ライフ・イズ・ビューティフル
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映画の森てんこ森■映画レヴュー
ライフ・イズ・ビューティフル (1998)
LIFE IS BEAUTIFUL(英語) / LA VITA E BELLA(伊語)
ライフ・イズ・ビューティフル
ライフ・イズ・ビューティフル
【『 ライフ・イズ・ビューティフル 』の解説】
 映画『 ライフ・イズ・ビューティフル (1998) LA VITA E BELLA / LIFE IS BEAUTIFUL 』を紹介します。映画『 ライフ・イズ・ビューティフル (1998) LA VITA E BELLA / LIFE IS BEAUTIFUL 』のロベルト・ベニーニ(『 ピノッキオ (2002) PINOCCHIO 』等)は「 90 年代のイタリアのチャップリン」と呼ばれている。 1998 年、父の強制労働収容所での体験を基にこの映画『 ライフ・イズ・ビューティフル 』を監督・脚本・主演し、アカデミー主演男優賞を受賞。授賞式では母国の大女優のソフィア・ローレンに名前を呼ばれて有頂天だったとか。またカンヌ国際映画祭でも審査員グランプリを獲得。『 ライフ・イズ・ビューティフル 』共演の美しいニコレッタ・ブラスキは、実生活でも、この映画でもベニーニの妻だって!タイトルの意味は英題「ライフ・イズ・ビューティフル」もイタリア語題「ラ・ヴィータ・エ・ベッラ」も「人生は美しきかな」。
 『 ライフ・イズ・ビューティフル 』では、親子三人で幸福に暮らしていたユダヤ系イタリア人の一家が、ナチの強制収容所に入れられてしまう。父親は幼い子供を精一杯気遣い、天才的演技で、収容所生活をユーモラスで楽観的に子供が暮らせるように計らう。収容所内での隔離された夫婦愛も『 ライフ・イズ・ビューティフル 』の見所。その父の思い出を息子が成長して語るという設定をしている。『 ライフ・イズ・ビューティフル 』はまさに感動作でありながら、肩は凝らない。観た後、温かさが残る、しかも哀しい名作である。イタリア語のセリフが生き生き弾んでいる。
映画『 ライフ・イズ・ビューティフル (1998) LA VITA E BELLA / LIFE IS BEAUTIFUL 』の「テキストによる映画の再現」(あらすじとネタばれ)ご注意:『 ライフ・イズ・ビューティフル (1998) LA VITA E BELLA / LIFE IS BEAUTIFUL 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。
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■「映画の森てんこ森」内にあるイタリア映画
ラ・マスケラ (1988) LA MASCHERA
踊れトスカーナ! (1996) IL CICLONE (原題) / THE CYCLONE (英題)
星降る夜のリストランテ (1998) LA CENA
海の上のピアニスト (1999) THE LEGEND OF 1900
マレーナ (2000) MALENA
ペッピーノの百歩 (2000) I CENTO PASSI (原題) / THE HUNDRED STEPS (英題)
息子の部屋 (2001) LA STANZA DEL FIGLIO (伊題) / THE SON'S ROOM (英題)
フェリーニ 大いなる嘘つき (2001) FELLINI: SONO UN GRAN BUGIARDO (伊題) / JE SUIS UN GRAN MENTEUR (仏題) / I'M A BORN LIAR (英題)
これ以上の幸せはない (2002) LA FELICITA NON COSTA NIENTE (原題) / HAPPINESS COSTS NOTHING (英題)
ピノッキオ (2002) PINOCCHIO
ぼくは怖くない (2003) IO NON HO PAURA (原題) / I'M NOT SCARED (英題)
(2004/07/07現在)
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
■『 ライフ・イズ・ビューティフル LA VITA E BELLA / LIFE IS BEAUTIFUL 』のデータ
 上映時間 117分
 製作国 イタリア
 公開情報 松竹富士=アスミック・エース
 初公開年月 1999/04
 ジャンル ドラマ
 《公開時コピー》人生は、たからもの。
 《米国コピーTagline》An unforgettable fable that proves love, family and imagination conquer all.
【『 ライフ・イズ・ビューティフル 』のスタッフとキャスト】
監督: ロベルト・ベニーニ Roberto Benigni
製作: エルダ・フェッリ Elda Ferri
    ジャンルイジ・ブラスキ Gianluigi Braschi
脚本: ヴィンセンツォ・セラミ Vincenzo Cerami
    ロベルト・ベニーニ Roberto Benigni
撮影: トニーノ・デリ・コリ Tonino Delli Colli
美術: ダニーロ・ドナーティ Danilo Donati
衣裳: ダニーロ・ドナーティ Danilo Donati
音楽: ニコラ・ピオヴァーニ Nicola Piovani
 
