やさしくキスをして＠映画の森てんこ森

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やさしくキスをして　(2004)

AE FOND KISS... (原題) / JUST A KISS (英題)

幸の観たい度：８つ星　

■映画『やさしくキスをして AE FOND KISS.../ JUST A KISS 』のポスター、予告編および映画データ

やさしくキスをして

Links:	Official Web Site
Trailers:	公式サイトで観られます。

上映時間 Runtime：	1:44
製作国 Country：	イギリス／ベルギー／ドイツ／イタリア／スペイン UK / Belgium / Germany / Italy / Spain
製作会社 Production Company：	Bianca Film [it] Cineart [be] Glasgow Film Office [gb] Matador Pictures Scottish Screen [gb] Sixteen Films Ltd. [gb] Tornasol Films S.A. [es]
全米配給会社 Distributer：	Castle Hill Productions [us]
全米初公開 Release Date：	2004/11/26 (limited)
日本初公開 R. D. in Japan：	2005/05/07　予定
日本公開情報：	シネカノン
ジャンル Genre：	ドラマ／ロマンス Drama / Romance
MPAA Rating 指定：	Rated R for some strong sexuality and language.
日本語公式サイト	調査中

●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.

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■映画『やさしくキスをして　(2004) AE FOND KISS... / JUST A KISS 』の解説

　『やさしくキスをして』は、スコットランドのグラスゴーを舞台に、パキスタン人の男性と白人の女性の恋を描く。人種差別や偏見、宗教の違いからの外からの圧力、家長の父親の古風な考え方、そういうものを取り入れながらも『やさしくキスをして』は熱くけっこう過激なＲ指定の映画である。『ベッカムに恋して　(2002) BEND IT LIKE BECKHAM 』『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング　(2002) MY BIG FAT GREEK WEDDING 』『ロミオ＆ジュリエット　(1996) WILLIAM SHAKESPEAR'S ROMEO & JULIET / ROMEO + JULIET 』の要素が混ざっている。

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■映画『やさしくキスをして　(2004) AE FOND KISS... / JUST A KISS 』の主なスタッフ

○『やさしくキスをして』の監督：ケン・ローチ

○『やさしくキスをして』の製作：ピーター・ギャラガー
『ダニー・ザ・ドッグ　(2005) UNLEASHED / DANNY THE DOG 』

○『やさしくキスをして』の製作総指揮：ウルリッヒ・フェルスベルク
『ベッカムに恋して　(2002) BEND IT LIKE BECKHAM 』

○『やさしくキスをして』の配役：カリーン・クロフォード
『猟人日記　(2003) YOUNG ADAM 』

○『やさしくキスをして』の美術：ファーガス・クレッグ
『ブリジット・ジョーンズの日記　きれそうなわたしの12カ月　(2004) BRIDGET JONES: THE EDGE OF REASON 』
『ファインディング・ニモ　(2003) FINDING NEMO 』
『サンダーバード　(2004) THUNDERBIRDS 』
『ヴァン・ヘルシング　(2004) VAN HELSING 』
『ゴスフォード・パーク　(2001) GOSFORD PARK 』
『ブリジット・ジョーンズの日記　(2001) BRIDGET JONES'S DIARY 』

○『やさしくキスをして』の音楽：ジョージ・フェントン
『最後の恋のはじめ方　(2005) HITCH 』
『ジャスティス　闇の迷宮　(2003) IMAGINING ARGENTINA 』
『ディープ・ブルー　(2003) DEEP BLUE 』
『メラニーは行く！　(2002) SWEET HOME ALABAMA 』
『アンナと王様　(1999) ANNA AND THE KING 』
『エバー・アフター　(1998) EVER AFTER 』
『娼婦ベロニカ　(1998) DANGEROUS BEAUTY / A DESTINY OF HER OWN 』

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■映画『やさしくキスをして　(2004) AE FOND KISS... / JUST A KISS 』の主なキャスト

