バレットモンク
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バレットモンク (2003)
BULLETPROOF MONK
 映画『 バレットモンク (2003) BULLETPROOF MONK 』をレヴュー紹介します。

 映画『 バレットモンク BULLETPROOF MONK 』を以下に目次的に紹介する。
■映画『 バレットモンク BULLETPROOF MONK 』のポスター、予告編および映画データ
■映画『 バレットモンク BULLETPROOF MONK 』の解説
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■「映画の森てんこ森」内にあるSFアクション映画レヴュー
■映画『 バレットモンク BULLETPROOF MONK 』のトリビア
■映画『 バレットモンク BULLETPROOF MONK 』のスタッフとキャスト
■映画『 バレットモンク BULLETPROOF MONK 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 バレットモンク 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 バレットモンク (2003) BULLETPROOF MONK 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 バレットモンク BULLETPROOF MONK 』の結末
■映画『 バレットモンク BULLETPROOF MONK 』の更新記録

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幸の鑑賞評価: 7つ星 
■映画『 バレットモンク BULLETPROOF MONK 』のポスター、予告編および映画データ
バレットモンク
バレットモンク

Links:  Official Web Site
Trailers:  Quick Time4.2Mb
Quick Time8.9Mb
Quick Time16.7Mb
上映時間 Runtime: 1:44
製作国 Country: アメリカ USA
製作会社
Production Company:
Cub Five Productions [ca]
Flypaper Press [us]
Lion Rock
Mosaic Media Group [us]
Signpost Films [us]
全米配給会社 Distributer: Metro-Goldwyn-Mayer (MGM) [us]
Metro-Goldwyn-Mayer Distributing Corporation [us]
全米初公開
Release Date:
2003/04/16
日本初公開
R. D. in Japan:
2004/01/17
日本公開情報 : 東芝エンタテインメント
ジャンル Genre: アクション/SF/アドベンチャー
Action / Sci-Fi / Adventure
MPAA Rating 指定: Rated PG-13 for violence, language and some sexual content.
日本語公式サイト
http://dangun-bozu.jp/
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 バレットモンク BULLETPROOF MONK 』の解説

 映画『 バレットモンク (2003) BULLETPROOF MONK 』は、"亜州影帝"(アジア映画の帝王)から"聖林影帝"へのシンボル作品。ハリウッド(聖林 Hollywood )に移住した
アンナと王様 (1999) ANNA AND THE KING
グリーン・デスティニー (2000) 臥虎藏龍(原題)/ CROUCHING TIGER, HIDDEN DRAGON (英題) 』のチョウ・ユンファ主演映画だ。『 バレットモンク 』の製作は
M:I−2 (2000) MISSION: IMPOSSIBLE 2
ウインドトーカーズ (2002) WINDTALKERS
ペイチェック 消された記憶 (2003) PAYCHECK 』等のテレンス・チャンとジョン・ウー。
 映画『 バレットモンク 』のストーリー...カンフーマスターである無名の神秘的なチベット僧(ユンファ)は、無限のパワーの鍵を握る古代から秘伝の巻物を守り持って世界を 60 年間放浪している。その巻物を守る後継者を探さねばならない。ニューヨークでカールというストリート・キッドと出会い、その若者を指導してパートナーにし、巻物を狙う悪者から世界を救う為に戦う。それに魅力的なロシアマフィアの姫君バッドガールも加えて、マーシャル・アーツと特撮とでアクション満載。そう、この『 バレットモンク (2003) BULLETPROOF MONK 』は前衛的なコミック本を元にしている、非常に非現実に徹した、お楽しみ映画。

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■「映画の森てんこ森」内にあるSFアクション映画レヴュー

