黄そば
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黄そば(きぃそば)とは、主として近畿地方における中華麺の一呼称。また、それを用いた和風麺料理のこと。
「黄そば(中華そば麺)」1 概要
近畿および中国・四国地方の一部などでは、油処理をしない状態のゆで中華麺が流通しており、スーパーなどで一般に販売されているほか、学生食堂や社員食堂、大衆食堂などでよく利用されている。本来はラーメンや焼きそばなどに使用する目的ではあるが、この麺にうどん・そばに用いられる和風だしをかけて供されることも珍しくない。こうした料理は、俗に「黄そば」と呼ばれている。
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「黄そば(中華そば麺)」2 背景
かつて少なからぬ関西の大衆食堂では、うどんだしを流用して麺と具材のみを変えたものを「中華そば」として供していた経緯もあり、中華麺に和風だしの組み合わせは、少なくとも関西では決して不自然に感じられるものではない。また、高校の学食などにおいては、コスト的な理由から麺の仕入れをうどんと中華麺の二種に絞り、中華麺にうどんのつゆをかけたものを「そば」として販売することが一般的であった。
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「黄そば(中華そば麺)」3 特徴・その他
具材や薬味はうどん・そばに準じる。叉焼などをのせた和風中華そばは一般に黄そばとは呼ばれないが、中華風のスープに和風の具材をトッピングしたものを「中華風黄そば」としてメニューに載せている店もある。
姫路駅の「えきそば」のように名物料理として知られるものから、裏メニューとしてひっそりと存在するケースまでさまざまである。
基本的にはゆでめんを使用する学食や大衆食堂で供される料理であり、一般のそば・うどん店で食べられるというわけではない。ただし、少数ではあるが生麺を茹でて使用する店もある。
食堂や立ち食いうどん店では、うどん、蕎麦、黄そばの三種から麺を選べることも少なくない。この場合、日本蕎麦は「和そば」あるいは「黒そば」と呼んで区別されるのが通例である。
京都ではキーシマ(シマはそばを意味する符牒)と呼ばれる。
「生蕎麦」とはイントネーションで区別されるが、関西以外の地域の出身者には混同されることもある。
近畿地方で販売されているゆで中華麺は、柔らかくコシのない、やや細めのストレート麺が一般的である。
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