出演: ロベルト・ベニーニ Roberto Benigni グイド
    ニコレッタ・ブラスキ Nicoletta Braschi ドーラ
    ジョルジオ・カンタリーニ Giorgio Cantarini ジョズエ
    ジュスティーノ・デュラーノ Gustano Durano ジオ叔父さん
    セルジオ・ブストリック Sergio Bustric フェルッチョ
    マリサ・パレデス Marisa Paredes ドーラの母
    ホルスト・ブッフホルツ Horst Buchholz レッシング医師
<もっと詳しく>
ネタばれ御注意!
 このレヴューは「テキストによる映画の再現」を目指して作文しています。よって、ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
■『 ライフ・イズ・ビューティフル LA VITA E BELLA / LIFE IS BEAUTIFUL 』のレヴュー

【ライフ・イズ・ビューティフル 第01段落】  第二次世界大戦直前の 1939 年、イタリア・トスカーナ地方の小さな町アレッツォ。ユダヤ系イタリア人のグイド(ロベルト・ベニーニ:『 ライフ・イズ・ビューティフル (1998) LA VITA E BELLA / LIFE IS BEAUTIFUL 』『 フェリーニ〜大いなる嘘つき〜 (2001) FELLINI: SONO UN GRAN BUGIARDO (伊題) / JE SUIS UN GRAN MENTEUR (仏題) / I'M A BORN LIAR (英題) 』『 ピノッキオ (2002) PINOCCHIO 』等)は、本屋を開くために、詩人の友人フェルッチョ(セルジョ・ブストリック)と連れ立って、叔父の住むこの町にやって来た。着いてすぐに美しい女性と滑稽な出会い方をして、一目惚れする。何しろ狭い町なので、偶然が重なり、何度も出会っては胸をときめかせる。そのうちに彼女がドーラ(ニコレッタ・ブラスキ:『 ライフ・イズ・ビューティフル (1998) LA VITA E BELLA / LIFE IS BEAUTIFUL 』『 ピノッキオ (2002) PINOCCHIO 』等)という小学校の教師だとわかる。

【ライフ・イズ・ビューティフル 第02段落】  グイドは初め本屋を開こうとするが、役人を怒らせてしまって断念し、叔父のジオ(ジュスティーノ・デュラーノ)が勤務するホテルのレストランのウェイターに落ち着く。グイドは、天性のユーモアが備わり機転が利くので、客たちに喜ばれる。特にドイツ人医師のレッシング(ホルスト・ブッフホルツ)は、なぞなぞ遊びの相手をさせてはグイドの機知に富んだ答えを気に入る。(これが伏線となって、後に助けられる。いい事しておけば自分に戻ってくるんだ。)

【ライフ・イズ・ビューティフル 第03段落】  一目惚れのドーラには婚約者がいるらしい。でも、何とかして彼女をほしい。そんなグイドはあきらめずに、彼女をいろいろ笑わせ、その純粋さが遂に彼女の心を射止めた。ホテルでドーラの婚約パーティが開かれた日、グイドは叔父の白馬を借りて、婚約パーティ会場へ冗談のようにして白馬にまたがって入場し(室内です!)、気持ちの通じたドーラを「かっさらって」、二人はめでたく結ばれた。

