アンナと王様
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アンナと王様 (1999)
ANNA AND THE KING
 映画『 アンナと王様 (1999) ANNA AND THE KING 』を目次的に紹介します。
■映画『 アンナと王様 (1999) ANNA AND THE KING 』の解説
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 アンナと王様 (1999) ANNA AND THE KING 』の映画データ
■映画『 アンナと王様 (1999) ANNA AND THE KING 』のスタッフとキャスト
■映画『 アンナと王様 (1999) ANNA AND THE KING 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 アンナと王様 (1999) ANNA AND THE KING 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタばれ)です。※ご注意:映画『 アンナと王様 (1999) ANNA AND THE KING 』』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。
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【映画『 アンナと王様 (1999) ANNA AND THE KING 』の解説】
アンナと王様
アンナと王様
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 映画『 アンナと王様 (1999) ANNA AND THE KING 』を紹介します。
 映画『 アンナと王様 (1999) ANNA AND THE KING 』の監督は、シンデレラ映画版のドリュー・バリモア主演『 エバー・アフター (1998) EVER AFTER 』のアンディ・テナント。『 アンナと王様 』主演はハリウッド女優ジョディ・フォスターと、香港出身でアジア男優チョウ・ユンファ。世界的に銀幕で活躍しているジョディ・フォスターに対し、チョウ・ユンファは堂々とした演技と貫禄と品格で、フォスターに一歩も引けを取っていない。
 『 アンナと王様 』は、ユル・ブリナーとデボラ・カー主演の 1956 年のミュージカル映画「王様と私」をリメークした歴史と人間ドラマで、タイトル『 アンナと王様 』の文字通り、イギリスからシャム(タイ)の王家に家庭教師として招かれた未亡人アンナと、国王との淡い恋を描いた古典名作。
 『 アンナと王様 』の脚本がタイ政府の審査を通らず(国王が外国人女性と恋愛とか、国王の子供の数が多すぎる等)、タイ政府の怒りを買って国内撮影禁止になり、撮影隊は国外追放になり、マレーシアのゴルフ場に巨大なシャムの町並み・華麗な宮殿・寺院のセットを建てたという苦労話がある。
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
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■映画『 アンナと王様 (1999) ANNA AND THE KING 』のデータ
 上映時間 147分
 製作国 アメリカ
 公開情報 FOX
 初公開年月 2000/02/
 ジャンル ドラマ/ロマンス
 《米国コピーTagline》
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【映画『 アンナと王様 (1999) ANNA AND THE KING 』のスタッフとキャスト】

監督: アンディ・テナント Andy Tennant
製作: ローレンス・ベンダー Lawrence Bender
    エド・エルバート Ed Elbert
原作: アンナ・レオノーウェンズ Anna Leonowens
脚本: スティーヴ・ミーアソン Steve Meerson
     ピーター・クリクス Peter Krikes
撮影: キャレブ・デシャネル Caleb Deschanel
音楽: ジョージ・フェントン George Fenton
 
出演: ジョディ・フォスター Jodie Foster アンナ
    チョウ・ユンファ Chow Yun-fat モンクット王 
    キース・チン Keith Chin チュラロンコーン皇太子
    バイ・リン Bai Ling タプティム
    トム・フェルトン Tom Felton
    シード・アルウィ Syed Alwi 
    ランドール・ダック・キム Randall Duk Kim
    リム・ケイ・シュウ Kay Siu Lim 
    メリッサ・キャンベル Melissa Campbell

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ネタばれ御注意!
 このレヴューは「テキストによる映画の再現」を目指して作文しています。よって、ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。

【アンナと王様 第01段落】  19 世半ば、東南アジアの植民地を巡ってヨーロッパ諸国間の争いがピークの頃のお話である。 1862 年、軍人の夫を亡くした実在のイギリス人女性アンナ・レオノーウェンズ(ジョディ・フォスター:『 タクシードライバー (1976) TAXI DRIVER 』『 白い家の少女 (1976) THE LITTLE GIRL WHO LIVES DOWN THE LANE 』『 告発の行方 (1988) THE ACCUSED 』『 君がいた夏 (1988) STEALING HOME 』『 ハートに火をつけて (1989) CATCHFIRE 』『 羊たちの沈黙 (1990) THE SILENCE OF THE LAMBS 』『 ネル (1994) NELL 』『 アンナと王様 (1999) ANNA AND THE KING 』『 パニック・ルーム (2002) PANIC ROOM 』『 ベリー・ロング・エンゲージメント (原題) (2004) UN LONG DIMANCHE DE FIANCAILLES (原題) / A VERY LONG ENGAGEMENT (英題) 』等)は、 10 歳の一人息子ルイ(トム・フェルトン:『 アンナと王様 (1999) ANNA AND THE KING 』『 ハリー・ポッターと賢者の石 (2001) HARRY POTTER AND THE SORCERER'S STONE / HARRY POTTER AND THE PHILOSOPHER'S STONE 』『 ハリー・ポッターと秘密の部屋 (2002) HARRY POTTER AND THE CHAMBER OF SECRETS 』『 ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (2004) HARRY POTTER AND THE PRISONER OF AZKABAN 』等)同伴ではるばる長旅、シャム(現在のタイ)に着いた。

