アララトの聖母
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アララトの聖母 (2002)
ARARAT
 映画『 アララトの聖母 (2002) ARARAT 』を紹介します。

 映画『 アララトの聖母 (2002) ARARAT 』を以下に目次的に紹介する。
■映画『 アララトの聖母 (2002) ARARAT 』のポスター、予告編および映画データ
■映画『 アララトの聖母 (2002) ARARAT 』の解説
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 アララトの聖母 (2002) ARARAT 』の配給
■映画『 アララトの聖母 (2002) ARARAT 』の背景
■映画『 アララトの聖母 (2002) ARARAT 』のあらすじ
■映画『 アララトの聖母 (2002) ARARAT 』のスタッフとキャスト
■映画『 アララトの聖母 (2002) ARARAT 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 アララトの聖母 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタばれ)です。※ご注意:映画『 アララトの聖母 (2002) ARARAT 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 アララトの聖母 (2002) ARARAT 』の更新記録

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幸の観たい度: 8つ星 
■映画『 アララトの聖母 (2002) ARARAT 』のポスター、予告編および映画データ
アララトの聖母
アララトの聖母
Links:  Official Web Site
Trailers:  Quick Time13.4Mb
上映時間 Runtime: 1:55
製作国 Country: カナダ CA / フランス FR
製作会社
Production Company:
ARP Selection [fr]
Alliance Atlantis Communications [ca]
Astral Films [ca]
Serendipity Point Films
Super Ecran [ca]
The Harold Greenberg Fund
The Movie Network (TMN) [ca]等
全米配給会社 Distributer: Miramax Films [us]
全米初公開 Release Date: 2002/11/15
日本初公開 R. D. in Japan: 2003/10/04 
日本公開情報 : ギャガ・コミュニケーションズ
Gシネマグループ
ジャンル Genre: ドラマ Drama
MPAA Rating 指定: Rated R for violence, sexuality/nudity and language.
日本語公式サイト
http://www.gaga.ne.jp/ararat/
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 アララトの聖母 (2002) ARARAT 』の解説

 本作『 アララトの聖母 (2002) ARARAT 』は、『 エキゾチカ (1994) EXOTICA 』『 スウィート ヒアアフター (1997) THE SWEET HEREAFTER 』のアトム・エゴヤン監督が描く真実の形。『 アララトの聖母 』の音楽は、アトム・エゴヤン監督との仕事も多い、『 17歳のカルテ (1999) GIRL, INTERRUPTED 』『 きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー (2002) ANTWONE FISHER 』などのマイケル・ダナだ。

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■映画『 アララトの聖母 (2002) ARARAT 』の配給

 この映画『 アララトの聖母 (2002) ARARAT 』は、ギャガ・コミュニケーションズ Gシネマグループの配給である。幸は、ギャガの映画は結構観ていたり紹介文を書いてある。思い出したものを少しリストアップしてみると、
ルールズ・オブ・アトラクション (2002) THE RULES OF ATTRACTION
エデンより彼方に (2002) FAR FROM HEAVEN
ブルークラッシュ (2002) BLUE CRUSH
フィアー・ドット・コム (2002) FEAR DOT COM
ザ・コア (2003) THE CORE
ムーンライト・マイル (2002) MOONLIGHT MILE
スコルピオンの恋まじない (2001) THE CURSE OF THE JADE SCORPION
ザ・レース (2002) LE RAID (原題) / THE RACE (英題)
しあわせな孤独 (2002) ELSKER DIG FOR EVIGT (原題) / OPEN HEARTS (英題)
スイミング・プール (2003) SWIMMING POOL
グッバイ!レーニン  (2003) GOOD BYE, LENIN! 』等がある。

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■映画『 アララトの聖母 (2002) ARARAT 』の背景

 映画『 アララトの聖母 』の歴史的背景には、 1894 〜 1896 年のオスマン朝トルコ政府によるアルメニア人に対する残虐行為がある。政府は彼らを破壊分子だと考えたのだ。その間だけで 20 万人のアルメニア人が虐殺されたと推測されている。 1914 年 8 月 2 日、ドイツがロシアに第一次世界大戦の始まりを宣戦布告した日のあと、ドイツとトルコの間で秘密の同盟条約が結ばれ、事実上、トルコの軍隊はドイツの指揮下におかれる事になる。これがアルメニア人にさらなる残虐行為が行われる始まりだった。

