「
おでん」
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おでん(御田)は、
日本料理のうち、
煮物料理の一種。家庭料理では
鍋料理にも分類される。
出汁を
醤油等で味付けしたつゆに、
大根、
竹輪、
コンニャク、
ゆで卵など様々な具材を入れて煮込んだ
料理である。具材の種類は地域や家庭によって異なる。
また、2月22日は
日本記念日協会に認定されたおでんの日である(2007年から)。
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◇「おでん」:おでんの名称
室町時代に出現した
味噌田楽、
田楽と言われる食物が原型である。古く田楽と呼ばれた料理には、具を串刺しにして焼いた「焼き田楽」のほか、具を茹でた煮込み田楽があった。のち、煮込み田楽が
女房言葉で田楽の「でん」に接頭語「お」を付けた「おでん」と呼ばれるようになり、単に田楽といえば焼き田楽をさすようになった。
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◇「おでん」:おでんの歴史
江戸時代に
濃口醤油が発明され、江戸では醤油味の濃い出汁で煮た「おでん」が作られるようになり、それが関西に伝わり「関東炊き」、「
関東煮(「
かんとだき」と発音される)」と呼ばれるようになった
[1]。関西では昆布や鯨、牛すじなどで出汁をとったり、薄口醤油を用いたりと独自に変化していった。
その後関東のおでんは廃れていくが、
関東大震災(
1923年)の時、関西から救援に来た人たちの炊き出しで「関東煮」が振る舞われたことから
東京でもおでんが復活することになる。しかし本来の江戸の味は既に失われていたために、味付けは関西風のものが主流となった。現在東京で老舗とされる店の多くが薄味であるのはこのような理由によるものである。もともとの「関東炊き」(濃い醤油味)は、老舗の味として関西で残っていることもあるし、東京でも一度は消えたが江戸の味はこうだったらしい、ということで作っている店はある。
通常のおでんとは異なった種類のおでんとして、
コンニャクのみを具とする「こんにゃくおでん」(「味噌おでん」とも呼ばれる)がある。だし汁ではなく湯で煮込んで熱くしたコンニャクに甘い味噌ダレを付けて食べる淡白な食品で、古い時代の煮込み田楽の遺風を残している。
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