ピナクルズ | |
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ピナクルズ@映画の森てんこ森 | |
ピナクルズ PINNACLES・荒野の奇岩群 | |
2004年03月27日土曜日 | |
【幸のパース関連サイトマップ】 ■パースについて (2004年03月12日作成) パース旅行の前知識として幸が調べたデータです。 ■パース旅行 パースは暑かった! (2004年03月24日作成) パースは本当に世界一住みやすい町か調べます。 ■パース散策 (2004年03月26日作成) パースの名所を幸が歩いて巡ります。 ■パースの近郊フリーマントル散策 (只今作成中・・・) パースから気軽に行ける人気スポットのプチ遠足 フリーマントルマーケットについての寄稿(2004年04月05日作成) ■パース近郊のヤンチェップ国立公園 (2004年03月25日作成) パース近場の半日観光に絶好の場所です。 ■パースから観光バスでピナクルズへ (2004年03月27日作成) パースから約 250 km の一日観光で奇石群が堪能できます。ハエ対策必要! ■パースからフェリーでロットネスト島へ (2004年03月28日作成) スローライフ、マリーンスポーツ、アウトドア等思い思いのライフスタイルを満喫! ピナクルズ PINNACLES the Pinnacles Desert 【目次】 【01】ピナクルズの位置・面積 【02】ピナクルズへののアクセス 【03】ピナクルズ途上のガソリンスタンド休憩所 【04】ピナクルズへの道 【05】ピナクルズ直前にピクニック・ランチ 【06】ピナクルズ直前にインド洋を見る 【07】ピナクルズのあるナンブング国立公園 【08】ピナクルズ! 【09】ピナクルズの形成 【10】ピナクルズのハエ ピナクルズはオーストラリアの大自然でエアーズロック Ayers Rock に次いで有名なのではないだろうか。ピナクルズの‘pinnacle’とは「小尖塔(せんとう)・高峰」という意味の英語。以前オーストラリア Australia 特集のTVで「荒野の墓標」「荒野の奇岩群」ピナクルズの光景を垣間見てから好奇心は募り募って、ピナクルズの実物をいつか見てみたいなぁとずっと思っていた。それがとうとう実現できてウレシイ!!! イギリスでは念願のストーンヘンジ Stonehenge も見に行ったし、私ってこういう石・岩系のものが案外好きなのかも。 【01】ピナクルズの位置・面積 ピナクルズはパース Perth から北方 245 キロ(南半球なので北ほど暑い)にあるナンブング国立公園 Nambung National Park の中にある。ピナクルズは、今回のようにヤンチェップ国立公園 Yanchep National Park 等に寄り道しなければ車で片道3時間ほどで着き、パースから日帰りできる距離にあるので人気スポットの一つだ。と言うか、パースは“世界一孤立した都市”なので、パースから行かれる日帰り小旅行として貴重な観光地と言えるだろう。ナンブング国立公園は 17,487 ヘクタールもある広大な面積を擁し、その心臓部に位置するピナクルズだけでも 404 ヘクタールもあるのだ。東京ディズニーランドが面積 46.2 ヘクタールだから、ピナクルズはTDLの9倍近いし、甲子園球場 39,600平方メートルが 102 個以上入ってしまう計算になる。迷子になったらそれこそ終わり。ピナクルズはピナクルズ砂漠 the Pinnacles Desert とも呼ばれる。 砂漠と言えば、『 イングリッシュ・ペイシェント (1996) THE ENGLISH PATIENT 』『 マーズ・アタック! (1996) MARS ATTACKS! 』『 マーシャル・ロー (1998) THE SIEGE 』『 ソフィーの世界 (1999) SOFIES VERDEN / SOPHIE'S WORLD 』『 パリの確率 (1999) PEUT-ETRE 』『 M:I−2 (2000) MISSION: IMPOSSIBLE 2 / M:I-2 』『 エリン・ブロコビッチ (2000) ERIN BROCKOVICH 』『 ザ・セル (2000) THE CELL 』『 シャンハイ・ヌーン (2000) SHANGHAI NOON 』『 MUSA−武士− (2001) MUSA 』『 アメリカン・スウィートハート (2001) AMERICA'S SWEETHEARTS 』『 オーシャンズ11 (2001) OCEAN'S ELEVEN 』『 ハムナプトラ2/黄金のピラミッド (2001) THE MUMMY RETURNS 』『 HERO (2002) HERO (英題) / 英雄 (原題) 』『 イン・ディス・ワールド (原題) (2002)IN THIS WORLD 』『 デッドロック (2002) UNDISPUTED 』『 トータル・フィアーズ (2002) THE SUM OF ALL FEARS 』『 バンガー・シスターズ (2002) THE BANGER SISTERS 』『 ウォルター少年と、夏の休日 (2003) SECONDHAND