キッチン・ストーリーズ
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キッチン・ストーリーズ (2003)
Salmer Fra Kjokkenet (原題) / KITCHEN STORIES (英題)
 映画『 キッチン・ストーリーズ (2003) SALMER FRA KJOKKENET (原題) / KITCHEN STORIES (英題) 』を紹介します。

 映画『 キッチン・ストーリーズ (2003)  KITCHEN STORIES 』を以下に目次的に紹介する。
■映画『 キッチン・ストーリーズ (2003)  KITCHEN STORIES 』のポスター、予告編および映画データ
■映画『 キッチン・ストーリーズ (2003)  KITCHEN STORIES 』の解説
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 キッチン・ストーリーズ (2003)  KITCHEN STORIES 』の主なスタッフ
■映画『 キッチン・ストーリーズ (2003)  KITCHEN STORIES 』の配給会社
■映画『 キッチン・ストーリーズ (2003)  KITCHEN STORIES 』のあらすじ
■映画『 キッチン・ストーリーズ (2003)  KITCHEN STORIES 』の受賞
■映画『 キッチン・ストーリーズ (2003)  KITCHEN STORIES 』のトリビア
■映画『 キッチン・ストーリーズ (2003)  KITCHEN STORIES 』のスタッフとキャスト
■映画『 キッチン・ストーリーズ (2003)  KITCHEN STORIES 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 キッチン・ストーリーズ 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタばれ)です。※ご注意:映画『 キッチン・ストーリーズ (2003)  KITCHEN STORIES 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 キッチン・ストーリーズ (2003)  KITCHEN STORIES 』の更新記録

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幸の観たい度: 8つ星 
■映画『 キッチン・ストーリーズ (2003) SALMER FRA KJOKKENET / KITCHEN STORIES 』のポスター、予告編および映画データ
キッチン・ストーリーズ
キッチン・ストーリーズ
Links:  Official Web Site
Trailers: Quick Time
上映時間 Runtime: 1:35
製作国 Country: ノルウェー/スウェーデン
Norway / Sweden
製作会社
Production Company:
BOB Film Sweden AB [se]
Bulbul Films
Svenska Filminstitutet (SFI) [se]
全米配給会社 Distributer: IFC Films [us]
全米初公開 Release Date: 2004/02/20 (limited)
日本初公開 R. D. in Japan: 2004/05/22
日本公開情報 : エスピーオー
ジャンル Genre: コメディ/ドラマ
Comedy / Drama
MPAA Rating 指定: Unrated(但し an easy PG-13 or maybe an R の予想情報あり).
日本語公式サイト
http://www.kitchenstory.jp/
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 キッチン・ストーリーズ (2003)  KITCHEN STORIES 』の解説

 映画『 キッチン・ストーリーズ (2003) SALMER FRA KJOKKENET (原題) / KITCHEN STORIES (英題) 』は非常に珍しいプロットのヒューマンな北欧の作品。『 キッチン・ストーリーズ 』は 2004年アカデミー賞 Academy Awards を目指して製作されたそうだ。実際、下記の 2003 年の諸々の国際映画祭において『 キッチン・ストーリーズ 』は輝かしい成績を収めている。台所の人の動線を調査する係員と被験者が、お互いコミュニケーションはとらないルールだったのが、徐々に心を通わせていく過程を静かに、そして感動的に描く。台所の珍しいお話だから、「キッチン・ストーリーズ」なのだ。

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■映画『 キッチン・ストーリーズ (2003)  KITCHEN STORIES 』の主なスタッフ

 『 キッチン・ストーリーズ 』は北欧のノルウェーとスウェーデンの映画なのでスタッフと俳優は馴染みがないのだけど、『 キッチン・ストーリーズ 』音響のペッター・フラドビーは
ソフィーの世界 (1999) SOFIES VERDEN / SOPHIE'S WORLD
私は「うつ依存症」の女 (2001) PROZAC NATION 』に、そして『 キッチン・ストーリーズ 』出演者の一人ビョルン・フロバーグも
ソフィーの世界 (1999) SOFIES VERDEN / SOPHIE'S WORLD 』に携わっているのはどうにか確認できた。

