リトル・ダンサー
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リトル・ダンサー (2000)
BILLY ELLIOT
リトル・ダンサー
リトル・ダンサー

【『 リトル・ダンサー (2000) BILLY ELLIOT 』の解説】
 映画『 リトル・ダンサー (2000) BILLY ELLIOT 』を紹介します。映画『 リトル・ダンサー (2000) BILLY ELLIOT 』は、2001 年 BAFTA(英アカデミー賞)主演男優賞受賞作品!笑って、泣いて、後味爽やかと映画の醍醐味を感じさせてくれる。
 『 リトル・ダンサー 』の時代設定は、1984 年、炭鉱ストに揺れるイギリス。 11 歳のビリー・エリオット(ジェイミー・ベル)は、炭鉱夫の父親(ゲアリー・ルイス)が通わせるボクシング教室で、相部屋練習となったバレエ教室を見て、バレエに夢中になっていく。ビリーの才能を感じたバレエの先生(ジュリー・ウォルターズ:『 ハリー・ポッターと秘密の部屋 (2002) HARRY POTTER AND THE CHAMBER OF SECRETS 』『 ハリー・ポッターと賢者の石 (2001) HARRY POTTER AND THE SORCERER'S STONE / HARRY POTTER AND THE PHILOSOPHER'S STONE 』『 ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (2004) HARRY POTTER AND THE PRISONER OF AZKABAN 』等)が、ロイヤル・バレエ学校のオーディションを勧め、ビリーは家族に隠れて先生と猛特訓を始める…。
 『 リトル・ダンサー 』で主人公ビリーを演じるのは二千人を超えるオーディションで選ばれたジェイミー・ベル。6歳からダンスを始めた彼だが、彼もビリー同様、クラスメイトにはダンスの才能を内緒にしていたらしい。
映画『 リトル・ダンサー (2000) BILLY ELLIOT 』の「テキストによる映画の再現」(あらすじとネタばれ)ご注意:『 リトル・ダンサー (2000) BILLY ELLIOT 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。
『 リトル・ダンサー 』の感想(ネタばれご注意)
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●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
■『 リトル・ダンサー (2000) BILLY ELLIOT 』のデータ
 上映時間:110分
 公開情報:日本ヘラルド映画
 イギリス初公開年月:2000年9月29日
 日本初公開年月:2001年1月27日
 ジャンル:ドラマ
 《米国コピーTagline》Inside every one of us is a special talent waiting to come out. The trick is finding it.
【『 リトル・ダンサー 』のスタッフとキャスト】
監督: スティーヴン・ダルドリー Stephen Daldry
製作: グレッグ・ブレンマン Greg Brenman
    ジョン・フィン John Finn
脚本: リー・ホール Lee Hall
撮影: ブライアン・テュファーノ Brian Tufano
音楽: スティーヴン・ウォーベック Stephen Watrbeck
 
出演: ジェイミー・ベル Jamie Bell ビリー
    ジュリー・ウォルターズ Julie Walters ウィルキンソン先生
    ゲアリー・ルイス Gary Lewis 父
    ジェイミー・ドレイヴン Jamie Draven トニー
    ジーン・ヘイウッド Jean Heywood おばあちゃん
    スチュアート・ウェルズ Stuart Wells マイケル
    アダム・クーパー Adam Cooper ビリー( 25 歳)
<もっと詳しく>

ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 リトル・ダンサー (2000) BILLY ELLIOT 』のストーリー 

【リトル・ダンサー 第01段落】  1984 年、イギリス北東部にあるダーラム炭坑では、激しいストが行われていた。11 歳の少年ビリー・エリオット(ジェイミー・ベル)は、組合運動に参加する炭鉱夫の父ジャッキー(ゲアリー・ルイス:『 ギャング・オブ・ニューヨーク (2001) GANGS OF NEW YORK 』等)と兄トニー(ジェイミー・ドレイヴン)そして、ちょっとボケてきたおばあちゃん(ジーン・ヘイウッド)と一緒に暮らしている。「私はプロのダンサーになれたのよ。」と若い娘のように言うのが、おばあちゃんの口癖だ。去年の暮れに亡くなった母親の死から、家族全員がまだ悲しみから抜け切れていない。

【リトル・ダンサー 第02段落】  ビリーは父親に 50 ペンスをもらって、町のホールで行われているボクシング教室に通っている。彼のグローヴは、祖父から父、父からビリーへと受け継がれてきた年代物だ。今日のボクシング教室は、ストの炊き出しのために、バレエ教室と相部屋だ。ボクシングで居残り練習を言い渡されたビリーが、一人サンドバックを叩いていると、バレエのリズムを取るピアノの音が気にかかる。ホールの鍵をバレエの先生に渡すために、バレエ教室のほうへを近づいてみる。興味を持ったビリーは、バレエ教室に参加。この日以来、父に隠れて、バレエ教室に通うようになる。踊れば踊るほど、バレエの虜になっていくビリー。何度練習してもできなかったピルエットができたときは、本当に嬉しい!街を踊りながら帰っていく。そんな彼にバレエ教室のウィルキンソン先生(ジュリー・ウォルターズ:『 カレンダー・ガールズ (2003) CALENDAR GIRLS 』等)は、素質を感じる。