LIONS 』『 ザ・コア (2003) THE CORE 』『 シンドバッド 7つの海の伝説 (2003) SINBAD: LEGEND OF THE SEVEN SEAS 』『 ハッピー・フライト (2003) VIEW FROM THE TOP 』『 ヘブン・アンド・アース (2003) WARRIORS OF HEAVEN AND EARTH 』『 ホールズ/穴 (原題) (2003) HOLES 』『 ヤング・ブラック・スタリオン (2003) THE YOUNG BLACK STALLION 』『 オーシャン・オブ・ファイヤー (2004) HIDALGO 』『 ブルーベリー (原題) (2004) BLUEBERRY 』等の映画がある。 |
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【02】ピナクルズへのアクセス ピナクルズへ行く鉄道は、オーストラリアの大自然はあまりにも広いので、ない。バスかレンタカーになる。レンタカーで行くのも勿論良い経験になっていいけれど、そんなに長距離を、しかも野生動物に気をつけながら高スピードで走り続けるのは疲れてしまうので、観光バスで行くことに。観光バスはホテルを朝8時に出発して、一路ピナクルズへ。フリーウェイ freeway をしばらく疾走し、途中からハイウェイ highway (公道・幹線道路:『 ハイウェイマン (原題) (2003) HIGHWAYMEN 』参照)に変わる。フリーウェイはいわゆる高速道路だが、料金はいっさい要らない。ハイウェイとの違いは、フリーウェイは信号がなくて、ハイウェイは信号がある点だそうだ。 |
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道はすいているので、いずれにしても高速で突っ走っていく。 パース郊外の町を過ぎると、そこを最後にハイウェイでも信号は全然なくなって、ひたすら大平原の一本道を進む。スピードはたまに制限速度 110 km と表示があっただけで、無制限の高スピードだ。ハイウェイは高速道路と違って対向車線と隣りあわせなので、ビュンビュン走ってくる対向車とすれ違う時はすごいスリル。また、長い長いトラックを追い越す際も、お互い物凄いスピードなのでドキドキだった。 |
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【03】ピナクルズ途上のガソリンスタンド休憩所 |
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ピナクルズへのハイウェイ(ブランド・ハイウェイ
Brand Highway と思われる)は荒野を突っ切って走り、道路沿いには家も店も全然ない。 ガソリンスタンドは 200km の間に二軒しか見なかったと思う。観光バスは、トイレ休憩も兼ねてガソリンスタンドに寄った。鳥小屋があったり日陰のベンチやテーブルがあったり、何かホッとする雰囲気のレストプレイスだ。軽食堂と売店を兼ねた店舗に入るとエアコンが効いていて、その気持ちよかったこと。 |
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長時間バスに乗ったらエアコンで身体が冷えたらいけないと思い長袖の上着を持参していたけれど、この猛暑ではそんなものとんでもなかった。冷房していても車内はちっとも冷えない暑さだからだ。店内で各自コーラやアイスクリームやお菓子を買ったりして暫し休んだ。 ここは帰途にも同じように立ち寄って、チョッピリ行きつけの店みたいに感じて心休まる。 |
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【04】ピナクルズへの道 ピナクルズへと疾走するバスからは、 360 度地平線が見渡せてオーストラリアだなぁと実感する。ひたすらブッシュの茂る大平原が続く。馬や牛や羊が草を食んでいる光景も眺められた。羊はオーストラリアでは人口の十倍いるとツアーガイドさんが説明。それに、オーストラリアは紫外線が日本の数倍も強いので、白人同様、白豚は肌が弱くてオーストラリアでは生きられないそうで、豚では黒豚だけだそうだ。 |
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農家は敷地が広大すぎるので、郵便配達はハイウェイ沿いのカラフルな球状の物体に数軒まとめて届けられる(アッと言う間にバスは通り越してしまって写真撮れなかった!)。各家からはそこまで車で手紙を回収しに行く。また、スクールバスもこういうハイウェイ沿いに停まり、生徒は幼ければ親が車でそこまで送るし、高学年になれば自分で車でそこまで運転することが許されているそうだ。 | |
また、中学の英語の教科書に記載されていたフライング・ドクターも、こういう遠隔地で本当に活躍しているのだ。急患が出ても、都市部から車で向かっても複数時間かかって間に合わない。だから飛行機(セスナ?)で医師と看護師が乗って救命するのだ。 Royal Flying Doctor Service 、略して RFDS という。 | |