【アンナと王様 第02段落】  シャムの国王モンクット(チョウ・ユンファ:『 アンナと王様 (1999) ANNA AND THE KING 』『 グリーン・デスティニー (2000) 臥虎藏龍 (原題) / CROUCHING TIGER, HIDDEN DRAGON 』『 バレットモンク (2003) BULLETPROOF MONK 』等)に依頼され、宮廷家庭教師として王子たちに英語や西洋の文化を教えるためだった。当時、イギリスでは教育を受けた独身女性や未亡人は住み込み家庭教師(ガヴァネスgoverness )となることが多かった。生活手段の一つであり、そして、外国(特にアフリカ・アジア)へのキリスト教的博愛主義によるものでもあった。

【アンナと王様 第03段落】  タイから見て外国人である中国人チョウ・ユンファがタイ国王を演じる事でタイは強く反発した。例えば日本の天皇を外国人が演じたらどんなに変かを想像すれば、この映画がタイでの撮影ばかりでなく、上映も禁止というのも肯けられよう。だが、映画会社としてはユンファの知名度で敢行したらしい。なにしろチョウ・ユンファは「亜州影帝(アジア映画の帝王)」と呼ばれているくらいなのだから。

【アンナと王様 第04段落】  イギリスと何でも比較し、風土や生活風習の違いに眉間にしわを寄せて、国王の前でも胸を張っているアンナ。国王の臣下は、アンナのあまりの高姿勢に、女性に対する尊称「マム ma'am 」でなく、男性に対する尊称「サー sir 」で呼ぶという皮肉さえして接する。国王の長男の 11 歳の皇太子チュラロンコーンは、アンナの息子ルイに「父親もいないくせに」という言葉を浴びせ、出会ったとたんに二人の子は取っ組み合いの喧嘩をする。相手が皇太子でも後に引かないアンナを、国王モンクットは一方的に怒ることはしなかった。アンナのお手並み拝見、といった余裕を持った表情で見守り始める。

【アンナと王様 第05段落】  国王モンクットには 23 人の妻と 42 人の側室がいて、 58 人の子どもがいた。(このこともタイ政府はタイへの冒涜と見なしたのでしょう。)この華麗なる大一族が宮殿で仲睦まじく一緒に暮らしていた。アンナは皇太子を始め、数十人の年若い王子王女たちに宮殿の中庭の屋外教室で授業を始める。息子ルイも一緒に授業を受けさせ、ルイはすっかり彼らと仲良しになり、タイへの偏見はなくなっていく。アンナは彼らに英語・科学・国際教養等の教育をし始める。国王の妻や側室たちも授業に同席する者もいて、皆、アンナに好感情を抱いてくれる。

【アンナと王様 第06段落】  民衆は国王に絶対の敬愛を示し、はじめ異文化で見るものすべてに戸惑って強いプライドを崩さなかったアンナだが、次第に周囲に打ち解けてくる。そして強い封建制と王の誇り高さに衝突しながらも、アンナは国王と個人的に話をする機会が増え、二人は心をとらえ合い始める。ただし、心の中は燃えていても、許される恋ではない。未亡人の白人女性が全国民から絶対的支持を受けているシャムの国王を…。また、一国の王が、よその国の女性をめとるなど…。二人とも十分大人で分別をわきまえているから、それ以上口にも出さないし、進行できない。心を通わせるだけである。

【アンナと王様 第07段落】  そんな折、片田舎から側室の一人として送られてきた女性タプティムの悲恋の話もある。タプティムは恋人がいながら王宮に送られてきて、故郷の恋人を忘れられない。アンナの授業も積極的に出席して、アンナと親しくなる。アンナが市場で買い物中、恋人からタプティムへの手紙を託され、彼女に渡してやる。恋人が僧侶になって町に出てきているのを知ったタプティムは王宮を脱走して、髪をそり、僧侶の格好になって恋人と一緒になろうとする。しかし、王宮の警護官たちに捕らえられ、裁きの場に立たされる。側室や奴隷の王宮からの脱走は当時厳罰が下されていた。そこでアンナは「許してあげて!私が王に話せばわかってくれるかも…。」と口走る。しかし、タプティムと恋人は打ち首に。

【アンナと王様 第08段落】  国王モンクットはそんなアンナに事後、厳しい顔でこう言うのだった。「国王は国民にとって絶対的存在なのだ。それを、自分が国王に話せば・・・と君が言ったら、国民は一体誰を仰げばいいのか。君があんなことを言わなかったら彼らを許してやれたかもしれないのに、許したら、君の指示に国王が従ったということになる。」国王と心の交流をもっているはずのアンナだが、やはりこの国の保守的な奥深さには心が沈むのであった。