マトリックス (1999) THE MATRIX
X−メン (2000) X-MEN
スペース カウボーイ (2000) SPACE COWBOYS
バイオハザード (2001) RESIDENT EVIL
ザ・ワン (2001) THE ONE
マイノリティ・リポート (2002) MINORITY REPORT
ゴーストシップ (2002) GHOST SHIP
プルート・ナッシュ (2002) THE ADVENTURES OF PLUTO NASH
スパイダーマン (2002) SPIDER-MAN
スパイダー パニック! (2002) EIGHT LEGGED FREAKS
バリスティック (2002) BALLISTIC: ECKS VS. SEVER
タキシード (2002) THE TUXEDO
デアデビル (2003) DAREDEVIL
リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い (2003) THE LEAGUE OF EXTRAORDINARY GENTLEMEN
マトリックス リローデッド (2003) THE MATRIX RELOADED 』等があります。

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■映画『 バレットモンク BULLETPROOF MONK 』のトリビア

 この『 バレットモンク 』が製作されることによって何が起きたかご存知ですか? 何とまぁ、ジェット・リー(李連杰 リー・リンチェイ)様の予定していた「 Monk In New York (仮題)」が、僧侶の話で似てしまうことから取りやめになったのだ!
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【『 バレットモンク 』のスタッフとキャスト】
監督: ポール・ハンター Paul Hunter (Directed by)
製作: テレンス・チャン 張家振 Terence Chang (producer)
    チャールズ・ローヴェン Charles Roven (producer)
    ダグラス・シーガル Douglas Segal (producer)
    ジョン・ウー 呉宇森 John Woo (producer)
    アラン・グレイザー Alan Glazer (co-producer)
    ブレント・オコナー Brent O'Connor  (co-producer)
    マーク・パニッチア Mark Paniccia (co-producer)
    ロバート・K・ランバート Robert K. Lambert (associate producer )
製作総指揮: ゴッサム・チョプラ Gotham Chopra (executive producer)
    キャロライン・マコーレイ Caroline Macaulay (executive producer)
    ケリー・スミス=ウェイト Kelley Smith-Wait (executive producer)
    マイケル・ヤノーバー Michael Yanover (executive producer)
脚本: イーサン・リーフ Ethan Reiff (written by)
    サイラス・ヴォリス Cyrus Voris (written by)
撮影: ステファン・チャプスキー Stefan Czapsky (Cinematography by)
音楽: エリック・セラ Eric Serra (Original Music by)
配役: ミンディ・マリン Mindy Marin (Casting by)

出演: チョウ・ユンファ 周潤發 Yun-Fat Chow 無名の僧
    ショーン・ウィリアム・スコット Seann William Scott カール
    ジェイミー・キング Jamie King ジェイド/バッドガール
    カレル・ロドゥン Karel Roden ストラッカー
    ヴィクトリア・スマーフィット Victoria Smurfit ニーナ
    マーカス・J・ピレイ Marcus J. Pirae ファンクタスティック氏
    マコ Mako 小島氏
    ロジャー・ユエン Roger Yuan 僧の師匠
    クリス・コリンズ Chris Collins サックス
    ショーン・ベル Sean Bell ディーゼル
    モーリシオ・ローダス Mauricio Rodas ウィチョ
    ベイヨ・アキンフェミ Bayo Akinfemi シェイド
    ラッセル・ユエン Russell Yuen 天津兄
    アルバート・チャン Albert Chung 若い僧
    クリス・ハン Karis Han 少年僧

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<もっと詳しく>

ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 バレットモンク 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー
 私は日本公開前に字幕スーパーなしの英語で観たので、わかる範囲でレヴューします。映画データについては調査した時点と公開される時点で異なる場合があります。本作の内容については、語学力と経験・常識不足のため、間違いや勘違いや適切でない表現があるかもしれません。どうかご理解賜りますようお願いいたします。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。
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【バレットモンク 第01段落】  タイトル" BULLETPROOF MONK (バレットプルーフ・モンク)"が出ると、いきなりチョウ・ユンファの険しい顔のアップ。あぁ、またか、ハリウッド映画は、東洋の俳優を登場させると、ソフトでなくてイカツイ顔に演出するんだもの…。彼はチベットから来た僧侶で、名前がないという設定" Monk With No Name "なので、ここではその役を「ユンファ」と書こう。無名なのは、
HERO (2002) HERO (英題)/ 英雄 (原題) 』でも、ジェット・リー Jet Li 演じる主人公は" Nameless "だった。