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【05】ピナクルズ直前にピクニック・ランチ ピナクルズ到着直前にワイルドフラワー・センター Wildflower Centre でお昼を頂く。「ピクニック・ランチ」と聞いていたのでどんな粗末な(?)ものなのかと心配していたら、逆。とっても美味しかった。 |
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ビュッフェ形式で、自家製ハム、コールスロー、マカロニサラダ、ビート(さとう大根・赤大根)、パン、紅茶、姫りんご、ココナツ・チョコ・ケーキという満足できるメニュー。団体さんがここに立ち寄って食事できるようにテーブルが何列も並んでいた。土産物も売っている。猛暑なのでツバの大きい帽子を買い込んだ。それにオーストラリア先住民アボリジニー
Aborigine のユニークな絵のTシャツもつられて買ってしまった。母と姉へのお土産にしよう。 |
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【06】ピナクルズ直前にインド洋を見る ピナクルズを目前にして、セルバンテス Cervantes という集落を越えた所にあるサースティ・ポイント Thirsty Point でインド洋 Indian Ocean を見に行った。サンゴ礁の美しいサースティ湾 Thirsty Bay の突端にあるサースティ・ポイントは、砂は真っ白で、海はエメラルド色かトルコ石の色。まるで夢のように美しかった。ウィンドサーフィンに適しているこのビーチは、日焼けした若者が数人だけ来ていた。立て看板によるとサースティ・ポイントでは野宿禁止。だから全然ゴミ等散らかっていないし、世俗化されていない。「喉の渇いた地点」という意味の「サースティ・ポイント」は、「立ち止まって喉の渇きをいやす所」というニュアンスらしい。 |
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また、サースティ・ポイントから 12km ほど南にはハングオーヴァー・ベイ Hangover Bay (直訳して「二日酔い湾」)というやはり面白い名の湾もある。サースティ・ポイントとハングオーヴァー・ベイの間にはカンガルー・ポイント Kangaroo Point という浜辺もある。インド洋のこの辺りはイルカやアシカがいるという。 | |
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【07】ピナクルズのあるナンブング国立公園 ピナクルズのあるナンブング国立公園の八月から十月という春季は、ワイルドフラワーが地表を覆ってそれはそれは壮観らしい。「ナンブング」とはアボリジニーの言葉で‘crooked / winding (曲った・ねじれた)’という意味。冬季にその地域を流れる川が曲がりくねっていたので、そう名づけられた。このようにオーストラリアの地名はアボリジニーの言葉が多いにも拘わらず、この有名なピナクルズにはアボリジニーは名前をつけなかったのだ。恐ろしそうな黄色の砂漠に墓標のような無数の尖塔を不吉に思って足を運び入れなかったらしい。それで、冒頭のように白人が英語で「ピナクルズ=小尖塔」とそのものずばり名づけたわけだ。 |
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ナンブング国立公園は幸の訪れた三月(晩夏)は茶色の荒野が殆どだったけど、変わった花をつけた樹木も随分生えていた。白い砂丘も所々に見える。ナンブング国立公園内を数分走ると、「ピナクルズの幼稚園= Baby Pinnacles 」と呼ばれるチビッ子ピナクルズが出現して、皆、大喜びした。さぁ、本物のピナクルズは間近だ!因みに「ベイビー・ピナクルズ」は、『 オースティン・パワーズ ゴールドメンバー (2002) AUSTIN POWERS IN GOLDMEMBER 』のミニミー(Mini-Me)流に‘ mini-pinnacles ’とも表現されるそうだ。 | |
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【08】ピナクルズ! ピナクルズは写真で見て想像していたのを全く裏切らなかった。黄色の砂に黄色のモニュメントのような尖塔状のものが数千もある。雲ひとつない快晴の青空に黄色一色の風景は、強烈なコントラストを描いて私達を迎えてくれた。決して逸(はぐ)れないようにと注意事項を聞いて、いざ歩行開始。帽子を被りサングラスをかけ、水のボトルをバッグに入れて、ピナクルズの合間を歩んでいく。 アシカのようなピナクル、三頭のイルカのようなピナクルという具合に、特徴のある形のピナクルもある。高さは数十センチという小さなものから4メートルという大きなものまで千差万別だ。これが数千も墓標のように立っている光景は世界でここだけの奇観。 17 世紀にオランダの船乗り達がインド洋からこの光景を目にして、古代都市の遺跡かと間違えたのも頷ける。今では毎年世界中から 150,000 人もの観光客が訪れるという。 |
