藍宇（ランユー）　情熱の嵐＠映画の森てんこ森

｜表紙｜目次｜読む映画試写会｜レヴュー｜観たい度映画｜予告編｜エッセイ｜日誌｜試写会情報｜リンク集｜
｜映画人｜解説・レヴュー一覧表｜映画ゲーム｜思い出映画｜ブロードバンド(B)版｜旅行の森てんこ森｜

映画の森てんこ森■読む映画試写会■映画解説

藍宇（ランユー）　情熱の嵐　(2001)

LAN YU

幸の観たい度：８つ星　

■映画『藍宇（ランユー）　情熱の嵐　(2001) LAN YU 』のポスター、予告編および映画データ

藍宇（ランユー）　情熱の嵐

Links:

Official Web Site

上映時間 Runtime：	1:26
製作国 Country：	香港／中国 Hong Kong / China
製作会社 Production Company：	Kwan's Creation Workshop [hk] Yongning Creation Workshop
全米配給会社 Distributer：	Strand Releasing [us]
全米初公開 Release Date：	2002/01/　(Sundance Film Festival)
日本初公開 R. D. in Japan：	2004/07/31　予定
日本公開情報：	ケンメディア
ジャンル Genre：	ドラマ／ロマンス Drama / Romance
MPAA Rating 指定：	Rated R for strong sexual content, nudity and some language.
日本語公式サイト	調査中

●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.

▲TOPへ

■映画『藍宇（ランユー）　情熱の嵐　(2001) LAN YU 』の解説

　映画『藍宇（ランユー）　情熱の嵐　(2001) LAN YU 』は中国香港のゲイ同士のお話。藍宇（ランユー）とは、ゲイの中年男に見初められる綺麗な青年の名前。この藍宇（ランユー）が情熱の嵐にのみ込まれ、邦題『藍宇（ランユー）　情熱の嵐』の文字通り、引っ付いたり離れたり、情熱を弄ばれて嵐のような新しい人生を知る。中国では未だに同性愛はタブー視されているので、『藍宇（ランユー）　情熱の嵐』は挑戦的で話題の映画となっている。

▲TOPへ

■映画『藍宇（ランユー）　情熱の嵐　(2001) LAN YU 』の主なスタッフ

　『藍宇（ランユー）　情熱の嵐』監督のスタンリー・クワン關錦鵬はこれからハリウッドでも注目しようかというところらしい。これまで、アジア圏からはジョン・ウー呉宇森 John Woo
『Ｍ：Ｉ－２　(2000) MISSION: IMPOSSIBLE 2 / M:I-2 』
『ウインドトーカーズ　(2002) WINDTALKERS 』
『バレットモンク　(2003) BULLETPROOF MONK 』
『ペイチェック　消された記憶　(2003) PAYCHECK 』等や、

ツイ・ハーク徐克 Tsui Hark
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ＆アメリカ／天地風雲　(1997) 黄飛鴻之西域雄獅 / ONCE UPON A TIME IN CHINA & AMERICA 』ら、ジェット・リー李連杰 Jet Li 主演作も多いし、近年では『ブラックマスク２　(2001) BLACK MASK 2: CITY OF MASKS (英題) / 黒侠ＩＩ (原題) 』

らの東洋人監督を認めてきたが、『藍宇（ランユー）　情熱の嵐』のスタンリー・クワン監督にも一目置こうと思わせる出来ばえのようだ。

『花様年華（かようねんか）　(2000) IN THE MOOD FOR LOVE 』
『２０４６　(2004) 2046 』
のウィリアム・チャン張叔平が編集・美術・衣装の三役を務めている

▲TOPへ

■映画『藍宇（ランユー）　情熱の嵐　(2001) LAN YU 』のあらすじ
※本作『藍宇（ランユー）　情熱の嵐』のあらすじは、日本公開前に幸田幸が書いたものです。作成現時点で出来るだけ正確な情報を心掛けていますが、データや内容に誤りや適切でない表現があるかもしれません。どうか宜しくご了解いただきお読みくださいますようお願いいたします。本コンテンツの複写や転用等はお控えください。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。映画会社や配給会社や宣伝担当会社からの情報提供はこちらをお読みください。
▲TOPへ

