タッチ・オブ・スパイス
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タッチ・オブ・スパイス (2003)
POLITIKI KOUZINA (原題) / A TOUCH OF SPICE (英題)
 映画『 タッチ・オブ・スパイス (2003) POLITIKI KOUZINA (原題) / A TOUCH OF SPICE (英題) 』を紹介します。映画『 タッチ・オブ・スパイス (2003) POLITIKI KOUZINA / A TOUCH OF SPICE 』は 2004/08/27 の時点で邦題が分からなかったので「タッチ・オブ・スパイス」としておいたらそのまま確定。

 映画『 タッチ・オブ・スパイス A TOUCH OF SPICE 』を以下に目次的に紹介する。
■映画『 タッチ・オブ・スパイス A TOUCH OF SPICE 』のポスター、予告編および映画データ
■映画『 タッチ・オブ・スパイス A TOUCH OF SPICE 』の解説
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 タッチ・オブ・スパイス A TOUCH OF SPICE 』の英語キャッチコピー
■映画『 タッチ・オブ・スパイス A TOUCH OF SPICE 』のあらすじ
■映画『 タッチ・オブ・スパイス A TOUCH OF SPICE 』の本国ギリシャでは
■映画『 タッチ・オブ・スパイス A TOUCH OF SPICE 』の配給会社
■映画『 タッチ・オブ・スパイス A TOUCH OF SPICE 』のスタッフとキャスト
■映画『 タッチ・オブ・スパイス A TOUCH OF SPICE 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 タッチ・オブ・スパイス 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画 タッチ・オブ・スパイス (2003) POLITIKI KOUZINA / A TOUCH OF SPICE 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 タッチ・オブ・スパイス A TOUCH OF SPICE 』の更新記録

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幸の観たい度: 8つ星 
■映画『 タッチ・オブ・スパイス A TOUCH OF SPICE 』のポスター、予告編および映画データ
タッチ・オブ・スパイス
タッチ・オブ・スパイス
ポスターはhttp://www.cine.gr/
より引用させて頂きました。

ギリシャ語のタイトルです。

Links:  Official Web Site
Trailers:
上映時間 Runtime: 1:48
製作国 Country: ギリシャ/トルコ
Greece / Turkey
製作会社
Production Company:
Village Roadshow Productions [gr]
Greek Film Center [gr]
FilmNet [gr]
Cinegram S.A. [gr]
ANS Production [tr]
PPV Athens [gr]
各国配給会社 Distributer: Capitol Films (worldwide)
DeA Planeta S.L. [es] (Spain)
Distribution Company [ar] (Argentina)
全米初公開 Release Date: 2004/05/06 (Tribeca Film Festival)
日本初公開 R. D. in Japan: 2005/02/05 予定
日本公開情報 : ギャガ・コミュニケーションズ
ジャンル Genre: ドラマ Drama
MPAA Rating 指定: Not Rated.
日本語公式サイト
http://www.gaga.ne.jp/spice/
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
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■映画『 タッチ・オブ・スパイス A TOUCH OF SPICE 』の解説

 このギリシャ映画『 タッチ・オブ・スパイス 』は、ギリシャ人という民族性と、生誕の国トルコとの間で引き裂かれる男性を描いたほろにがい作品。この「スパイス」という語がタイトルに入っているギリシャ映画『 タッチ・オブ・スパイス 』は、だけど料理そのものの映画ではない。人生を見つめる映画なのだ。ギリシャ映画と言えば
グッドバイ・マイ・ファーザー (仮題) (2002) Diskoli apocheretismi: O babas mou (原題) / HARD GOODBYES: MY FATHER (英題)
マイ・ビッグ・ファット・ウェディング (2002) MY BIG FAT GREEK WEDDING 』が思い浮かぶ。

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■映画『 タッチ・オブ・スパイス A TOUCH OF SPICE 』の英語キャッチコピー

 2004/08/27 の時点で『 タッチ・オブ・スパイス 』の日本での公開時コピーは未定のようだけど、英語ではこうなっている。

Pepper...is hot and scorches, just like the sun
Salt... is used as needed to spice up one's life
Cinnamon... is bitter and sweet, just like a woman