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■映画『 アララトの聖母 (2002) ARARAT 』のあらすじ

 1914 年 8 月 18 日、 1080 のアルメニア人の店が略奪され、破壊された。 1896 年から 1914 年の第一次世界大戦の始まりまでに、何万ものアルメニア人が南アメリカ、フランス、レバノン、エジプト、アメリカ合衆国に逃れた。トルコに留まったアルメニア人は、自分たちの権利を確立するために団結し、自分達の州政府を組織するが、 1915 年、戦争の影で、青年トルコ党員政府は委員会を召集し、オスマン・トルコからアルメニア人を根絶する計画を実行することにした。アルメニア人はトルコにおける最大のキリスト教信者で、トルコにおける少数派である。洗練された官僚的な組織によって大量虐殺は実行され、アルメニア人のおよそ3分の2の人口である 100 万人以上の人々が殺された。大虐殺は国外追放に見せかけられて隠蔽され、青年トルコ党員政府はアルメニア人に先祖代々の土地を手放すように命令した。大量の軍隊が進攻し、飢餓、脱水症状、病気、レイプ、野蛮な行為、大虐殺で、大勢が死んだ。

 国連ジェノサイド条約では、大量虐殺を「国家、民族、人種、宗教に関する団体を、全体的もしくは部分的に意図をもって破壊する行為」と記述している。明らかにこの定義はアルメニア人への大虐殺のケースに当てはまる。国連の協定は、アルメニア人の大虐殺の 30 年後である 1948 年に採決されたので、世界中に広がったアルメニア人はそれぞれの政府に対して第一次世界大戦中に行われた犯罪への公式の認識を求めている。フランス、アルゼンチン、ギリシャ、ロシアのような国々には、アルメニア人大虐殺の生存者や彼らの子孫が暮らしており、公式にアルメニア人大虐殺を認めている。しかし、政策の問題として、現在のトルコ共和国は第一次世界大戦中のアルメニア人に対する大虐殺について強固に否定している。

 『アララトの聖母』は、2つ家族が和解と真実を求める姿を描き出した、現代の物語であり、また、アメリカの有名監督エドワード・サロヤン(シャルル・アズナヴール)が作り出す歴史的再現の劇中劇でもある。サロヤン監督は、 1915 年に起こった軍隊による包囲と痛ましい事件を描いた、クラレンス・アッシャーの実際の本「 AN AMERICAN PHYSICIAN IN TURKEY 」を基に映画を製作しているのだ。映画では時代が行き来し、本作の監督アトム・エゴヤンは個人的、性的、文化的アイデンティティー(同一性)を、恋人や家族、敵、見知らぬ人々と共有する親密な瞬間を通して探り出そうとしている。

 『アララトの聖母』は2組の家族の交流を絡み合わせており、その中心には 18 歳の少年ラフィ(デヴィッド・アルペイ)と退職を目前にした男デイヴィッド(クリストファー・プラマー)がいる。 35 ミリのフィルムとデジタルテープ、そしてある謎を持ってカナダに戻ってきたラフィは、検閲の為に税関に送られた。退職を目前にした税関吏、デイヴィッドは、ラフィが何を隠しているのかを発見しようと心に決める。ラフィによると、そのフィルムの缶にはトロントで撮影された映画の補足材料が入っているとのこと。デイヴィッドは疑い、精神鑑定のような鋭い質問がなされる。

 ラフィは、自分の父親と現在の母親アニ(アルシネ・カンジアン)と偉大な抽象表現主義の画家アーシル・ゴーキーの作品を専門に扱っている芸術歴史家との思い出に苦しんでいた。ラフィはまた、母親と義理の姉セリア(マリ=ジョゼ・クローズ)との間で引き裂かれていた。セリアは彼女の父親の死をアニのせいにしているのだ。

 デイヴィッドは、彼のゲイの息子フィリップ(ブレント・カーヴァー)とフィリップの恋人で俳優のアリ(イライアス・コティーズ:『 シン・レッド・ライン (1998) THE THIN RED LINE 』『 ノボケイン 局部麻酔の罠 (2001) NOVOCAINE 』等に出演)と折り合いをつけるようにし、孫のトニーと信頼関係を築こうとする。アリがサロヤン監督の映画に出演していることで、2つの家族の関係は複雑にリンクされるようになり、ラフィの不可解な荷物へのデイヴィッドの執拗な尋問が最高潮に達する。
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【『 アララトの聖母 』のスタッフとキャスト】
監督: アトム・エゴヤン Atom Egoyan (Directed by)
製作: アトム・エゴヤン Atom Egoyan (Produced by)
    ロバート・ラントス Robert Lantos (Produced by)
脚本: アトム・エゴヤン Atom Egoyan (screenplay)
撮影: ポール・サロッシー Paul Sarossy (Cinematography by)
音楽: マイケル・ダナ Mychael Danna (Original Music by)
 