　映画『藍宇（ランユー）　情熱の嵐』は一種のラブストーリー。ただそれが、ゲイであったり三角関係だったりするが。舞台は 1988 年の北京 Beijing 。中年の独身男性チェン・ハントン陳捍東（フー・ジュン胡軍：『インファナル・アフェア無間序曲　(2003) 無間道II (原題) / INFERNAL AFFAIRS II (英題) 』) は政府の官僚の長男で、裕福でずっと成功した人生を送ってきている。彼は貿易会社を経営して、事業はますます順調だ。そんな彼が、女性よりも男性に興味がある、つまりゲイであるのを知っている者は殆どいない。

　一方、藍宇（ランユー）（リィウ・イエ劉燁：『パープル・バタフライ (原題) (2003) 紫胡蝶 / PURPLE BUTTERFLY (英題) 』）は田舎出身の青年。建築を学ぶために北京に来ている。他の学生達と同様、藍宇（ランユー）は生活費に事欠き、何でもお金になる仕事を探している。すると、リュウ・ゼン劉征（リー・ホァトン李華庶）がおせっかいにもいい話を持ってくる。それは、ゲイの玉突き場とバーのオーナーに一晩だけ体を売るということだった。藍宇（ランユー）がビリヤードに赴くと、ゲイであるハントンが偶然その場におり、藍宇（ランユー）がオーナーに体を売ることに難くせをつけて、自宅に藍宇（ランユー）を連れて帰る。「藍宇（ランユー）　情熱の嵐」の始まりである。

　ここで藍宇（ランユー）は情熱の嵐に入り込む。藍宇（ランユー）は生まれて初めてゲイ関係を経験して、ゲイの世界の秘伝を伝授された。これは藍宇（ランユー）のこれまでの生き方を覆す出来事だった。その日から、二人は頻繁に会って‘愛し’合った。すると、ストレートの筈だった藍宇（ランユー）の方でもゲイにのめり込み、ハントンのことを心から愛するようになる。ハントンはしかし、藍宇（ランユー）とは単なる‘遊び’であって、一生の伴侶にするつもりはさらさらない。そして藍宇（ランユー）に、お互い知りすぎた時点で近々別れることになるだろうと警告するのだった。そういう間にも、金持ちのハントンは、藍宇（ランユー）に金目のプレゼントを溢れるようにあげて、藍宇（ランユー）の自分への愛情を感謝や従属しているという気持ちにそらすように工夫している。暫くは、そういう関係でどうにか平穏に過ぎていった。ところが、ある夜、ハントンが別の若い男といるのを藍宇（ランユー）は目撃する。ここで暫くハントンと藍宇（ランユー）は疎遠になるのだろうか。

　『藍宇（ランユー）　情熱の嵐』というタイトルだけあって、展開は激しい。二人は 1989 年の 6 月 4 日の夜に再会する。その日は、中国の歴史上の大事件、天安門事件の日だった。（天安門事件とは、 1989 年 6 月 4 日、民主化要求を掲げる学生や労働者・市民に占拠された天安門広場を奪回するため、戒厳軍が出動して多数の死傷者を出した事件。＜大辞林国語辞典より＞）藍宇（ランユー）が天安門広場 Tiananmen Square で戒厳軍に殺傷されないかとハントンは心配で必死に探し回し、探し当てた。今回は、ハントンは藍宇（ランユー）に最高に贅沢な贈り物をするのだ。何と、北京郊外の新築の家屋と車である。そこで二人は‘夫婦’のように同棲し始めた。

　しかし、今度もやはりハントンは藍宇（ランユー）の一途な気持ちからしり込みする。ゲイであるのに、女性と急に恋愛し、結婚してしまうのだ。相手の女性は、ジンピン林靜平（スー・ジン蘇瑾）といって、ハントンが社長をしている貿易会社のバリバリの通訳だった。ロシアとの取引の交渉で、ジンピンの働きは大きかった。それに美人で聡明。ハントンの情熱の対象はこういう女性にもＯＫなのかな。ロマンスは進展して、結婚までしてしまうとは。それを知った傷心の藍宇（ランユー）は、プレゼントされた家を出てしまい、ハントンはもう藍宇（ランユー）と連絡するすべがなくなる。