胡椒(コショウ)は・・・辛くて焼け付いて、太陽みたい
塩は・・・人生に趣を添えるのに必要で使われる
シナモン(ニッケイ)は・・・ほろ苦くて、女性みたい
<訳は幸田幸によります。>

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■映画『 タッチ・オブ・スパイス A TOUCH OF SPICE 』のあらすじ
※本作『 タッチ・オブ・スパイス 』のあらすじは、日本公開前に幸田幸が書いたものです。作成現時点で出来るだけ正確な情報を心掛けていますが、データや内容に誤りや適切でない表現があるかもしれません。どうか宜しくご了解いただきお読みくださいますようお願いいたします。本コンテンツの複写や転用等はお控えください。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。映画会社や配給会社や宣伝担当会社からの情報提供はこちらをお読みください。
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 映画『 タッチ・オブ・スパイス 』の主人公、ファニス(ジョージ・コラフェイス)はギリシャのアテネ大学 University of Athens の天体物理学の教授である。彼は反物質という分野の権威者だったので、一年間、特別コースで教えるため、米国カリフォルニア大学バークレー校 UC Berkeley に招かれた。彼が米国に発つ数日前、子供時代トルコのイスタンブール Istanbul に住んでいて別れてから会えていない敬愛する祖父ヴァシリス( Tassos Bandis )が、一族再会のためアテネにやって来ると知る。

 これには政治的背景がある。トルコ Turkey 在住のギリシャ系の人々は、 1964 〜 1965 年に、大部分がギリシャ Greece や他の国に定住するためにトルコを去った。政治的動乱のため、トルコ政府がギリシャ系の人達の財産を没収して追放したからである。ファニス(子役: Markos Osse )の一家もギリシャへ帰国(生まれ育ったのはギリシャでなくてトルコだけど)することになった。しかし、ファニスの祖父はトルコに残った。そして後でギリシャで合流するからと約束したのだった。けれども、祖父は生まれ育った国トルコを離れることは、たとえほんの数週間でも断腸の思いがして、結局一度もトルコを出ることはなかったのだった。

 そして今、祖父は遂にギリシャのアテネにやって来る。それでファニスはカリフォルニア大学バークレー校への渡米を遅らせた。ところが、祖父の直観は当たっていた・・・祖父は離陸の空港で心臓麻痺で死亡ということになる。それで、ファニスは祖父の葬式のため、ギリシャからトルコへと、米国の逆方向、東へと向かうことに。そこイスタンブールは子供時代のファニスに決定的な影響を及ぼした都市。そして、祖父を知る者は誰でも、祖父の知恵から多大で深遠な影響をもらった。そういう祖父にもう二度と会えないのだ。会えると思ったら、死んでしまった祖父だとは。ここでこれまでの人生の想いが彼に脳裏に走馬灯のように描かれる・・・。

 ファニス少年は コンスタンティノープル Constantinoupolis / Constantinople (イスタンブール Istanbul の旧称)で生まれ育った。そこには、視覚・聴覚・嗅覚に訴えるもので溢れていた。そして信じられないような料理法があった。彼の祖父は料理に関する哲学者であり指導者で、孫のファニスに色々教えてくれていた。例えば、食べ物も人生も、味覚をつけるために塩が少し必要だと。そして‘ア・タッチ・オブ・スパイス’つまり‘香辛料が少量’必要なのだと。これがタイトル『 タッチ・オブ・スパイス A TOUCH OF SPICE 』になっている。ギリシャ語の原題「 POLITIKI KOUZINA 」は綴りから勝手に憶測すると「政治・料理法」みたいな感じかな。ポスターではギリシャ文字で書かれている。アルファベットが英語と随分違うのだ。今、アテネオリンピックでも、街を歩けばそんなギリシャ文字が見られるのだろう。

 ファニス少年は七歳のときにイスタンブールを追放されてギリシャに渡ってきたのだが、ギリシャ人もトルコ人はイスタンブールの料理法を憧れ、それなしでは暮らせない。彼らがギリシャに持ち帰ったのが、過ぎ去りし時代の思い出である調理法だったのだ。ギリシャに‘帰国’した彼らはギリシャ社会では歓迎される者ではなかった。一家はそれまで住んできたトルコの伝統と料理法にしがみ付いて暮らす。ファニス少年は売春宿のコックの仕事を見つけ、成長して(二十歳の役: Odysseas Papaspiliopoulos )、祖父譲りの腕でスパイスを使った料理が上手になる。同時に、自分の周囲の人達の生活にスパイス・アップ(趣を添える)することも巧かった。

