う。ブスっとしているアントワンに、ソファに座るように言って、そのままにしている。アントワンは何も話さないし、ダヴェンポート医師の方もハンバーガーを食べたりして、相手の出方を静観している。この日もアントワンはただ座っているだけで 30 分が過ぎて行った。 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第05段落】 三回目の診察の水曜日。また 14 時だ。例によってアントワンは何も話さないが、ちょっと咳をした。すかさずダヴェンポート医師が反応してみせると、ぼそぼそと何か話し出した。「こんなことしていても時間の無駄じゃないですか?」これが糸口となって、アントワンは自分の生い立ちを語り始める。 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第06段落】 自分は母がオハイオ州立刑務所 Ohio State Correctional Facility に入っている時に生まれた。父親は、アントワンが生まれる2ヶ月前にガールフレンドに射殺された。こういう環境だから、母親は我が子アントワンを里子に出すことに決め、クリーヴランドのテイト夫妻に里親になってもらうように手続きされた。里親もやはり黒人である。テイト牧師(エリス・ウィリアムズ: 『 アリ (2001) ALI 』等に出演)が教会の説教の途中でゴスペルを歌い出せば、テイト夫人(ノヴェラ・ネルソン)や子供たちは体を揺らして陶酔して一緒に歌っている。幼い7歳のアントワン(子役:マルコム・デヴィッド・ケリー)はテイト一家に合わせるより仕方なかった。一家には、兄弟二人と姉がいた。 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第07段落】 里親の家ではそこの家の兄弟にはいじめられる。母のテイト夫人には何かと痛い目にあわされた。濡らしたタオルで鞭打ちとか、たいまつ状の炎を顔の間近にかざされたりする。それも、身体を椅子や柱に縛り付けて体罰するのだ。アントワン(少年役:コーリー・ホッジス)が中学生くらいになってもテイト夫人からの精神的及び肉体的な虐待は続いた。冒頭の夢のシーンは、アントワンの潜在意識が夢となって現れ、希望や憧れが具象化したものだろう。 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第08段落】 監督・出演のデンゼル・ワシントンは 『 マーシャル・ロー (1998) THE SIEGE 』 『 ボーン・コレクター (1999) THE BONE COLLECTOR 』 『 ジョンQ−最後の決断− (2002) JOHN Q 』 『 タイムリミット (2003) OUT OF TIME 』 『 クライシス・オブ・アメリカ (2004) THE MANCHURIAN CANDIDATE 』 『 マイ・ボディガード (2004) MAN ON FIRE 』等に出演し、スッキリと奇麗な目鼻立ちのアフリカ系アメリカ人のオスカー受賞男優。今回の映画『アントワン・フィッシャー』は、デンゼル・ワシントンの初めての監督作品だ。正直言って、大分、年をとってきたナというのが第一印象。もっと奇麗でいて欲しいな。主人公アントワンを演じるデレク・ルークは新人。役名のアントワン ANTWONE は珍しい名だと思うので調べてみると、似たので ANTWAN というのがあり、ANTHONY のフランス名に当たる ANTOINE の変形らしい。また、アントワンのカノジョのシェリル役のジョイ・ブライアントも新人で、ほっそりとスタイルもよく、奇麗な人だ。 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第09段落】 三回の診察はこれで終わった。三回目に、アントワン(以降、愛称フィッシュで表記します)はやっと自分の不遇の出生と幼時体験を話してくれた。でも、話を聞いただけだから、まだ何の更生の助けにもなっていない。ダヴェンポート医師は、そんなフィッシュに、もっとチャンスを上げようと考える。そこで、医師は自分の方からフィッシュの海軍の所属部屋にやって来て、次の水曜日にまた来るように言う。そして何でも言いたい事があれば、昼でも夜でも電話をかけてきたらいいとも言ってあげる。肩に手を置き、父と息子の間柄にさえなってきた。 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第10段落】 ダヴェンポート医師は、フィッシュの前向きの人生には、恋人の存在を上手く利用したらいいとアドヴァイスする。フィッシュは思い切ってシェリルにデートを申し込んだ。勤務が終わって、シェリルとフィッシュはカプチーノの特大紙コップを手に持って笑いながら歩く。「本当に素晴らしいな」という日本語も、どういうわけかフィッシュは言ってみせる。並んで腰掛けて語ったりするだけの友達的デートだったが、家に送ってさよならの時、シェリルはそっとフィッシュに口づけする。嬉しくて堪らないフィッシュは、その足でダヴェンポート医師の自宅に、夜なのに報告しに行く。ダヴェンポートは驚く妻バータ(サリー・リチャードソン)に、初めてのデートで嬉しくて言いに来たのだと説明する。 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第11段落】 こうして、性質に潤いの出始めたフィッシュは、海軍に再入隊を許可され、軍艦に乗っている。セーラー服が良く似合い、久しぶりに張り切っている。上官たちの真っ白い軍服といい、 『 ウインドトーカーズ (2002) WINDTALKERS 』や、この映画の製作者ジーナ・ホワイトの 『 セント・オブ・ウーマン/夢の香り (1992) SCENT OF A WOMAN 』等、軍隊モノで制服を着た俳優達は実にカッコいいな。