【バレットモンク 第02段落】  舞台はニューヨーク市。しかし、同時多発テロの影響でNYは使えず、ロケはカナダの三都市、ハミルトンとトロントとバンクーバー Hamilton & Toronto, Ontario / Vancouver, British Columbia, Canada で行われた。

【バレットモンク 第03段落】  『 バレットモンク (2003) BULLETPROOF MONK 』は 1993 年に発表された同題の前衛的なコミックを元に、話を変えて映画化したもの。意味は「防弾の僧侶」で、チョウ・ユンファの故郷の香港等の中国圏では「無敵和尚」「防弾武僧」「刀槍不一僧侶」と仮題がついているようだ。漢字だから意味的に、ンーン成る程、って感じ。チョウ・ユンファは最初のアップは怖い顔をしていたけれど、その後は微笑んだり、柔らかい表情を出していたのでチョット安心。それにしても彼は背が高い。 6' 1" (1 foot = 30.48 cm 換算で約 185 cm )あるから、白人の俳優達と並んでも堂々と渡り合える。

【バレットモンク 第04段落】  ニューヨークの街で、ユンファは黒いスーツの男達に追いかけられる。ユンファは敏速な逃げ方をして、跳ぶのにも、長いコートを翻して
マトリックス (1999) THE MATRIX 』風というか、コミック風と言うか。『 マトリックス 』と言えば、チョウ・ユンファはモーフィアス Morpheus の役のオファーを受けたが断ったそうだ。それはマーシャルアーツの"中国の至宝"ジェット・リーも同様で、自分が出演しなくても十分に興行成績的に成功するだろうし、スターが一つの映画に何人も出てもしようがない、それぞれの映画を見に行って欲しい、という理由でやはり
マトリックス リローデッド (2003) THE MATRIX RELOADED 』出演を断っている。主演でなくて助演だと、やっぱりプライドが許さないのだと幸は解釈しているけど。

【バレットモンク 第05段落】  そして、少し古い話だが、ジェット・リーと言えば、ユンファ主演の『 グリーン・デスティニー (2000) 』の主人公リー・ムーバイをもともと配役されていた。しかし、妻ニナ・リー・チ(利智)さんとの、お腹に赤ちゃんがいる間はオレは仕事はしないという約束を守る為に、断ったという有名なエピソードがある。ジェット・リーはハリウッドに渡って大成功し、
ブラック・ダイヤモンド (2003) CRADLE 2 THE GRAVE
ダニー・ザ・ドッグ (2005) UNLEASHED / DANNY THE DOG 』等、順調にヒットを続けている。中国製の映画と異なり、やはりジェット・リーもハリウッド映画だと中国色を強く出されてソフトな表情でなくなるのは常だ。

【バレットモンク 第06段落】  ユンファの映画を続けよう。地下鉄構内にまで激しいチェイスは続き、その弾みで一般人の乗客の少女が線路に挟まれてしまった。ユンファは少女を救いに線路に降りるが、助けられない。すると、付近にいた若い男が見るに見かねて線路に飛び降りて手伝ってくれる。そこに列車…。誰もがもうダメだと思ったとき、少女は無事で、二人の男達は姿がなくなっていた。線路を歩きながら、今、魔法みたいに少女を救えたことを、若い男は不思議がってユンファに尋ねる。それに、不審な男達から追いかけられていたことも、FBIとかCIAとか関係あるのかとしつこく訊く。ユンファは、君には関係ないときつく言うが、考え直して謝り、さっきの勇敢にも手助けしてくれたことを感謝して、二人は別れた。