【ライフ・イズ・ビューティフル 第04段落】  数年がたった。二人にはジョズエ(ジョルジオ・カンタリーニ、天真爛漫で愛くるしい子役:『 ライフ・イズ・ビューティフル (1998) LA VITA E BELLA / LIFE IS BEAUTIFUL 』『 グラディエーター (2000) GLADIATOR 』等)という息子が生まれていて本屋も小さいながら成功し、幸福に暮らしていた。しかし、戦争の色が濃くなり、人種法が成立し、ユダヤ人の弾圧が忍び寄っていた。グイドの店頭にも「ユダヤ人!」と大きく落書きされるが、グイドはそれでも悲痛な顔せず、息子たちに陽気に振舞い続けた。

【ライフ・イズ・ビューティフル 第05段落】  だが、ジョズエの5歳の誕生日、遂に、ナチス・ドイツが強制収容所に連行しにやってくる。ユダヤ人のグイドと叔父と息子は強制収容所行きの列車に乗せられる。すぐ帰ってくるから…と妻のドーラに言って、グイドたちは連行されていった。ドーラはユダヤ人でないので連行されないが、愛する夫と息子が連れ去られるのに自分だけ残ってもしようがない、覚悟を決めて自分もすぐに後を追って列車に飛び乗る。

【ライフ・イズ・ビューティフル 第06段落】  絶望と死を目の前にしながら、グイドは幼い息子を守るため、そして恐怖を味あわせないように、懸命の楽しい「嘘」を思いつく。先ず、「これは旅行なのだ」と言う。「立って乗るのもいいだろう」とか。そしてナチスの強制収容所に到着して、部屋割りがなされ、叔父は老人ばかりのグループに行かされる。年老いているので労働も出来ないから、即、ガス室に送られる様子。お別れである。それに、妻のドーラは列車も別の両だったので、どこにいるかわからない。

【ライフ・イズ・ビューティフル 第07段落】  グイドと息子ジョズエの入れられた収容所は一部屋 20 人ばかり、そこにナチスの軍人が収容所規則を読み上げに入ってくる。「ドイツ語の通訳できる者」と呼ばれて、グイドはすぐに名乗り出て、無茶苦茶な通訳をする。それは息子を怖がらせないためのグイドの出来る限りの演技だったのだ。

【ライフ・イズ・ビューティフル 第08段落】  「これはゲームなんだ。」「軍服を着た悪者に見つからないようにかくれんぼをするんだ。最後まで見つからなければ、ご褒美に本物の戦車がもらえるんだ。」「泣いたり、ママに会いたがったりしたら減点。いい子にしていれば点数がもらえて、 1000 点たまったら勝ち。勝ったら、本物の戦車に乗っておうちに帰れるんだ。」とジョズエに言って納得させる。

【ライフ・イズ・ビューティフル 第09段落】  ジョズエはそれを本気にして、ゲームを楽しむ。毎日、父が昼間、肉体労働に駆り出されている間、独り部屋に残ったジョズエは、二段ベッドの上や下に隠れては「今日も見つからなかったよ」と父に報告する。父は疲れて戻ってもそんな顔は見せず、陽気に受け応えして、自分の昼食を残して持って帰ってくるのだ。

【ライフ・イズ・ビューティフル 第10段落】  また、愛する妻も同じ収容所の敷地内にいるのを知って、放送室に忍び込み、妻の好きな音楽と、愛しているよと言うメッセージを大きな音響で流す。離れた別室にいるドーラは、それを聞いて夫の温かい愛情を心に抱きしめ、勇気を持つ。

【ライフ・イズ・ビューティフル 第11段落】  そうやって毎日が死に向かって過ぎて行くが、ジョズエは相変わらず毎日が「かくれんぼ」のゲームだった。今日は何点たまったよ、といじらしく父に報告しては褒められた。しかし、子供たちがガス室送りになる日がやってきた。グイドは必死の機転を利かして、部屋の外で「かくれんぼ」をさせ、ドイツ人の子供たちに紛らわして遊ばせ、ナチスの子供たちの食事部屋に送り込むことに成功する。ジョズエはイタリア語を口に出しそうになって、観る者をハラハラさせる。そこでグイドもヒヤっとさせられるが、アレッツォの町のホテル・レストランでなぞなぞ遊びの相手をしたドイツ人医師のレッシングが偶然居合わせて、窮状を救われる。ジョズエは幸せそうに、美味しいものを山ほどお腹に入れられた。

