みなさん、さようなら＠映画の森てんこ森

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みなさん、さようなら　(2003)

LES INVASIONS BARBARES (原題) / THE BARBARIAN INVASIONS (英題)

幸の観たい度：８つ星　

■映画『みなさん、さようなら　(2003) LES INVASIONS BARBARES / THE BARBARIAN INVASIONS 』のポスター、予告編および映画データ

みなさん、さようなら

Links:	Official Web Site
Trailers:

上映時間 Runtime：	1:39
製作国 Country：	カナダ／フランス Canada / France
製作会社 Production Company：	Astral Films [ca] Centre National de la Cinematographie (CNC) [fr] Cinemaginaire Inc. [ca] Harold Greenburg Fund Le Studio Canal+ [fr] Production Barbares Inc. [ca] Pyramide Productions [fr] (co-producer)　等
全米配給会社 Distributer：	Miramax Films [us]
全米初公開 Release Date：	2003/11/21 (limited)
日本初公開 R. D. in Japan：	2004/04/24
日本公開情報：	コムストック
ジャンル Genre：	ドラマ／コメディ Drama / Comedy
MPAA Rating 指定：	Rated R for language, sexual dialogue and drug content.
日本語公式サイト	調査中

●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.

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■映画『みなさん、さようなら　THE BARBARIAN INVASIONS 』の解説

　映画『みなさん、さようなら』は、カナダのケベック Quebec 州（カナダでもフランス語使用の州）とフランスで製作されたので台詞もフランス語の映画だ。『みなさん、さようなら　(2003) LES INVASIONS BARBARES (原題) / THE BARBARIAN INVASIONS (英題) 』の原題はフランス語、英題はカナダでのタイトルである。題はもっとあって、国際英語タイトルは『 INVASION OF THE BARBARIANS 』という。意味はどれも「みなさん、さようなら」とは無関係の「未開人（或いは野蛮人・言葉の通じない異国人・無教養な人達）の侵入」ということ。

　それがどうして『みなさん、さようなら』と邦題がついたの？それは、主人公が人生の最期のベッドにいわくつきの親近者たちを呼び寄せて「みなさん、さようなら。」とバイバイする話だから。でもコメディ色の濃いドラマだから観るのも辛い深刻な内容でなく、面白おかしく人生のペーソスを描いているという。涙と笑いのハーモニーが絶品で、早やアカデミー外国語映画賞の声が上がっているほどだ。

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■映画『みなさん、さようなら　THE BARBARIAN INVASIONS 』の配給会社

『みなさん、さようなら』本邦公開は
『インファナル・アフェア　(2002) 無間道 (原題) / INFERNAL AFFAIRS (英題) 』
『インファナル・アフェア　無間序曲　(2003) 無間道II (原題) / INFERNAL AFFAIRS II (英題) 』
『インファナル・アフェア　終極無間　(2003) 無間道III (原題) / INFERNAL AFFAIRS III (英題) 』のコムストックの配給で。

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■映画『みなさん、さようなら　THE BARBARIAN INVASIONS 』のあらすじ
※本作『みなさん、さようなら』のあらすじは、日本公開前に幸田幸が書いたものです。作成現時点で出来るだけ正確な情報を心掛けていますが、データや内容に誤りや適切でない表現があるかもしれません。どうか宜しくご了解いただきお読みくださいますようお願いいたします。本コンテンツの複写や転用等はお控えください。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。映画会社や配給会社や宣伝担当会社からの情報提供はこちらをお読みください。
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　さて、映画『みなさん、さようなら』のストーリー。
　『みなさん、さようなら』のストーリーは、レミー（レミー・ジラール）という女好きの歴史教授が主人公。彼は癌で、医師から死の宣告を受けてしまう。レミーの離婚した妻ルイーズ（ドロテ・ベリマン）は、死ぬ時には友人と家族に囲まれた快適な環境で死ぬのがいいからと、レミーの息子を駆り立てて親近者たちを呼び寄せさせる。前妻ルイーズ、以前の愛人達、旧友たち、それにこの疎遠になっていた息子セバスチャン（ステファーヌ・ルソー）。

　こういった人達がレミーの許に集まるので、癌がレミーの身体に“侵入”しているのと掛けて、オリジナルタイトルが（直訳して）「野蛮人の侵入」とつけられているそうだ。この映画のキャッチコピーは「 A provocative new comedy about sex, friendship, and all other things that invade our lives. （セックスや友情や、人生に“侵入”する諸々の事象に関する挑発的な新しいタイプのコメディ）」であり、タイトルにある“ invasion ”は、ここにある“ invade ”という動詞の名詞形だというのも、オリジナルタイトルの由来に関係あるかもしれない。