【バレットモンク 第07段落】  この若い男はカール(ショーン・ウィリアム・スコット)という、街の不良。泥棒やスリを稼業にしているストリート・キッドだ。今も、ユンファと固く抱き合って別れる際、ユンファの服のポケットからある物をスッていた。ユンファは笑って見逃しているが、何もかも気付いている。そしてカールはこの直後、不良たちに殴られ、格闘になって、さっきユンファからスッた物を投げつけている。大切なモノだと知らないで…。でも、ユンファがその場に来ていて、その物をちゃんと拾って、微笑んでファイトの模様を傍観している。

【バレットモンク 第08段落】  そのグループには黒髪の美しい女性もいて、カールはその女性とも戦う。その際、彼女のペンダントを手際よく盗むというチャッカリ者。女性はバッドガール(ジェイミー・キング:
パール・ハーバー (2001) PEARL HARBOR 』等に出演)といい、ロシアマフィアのプリンセスである。その一味はコミックらしくおかしな名のファンクタスティック氏(マーカス・J・ピレイ)というボスらしき男もいて、戦いになると、カールはカンフーで結構強いところを見せる。

【バレットモンク 第09段落】  その間、ユンファはずっと見ていて、カールにマーシャルアーツが強いねと褒めてあげ、どこで習ったの?と訊く。すると、ゴールデン・パレス Golden Palace で習った、と答えるが、それは道場でも武道館でもなく、映画館の名前だった。ゴールデン・パレスは、中国人や日本人の観客が殆んどの、カンフー映画ばかり上映している映画館で、カールはそこでフィルムを回す仕事をしながら、そこを住居としているのだ。毎日カンフー映画を観ながら会得したと言うわけか。ゴールデン・パレスには小島(マコ:
セブン・イヤーズ・イン・チベット (1997) SEVEN YEARS IN TIBET 』等に出演)という初老の日系人のフィルム回しの人もいる。

【バレットモンク 第10段落】  フィルム室でカールが働いていると、ユンファが突然現れて、カールの食べ物を勝手に食べて親しげに話してきた。ここが君がカンフーを習ったというゴールデン・パレスだね、と言うユンファをカールは気味悪がり、俺の家だからすぐ出て行けと怒る。そしてカンフーで叩き出そうとすると、甘く見くびっていたユンファの強烈なカンフーにびっくり。すぐにカールは負けてしまう。こいつ何者?と思うカール。ユンファは名前がないことを伝え、昨日、カールが女性のペンダントを盗んだことも知っている。そして、ご機嫌な顔で、カールの粗末なベッドで寝てしまった。どうやらユンファはカールに目をつけているみたい。

【バレットモンク 第11段落】  実は、ユンファが大事に守っている"物"とは、秘宝の巻物。それを読んだ者は全地球を制御することが出来る。それが持つ力は無限で、不老長寿にも効くし、魔術のように不可能を可能にするし、タイトルのように、弾丸を避けることもできる。こういうチベット古代から伝わる巻物を、ユンファは 60 年間持ち続け、そろそろ次の世代の適任者にバトンタッチしようと考えているのだ。マーシャルアーツが強くて、命を顧みないカールの勇敢さと正義感は、街のスリではあるけれど、ユンファは後任の候補に上げた。それに、古代の予言にかなっているらしい。ゴールデン・チャイルド Golden Child ってわけかな。

【バレットモンク 第12段落】  そいいう万能の巻物であるので、悪者はそれを手に入れたがる。そして、僧侶達はそれを守る立場だ。ユンファは、NYの街の目立たない所にある、僧のアジトにカールを連れて行って紹介する。ここでユンファは歓待を受けてチャイ(
ベッカムに恋して (2002) BEND IT LIKE BECKHAM 』参照)をすする。僧の師匠役のロジャー・ユエンは
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ 天地風雲 (1997) 黄飛鴻之西域雄獅(原題)/ ONCE UPON A TIME IN CHINA & AMERICA (英題)
リーサル・ウェポン4 (1998) LETHAL WEAPON 4
シャンハイ・ヌーン (2000) SHANGHAI NOON 』等で随分活躍しているんだナ。また、僧のラッセル・ユエンは
ボーン・コレクター (1999) THE BONE COLLECTOR
プルート・ナッシュ (2002) THE ADVENTURES OF PLUTO NASH 』等にも出演している。彼らは、ユンファが連れてきたカールが、街のゴロツキであり盗人であることに心配な顔をするが、ユンファは全然平気。