【ライフ・イズ・ビューティフル 第12段落】  今度は女性たちのガス室送りの日になった。美しかった女性たちが痩せこけて、化粧も無く、服もすべて脱がされてガス室に送られるのは、本当に残酷だ。グイドはスカートを身につけて女装し、女たちが乗せられるトラック群に「ドーラ、ドーラはいないか?」と叫んで捜し回る。しかし、見つからず、女装がばれてナチス兵に見つかり、建物の陰に連行される。それを「かくれんぼ」中のジョズエが、隠れているゴミ箱の隙間から見ている。今回は、父は「誰もいなくなるまで絶対にこのゴミ箱から出てはいけない」と息子に今まで以上にきつく言い聞かせていたのだ。・・・

◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【ライフ・イズ・ビューティフル 第13段落】  グイドは息子に見られているのを知っているから、こんな連行の時までも、ピエロのような歩き方をして、覗いているジョズエにウィンクする。最期の最期まで、子供思いの、ユーモアたっぷりの父親であった・・・。壁の後ろで銃声がする・・・。

【ライフ・イズ・ビューティフル 第14段落】  ジョズエは父親の言いつけを守り、人の気配がなくなるまでずっと箱の中にこもっていた。すると、暫くしてナチスは慌てて収容所から退去していった。イタリアが解放されたのだ。ドイツ兵の誰もいなくなった収容所の大通りに、アメリカ軍の戦車が堂々と近づいてくるではないか!「最後まで見つからなければ、ご褒美に本物の戦車がもらえるんだ。」まさに、その通りだった。ジョズエは箱から出て行って、陽気なアメリカ兵(アーロン・クレイグ)に声をかけられ、戦車に乗せてもらう。「いい子にしていれば点数がもらえて、 1000 点たまったら勝ち。勝ったら、本物の戦車に乗っておうちに帰れるんだ、とパパが言ったとおりだね。」と無邪気にはしゃぐジョズエ。

【ライフ・イズ・ビューティフル 第15段落】  故郷に向けて、強制収容所に入れられていたイタリア人たちが、はるかに続く道を、とぼとぼ、しかし、喜びに満ちてゆっくり歩みを進ませている。戦車に乗ったジョズエは、車の上から母の姿を捜す。すると、無事に生きていた母ドーラの姿があった。戦車から降ろしてもらって、二人は固く抱き合う。

【ライフ・イズ・ビューティフル 第16段落】  ここでナレーション。「こうして僕は、父が体を張って守ってくれたお蔭で、今、生きているのです。」(・・・これを聞いて、アレッ、あの時グイドは殺されていたんだ、と初めて気がつく私でした。がっかりもした私でした。そう思ったのは私だけではないようですよ。だって、あまりにもロベルト・ベニーニのグイドは、映画でも、ジョズエにも、悲壮感なく演じていたので、あの時、うまいこと、殺されずにすんだのでは、と無意識に期待していたからです。)

【ライフ・イズ・ビューティフル 第17段落】  当時イタリアにはユダヤ人が4万5千人いて、そのうち8千人がナチスの強制収容所に送られました。生還したのはそのうち、ごく僅かでした。

●「映画の森てんこ森」内にあるユダヤがキーワードになっている映画。
戦場のピアニスト (2002) THE PIANIST
ライフ・イズ・ビューティフル (1998) LA VITA E BELLA / LIFE IS BEAUTIFUL
炎のランナー (1981) CHARIOTS OF FIRE
マトリックス (1999) THE MATRIX
マトリックス リローデッド (2003) THE MATRIX RELOADED
レオポルド・ブルーム (原題) (2002) LEOPOLD BLOOM / LEO (別題)
Kissingジェシカ (2001) KISSING JESSICA STEIN
ムーンライト・マイル (2002) MOONLIGHT MILE
(03/10/05現在)

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず4298文字/文責:幸田幸
(■解説とネタばれ:2002/08/24アップ ◆俳優についてリンク更新:2003/10/05)
■テキストとリンク一部およびファイル書式更新:2004/07/07
coda_sati@hotmail.com
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