　『やさしくキスをして』の出演者は大半がパキスタン人とかアイルランド人とかで、知っている俳優は殆ど見つからなかった。

ダニー役のゲイリー・ルイスは
『ギャング・オブ・ニューヨーク　(2001) GANGS OF NEW YORK 』
『リトル・ダンサー　(2000) BILLY ELLIOT 』に出演している。

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■映画『やさしくキスをして　(2004) AE FOND KISS... / JUST A KISS 』のあらすじ
※本作『やさしくキスをして』のあらすじは、日本公開前に幸田幸が書いたものです。作成現時点で出来るだけ正確な情報を心掛けていますが、データや内容に誤りや適切でない表現があるかもしれません。どうか宜しくご了解いただきお読みくださいますようお願いいたします。本コンテンツの複写や転用等はお控えください。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。映画会社や配給会社や宣伝担当会社からの情報提供はこちらをお読みください。
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　映画『やさしくキスをして』の舞台はスコットランドのグラスゴー Glasgow, Scotland, UK 。あるカトリックの高校のキャンパスで若いパキスタン人の女子学生タハラ・カーン（Shabana Bakhsh）が人種に関する悪口に対して激しい主張のスピーチをして乱闘を始めている。そこに、兄でこの映画の主役のカシム・カーン（アタ・ヤクブ）が、殴り合いの群衆の中から妹を救い出しにやって来た。二人はその高校の中のある教室に避難する。そこで出会ったのが、妹の高校で音楽のパートタイム教師をしているロイシーン・ハンロン（エヴァ・バーシッスル）という女性教師。ロイシーンはブロンドの髪で綺麗でセクシーなアイルランド Ireland 出身の女性。

　そのとき親切に対応してくれたので、後日、カシムはロイシーンにお礼を言いに行った。そしてカシムとロイシーンは直ぐに熱い恋に落ちる。ロイシーンはカシムがこれまでに会った女性達とは違っていた。美人だし、知的だし、意志が強く、しっかりした信念の持ち主なのだ。ロイシーンはアイルランド人だからカトリック教徒だったのだけど、教会の教義というしがらみはもう何年も前に捨てた。もっとも、現在教えている学校はカトリックの高校なのだけど。ロイシーンは離婚経験があって今は独身。でも、カトリック教徒の社会では異教徒との再婚は祝福されない。二人の恋は傍目から観ても難しいものだった。

　殊に、カシムはパキスタン人でイスラム教徒なのだから。カシムは英国生まれのパキスタン人で、イスラム教のしつけを受けて育った。ＤＪになってクラブを開くことを夢見ている青年である。でも、厳格な父親タリク（Ahmad Riaz）と母サディア（Shamshad Akhtar）は、もう数年前からカシムに婚約者を定めてしまっている。故国パキスタン Pakistan に住む、カシムの従妹にあたる美しい女性ジャスミンとだ。親が決めてしまった許嫁（いいなずけ）は間もなく英国に到着する予定である。それに、父親は、新婚の息子夫婦の為に増築さえ準備しているのだ。

　こういう状況で、アイルランド人の白人女性との結婚を両親は許す筈はないとカシムは十分に分かっている。しかし、カシムとロイシーンは結ばれてから、絶対一緒に暮らしたいと思い、カシムは両親の家から出て行ってロイシーンの部屋で同棲するようになる。息子の行動に心を取り乱し怒った両親は、長女リュクサナ（Ghizala Avan）の結婚を許さないという報復に出た。更に、末娘タハラは奨学金を約束されており、エジンバラ大学 Edinburgh University に進学してジャーナリズムの勉強をする決意だったのを、両親は拒否した。親としたら、グラスゴーに残って進学し医者になってほしかったからだ。

　親の仕打ちに対し、末娘タハラはこう質問する。お父さん達は、どうしてイギリスに移民したの？故国でよりも多い機会を享受するためじゃないの？けれども父は娘のそういう雄弁な質問には答えられなかった。