 そうして 35 年後、教授となっているファニスはアテネを発って、生まれ故郷のイスタンブールに戻ったわけだ。亡くなった祖父と、初恋の人に会うために。ファニスは、祖父から受け継いだルーツを再発見して、祖父の想いに浸る。昔、イスタンブールで子供時代、近所のスパイス店で祖父が教えてくれたお蔭で、香辛料を使った料理法をいまだにファニスは覚えている。しかし、自分自身の人生にはスパイスをふるのを忘れたと気付くのであった。果たしてファニスは、この美しく洗練されたイスタンブールに居残る気になるのだろうか。

 この映画『 タッチ・オブ・スパイス 』のファニスという登場人物は、タソス・ボウルメティス監督自身の姿を投影している。タソス・ボウルメティス監督一家がイスタンブールから追放されたのは、監督が七歳のときだった。一家はギリシャ人としてトルコから追い出され、ギリシャに着いてみるとトルコ人として迎えられたのだ。だから祖国でありながら祖国でないという、中間のような混乱した気持ちだったと語っている。政治の動乱の為に、ギリシャ人という民族性と、トルコという生誕の国の間で、落ち着く場もない。映画は両国で受ける偏見に直面する。

 家族は、イスタンブールのスパイスを使った料理に打ち込む彼に禁止して、まともなギリシャ人に変えようと試みたりもする。監督は、それを理解するのに時間がかかったこと、イスタンブールに戻って初めて全てを本当に悟った、と語る。ギリシャですら、イスタンブールから 1964 年に追放された三万人ものギリシャ人のことはタブーだった。監督のタソス・ボウルメティス自身の家族は、幾世代にもわたってイスタンブールが故郷であったのにイスタンブールから追い立てられた悲しい歴史を持つわけなので、子供時代の故郷に戻ってみて受けた辛さを物語にしてみようと、この映画を作ったそうだ。

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■映画『 タッチ・オブ・スパイス A TOUCH OF SPICE 』の本国ギリシャでは

 この映画『 タッチ・オブ・スパイス 』はアテネで封切られるや、凄まじい大ヒットになった。ハリウッドの『 パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち (2003) PIRATES OF THE CARIBBEAN: THE CURSE OF THE BLACK PEARL 』をも抜かして堂々一位の興行成績である。『 タッチ・オブ・スパイス 』は二週間と少しで、 70 万枚のチケットが売れた。これはギリシャの映画史上最大のヒット作であるという。『 タッチ・オブ・スパイス 』はスパイス・料理や家族を扱った映画ではあるけれど、歴史と感情に物凄く訴える作品として受け入れられたのだ。それだけ、ギリシャ人にとって、トルコとの歴史的葛藤は大きいのだろう。

 映画『 タッチ・オブ・スパイス 』は数々の名誉ある賞に輝いた。ギリシャの 2003 年テサロニキ映画祭 Thessaloniki Film Festival で 10 部門で受賞。視聴者賞・フィクション作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞・セットデザイン賞・音楽賞・音響賞・編集賞・ギリシャ映画ユニオン賞である。

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■映画『 タッチ・オブ・スパイス A TOUCH OF SPICE 』の配給会社

・『 タッチ・オブ・スパイス 』世界配給のキャピトル社は以下の映画等を扱っている。
ゴスフォード・パーク (2001) GOSFORD PARK
ギャザリング (2002) THE GATHERING
ぼくは怖くない (2003) IO NON HO PAURA (原題) / I'M NOT SCARED (英題)

・『 タッチ・オブ・スパイス 』スペイン配給会社DeAプラネタ社は以下の映画等を扱っている。
オープン・ウォーター (2003) OPEN WATER
マーダー・ライド・ショー (2003) HOUSE OF 1000 CORPSES
クライモリ (2003) WRONG TURN
THE JUON/呪怨 (2004) THE GRUDGE
スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー (2004) SKY CAPTAIN AND THE WORLD OF TOMORROW