　死の現実を受け入れるのが困難で怖く、自分のこれまでの過去に後悔の念を抱いているレミー。そんな父親を、ずっと父と仲違いして疎遠の関係だった息子セバスチャンは、これまでの埋め合わせとして、どうにかして幸せな思いを抱かしてあげたいと思う。セバスチャンはロンドンで金融家として成功している厳格な資本主義者で、億万長者になっている。だから、病院に賄賂を贈って一階を借り切って父に他人との何の煩いもないようにしてあげ、そして後には湖畔の家を入手し、父を明るく陽気に見送ってあげようとする。

　米国で最新医療を受けるようにも勧めるが、父はカナダにいたまま死にたいと言う。だから、痛みを緩和させるヘロイン（麻薬）を父に供給するのがセバスチャンにできる唯一のことだった。その麻薬は、父レミーの元愛人の娘であるナタリー（マリ＝ジョゼ・クローズ：
『アララトの聖母　(2002) ARARAT 』）が麻薬常習者であるので、彼女から手に入れる。高額な代金は息子セバスチャンがナタリーに払う。このナタリーとセバスチャンのキス・シーンはこの映画で最もホットな話題だ。

　最期を迎える前に、親しい間柄の者たちだけで、飲んで食べて陽気にはしゃぐ。歴史、哲学といったことも思う存分討論する。上記の中心的配役の他にも、イザベル・ブレ（
『コンフェッション　(2002) CONFESSIONS OF A DANGEROUS MIND 』）、ボニー・マック（
『ケイティ　(2002) ABANDON 』
『デイ・アフター・トゥモロー　(2004) THE DAY AFTER TOMORROW 』）ら、この映画『みなさん、さようなら』の登場人物は、皆、現実の人のようで、芝居っぽくないそうだ。皆、レミーの幸せを心から願い、レミーと知り合ったばかりの若いナタリーですら、同様の思いをする。

　レミーの病状が悪化していくと、彼の差し迫る死を観客は悲しく思うけれど、彼が幸福な最期を送れてよかったなと感じるようにアルカン監督は巧みに操作している。しかし、ナタリー役のマリ＝ジョゼ・クローズの演技はカンヌで最優秀女優賞を獲得しただけあって、この映画をそんな平凡なものに終わらせていない。彼女はセバスチャンに言うそうだ。「ジャンキー（麻薬常習者）を信じるんじゃないわよ。人を裏切るのだから。」観客は彼女がいい加減な女性でないという気がしてくる。彼女は人生に対する態度が破滅的で、絶え間なく死に向かっている。けれども死を認めようとはしない。レミーを助けているのはレミーに好感を持つようになっているから。そしてその過程で麻薬をただで手に入れることが出来るから。でも、“野蛮人の侵入”の中で、彼女こそが推進的存在になっていく。

　ドゥニ・アルカン監督は 15 年程前に『アメリカ帝国の滅亡　(1986) LE DECLIN DE L'EMPIRE AMERICAIN / THE DECLINE OF THE AMERICAN EMPIRE 』でも監督・脚本に携わり、今回の映画のレミーとセバスチャン父子のような関係を描いているそうだ。従って、この映画『みなさん、さようなら』はその非公式の第２弾と位置付けられる。そして、マリ＝ジョゼ・クローズのナタリーに焦点を置いた別の映画、第３弾がやはり 15 年先にアルカン監督によって作られるだろうと予想されている。

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■映画『みなさん、さようなら　THE BARBARIAN INVASIONS 』の受賞

・『みなさん、さようなら』のスタッフも出演者も殆んど知らない人ばかりなのだけど、映画『みなさん、さようなら』の評価は高い。 2003 年カンヌ国際映画祭 Cannes Film Festival の最優秀女優賞 Best Actress にマリ＝ジョゼ・クローズ、最優秀脚本賞 Best Screenplay に監督・脚本の二役を務めるドゥニ・アルカンが輝いた。また、惜しくも逃したが、パルム・ドール Palm D'Or / Golden Palm にもノミネートされた。
　因みに同時にパルム・ドールにノミネートされた他の作品は
『ブラウン・バニー　(2003) THE BROWN BUNNY 』
『ドッグヴィル　(2003) DOGVILLE 』
『ミスティック・リバー　(2003) MYSTIC RIVER 』
『スイミング・プール (2003) SWIMMING POOL 』等である。