　カシムとロイシーンのカップルは、ある日、海辺のリゾートへ休暇で赴いた。そして愛し合った後、カシムは二週間後に結婚することになっているのだとロイシーンに打ち明ける。当然ロイシーンは気が狂わんばかりに立腹したので、カシムは今のように二人でいられるようにどうにかして解決してみせると約束した。それから間もなく、カシムの姉（か妹）のリュクサナ（上述の、結婚を親が許してくれなくなった長女）がロイシーンの前に現れ、カシムと別れるようにそそのかす。そうすればカーン一家は前のように、父親の敷いた伝統的な路線を維持できて万事うまく収まるからと。カーン一家の‘長’、父親タリクは英国に移住して四十年ほどになり、食料品店を経営してそれなりに成功しているのだ。

　そんな時、ロイシーンは高校の校長に感銘を与えて、臨時雇い扱いから常勤の教師としての地位をもらえそうになる。それは教区の聖職者（ジェラール・ケリー）の承認次第だという。すると聖職者は、ロイシーンが夫以外の男性と同棲して肉体関係を持っているという理由で認めなかった。更に悪いことには、ロイシーンを特定宗派に属さない学校に任命するように校長に指図までしたのだ。

　こうして慣習と偏見はカシムとロイシーンという恋人達に意地悪する。最後には、全ての問題が解決するというわけではなくて不幸な結果に終わる人物もいるけれど、主人公達はハッピーエンドになる。移住してきて、新しい国の自由を採り、親の古い風習や考え方を拒絶する二世達。これが『やさしくキスをして』のテーマの一つである。恋愛か、親の決めた許婚に従うか。自分の心に忠実に進めば、家風や伝統を固持しようとする親の歓心もその民族の地域社会での名誉も損なう。こういうことを考えさせる作品である。多民族・多文化の社会で起こりうるこういう出来事だけど、二人は幸せになるという結末から見ると、『やさしくキスをして』は、悲観よりも希望のほうに矛先を向けている‘明るい未来’の映画だろう。

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■映画『やさしくキスをして　(2004) AE FOND KISS... / JUST A KISS 』の受賞

◎『やさしくキスをして』はセザール賞 2004 Cesar Awards (Les César du Cinéma) , France でケン・ローチがＥＵ（欧州連合）作品賞 Best European Union Film (Meilleur film de l'Union Européenne)を獲得した。

◎『やさしくキスをして』はベルリン国際映画祭 2004 Berlin International Film Festival でケン・ローチが Prize of the Ecumenical Jury Competition と Prize of the Guild of German Art House Cinemas の二冠に輝いた。

◎『やさしくキスをして』はロンドン映画批評家協会賞 2005 London Critics Circle Film Awards で、エヴァ・バーシッスルが主演女優賞 ALFS Award British Actress of the Year を獲得した。これは、
『エターナル・サンシャイン　(2004) ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND 』のケイト・ウィンスレット Kate Winslet と同点受賞。

◎『やさしくキスをして』はアイルランドのアカデミー賞に当たるＩＦＴＡ賞 2004 IFTA Awards でも、エヴァ・バーシッスルが主演女優賞 IFTA Award Best Actress に輝いた。

◎『やさしくキスをして』はスペインのバリャドリッド国際映画祭 2004 Valladolid International Film Festival で、ケン・ローチが観客賞を獲得した。

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■映画『やさしくキスをして　(2004) AE FOND KISS... / JUST A KISS 』のトリビア

【やさしくキスをしてのトリビア　その１】　　『やさしくキスをして』の原題「 AE FOND KISS... 」は、スコットランドの１８世紀の詩人ロバート・バーンズ Robert Burns 作の"♪Ae Fond Kiss"という歌の題から来ている。「イ・フォンド・キス」と発音し、英国人には馴染みの曲らしい。ロバート・バーンズは、「♪蛍の光」のオリジナル"♪Auld Lang Syne（オールド・ラング・ジン）"の作詞もしているスコットランドを代表する詩人。