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■映画『 キッチン・ストーリーズ (2003)  KITCHEN STORIES 』の配給会社

○『 キッチン・ストーリーズ 』の米国配給会社のIFC社 IFC Films は
マイ・ビッグ・ファット・ウェディング (2002) MY BIG FAT GREEK WEDDING
カーサ・エスペランサ 〜赤ちゃんたちの家〜 (2003) CASA DE LOS BABYS 』等を扱っている。

○『 キッチン・ストーリーズ 』の日本の配給会社のエスピーオーはヴィデオでは
ルールズ・オブ・アトラクション (2002) THE RULES OF ATTRACTION 』、映画では
シェイド (2003) SHADE
ドット・ジ・アイ (2003) DOT THE I
バレエ・カンパニー (2003) THE COMPANY
Uボート 最後の決断 (2004) IN ENEMY HANDS / U-BOAT 』等を扱っている模様だ。

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■映画『 キッチン・ストーリーズ (2003)  KITCHEN STORIES 』のあらすじ
※本作『 キッチン・ストーリーズ 』のあらすじは、日本公開前に幸田幸が書いたものです。作成現時点で出来るだけ正確な情報を心掛けていますが、データや内容に誤りや適切でない表現があるかもしれません。どうか宜しくご了解いただきお読みくださいますようお願いいたします。本コンテンツの複写や転用等はお控えください。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。映画会社や配給会社や宣伝担当会社からの情報提供はこちらをお読みください。
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 映画『 キッチン・ストーリーズ 』の舞台は第二次世界大戦終結間もない頃のスウェーデン。この映画『 キッチン・ストーリーズ 』の前半はコメディ要素が大きい。スウェーデンの研究機関‘家庭研究所 Home Research Institute ’は、成程(なるほど)と肯(うなず)けはするけど真面目な顔で発表するとおかしく聞こえる実験と研究をしていた。主婦達の身体ににヘンな装置をくっつけて台所内の動線を数値化して行動パターンを編み出したところ、一般家庭の主婦は食事の用意をする間、ストックホルム Stockholm からコンゴ Congo 間の距離に匹敵する距離を動き回るというデータが出た。

 『 キッチン・ストーリーズ 』では、そこで、家庭研究所は次のターゲットとして独身男性(もしくは寡夫)を設定し、お隣の国ノルウェーの農村地帯に 18 人の観察員を派遣することにした。観察員というか調査員は一人ずつ、お揃いの乗用車に、眠るスペースのあるカブトムシのようなトレーラーを連結して、行列をなしてノルウェーの田舎まで行進する。調査員のうちの一人フォルケ(トーマス・ノールストローム)は、気難しい独り者の老人イザック(ヨアキム・カルメイヤー)の家に派遣される。イザックは部屋を胡椒で一杯にしたり、のこぎりを演奏したりする変人だとか。

 『 キッチン・ストーリーズ 』の調査員は『 キッチン・ストーリーズ 』ポスターでも分かるように、まるでテニスの審判席のような梯子(はしご)の高い椅子に腰掛けて、四六時中、観察対象である独身男性を観察してこまかく記録していくのが仕事だ。勿論、台所でである。これを想像しただけでおかしくなってしまうが、本人も、観察されるほうもいたって真顔である。独り者の男性がどうやって料理するかを観察するのだが、この家のイザック老人はちっとも料理しない。老人家庭の大部分が現代でもそうかもしれない。ネズミ捕りの罠を作るのには熱心だと報告書に書く。また、食べるところを上から見下ろされるのは嫌だから、寝室に籠(こも)って食べたりするし、暗くなるとわざと電灯を消して自分の行動が調査員フォルケに観られないように意地悪したりもする。