出演: デヴィッド・アルペイ David Alpay ラフィ Raffi
    アルシネ・カンジアン Arsinee Khanjian アニ Ani
    クリストファー・プラマー Christopher Plummer デイヴィッド David
    シャルル・アズナヴール Charles Aznavour エドワード・サロヤン Edward Saroyan
    マリ=ジョゼ・クローズ Marie-Josee Croze セリア Celia
    エリック・ボゴシアン Eric Bogosian ルーベン Rouben
    ブレント・カーヴァー Brent Carver フィリップ Philip
    ブルース・グリーンウッド Bruce Greenwood マーティン・ハーコート(クラレンス・アッシャーを演じる俳優) Martin Harcourt, actor playing Clarence Ussher
    イライアス・コティーズ Elias Koteas アリ( Jevdet Bey を演じる俳優) Ali, actor playing Jevdet Bey

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<もっと詳しく>

ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。

 映画『 アララトの聖母 (2002) ARARAT 』の「テキストによる未公開映画の再現」レヴューは、現在まだ書けておりません・・・。

※以下は、GAGA/アニープラネット様から幸に頂いた原稿とスチルです。

「アララトの聖母」2002年カンヌ国際映画祭正式出品作品/2002年カナダ・アカデミー賞主要5部門受賞
監督 アトム・エゴヤン(「スウィートヒアアフター」「エキゾチカ」他)
主演 デヴィッド・アルペイ/シャルル・アズナブール/アーシニー・カンジャン/マリ・ジョゼ・クローズ/他
音楽 マイケル・ダナ(「17歳のカルテ」他)
原題 「ARARAT」
サントラCD ビクターエンタテインメント
2002年/カナダ映画/115分
配給 ギャガ・コミュニケーションズ Gシネマグループ
宣伝 ギャガGシネマ風×アニープラネット

母さんーー
たとえ僕たちの故郷が滅ぼされても
あなたの手のぬくもりは一生忘れない 

INTRODUCTION
哀しみの歴史の中で失われた母と子の絆が、時代を越えて今蘇る。愛と涙で織りなす壮大な叙事詩
カンヌ国際映画祭グランプリを受賞した『スウィートヒアアフター』でカナダを代表する巨匠の座を不動のものにしたアトム・エゴヤン。
彼の待望の新作は、自身のルーツであるアルメニアの画家アーシル・ゴーキーの絵画をモチーフに、絵に秘められた150万人ものアルメニア人大虐殺 の悲劇と現代の母子のエピソードを交錯させて描いた野心的な大作。現在と過去、現実と虚構がつづれ織りをなすドラマを通じて、母と子、国と人、 芸術と人間との絆をみつめた壮大な叙事詩である。

STORY
絵画に隠された自らのルーツを求め、少年は旅に出る・・・
カナダに住む18歳の少年ラフィと美術史家の母アニは、アルメニアの画家ゴーキーの絵画「芸術家と母親」をモチーフにした、聖なる山アララトの甍で 1915年に起きたアルメニア人大虐殺を描いた映画に参加することになった。ゴーキーは、虐殺で母を亡くしたあと、アメリカに移住し、一生その苦しみか ら逃れられず若くして亡くなっている。その彼の少年時代の逃避行の記録をたどった大作だ。母なる国が永遠に失われたことを物語るように、キャンバスから 削り取られた母の手。ラフィは、アルメニアの自由を求めて射殺された自身の父の死に疑問を持ち、真実を求めて、アララトに旅立つ。そして自分のルーツを 知った彼が母のために持ち帰ったものとはいったい?また絵に隠された真実とは?

※資料
GAGA/アニープラネット パブリシスト 湯浅正美

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      公式サイト(英語版)
       http://www.miramax.com/ararat/
■映画『 アララトの聖母 』の更新記録
2003/08/14新規: ファイル作成
2005/03/06更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
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幸田 幸
coda_sati@hotmail.com
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