【アンナと王様 第09段落】  また、国家危機の話もある。王政転覆を計るクーデターだ。常に国王モンクットの身辺にいて国王の信頼を得ていたアラク将軍がクーデターを起こす。王軍の何人もが死傷して、国王一族は命の危険に脅かされる。そして国王モンクットを先頭に、アンナとルイも一緒に、数十人の一族が全長 46 メートルという豪華絢爛な遊覧船で、森深くの寺院を目指して移動する。(ロケはペナン島、クアラ・カングサール、ランカウィ島等、マレーシア各地で行われたらしく、美しい景色です。)途中、つり橋を境に、クーデター軍が近くに迫ってきて、王はたった二人の家来と「男三人でも、やろうとすればやれる。」とつり橋を爆破しに居残る。同行の一族は長男の皇太子チュラロンコーンに任せる。

【アンナと王様 第10段落】  しかし、国王はつり橋上でアラク将軍たちに向かい、降参しろ等、言ってみるが、大人数のクーデター軍は退こうとしない。国王あわや、という時、突撃ラッパがけたたましく鳴り響き、銃の音がパンパン、バンバンとしてきた。イギリス軍が助けにきたのだ!クーデター軍はあきらめて退却した。無事だった国王は待機していた一族と合流すると、銃声は「花火」だった。女、子供たちが必死に花火を何発も打ち上げたのだった。そしてラッパも子供が吹いたものだった。この危機を機転で乗り越えられた皇太子チュラロンコーンに国王は成長の証を見るのであった。

【アンナと王様 第11段落】  ところで、イギリスは 19 世半ば当時、インドからビルマを植民地化し,いつでもシャムを植民地化する風潮が高まっており、シャム国境をうかがっていた。国王モンクットはタイの独立を守るため(タイはアジアで独立を保った唯一の国です)、アンナの母国イギリスを筆頭に諸外国の大使など有力者たちを集めて、王宮で大パーティを開くことにする。なにしろ当時、西洋文化はシャムに伝わっていなかったので、西洋人に馬鹿にされないような立派なパーティにする必要があった。

【アンナと王様 第12段落】  国王はアンナをパーティ運営の指南役に指名する。料理の種類から、西洋音楽の生演奏の準備から、フォークやナイフの使い方からテーブルセッティングまで、アンナは張り切ってこなした。華麗なシャムの宮殿できらびやかなパーティが始まった。この頃にはアンナは周囲の皆に認められて、「サー sir 」ではなくて「マム ma'am 」と呼ばれるように進歩していた。パーティ席上、アンナは母国イギリスの植民地政策を鋭く批判し、全力を尽くして国王の助けになろうと奔走する。・・・

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【アンナと王様 第13段落】  国王はそんなアンナに驚きながらも心が惹かれるのを否定できなかった。映画の最後、アンナを夕闇の中、宮廷のバルコニーに誘い、二人は気持ちを目だけに表してチークダンスする。(そう、どうしてもこの時代、二人はこれ以上進みようがなかったのです。)イギリスに帰るというアンナを国王は優しい眼差しで見つめ、いつまでも二人は手を握り合いチークしている。

【アンナと王様 第14段落】  そんな姿を目にする皇太子は、いつか、この国が民主化され、文化も国際的に変わっていく、その時が来るのを大事にしようと、父親のなしえない恋愛事情を胸に刻み付けるのだった。

【アンナと王様 第15段落】  (裏話ですが、撮影も大変だったようです。ジョディ・フォスターは演技中に手をケガ、中国系女性は奴隷役をしていて鼻を骨折、馬は崖から落ちるのもいて、更には象の一群が撮影現場に突進してきた、とか。

【アンナと王様 第16段落】  人物のその後については、アンナはシャムを離れて帰国後、カナダに渡り、シャムでの滞在を書物にして売上成功。国王モンクットはアンナ帰国後まもなく亡くなり、皇太子が 15 歳で後を継いで、アンナの教育のお蔭で立派な国際感覚を身につけた偉大な王になったそうです。アンナの息子のルイは成長後シャムに舞い戻り、幼馴染でもある新国王チュラロンコーンの側近となり、木材会社の社長としても財をなして成功したそうです。)

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず3942文字/文責:幸田幸

参考資料:allcinema ONLINE
       IMDb

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■映画『 アンナと王様 (1999) ANNA AND THE KING 』の更新記録
解説とネタばれ:2002/01/16◆俳優についてリンク更新:2004/07/08
テキスト一部とリンクおよびファイル書式更新:2004/07/08
2004/12/04更新: 一部テキスト追記と書式変更および再登録
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