さて、フィッシュは軍隊に戻って、ある程度適応できてきたが、また問題が起こる。仲間達とクラブで酒を飲んでいて、女性からダンス等の誘いをかけられ、断る。それが元でまだ大暴れし、留置所に入れられてしまった。ダヴェンポート医師が面会に行って話を聞くと、過去のまだまだ話していない嫌な経験があったのだ。 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第12段落】 女性に対しての拒否、性に対しての嫌悪感。実際、フィッシュは未経験だ。ダヴェンポート医師がフィッシュの心の奥にあるものを聞き出すと、こうだった。里親の家の年齢の大分上の姉(里姉というのでしょうか?)ナディーン(ヨランダ・ロス)に性的虐待を受けていたのだった。里親のテイト夫人が男の子二人を連れて外出するたびに、地下室に連れて行かれて、嫌な思いをさせられていた。ナディーンは変態?こういう時、一時的にでも家から逃げて匿ってもらっていたのは、近所の8歳のジェシー(子役:ジャスカ・ワシントン)だった。こういうことで、幼時の性的虐待が尾を引いて、未だに女性と上手くいかない。従って、恋人になりかかっているシェリルとも、深い仲には進めないのだ。 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第13段落】 ある晴れた日の夕方、フィッシュはダヴェンポート医師の自宅に急に行ってみた。まだ帰宅していなかったので、奥さんのバータが5分ほど話し相手をし、バータはフィッシュのことを気に入った。それを夫ダヴェンポートにも伝え、木曜日に感謝祭 Thanksgiving のディナーにフィッシュを招待した。そんな晴れの場に招かれたことがないフィッシュは大喜びして、当日はワイシャツにタイを絞め、挨拶の言葉を練習している。そしてディナーの大テーブルに盛られた数々のディッシュを見て、私達観衆も、冒頭のフィッシュの夢と同じようだなと感じる。しかも、ダヴェンポートの親兄弟一族も黒人である。あの夢とそっくり。夢が叶ってよかった…と思ったのだが、同席のダヴェンポートの父が、フィッシュに出身や両親のことを根掘り葉掘り訊くので、フィッシュは居たたまれなくなってしまう。 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第14段落】 席を立って涙ぐむフィッシュをダヴェンポートは慰め、二人は詩を朗誦する。今日の感謝祭のお祝いに招待してくれた奥さんへのお礼の詩だとフィッシュは言う。こうしてダヴェンポートに見守られて、喜びと苦悩が行ったり来たりしながらフィッシュの人生は少しずつ進展していくのだ。そして、恋人シェリルをダヴェンポート医師にも紹介さえする。しかし、フィッシュの心の寂しさの根源━本当の母親を知らないこと、家族がいないこと━をなくさなければ、フィッシュの真の心の平安は訪れないとダヴェンポートは確信する。それで、本当のお母さんを捜すべきだとフィッシュにアドヴァイスすると、僕は捨てられたのだからと言って泣くのだ。この映画は、実際にこういう立場の人が観たら辛いだろう…。 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第15段落】 何か感じるところがあったフィッシュは、幼い時に匿ってくれたジェシー(成人:ダンジェロ・ウィルソン)に会いに行く。再会を心から喜んでくれたジェシーだが、時間の経過というのは、人を色々な形に変化させる。ジェシーの場合、"ワル"になっていたのだ。コンビニ的雑貨店に二人で行くと、ジェシーは突然、店主にピストルをかざして強盗を図る。驚いたフィッシュが声をかけた途端、店主の方がジェシーの頭を撃ち抜き、ジェシーはその場で即死してしまった。こうして、幼い時のほんの一握りのよい思い出も抹殺され、フィッシュの心は拠り所がなくなってしまう。 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第16段落】 これで決心がついた。フィッシュは母捜し・家族捜しを実行する。先ず、恋人シェリルに一緒に行って欲しいと言って、クリーヴランド行きの航空券を二枚見せる。彼女は微笑んで即刻OKした。クリーヴランドに到着し、関連施設で手がかりのファイルを受け取る。ホリデイ・イン Holiday Inn にダブルベッドで宿泊して、ファイルをじっと読むフィッシュにシェリルはキスをそっとする。が、フィッシュはぎこちない反応だ。翌朝、目覚めたシェリルの顔つきは、昨夜、何もなかったのでは? 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第17段落】 クリーヴランドでフィッシュは育ててもらった(しかし虐待された)里親の家に向かう。チャイムに出てきた姉のナディーンは、久しぶりねと抱こうとするが、「もう触るな。俺は成長したんだ。」と断固として拒否できるようになったフィッシュ。里母テイト夫人も玄関先に出てきて抱こうとするが、抱かせない。「あなた達のやった事は性的虐待だ。」と明言し、「それでも俺を破滅できなかった。俺はいまだに強く生きている。」と堂々と宣言する。二人はその姿に威厳さえ感じたようで、すっかりショボンとしてしまった。…これで先ず過去のトラウマをクリア。・・・ ▲TOPへ ◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say ! 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第18段落】 次は電話をかけまくるフィッシュとシェリル。ホテルの室内電話で疲れるほど何十、何百と電話している。亡き父親「エドワード・エルキンス Edward Elkins を知りませんか」という電話は何時間も成果がなかった。