　三年後、ハントンとジンピンは離婚。何て波乱万丈なストーリーなのでしょう！そりゃ『藍宇（ランユー）　情熱の嵐』だもの。女性と離婚したハントンは、空港で偶然、藍宇（ランユー）に遭遇する。そしてまた二人の関係は修復して、自宅で一緒に料理とかにこぎつける。そんな時、ハントンの会社は、密輸と不法資金調達の疑いで警察の捜査を受け、社長ハントンは逮捕されてしまった。そして長期の留置という最悪のケースになる。するとデス、若き藍宇（ランユー）は、贈られた家と車を売却してお金を作り、自分の貯金まではたいて、ハントンを保釈させてあげるのだ。ハントンの妹のヨンホン詠紅（ルー・ファン盧芳）と夫のダニン大寧（チャン・ヨンニン張永寧）らは大喜びする。そして、当の張本人ハントンは、自分は藍宇（ランユー）をこれまで何と弄（もてあそ）んできたか思い知る。だから、今度こそ、ハントンは藍宇（ランユー）と幸福に一緒に暮らそうと決心するのだ。しかし、運命のいたずらが待ち受けていた・・・。

▲TOPへ

■映画『藍宇（ランユー）　情熱の嵐　(2001) LAN YU 』の受賞

　『藍宇（ランユー）　情熱の嵐』は、このようにゲイの映画であるから、 2003 年国際ゲイ映画祭 International Gay Film Festivals で「 Glitter賞」というのを受けている。同性愛の映画祭だから、
『 Kissingジェシカ　(2001) KISSING JESSICA STEIN 』
『エデンより彼方に　(2002) FAR FROM HEAVEN 』も受賞していた。

　『藍宇（ランユー）　情熱の嵐』は、香港アカデミー賞と言われる香港電影金像奨 Hong Kong Film Awards 2002 年度で１１部門にノミネートされたのに受賞は惜しくも逃した。やっぱりホモセクシュアルを前面に出した作品はこういう晴れの舞台では「ん、ちょっとネ～」ということになるのだろうか。男同士のヌードなんてシーンも強烈らしいし。同年の香港電影金像奨では、
『少林サッカー　(2001) SHAOLIN SOCCER / 少林足球 (原題) 』は最優秀作品賞を始め７部門も制覇した。
『千と千尋の神隠し　(2001) SPIRITED AWAY 』は最優秀アジア映画賞を獲得。

　『藍宇（ランユー）　情熱の嵐』は、しかし、他の賞は幾つも獲った。 2001 年台湾金馬奬 Golden Horse Award では監督賞・主演男優賞・脚本賞・編集賞の４部門で受賞。因みに　2003 年の台湾金馬奬『インファナル・アフェア　(2002) 無間道 (原題) / INFERNAL AFFAIRS (英題) 』が獲得。 2002 年香港金紫荊奨 Golden Bauhinia Awards では主演男優賞受賞に輝く。 2002 年香港映画批評協会賞 Hong Kong Film Critics Society Awards でも『藍宇（ランユー）　情熱の嵐』が受賞。