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映画では『 ネメシス/S.T.X (2002) STAR TREK: NEMESIS 』の Star Trek シリーズの『スター・トレック5/新たなる未知へ (1989) STAR TREK V: THE FINAL FRONTEER 』と『 PLANET OF THE APES 猿の惑星 (2001) PLANET OF THE APES 』のロケに使われた。 | |
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【09】ピナクルズの形成 ピナクルズは簡潔に言えば石灰石の巨大な柱なわけだが、では一体どのようにしてピナクルズは形成されたのだろうか。 |
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(01) 大昔、約六千年前くらいだろうか、地学で言う「世」の初期に、貝殻が細かく砕けて石灰を豊富に含んだ砂となった。 (02) その砂は波で陸に打ち寄せられ、風で内陸に運ばれ、流動的な砂丘となった。 (03) 冬に弱酸性の雨が降ると、砂は濾過(ろか)の働きをして、雨は炭酸カルシウム少量を溶解させた。 (04) 夏に砂丘が乾燥すると、石灰の砂の層の下部は Tamala Limestone と呼ばれる石灰岩になった。 (05) どこからか植物の種子が飛来して植物が茂るようになり、根っこが生えた為に地表が安定した。 (06) そのお陰で酸性の土壌の層と腐植土・腐植質が石英の砂の上に発達していき、酸性の土壌は濾過を加速させた。 (07) カルクリート(土壌の層の一部として形成される石灰質の固まり)の硬い層が、柔らかい石灰石の層の上に形成された。 (08) カルクリートに出来たひび割れが、植物の根によって採掘されていった。 (09) 水分が溝を伝って下に浸透していき、下方の柔らかい石灰石は溶解して、溝は石英の砂で満たされるようになっていった。 (10) 表面下の浸食は、しっかりした円柱状のもの(後のピナクルズ)が残るまで続いた。 (11) 植物は枯れ果て消え失せて、浸食された石灰岩を覆っていた砂は風で吹き飛ばされた。 (12) そこに残って頭を覗かせているのが現在のピナクルズである。 ピナクルズは気の遠くなるような年月を経て以上のようなプロセスを踏んで出来た自然の造形だ。ただし、ピナクルズ関係の英文をいろいろかじって整理して訳したので、学術的に誤りがあるかもしれませんので悪しからず。 |
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【10】ピナクルズのハエ | |
灼熱の黄色い砂漠をひたすら前進(そうしなければ帰れないから!)していく私達観光客たちに、ハエがまとわりつく。日本のハエの四分の一くらいの大きさの小蝿だが、そのハエのシツコイことと言ったらない。背中にも顔にも、目の縁にも唇にも、一人につき
20 〜 30 匹がたかり続けるのだ。何でも、水分を補給しようとして人間の水分のある部分にとまるそうで。流石、砂漠だ。みんな手やパンフレットで帽子の辺りや肩をパンパン叩きながら我慢して前進する。午後1時に到着して2時までの丸1時間の探索だったので、暑い日なのにそれも一番暑い時間帯だったのだ。 バスに戻って、 42 度Cだったと知って卒倒しそう。異常に暑いよねぇと思ってはいたが、携帯していたペットボトルの水を飲んでビックリした。お湯になっていたのデス!!! こういう生涯初めての経験をした、忘れられないピナクルズ訪問だった。あッ、日焼け止めクリームは本当に効いた。途中すれ違ったフレンドリーな白人達は、塗っていたと思うが肌がピンク真っ赤になって痛々しかった。 |
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暑いので水(湯?)を飲む。すると口に付いた水分ほしさにハエも集(たか)ってくる。もーッ!パチッパチッ!オージー・イングリッシュ(オーストラリア英語)の口を開かずにもごもごと喋る理由は大きく口を開くとハエが口に入るからだと聞いたことがあるが、フムフム...そうかもしれないゾ!と妙に納得した。 暑さとハエに耐えながらだが楽しく、無事にピナクルズを観終えた。全員熱中症もなく帰路のバスに乗り込んだ。私たち全員にハエのお供が付いてきた。なんと観光バスの中はハエだらけ! さあ、これからパースに急いで飛んで帰ろう・・・。 ハエも一緒だよ。 パースでは大好きな中華料理(広東・潮州料理)が待っているよ。 Fly to Perth! |
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Text by Sati |
coda21「映画の森てんこ森」幸田幸。 coda_sati@hotmail.com |
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