【リトル・ダンサー 第03段落】  しかし、ボクシング教室の有志の先生である炭鉱夫の同僚から、ビリーがボクシングに通っていないことを聞いた父親が、ホールを見に来る。女の子に混じってバレエを踊るビリーを見た父親は激怒。男はサッカーやボクシングやレスリングをするもんだ。バレエなんかは…。ビリーはホールに通うことを禁じられる。

【リトル・ダンサー 第04段落】  バレエを踊りたい気持ちを押さえられず、どうしていいかわからないビリーは、ウィルキンソン先生の家を訪ねる。先生の家はビリーの家とは違って、イギリスの中流家庭だが、炭鉱会社に勤める夫は自宅待機を言い渡され、腑抜けになっている。そんな両親を冷静に見ている娘のデビーは、父と母が別々に寝ていて、欲求不満のため母がバレエ教室をしていると淡々とビリーに語る。しかし、やっぱり心にトラウマがあるというか、イギリス的というか、ちょっと変わった女の子のデビー。ビリーのことが好きみたい。

【リトル・ダンサー 第05段落】  車でビリーを送るウィルキンソン先生は、ニューカッスルで行われるロイヤル・バレエ学校のオーディションを受けてみたらとビリーに言う。ビリーには素質があると言う彼女は、ビリーの父親には内緒で、無償でバレエのレッスンをすることを提案。ビリーはその提案を受ける。

【リトル・ダンサー 第06段落】  ロイヤル・バレエ学校のことを伝えに、近所に住む友達のマイケルの家を訪ねたビリーは、マイケルがお姉さんのワンピースを着て戸口に出てきたのに驚く。自分の父親もしていると、鏡を見ながら口紅を塗るマイケル。ビリーにも塗ってあげる。ビリーがロイヤル・バレエ学校に合格したらロンドンに行ってしまうことを知って、マイケルは寂しいと言う。彼はビリーが好きなのだ。

【リトル・ダンサー 第07段落】  ウィルキンソン先生との練習の日々が始まる。練習の初日、彼女はビリーに自分の大切なものを持って来させる。サッカーチームのユニフォーム、亡くなった母から 18 歳のビリーに宛てた手紙、トニーの「ブギを踊ろう( I Love to Boogie )」のカセットテープがビリーの宝物だ。ウィルキンソン先生が、母親からの手紙を声に出して読むと、一緒に諳んじて読むビリー。「素晴らしい方だったのね。」と言うウィルキンソン先生に、ビリーは、「普通の母親だよ。」と答える。(泣)

【リトル・ダンサー 第08段落】  行き詰まるストが苛立たしいトニーは、朝の四時に道具箱から金槌を取り出して家を出て行こうとする。息子が警察に捕まることを心配する父親は、トニーを止めようとする。「母さんが死ぬまでは、そんなんじゃなかった。」と、ストに昔ほど燃えていない父を責めるトニーの言葉にキレた父は、彼を殴るが、トニーは出て行ってしまう。一部始終を見ていたビリーを怒鳴る父親。

【リトル・ダンサー 第09段落】
 次の日、ビリーはレッスンに集中できない。ウィルキンソン先生に「ボクシング・ホールのバレエの先生なんて、負け犬の人生だ」と当たる。傷つく先生を見たビリーは、すまなそうに頭を彼女に付ける。

【リトル・ダンサー 第10段落】  トニーがとうとう警察に捕まってしまった。それも、ビリーのオーディションの前日に。次の日は父と一緒に警察にトニーを迎えに行かなければならない。ビリーは、ウィルキンソン先生の家にオーディションには行けないと電話をかけるが、出たのはデビー。彼女はこのことを母親に告げなかったのか、翌日ウィルキンソン先生はホールで来るはずのないビリーを待つ。そして、ビリーが来ないため、彼の家を訪ねる。ちょうど警察から戻ってきたビリー達と家の前で鉢合わせる。ビリーの家のダイニングルームで、ロイヤル・バレエ学校のオーディションのことを話すウィルキンソン先生だったが、警察から戻ったばかりのトニーは、バレエを教える資格を持っているわけではない中流家庭のオバさんの言葉に苛立ち、口論になる。自分の家族とウィルキンソン先生との対立に無力なビリーは、怒りをダンスにぶつけ、町中を踊りまわる。

【リトル・ダンサー 第11段落】  もう、クリスマス。ビリーの母親が大切にしていたピアノを解体し、暖炉の薪にする。飾り付けられた部屋の中、家族で暖炉を囲むが、悲しみのあまり父親は泣く。

