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 シャイな幸の独り言
ロットネスト島:気ままなライフスタイルが実現できる島
2004年03月28日日曜日 「シャイな幸の独り言」トップへ

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  スローライフ、マリーンスポーツ、アウトドア等思い思いのライフスタイルを満喫!


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ロットネスト島 Rottnest Island

 ロットネスト島、パース Perth からフェリーで一時間半。エメラルドグリーンのインド洋 the Indian Ocean に浮かぶ小島では、遊泳はもちろん、シュノーケリング、スキューバダイビング、サーフィンなどのウォータースポーツが堪能できる。また、幸のようなコアラ派(?)の人にはイネムリング。陸でのウォーキングやサイクリングはとっても手軽だ。色々な国からロットネスト島を訪れた人たちが思い思いの様々なライフスタイルでスローライフを楽しんでいるようだ。
 ロットネスト島でのベストな交通手段は自転車。大人一人 7 Aドル(約 630 円)、子供一人はその半額でレンタルできる。独特の生態系を持つロットネスト島では、壊れやすい島の環境を守るため、島外からの車の進入台数を規制している。車が少ないので、自転車を乗り回せるのだ。青い空の下、真っ赤に焼けたビキニスタイルの女の子たちが闊歩し、家族連れが自転車を漕いでいる。まさにアウトドア・リゾートなロットネスト・アイランド!…日頃、会社でも自宅でもコンピュータの前でオタクしている私が、何でこんな明るい日差しの海辺にいるの?!混乱してしまう!
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バラック・ストリート・ジェッティ

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まさにリゾートな、大きくてカッコいいフェリー
貸切状態だったテムズ川のポンポン戦とは大違い
スマートな船体がまさにアイランド・バカンスだ!

 パースのある西オーストラリアは、公共交通機関の便が少ないが、ツアーの種類が豊富なので、個人旅行者がちゃんと楽しめるようになっている。それで私もピナクルズ Pinnacles や、ヤンチェップ国立公園 Yanchep National Park に行った。しかし、ツアーの種類が多くなると自分に最適なものを探すのが面倒だし、それにチョイ割高になるような気もする。自分で行けて、一日で日帰りできるような所…、ロットネスト島だ!

 ロットネスト島へのツアーも数多くあるが、今回は自分で行ってみよう!パースのバラック・ストリート・フェリー乗り場 Barrack Street Jetty で、一応フェリーの予約を入れる。往復で大人一人 60 Aドル(約 5400 円)もかかった。

 ロットネスト島へと向かう日、空は快晴で、船旅には持って来いだ。桟橋からスワン川 Swan River を覗き込むと、茶色いクラゲが浮いている。白いカモメの群れや、濡れた羽を乾かしている水鳥を見て、自分がひどく別世界にいるような気がした。これから乗り込むフェリーは、テムズ川 the Thames のリバー・ボートのようなポンポン船っぽくなく、大きくてリゾートっぽい感じ。そのフェリーを掃除する乗組員のお兄さんは、白いシャツに白い短パンとまさに爽やかだ。
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スワン川にいっぱいいた

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たぶん羽を乾かしているんだろうと思うけど

 ロットネスト島往きのフェリーの前のデッキに出て、風を全身に感じながら、眼前に広がる青いスワン川を眺めていると、まるで加山雄三氏な気分。映画『 リプリー (1999) THE TALENTED MR. RIPLEY 』のごとく、“太陽がいっぱい”である。他の乗客も船からの眺めを楽しむためにデッキに上がって来ている。微妙な船の揺れが心地よく、フェリーが海に出る前にすっかり眠くなってしまった。せっかくの船旅なのに、ロットネスト島までの 18 km の殆どを爆睡。やはりオタクな私には、アウトドア・ライフが体に合わないのだろうか?フェリーは途中フリーマントル Fremantle にとまったが、眠っていて全然気付かなかった。フリーマントルは前々日に行ったが、映画のセットのような港町だ。
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フェリーが徐々に桟橋を離れて行く

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もちろんウィンド・サーフィンしているのは私ではありません

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フェリーからの眺めは最高

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日本よりもずっと安くヨットが手に入るらしい

 眠い目をこすって船を下りると、そこは私にとっては、夢の続きの別世界。青い空、青い海のリゾート、ロットネスト島だ。きつい日差しが容赦なく照りつける。後で教えてもらったのだが、この日のロットネスト島の気温は 44 ℃まで上がったそうだ。普段パースは心地よい気温のところなのに、何で私が滞在した短い期間だけ猛暑だったのか?次にこの町を訪れることがあれば、そんな特別な日でないことを願う。