▲TOPへ

■映画『藍宇（ランユー）　情熱の嵐　(2001) LAN YU 』のトリビア

　なお、ホモとかゲイとかレズとか同性愛に触れている映画はこの『藍宇（ランユー）　情熱の嵐』の他にも、
『踊れトスカーナ！　(1996) IL CICLONE (原題) / THE CYCLONE (英題) 』
『キャメロット・ガーデンの少女　(1997) LAWN DOGS 』
『 HAPPY, TEXAS (1999) 』
『リプリー　(1999) THE TALENTED MR. RIPLEY 』
『暗殺者の聖母 (仮題) (2000) LA VIRGEN DE LOS SICARIOS (原題) / OUR LADY OF THE ASSASSINS (英題) 』
『キューティ・ブロンド　(2001) LEGALLY BLONDE 』
『ブリジット・ジョーンズの日記　(2001) BRIDGET JONES'S DIARY 』
『ある日、突然。　(2002) TAN DE REPENTE (原題) / SUDDENLY (英題) 』
『めぐりあう時間たち (2002) THE HOURS 』
『ルールズ・オブ・アトラクション　(2002) THE RULES OF ATTRACTION 』
『抱擁　(2002) POSSESSION 』
『Ｎ.Ｙ式ハッピー・セラピー　(2003) ANGER MANAGEMENT 』
『エレファント　(2003) ELEPHANT 』
『キャンプ　(2003) CAMP 』
『なんちゃってガールズ　(2003) GIRLS WILL BE GIRLS 』
『ジーリ　(2003) GIGLI 』
『パーティ★モンスター　(2003) PARTY MONSTER 』
『閉ざされた森　(2003) BASIC 』
『コニー＆カーラ　(2004) CONNIE AND CARLA 』
『ブロークバック・マウンテン　(2005) BROKEBACK MOUNTAIN 』
等を、幸の解説やレヴューで取り上げていマス。

▲TOPへ

【『藍宇（ランユー）　情熱の嵐』のスタッフとキャスト】

監督：スタンリー・クワン　關錦鵬　Stanley Kwan　(Directed by)
製作：チャン・ヨンニン　張永寧　Zhang Yongning　(producer)
製作総指揮：シン・ジェン　Qin Jian　(executive producer)
脚本：ジミー・ガイ　魏紹恩　Jimmy Ngai　(screenplay)
撮影：ヤン・タオ　楊濤　Yang Tao　(Cinematography by)
　　　　チャン・ジェン張健　Zhang Jian　(Cinematography by)
美術：ウィリアム・チャン　張叔平　William Chang　(Production Design by)
編集：ウィリアム・チャン　張叔平　William Chang　(Film Editing by)
衣装：ウィリアム・チャン　張叔平　William Chang　(Costume Design by)
音楽：チャン・ヤートン　張亞東　Zhang Yadong　(Original Music by)

出演：リィウ・イエ　劉燁　Liu Ye as Lan Yu 蘭宇
　　　　フー・ジュン　胡軍　Hu Jun as Chen Handong 陳捍東
　　　　スー・ジン　蘇瑾　Su Jin as Jingping 林靜平
　　　　リー・シュアン李爽　Li Shuang as Weidong 衛東・捍東弟
　　　　ルー・ファン盧芳　Lu Fang as Yonghong 詠紅・捍東妹
　　　　チャン・ヨンニン　張永寧　Zhang Yongning as Daning 大寧・詠紅夫
　　　　チャオ・ミンフェン趙敏芳　Zhao Min Fen as 老太太・捍東母
　　　　リー・ホァトン　李華庶　Li Huatong as Liu Zheng 劉征
　　　　プーン・シャオライ　潘小麗　Poon Shaolai as 詩玲・劉征妻

▲TOPへ

＜もっと詳しく＞

ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。

　映画『藍宇（ランユー）　情熱の嵐　(2001) LAN YU 』の「テキストによる未公開映画の再現」レヴューは、現在まだ書けておりません・・・。

参考資料：「映画の森てんこ森」映画タイトル集
　　　　　　　http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
　　　　　　IMDb
　　　　　　allcinema ONLINE
　　　　　　Nostalgia.com
　　　　　　CinemaClock.com
　　　　　　公式サイト（海外版）
　　　　　　　http://lanyu.gstage.com

■映画『藍宇（ランユー）　情熱の嵐』の更新記録
2004/06/30新規：ファイル作成
2004/12/09更新： ◆一部テキスト追記と書式変更
2005/12/04更新： ◆データ追加

▲TOPへ

幸田　幸
coda_sati@hotmail.com

「映画の森てんこ森」へ

「旅行の森てんこ森」へ

映画解説・レヴュータイトル一覧表

幸のイタリア各都市情報へ
旅行の森てんこ森　バナー03

136ｘ70

本サイトの作文、データ及び画像などのコンテンツの無断転用はお控え下さい。
貴サイトへの御掲載についてはメールにてお知らせ頂ければ幸いです。