【バレットモンク 第13段落】  カールが通りでスリをすると、それをユンファがすぐスッて、そのスラれた人に、落し物ですよと言って返してあげる。黒いスーツの男達が現れれば、カールはユンファと一緒に逃げる。この時、ユンファが超人的に跳んだり、男達からの銃弾がまるでスローモーションのように"見えて"、弾丸を避けることが出来るのを目の当たりにし、ユンファが凄いパワーの持ち主だとだんだんわかってくる。それで、ユンファは武術をカールに手取り足取り教えてあげるのだ。カールはフィルムを回して観ているだけで武術をマスターしたつもりだったが、このユンファの足元にも及ばないので不思議がる。万有引力なんて存在しないのだと信じることが大切なのだね、とカール。

【バレットモンク 第14段落】  ペンダントを盗んだ相手の女性、バッドガールが、ペンダントを返して、とカールの所にやって来た。バッドガールは「悪女」だから、本当の名前ではないのだろう、ジェイドというらしい。そばにいる東洋人のユンファを、この人誰?と訊くと、カールはちゃっかり、「俺のボディガードだ」なんてすまして答えている。初対面の時から一目惚れしていたカールと、ジェイドは、こうして好き合っていく。

【バレットモンク 第15段落】  無限のパワーの源、秘宝の巻物を狙っているのは、ストラッカー(カレル・ロドゥン)というドイツ系の老人。しわくちゃで、車椅子に座って、 60 年間、不老長寿でいられるその巻物を探し続けているのだ。老人には、孫娘のニーナ(ヴィクトリア・スマーフィット:
アバウト・ア・ボーイ (2002) ABOUT A BOY 』等に出演)がいて、常に面倒を見ている。ユンファを追っている黒いスーツの男達は、このニーナの家来達だ。ニーナは金髪で、ちょっと馬面で、ジェイド/バッドガールのジェイミー・キングの方がずっと奇麗。

【バレットモンク 第16段落】  ある時、ヘリコプターでその一味がユンファとカールを襲ってきた。ユンファはヘリコプターの脚に飛び乗って、派手なアクション。その間、巻物は、カールに預けるが、ビルの屋上から突き落とされそうになって、その巻物は遥か下に落ちてしまった。金髪女ニーナはそれを手に入れて祖父ストラッカー老人に持っていくと、大喜びされる。しかし、それは偽物だった。さすがユンファは用意周到。カールに、「巻物を守る者は守られる」のだと教える。

【バレットモンク 第17段落】  映画館ゴールデン・パレスに、ニーナの手先の男達がカールを探しに侵入してきた。応対した小島は無惨にも殺されてしまった。カールは事の大きさが分かってきて、先日ユンファに連れて行ってもらった僧侶たちのアジトに走る。思ったとおり、ユンファはここの地下室にこもって瞑想していた。昔を回想しているようだ。ピストルに撃たれ、腹に無数の傷のようなものがついているのを自分で眺めている。でも、これ、傷ではなくて、サンスクリット< Sanskrit =梵語(ぼんご)>のような文字が百ほど胸から腹へ刻まれている感じ。一体、何かしら?経典!?