 『 キッチン・ストーリーズ 』の調査員と調査対象人物とは、お互い口をきいてはいけないし、干渉し合ってはいけない云々というルールがある。こういうダンマリ状態で二人は気まずい日々を過ごしていった。ここまで『 キッチン・ストーリーズ 』前半がコメディっぽく、この後、『 キッチン・ストーリーズ 』後半から人間のドラマとして映画『 キッチン・ストーリーズ 』は変身する。調査員フォルケは睡眠は家の外に駐車した丸屋根のトレーラー・ハウスに入ってとるが、それ以外はずっと台所の梯子の上の調査台に座りっぱなしだ。ある時、遂に調査対象人物イザック老人は折れて、「コーヒーくらいいいだろう?」と話しかける。

 孤独な独り暮らしの老人イザックは調理もしたくないし食事だって独りでは味気ない。現代の老人問題として身につまされる思いだ。これまで意地を張って調査員にそっぽを向いている振りをしていたけれど、同じ家屋に別の人間がいれば気にならない筈はない。何か喋ればコミュニケーションが生まれる。食事も独りでなく二人でとれば食欲も沸いて楽しく食が進む。老人イザックは、人間として当然のこういう行動をとる。そして、調査員のフォルケだって同じ人間だから、堅苦しい規則通りにせずに、規則を破ってでも老人とコミュニケーションをとることを選ぶのだ。

 それが、ある時、‘家庭研究所’の上司マームバーグ(リーネ・ブリュノルフソン)に規則破りを知られてしまう。調査員フォルケはクビにされた。と言うことは、彼は仕事上の調査対象の老人イザックの家を出なければならない。心の通い合いが成立していた二人にとって、別れは辛い。フォルケは上司に命じられたようにトレーラーハウスを引いて車で田舎道を去っていく。しかし、フォルケは人間として自分の納得する道を選ぶ。トレーラーは放って、車で老人イザック宅に戻るのだ。それまでの過程で、誕生日を二人で祝うシーンとか、イザックが倒れて救急車が来て医師(スブレエ・アンケル・オウズダルやレーフ・アンドレ)に診られるとか劇的なシーンもあるようだ。こういう展開で、人間ドラマとして高い評価を得ている本作『 キッチン・ストーリーズ 』の結末として、イザックとフォルケは一緒に暮らすようになるという映画だ。

 『 キッチン・ストーリーズ 』は観たらきっとジーンとなってしまうこと請け合い!

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■映画『 キッチン・ストーリーズ (2003)  KITCHEN STORIES 』の受賞

・『 キッチン・ストーリーズ 』は、サンパウロ国際映画祭 Sao Paulo International Film Festival ではベント・ハーメルが監督賞を受けた。批評家賞候補は
ロスト・イン・トランスレーション (2003) LOST IN TRANSLATION 』の名が挙がっていた。

・コペンハーゲン国際映画祭 Copenhagen International Film Festival では『 キッチン・ストーリーズ 』は金白鳥賞 Golden Swan 監督賞に輝き、名誉賞 Honorary Award は
ドッグヴィル (2003) DOGVILLE 』が受賞している。

・フランダース国際映画祭 Flanders International Film Festival では『 キッチン・ストーリーズ 』はベント・ハーメルとヨルゲン・ベリマルクが脚本賞に輝き、黄金の拍車賞 Golden Spur は
イン・アメリカ/三つの小さな願いごと (2002) IN AMERICA 』が獲得、他にノミネートは
HERO (2002) HERO (英題) / 英雄 (原題)
アメリカン・スプレンダー (2003) AMERICAN SPLENDOR 』らがあった。