【やさしくキスをしてのトリビア　その２】　　『やさしくキスをして』の海外のタイトルは色々ある：
「 AE FOND KISS... 」は原題で、上記スコットランドの言葉。
「 UN BACIO APPASSIONATO 」 (Italy イタリア題)　（= A Passionate Kiss）
「 UN BESO CARINOSO 」 (Spain スペイン題)　（= An Affectionate Kiss）
「 JUST A KISS 」 (Europe: English title　英語題)

【やさしくキスをしてのトリビア　その３】　　『やさしくキスをして　(2004) AE FOND KISS... / JUST A KISS 』の英語題が同じ映画『はじまりはキッスから　(2002) JUST A KISS 』というのがある。こっちの方はアメリカ映画で、マーリー・シェルトン Marley Shelton （
『シン・シティ　(2005) SIN CITY 』
『アップタウン・ガールズ　(2003) UPTOWN GIRLS 』
『２５年目のキス　(1999) NEVER BEEN KISSED 』）が主演のロマコメ。

【やさしくキスをしてのトリビア　その４】　　『やさしくキスをして』のロケ地は：
スコットランドのグラスゴー Glasgow, Scotland, UK
『ダニー・ザ・ドッグ　(2005) UNLEASHED / DANNY THE DOG 』
『 Dear フランキー　(2004) DEAR FRANKIE 』
『猟人日記　(2003) YOUNG ADAM 』
『トレインスポッティング　(1996) TRAINSPOTTING 』等も撮影された所。それと、

スペインのアンダルシア地方のマラガ、ネルハである。
Nerja, Málaga, Andalucía, Spain

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【『やさしくキスをして』のスタッフとキャスト】

監督：ケン・ローチ　Ken Loach　(Directed by)
製作：レベッカ・オブライエン　Rebecca O'Brien　(producer)
　　　　ピーター・ギャラガー　Peter Gallagher　(line producer )
製作総指揮：ウルリッヒ・フェルスベルク　Ulrich Felsberg　(executive producer)
　　　　ナイジェル・トーマス　Nigel Thomas　(co-executive producer)
脚本：ポール・ラヴァーティ　Paul Laverty　(Writing credits)
撮影：バリー・アクロイド　Barry Ackroyd　(Cinematography by)
編集：ジョナサン・モリス　Jonathan Morris　(Film Editing by)
配役：カリーン・クロフォード　Kahleen Crawford　(Casting by)
美術：ウルスラ・クリアリー　Ursula Cleary　(Art Department)
　　　　ファーガス・クレッグ　Fergus Clegg　(Art Department)
音楽：ジョージ・フェントン　George Fenton　(Original Music by)

出演：アタ・ヤクブ　Atta Yaqub as Casim Khan
　　　　エヴァ・バーシッスル　Eva Birthistle as Roisin Hanlon
　　　　Shamshad Akhtar as Sadia Khan
　　　　Ahmad Riaz as Tariq Khan
　　　　Shabana Bakhsh as Tahara Khan
　　　　Ghizala Avan as Rukhsana Khan
　　　　Pasha Bocarie as Amar
　　　　ジェラール・ケリー　Gerard Kelly as Parish Priest
　　　　ゲイリー・ルイス　Gary Lewis as Danny

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＜もっと詳しく＞

ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。

　映画『やさしくキスをして　(2004) AE FOND KISS... / JUST A KISS 』の「テキストによる未公開映画の再現」レヴューは、現在まだ書けておりません・・・。

参考資料：「映画の森てんこ森」映画タイトル集
　　　　　　　http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
　　　　　　IMDb
　　　　　　allcinema ONLINE
　　　　　　Nostalgia.com
　　　　　　CinemaClock.com
　　　　　　公式サイト（英語版）
　　　　　　　http://www.aefondkissmovie.co.uk/

■映画『やさしくキスをして』の更新記録
2005/04/07新規：ファイル作成
2005/06/03更新： ◆データ追加
2005/06/13更新： ◆データ追加

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幸田　幸
coda_sati@hotmail.com

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