【バレットモンク 第18段落】  そこに急行したカールが敵の急襲を知らせ、地下室からの秘密の逃げ口から二人は姿を隠す。けれども、僧侶達は捕まり、ストラッカー老人の屋敷の奇怪な部屋の得体の知れない機械に括られてしまった。これは立つ電気椅子のような装置で、頭部も押さえつけられ、「 ultimate power 究極の力」を取り出す(吸い出す)機械なのだ。それに、ユンファも金髪女ニーナの一味に首に注射のようなものを刺され、ガクッと沈む。大丈夫…?ユンファの衣服の胸をはだけて、彼の胸に刻まれたサンスクリットのような経典を見て、これこそ不老長寿の源だとシメシメ顔。

【バレットモンク 第19段落】  ストラッカー老人は 100 歳くらいだろうか、 60 年間、不老長寿を求め続けているということで、途中から、タイムスリップして、 60 年前の 1940 年代と思われる若き日のストラッカーの姿になっている。第二次世界大戦の最中らしく、ナチス Nazis ドイツの兵士の格好で 40 歳くらいのストラッカー。制服にも鉤十字(かぎじゅうじ)がついている。<鉤十字=ハーケンクロイツ Hakenkreuz かぎ十字。さかさまんじ。ナチスが党章に採用し、 1935 〜 45 年にはドイツ国旗にも用いられた紋章。(大辞林国語辞典より)> ストラッカーは今でこそ老人だから不老長寿のためにその巻物の「究極の力」を欲しがっているが、昔は違う目的でそれを欲しがっていたと見える。

【バレットモンク 第20段落】  ナチスドイツは、優性論による独りよがりな思い込みからきた劣等民族の排斥=ユダヤ人迫害をもくろんだので、この巻物の「究極の力」さえあればそんな困難な事でも容易にできてしまうから、欲しかったのだ。この映画、アクションものだけど、こういう歴史的背景も入れているとは! <ナチス [ (ドイツ) Nazis ]=〔(ドイツ) Nationalsozialistische Deutsche Arbeiterpartei (国家社会主義ドイツ労働者党)の通称。ナチ Nazi の複数形〕 第一次大戦後、ヒトラーを党首としてドイツに擡頭(たいとう))したファシズム政党。 1919 年結成。大恐慌下、大ドイツ樹立・ベルサイユ条約破棄・ユダヤ人排斥などを唱えて支持を拡大。 33 年政権を掌握、統制経済・再軍備、ユダヤ人や共産主義者への虐待など独裁政治を断行。ヨーロッパ征服をめざして軍備拡張を行い、第二次大戦を起こしたが敗れ、 45 年崩壊。ナチ。(大辞林国語辞典より)>

【バレットモンク 第21段落】  屋敷の中では、水力発電 Hydro-Electric Power で大量の水を流して、装置に括られたユンファに、巻物の最後の字を吐かせようとしている。水力発電で、頭部の押さえつける器具に電気が大量にまわって、ユンファの体から白い水蒸気のようになったサンスクリットのような文字が浮かび出てくる。それは
スクービー・ドゥー (2002) SCOOBY-DOO 』の池から立ち上ってくる頭たちの撮影方法にも似ているし、
ゴーストシップ (2002) GHOST SHIP 』で海から多数の魂が船に上っていく神々しいシーンとも似ている。それら文字は空中を漂い、ナチス兵士ストラッカーの体内に入っていく。ストラッカーはほぼ成功を遂げて満足げだ。さあ、ユンファと僧侶たちの運命は?・・・

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【バレットモンク 第22段落】  さあ、ここから、ユンファに指導を受けて鍛えられたカールが活躍する。屋敷に忍び込むのも、初めは外壁によじ登ることができなかったが、深呼吸してやり直し、不可能が可能になった。師ユンファが教えてくれた成果だ。黒髪の美女ジェイドと連れ立って、拘留されたユンファを救いに行く。でも、経典の「究極の力」を大部分吸い込んだストラッカーは超人になって、カールのカンフーを自由自在にあしらって、カールの力は全然効かないではないか。カールは死に物狂いで頑張って、ユンファの拘束されている機械を止めた。

【バレットモンク 第23段落】  すると、水蒸気状のサンスクリットのような文字は、またストラッカーからユンファの体内に戻った。あと一字がストラッカーの中にまだ入っていなかったから、間に合ったのだ。こうしてユンファとストラッカーは対決し、勿論ユンファが勝つ。ここでユンファの時代が終わる。僧侶達は祈り、辺りはまばゆい光と雷鳴。ユンファの胸に刻まれていた経典は、水蒸気状に空を漂って、カールの体内へ移って行った。経典の守護者は、今からはカールなのだ。と同時に、ユンファの顔はあっという間に老いていく。