・スペインのバヤドリード国際映画祭 Valladolid International Film Festival では『 キッチン・ストーリーズ 』は銀の穂賞 Silver Spike と監督賞に輝く。金の穂賞 Golden Spike のノミネートは
イン・ザ・カット (2003) IN THE CUT
グッバイ、レーニン! (2003) GOOD BYE, LENIN!
ザ・クーラー (原題) (2003) THE COOLER
みなさん、さようなら (2003) LES INVASIONS BARBARES (原題) / THE BARBARIAN INVASIONS (英題)
ロスト・イン・トランスレーション (2003) LOST IN TRANSLATION 』が名を連ねていた。

・ポーランドの映画の祭典キャメリメージ Camerimage では
HERO (2002) HERO (英題) / 英雄 (原題)
イン・ザ・カット (2003) IN THE CUT
真珠の耳飾りの少女 (2003) GIRL WITH A PEARL EARRING
マスター・アンド・コマンダー (2003) MASTER AND COMMANDER: THE FAR SIDE OF THE WORLD
ミスティック・リバー (2003) MYSTIC RIVER
と並んで『 キッチン・ストーリーズ 』もノミネートされていた。

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■映画『 キッチン・ストーリーズ (2003)  KITCHEN STORIES 』のトリビア

 『 キッチン・ストーリーズ 』劇中、イザック老人はノルウェー語を話し、調査員フォルケはスウェーデン語を話す。これは、映画の台詞だけでなく、撮影外での二人の会話もそのようにしていたそうだ。同じ北欧の言語だと言え、お互いに相手の国語を理解して伝達し合うとは凄いと思う。また、戦後間もないストーリーなので、第二次世界大戦での二国の立場も言及される。ノルウェーはドイツに占領され、スウェーデンは中立を維持したと。だから、調査員つまり‘観察者’であるスウェーデン人のフォルケに、ノルウェー人のイザックはこういう台詞を放つそうだ。「 You [Swedes] were only neutral observers during the war, right? (幸の訳:君達スウェーデン人は戦時中、唯一の中立の観察者だったよね。)」
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【『 キッチン・ストーリーズ 』のスタッフとキャスト】
監督: ベント・ハーメル Bent Hamer (Directed by)
製作: ヨルゲン・ベリマルク Jorgen Bergmark (producer)
    ベント・ハーメル Bent Hamer (producer)
脚本: ヨルゲン・ベリマルク Jorgen Bergmark (Writing credits)
    ベント・ハーメル Bent Hamer (Writing credits)
撮影: フィリップ・オガールド Philip Ogaard (Cinematography by)
編集: パル・ジェンゲンバッハ Pal Gengenbach (Film Editing by)
音楽: ハンス・マティーセン Hans Mathisen (Original Music by)
    ペッター・フラドビー Petter Fladeby (sound re-recording mixer)

出演: ヨアキム・カルメイヤー Joachim Calmeyer as Isak Bjornsson
    トーマス・ノールストローム Tomas Norstrom as Folke
    ビョルン・フロバーグ Bjorn Floberg as Grant
    リーネ・ブリュノルフソン Reine Brynolfsson as Malmberg
    スブレエ・アンケル・オウズダル Sverre Anker Ousdal as Dr. Jack Zac. Benjaminsen
    レーフ・アンドレ Leif Andree as Dr. Ljungberg
    ガルド・B・エイドスボルド Gard B. Eidsvold as Bakkerman
    レナート・ヤーケル Lennart Jahkel as Green

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ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。

 映画『 キッチン・ストーリーズ (2003) SALMER FRA KJOKKENET (原題) / KITCHEN STORIES (英題) 』の「テキストによる未公開映画の再現」レヴューは、現在まだ書けておりません・・・。

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      公式サイト(海外版)
       http://www.filmsdulosange.fr/kitchen-stories/
■映画『 キッチン・ストーリーズ 』の更新記録
2004/04/20新規: ファイル作成
2004/07/10更新: ◆テキスト一部とリンクおよびファイル書式
2004/12/13更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
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幸田 幸
coda_sati@hotmail.com
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