 週末なので、ロットネスト島は、マリンスポーツやサイクリングを楽しむ若者や家族連れ、のんびりしたい高齢者で賑わっている。一緒にフェリーに乗ってきた大勢の人達は各々自分の目的に向かってロットネスト島に散らばっていったが、アウトドアに慣れ親しまない私は、ハテどうしよう?まずはインフォメーション・センターに行って、ロットネスト島のインフォメーション・ガイドを貰おう。

 ロットネスト島の海から吹く風のおかげで、パース市内にいるほど暑くはなかったが、この暑さの中、自転車で島を巡る気はさらさらない。そうだ!オリヴァー・ヒル・トレイン Oliver Hill Train に乗ろう!日本で買ったオーストラリアのガイドブックにもこの列車のことは載っていて、ちょいと興味をそそられていた。京都嵯峨野のトロッコ列車のような感じだろうか?なんかワクワクする。
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ウィークエンドでロットネスト島には人が多かった

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まずはここを訪れよう

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海がとてもキレイ

ロットネスト島 12
♪ I want to ride my bicycle...♪と Queen の曲が頭に流れる

 ロットネスト島のオリバー・ヒル・トレインは、ツアー Oliver Hill Train and Guns Tour に入ると、大人一人 15.40 Aドル(約 1386 円)、ツアーに入らないと大人一人 11 Aドル(約 990 円)かかる。その 4.40 Aドルの差は、終点のオリバー・ヒルでのボランティアによるガイドだ。オリバー・ヒル・トレインは、第二次世界大戦頃にオーストラリア軍が作った線路をそのままに利用した乗り物で、オリバー・ヒルの頂上には嘗ての高射砲や銃倉庫や地下要塞がある。ボランティアはそれらを 1 時間かけてガイドしてくれるのだ。第二次世界大戦時の軍事施設というと、その矛先はやっぱり日本だよなぁ。ちょっと心配だから、ツアーには入らないで、オリヴァー・ヒル・トレインに乗るだけにしよう。往復 1 時間の列車の旅だ。チケットはロットネスト島のインフォメーション・センターで購入するが、ツアーに入らない人は珍しいらしく、センターの人はツアーに入らない場合の値段を知らず、コンピュータで調べて教えてくれた。
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これから乗るんだ!

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ゆっくりとオリバー・ヒル・トレインがホームに入る

 ロットネスト島のオリヴァー・ヒル・トレインのチケットを買って、駅 Settlement Railway Station に向かう。線路を見ると、枕木なんかはなく、二本の鉄のレールが敷かれているだけだ。出発時刻は、10:30am 11:30am 12:30am 1:30pm 2:30pm の 1 日 5 回。 2:30pm 出発の列車では、ボランティアのガイドはない。ちょっとホームで待っていると、とてもゆっくり走る列車がやって来た。窓ガラスもない、遊園地の列車のような可愛い感じだ。

 ロットネスト島のオリヴァー・ヒル・トレインには、運転手のおじさんと、黄色いポロシャツを着たボランティアのおじさんの 2 人が乗っていた。ボランティアのおじさんが、気さくに話しかけてきた。おじさんはその昔、海軍兵で、 60 年代に日本に来たそうだ。その時、自動ドアと大きくて美味しいイチゴと最高の牛肉である神戸牛に驚いたらしい。また、壊れやすいロットネスト島の自然環境についても教えてくれた。

 映画『 パール・ハーバー (2001) PEARL HARBOR 』の舞台であるハワイ Hawaii の真珠湾に行った時のように、気まずい感じになるかとちょっと不安だったけど、全然そんなことなくってホッとした。
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気さくなボランティアのおじさん

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簡単な説明をする運転手さん

 ロットネスト島のオリバー・ヒル・トレインは、ガタゴトと本当にのんびり進む。日差しは相変わらず厳しいが、海からのそよ風が気持ちいい。サイクリングやトレッキング中の人たちが乗客に向かって手を振ってくる。やっぱりパースの人は、とてもフレンドリーだ。自分も礼儀として手を振り返すのだが、何となく気恥ずかしい。そして何とも可愛いのが、ゆっくりと走るオリバー・ヒル・トレインに付いてくるツバメたちだ。上を飛んだり地面すれすれに飛んだり、何だかとっても楽しそう。こちらまで楽しい気分になってくる。途中、セスナが数機ある飛行場や、塩分濃度が海の 10 倍もあるという湖の横を通る。高度が微妙に上がってくると、遠くに海も見える。あれこれ眺めている内に、楽しい片道 30 分の列車の旅はすぐに終わってしまった。