・『みなさん、さようなら』は、トロント国際映画祭 Toronto International Film Festival では最優秀カナダ作品賞 Best Canadian Feature Film に輝く。

・米国の 2004 年度ゴールデン・グローブ Golden Globes, USA では
『グッバイ、レーニン！　(2003) GOOD BYE, LENIN! 』
等と並んで外国語映画賞 Best Foreign Language Film にノミネートされた。

・『みなさん、さようなら』は、ヨーロッパ映画賞 European Film Awards では 2003 年インターナショナル（非ヨーロッパ）作品賞 Screen International Award の栄光に輝いた。
　インターナショナル作品賞ノミネートの他の諸作品
『２１グラム　(2003) 21 GRAMS 』
『ファインディング・ニモ　(2003) FINDING NEMO 』
『キル・ビル　(2003) KILL BILL: VOLUME 1 』
『ロスト・イン・トランスレーション　(2003) LOST IN TRANSLATION 』
『ミスティック・リバー　(2003) MYSTIC RIVER 』
『座頭市　(2003) ZATOICHI 』を押さえての受賞だから、結構スゴイのだ。

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■映画『みなさん、さようなら　THE BARBARIAN INVASIONS 』のトリビア

　息子セバスチャンに扮するステファーヌ・ルソーは、カナダで‘コメディのブラッド・ピット Brad Pitt ’と呼ばれているそうだ！ブラッド・ピットなら、
『セブン・イヤーズ・イン・チベット　(1997) SEVEN YEARS IN TIBET 』
『スパイ・ゲーム　(2001) SPY GAME 』
『オーシャンズ１１　(2001) OCEAN'S ELEVEN 』
『フル・フロンタル　(2002) FULL FRONTAL 』
『コンフェッション　(2002) CONFESSIONS OF A DANGEROUS MIND 』
『シンドバッド　７つの海の伝説　(2003) SINBAD: LEGEND OF THE SEVEN SEAS 』
『トロイ　(2004) TROY 』
『オーシャンズ１２　(2004) OCEAN'S TWELVE 』
『 Mr.&Mrs. スミス　(2005) MR. AND MRS. SMITH 』等で御馴染みのセレブ。

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【『みなさん、さようなら』のスタッフとキャスト】

監督：ドゥニ・アルカン　Denys Arcand　(Directed by)
製作：ダニエル・ルイス　Daniel Louis　(producer)
　　　　ドゥニ・ロベール　Denise Robert　(producer)
　　　　ファビエンヌ・ヴォニエ　Fabienne Vonier　(co-producer)
脚本：ドゥニ・アルカン　Denys Arcand　(Writing credits)
撮影：ギイ・デュフォー　Guy Dufaux　(Cinematography by)
編集：イザベル・デデュー　Isabelle Dedieu　(Film Editing by)
音楽：ピエール・アヴィア　Pierre Aviat　(Original Music by)

出演：レミー・ジラール　Remy Girard as Remy
　　　　ステファーヌ・ルソー　Stephane Rousseau as Sebastien
　　　　ドロテ・ベリマン　Dorothee Berryman as Louise
　　　　マリ＝ジョゼ・クローズ　Marie-Josee Croze as Nathalie
　　　　ルイーズ・ポルタル　Louise Portal as Diane
　　　　ドミニク・ミシェル　Dominique Michel as Dominique
　　　　イヴ・ジャック　Yves Jacques as Claude
　　　　ピエール・キュルジ　Pierre Curzi as Pierre
　　　　イザベル・ブレ　Isabelle Blais as Sylvaine
　　　　ボニー・マック　Bonnie Mak as Nurse

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＜もっと詳しく＞

ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。

　映画『みなさん、さようなら』の「テキストによる未公開映画の再現」レヴューは、現在まだ書けておりません・・・。

参考資料：「映画の森てんこ森」映画タイトル集
　　　　　　　http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
　　　　　　IMDb
　　　　　　allcinema ONLINE
　　　　　　Nostalgia.com
　　　　　　CinemaClock.com

■映画『みなさん、さようなら』の更新記録
2004/01/12新規：ファイル作成
2004/07/07更新： ◆テキスト一部およびファイル書式
2004/12/16更新： ◆一部テキスト追記と書式変更
2005/10/13更新： ◆追記

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幸田　幸
coda_sati@hotmail.com

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