・『 タッチ・オブ・スパイス 』アルゼンチン配給会社ディストリビューション社は以下の映画等を扱っている。
TAXi (1997) TAXI
マグノリア (1999) MAGNOLIA
海の上のピアニスト (1999) THE LEGEND OF 1900
『 奇蹟の詩 サード・ミラクル (1999) THE THIRD MIRACLE
ザ・セル (2000) THE CELL
ダンサー・イン・ザ・ダーク (2000) DANCER IN THE DARK
リトル★ニッキー (2000) LITTLE NICKY
アバウト・シュミット (2002) ABOUT SCHMIDT
アララトの聖母 (2002) ARARAT
オースティン・パワーズ ゴールドメンバー (2002) AUSTIN POWERS IN GOLDMEMBER
『 ギャンブル・プレイ (2002) THE GOOD THIEF
エリザベス・ハーレーの明るい離婚計画 (2002) SERVING SARA
ジョンQ−最後の決断− (2002) JOHN Q
RIPLEY'S GAME (2002)
ウォルター少年と、夏の休日 (2003) SECONDHAND LIONS
僕のニューヨークライフ (2003) ANYTHING ELSE
ELF (2003)
コンフィデンス (2003) CONFIDENCE
タイムリミット (2003) OUT OF TIME
ドッグヴィル (2003) DOGVILLE
バレエ・カンパニー (2003) THE COMPANY
ヒューマン・キャッチャー (2003) JEEPERS CREEPERS 2
フレディVSジェイソン (2003) FREDDY VS. JASON
ブルドッグ (2003) A MAN APART
みなさん、さようなら (2003) LES INVASIONS BARBARES (原題) / THE BARBARIAN INVASIONS (英題)
大いなる休暇 (2003) LA GRANDE SEDUCTION (原題) / SEDUCING DOCTOR LEWIS (英題)
春夏秋冬そして春 (2003) SPRING, SUMMER, FALL, WINTER... AND SPRING
ブレイド3 (2004) BLADE: TRINITY
華氏911 (2004) FAHRENHEIT 9/11
隣のヒットマンズ 全弾発射 (2004) THE WHOLE TEN YARDS

・日本ではギャガG−CINEMAから 2005/正月第二弾として配給される予定。
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【『 タッチ・オブ・スパイス 』のスタッフとキャスト】
監督: タソス・ボウルメティス Tassos Boulmetis (Directed by)
製作: Lily Papadopoulos (producer)
    Margarita Cadenas (associate producer)
    Dionyssis Samiotis (associate producer)
    Artemis Skouloudi (associate producer)
製作総指揮: Harry Antonopoulos (executive producer)
    ロバート・カービー Robert Kirby (executive producer)
脚本: タソス・ボウルメティス Tassos Boulmetis (Writing credits)
撮影: タキス・ゼルヴォラコス Takis Zervoulakos (Cinematography by)
編集: Yorgos Mavropsaridis (Film Editing by)
音楽: Evanthia Reboutsika (Original Music by)

出演: ジョージ・コラフェイス Georges Corraface as Fanis Iakovides
    イエルコリス・ミシャイリデス Ieroklis Michaelidis as Savas Iakovides
    レニア・ルイジドウ Renia Louizidou as Soultana Iakovidou
    Stelios Mainas as Uncle Aimilios
    Tamer Karadagli as Mustafa
    Basak Koklukaya as Saime
    Tassos Bandis as Grandpa Vassilis
    Odysseas Papaspiliopoulos as Fanis Iakovides, aged 20
    Markos Osse as Little Fanis

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ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。

 映画 タッチ・オブ・スパイス (2003) POLITIKI KOUZINA / A TOUCH OF SPICE 』の「テキストによる未公開映画の再現」レヴューは、現在まだ書けておりません・・・。

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
■映画『 タッチ・オブ・スパイス 』の更新記録
2004/08/27新規: ファイル作成
2004/12/08更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
2005/01/15更新: ◆タイトル確定
2005/02/24更新: ◆リンク追記
2005/09/24更新: ◆データ追加
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幸田 幸
coda_sati@hotmail.com
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