しかし、やっと手ごたえがあった!中年女性でアネットという人が知っていて、しかもフィッシュの実の母親も知っていると言うのだ。翌日そのアネット叔母さん(ヴァーニー・ワトソン=ジョンソン: 『 スクービー・ドゥー (2002) SCOOBY-DOO 』のTV版で多出演)の家に行かせてもらい、デューク叔父さん(O.L. デューク)が車で母親の所に連れて行ってくれる運びとなった。 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第19段落】 フィッシュの生みの親は、独りでレンガのさびれたアパートに住んでいた。名はイーヴァ(ヴィオラ・デイヴィス: 『 ニューヨークの恋人 (2001) KATE & LEOPOLD 』 『 ソラリス (2002) SOLARIS 』等に出演)という。(但し、日本語公式サイトが出来たら、 Eva だからエヴァと書くかもしれないが、発音はイーヴァだった。)恋人シェリルは叔母さんの所に残して、フィッシュは緊張した面持ちで、実の母親の家の玄関をまたぐ。母は大柄で、生活苦の出ている中年女性。二人だけの時間。母は大きくなった息子と対面して驚き、奥の部屋にこもってしまった。フィッシュがその部屋に行くと、母親は泣いている。そういうものなのだろう。捨てたという事でずっと後悔と謝罪の念で生きてきたのだろうから。そして一方の息子は、捨てられたという悲しみと恨みで暮らしてきた筈だ。しかし、この二人は、抱き合うことで全て解消された。フィッシュは実の母と会えただけで幸福だった。 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第20段落】 アネット叔母さんの家に戻ると、「お帰りなさい!」「アントワン」という大きな紙を掲げて、親族一同が待ち構えてくれていた。いとこや叔父叔母などが自己紹介し、みんなフィッシュを抱いて歓迎してくれる。感激のフィッシュ。そして、そこには、夢にまで見た、あの大テーブルのご馳走の山。今度こそ正夢だ。一番奥の席の親族の頭らしき祖母が、しわくちゃの顔で一言" Welcome! "。歓迎の嵐の中で、母だけでなく、ファミリーまでも得ることが出来た。その嬉しそうなフィッシュをシェリルが傍らで微笑んで見守る。彼女は本当に良く出来た娘さんだなと思う。 【きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 第21段落】 こうして、アントワン・フィッシャーはダヴェンポート医師の忠告に従って、夢だった<実の母とファミリー>の幸せをつかんだ。勿論、恋人シェリルとも、これなら絶対うまくいく。ラストシーンは、颯爽と軍服で闊歩するアントワンとシェリルだもの。この映画の撮影は 『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 (2001) PLANET OF THE APES 』のフィリップ・ルースロ、音楽は 『 17歳のカルテ (1999) GIRL, INTERRUPTED 』のマイケル・ダナ、編集は 『 タイタニック (1997) TITANIC 』 『 13デイズ (2000) THIRTEEN DAYS 』のコンラッド・バフ、プロダクション・デザインは 『 フレイルティー/妄執 (2001) FRAILTY 』のネルソン・コーツ。実在するアントワン・フィッシャーは、原作・製作・脚本に携わり、見事 2002 年度の全米脚本家協会賞のオリジナル脚本賞にノミネートされている。 以上。 <もっと詳しく>からスペースを含まず6825文字/文責:幸田幸 参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集 http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm IMDb allcinema ONLINE Nostalgia.com CinemaClock.com ANTWONE FISHER 公式サイト(英語版) http://www2.foxsearchlight.com/antwonefisher/main.php The etymology and history of first names http://www.behindthename.com/nmc/eng.html いつも参考にしておりますallcinema ONLINE さんには、2003年02月13日の時点で[ データ ]及び [ 解説 ]は出ていませんので、これをアップしました。Thanks to allcinema ONLINE. |
|||||||||||||||||||||||||||
■映画『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー 』の更新記録 2003/02/13新規: ファイル作成 2004/12/27更新: ◆一部テキスト追記と書式変更 |
|||||||||||||||||||||||||||
▲TOPへ | |||||||||||||||||||||||||||
幸田 幸 coda_sati@hotmail.com |
「映画の森てんこ森」へ | 「旅行の森てんこ森」へ | |||||||
映画解説・レヴュータイトル一覧表
|
幸のイタリア各都市情報へ 136x70 |
|||||||
本サイトの作文、データ及び画像などのコンテンツの無断転用はお控え下さい。 貴サイトへの御掲載についてはメールにてお知らせ頂ければ幸いです。 |
||||||||
© 2003-2005 Sachi CODA at Eigano-Mori Tenko-Mori, CODA21. All Rights Reserved. |