 頂上からオリバー・ヒル・トレインが出発するまでの 10 分ほどの間に、高射砲の写真を撮ったり、頂上からの眺めを楽しんだりした。帰りの便では、運転手さんお勧めの絶景スポットで列車を止めてくれ、写真を撮らせてくれた。とても美しい入り江だ。

 ちょっと割高感のあるオリバー・ヒル・トレインだったけど、とても楽しかった。私のように、アクティヴ派でない人におススメだ。
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オリバー・ヒルの頂上に到着!

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写真に美しさが入りきらないのが残念

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なんか怖いよ

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ガタゴトとゆっくり列車は進む
湖がキレイ
 ロットネスト島ではバスも運行している。ベイシーカー・サーヴィス Bayseeker Service は有料(大人一人 7 Aドルでレンタル自転車と同じ)だが、島内 15 ヵ所にバス停がある。チケットはインフォメーション・センターで購入する。一方、カーテシー・シャトル・バス Courtesy Shuttle Bus は無料のサーヴィスだが、 3 路線しかない。でも、無料だから一応乗ってみた。島のあちこちを走ってくれてこれだけでも十分なくらい。無料だなんてオーストラリアは太っ腹だなぁ。
 どちらのバスの時刻表も、インフォメーション・センターで貰うロットネスト島のインフォメーション・ガイドに載っている。

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タダだからわりと混んでた
 ロットネスト島に来たならば、島の名前の由来となった、この島にしか生息していない有袋類の小さな生物、クォッカ Quokka (クオッカ)を見なければならない。 17 世紀にこの島にやって来たオランダ人探検家がクォッカを巨大なネズミと勘違いして、“ネズミの巣”という意味のオランダ語である rotte-nest と島を命名したそうだ。つまりロットネスト島と言えばクォッカ(クオッカ)、という程のマスコット的動物なのだ。クォッカ(クオッカ)のぬいぐるみを持って嬉しそうに歩く小さな子供たちも見かけた。無料バスの車窓からクォッカ(クオッカ)の住処っぽいところも見えた。しかし、暑くて、クォッカ(クオッカ)を探しに行く気にもなれない!私もコアラ状態になっている。折角南半球のオーストラリア、それも西オーストラリア、世界一孤立した町パースから、まだ更に孤立したロットネスト島クンダリまでやって来て、その名物生物「クォッカ(クオッカ)」を観ないなんて!一応幸が移動した所々で偶然クォッカ(クオッカ)に出くわさないかと期待してブッシュあたりを見回すのだけど、残念ながら現われてくれなかった。余りに暑いので日陰でお昼寝していたに違いない。

 ヨットが停泊するトムソン湾 Thomson Bay を眺めながら、ベンチで暑さに呆然としていると、クジャクがチョコチョコやって来た。羽がキレイじゃないから、たぶんメスだ。何でこんな所にクジャクがいるの?ちょっとビックリ。伺ったところによると、入植者が持ち込んだものが繁殖したらしい。クジャクは私の足元にあるパン屑(私が落としたものじゃない)をついばんだ。パースで見た野生動物は、結構人間を怖がらない。パースにいる(来る)人々が人間に対してだけでなく、動物にもフレンドリーだからだろう。カモメやモンガー湖 Lake Monger のブラック・スワン(黒鳥) black swan 、ヤンチェップ国立公園のカンガルー kangaroo なんかも人間を見てすぐ逃げ出したりはしなかった。
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この子もクォッカみたいで可愛かった

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いきなり出てきてビックリした

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もうすぐフェリーが出るよ

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左上の写真の男の子だよ
 ロットネスト島からパースへ帰るフェリーの時刻だ。桟橋に行楽を終えた人々がわらわらと集まってきた。どの人も真っ赤に焼けている。私の肩も真っ赤だ。ヒエーッ!ちゃんと日焼け止め塗ったのに〜!フェリーに乗り込むと、またもやすぐに爆睡モード。パースまであっという間だった。

 眠い目をこすりながらフェリーを降りようとすると、朝よりも白いシャツが汚れているフェリー乗組員のお兄さんが、フレンドリーなスマイルで見送ってくれた。
 かくして、ジャパニーズ・オタク・ガールの、暑さで夢心地なロットネスト島の一日は終わった。
Text by Sati
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