【リトル・ダンサー 第12段落】  ビリーは親友のマイケルとホールに忍び込み、ビリーはマイケルにダンスを教える。そこへ偶然通りがかった父親が入ってきた。ビリーは怒りをぶつけるかのように力いっぱい踊ってみせる。その姿を見て初めて息子の夢と才能を知った父親は、ウィルキンソン先生の家へ行き、ロイヤル・バレエ学校の学費について尋ねる。情けでビリーを助けているのではないと言う彼女に、父親は「あの子への助けは感謝するが、オレの息子だ。オレが決める。」と言う。父親はロイヤル・バレエ学校の学費のためにスト破りをすることを決意する。

【リトル・ダンサー 第13段落】  スト破りした者が乗るバスに、ストを続ける炭鉱夫たちは罵声を浴びせかける。バスの中に父親の姿を見たトニーは驚いてバスの後を追う。怒るトニーに父は「俺達に未来が?おしまいだ。だが、ビリーには未来がある。」と言い、二人で抱き合い泣き崩れる。「金なら他に方法がある。」と、トニーは父親を連れて行く。(号泣)

【リトル・ダンサー 第14段落】  ビリーのロイヤル・バレエ学校受験の事を知った町の人たちから寄付が集まり、父親は亡き妻の形見の貴金属を質屋に入れる。

【リトル・ダンサー 第15段落】  ビリーは父親と一緒にロンドンにあるロイヤル・バレエ学校のオーディションにやって来た。まずは、健康診断。そして実技面接。緊張のあまり、ビリーはなかなかうまく振舞えない。ダンスも自分が納得するようには踊れなかった。その上、控え室でしつこく話し掛けてきた受験生を殴ってしまう。父親と一緒の面接でも、ビリーは気のない返事ばかり。父親の返答も普通だ。しかし、最後に面接官から「踊っている時はどんな気持ち?」と質問され、ビリーはダンスへの思いのたけを自分の言葉で話す。「さぁ、いい気分です。…何もかも忘れて全てが消えます。自分が変わって、身体の中に炎が…電気のように。」と。 ・・・

◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【リトル・ダンサー 第16段落】  結果が届くまで、ビリー達家族は気が気でない。郵便がきたとおばあちゃんが大声で伝える。ビリーが学校から帰ってくるまで、封書は開けずに食卓の上に置かれている。その周りには心配そうな家族の顔。ビリーが帰ってきた。ビリーは不安げな面持ちで、おばあちゃんの部屋に入って、封筒を開ける。なかなかビリーが部屋から出てこないので、思わず扉を開ける家族。ビリーは合格だ!父が町を嬉しそうに走り、町の公民館?にビリーの合格を伝えに行くと、中では男たちが暗い顔。組合が譲歩してストが終わったのだ。職場復帰だ。

【リトル・ダンサー 第17段落】  ビリーがロンドンに旅立つ日、ビリーはホールでバレエを教えているウィルキンソン先生にお礼を言いに行く。途中で蚊帳の外になってしまったウィルキンソン先生は、何だか遣り切れない感じだ。

【リトル・ダンサー 第18段落】  数年後、ロンドンにやって来た父親とトニー。二人はビリーの初舞台(もしくは初主演舞台かな?)を見にやって来たのだ。トニーの隣には、女装した男が黒人の男の恋人と一緒に座っている。マイケルだ。「お前も?」と変わってしまったかつての少年に驚くトニーに、「これを見逃せるか」と言うマイケル。舞台を見つめるみんなの顔は感激に輝く。舞台に飛び出した成長したビリー(アダム・クーパー)の姿を見て。

■映画『 リトル・ダンサー (2000) BILLY ELLIOT 』の感想
 ジェイミー・ベルがとても可愛かった。怒りや悔しさや喜びをダンスで表現する素晴らしい彼の演技は、カンヌ映画祭でも絶賛。そんな新しいスターの脇を固めるのが、大英帝国四等勲章受賞の名女優ジュリー・ウォルターズ(ウィルキンソン先生)と、舞台でも活躍目覚しいゲアリー・ルイス(父親)だ。バックに流れるT・レックスやザ・クラッシュの「 London Calling 」といったブリティッシュ・ロックも当時を反映していて感じいい。

 なんだかウィルキンソン先生がかわいそうな気がした。自分のためだったかもしれないけれど、ビリーのために無償でレッスンしたのに、ちょっとラストが不憫。階級社会のイギリスでは、階級間の断絶が思うより激しいのかもしれない。そしてまたイギリスらしいのは、なんとなく同性愛チックなところだ。そうな人にもそうでない人にも受け入れられる作品作りが、ヒットの原因かな。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず4370文字/文責:幸田幸

参考資料:「リトル・ダンサー」日本語版・英語版オフィシャルサイト
       IMDb
       allcinema ONLINE
       Nostalgia.com
       CinemaClock.com
       
(■解説とネタばれ:2003/05/12 ◆俳優についてリンク更新:2003/01/15)
■テキストとリンク一部およびファイル書式更新:2004/07/07
coda_sati@hotmail.com
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