【バレットモンク 第24段落】  倒れて死んだと思ったストラッカーが、意識を取り戻して、カールの"恋人"ジェイド(バッドガール)を撃った!死んでしまうの?すると、彼女は手の中に弾丸( bullet )を掴み、生きている!そして、彼女の胸にも経典が刻まれている!ジェイドも Bulletproof (防弾)の力が備わったのだ。と言うことは、僧ユンファの後継者は、一人ではなくて、カールとジェイド。先の台詞で、「二つの不完全の人生よりも、一つの完全な人生の方がよい。」とユンファが言うシーンがあった。このラスト、真っ白な髪の毛と真っ白な眉毛(サンタクロースを思い浮かべ下さい)になったユンファが、二人を祝福して、これから、別れないでずっと二人一緒にいなさいと笑って言って、終劇。つまり二人で一人、なんだよネ!

【バレットモンク 第25段落】  製作のテレンス・チャンとジョン・ウーはライオンロック Lion Rock 製作会社を持っていて、製作のチャールズ・ローヴェンとアラン・グレイザーとケリー・スミス=ウェイトは『 スクービー・ドゥー (2002) 』、撮影のステファン・チャプスキーは
シザーハンズ (1990) EDWARD SCISSORHANDS 』、音楽のエリック・セラは
ジャンヌ・ダルク (1999) THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC 』、配役のミンディ・マリンは
タイムマシン (2002) THE TIME MACHINE
トータル・フィアーズ (2002) THE SUM OF ALL FEARS
プール (2002) SWIMFAN 』という豪華な顔ぶれ。

【バレットモンク 第26段落】  最後に不思議なことが…。チョウ・ユンファは 2002 年度 People Magazine 社の「最も美しい 50 人 / 50 Most Beautiful People 」に選ばれていること。アメリカ人にはそういうふうに見えるのだろうか?(いや、否定しているわけではありませんが…。ファンの方、スミマセン!)なお、チョウ・ユンファはハリウッドに渡ってからは、アクションスターだと勘違いされているそうで、 60 本近くの映画出演のキャリアの香港映画時代には暗黒街のボス役もしたけど、ロマンスものが一番多いと本人も言っている。それをアメリカ人にも知って欲しいというのが本音らしい。でも当分は"東洋=カンフー"路線が一番売れ筋なのだろう。チョウ・ユンファは、
少林寺 (1982) THE SHAOLIN TEMPLE 』で衝撃デビューのジェット・リーや
タキシード (2002) THE TUXEDO 』等のジャッキー・チェン Jackie Chan (成龍)と違って、カンフーは無縁なので、苦しいところかな。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず7993文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      公式サイト(英語版)
      http://www.mgm.com/bulletproofmonk/
      2001年新聞-2002年は大忙し?
      http://pickel.to/news/news2001/news2001_47.htm
      過去情報0110-12
      http://homepage2.nifty.com/ankh/news-old0110-12.htm
      jet on the matrix
      http://www.jetli.com/jetli/jet/jet_film_matrix.php?bw=high
      大辞林国語辞典
      http://jiten.www.infoseek.co.jp/Kokugo?pg=result_k.html&col=KO&qt=
%A5%CA%A5%C1%A5%B9&sm=1

いつも参考にしておりますallcinema ONLINE さんには、2003年05月05日の時点で[ データ ]及び [ 解説 ]は出ていませんので、これをアップしました。Thanks to allcinema ONLINE.
■映画『 バレットモンク 』の更新記録
2003/05/05新規: ファイル作成
2004/07/14更新: ◆テキストとリンク一部およびファイル書式
2004/12/26更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
2005/03/31更新: ◆データ追加
2005/10/06更新: ◆追記
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幸田 幸
coda_sati@hotmail.com
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