フランス映画(2)
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 フランス映画(2)@映画の森てんこ森
フランス映画(2):ROIS ET REINE ※クリックで別のタイトル画像表示、幸の駄詩が読めます。
フランス映画(2):ROIS ET REINE
2005年2月3日木曜日 「シャイな幸の独り言」トップへ
 今日はフランス映画(2)として、映画『 キングス&クイーン (2004) ROIS ET REINE (仏題) / KINGS AND QUEEN (英題) 』<邦題が確定するまでは『 王と王妃 (ロワ・エ・レーヌ) 』としておきました>というフランス映画を紹介する。
 因みにフランス映画(1)は映画『 レ・スール・ファッシェ(原題) (2004) LES SOEURS FACHEES 』で、昨日2月2日に紹介した。

 今回のフランス映画(2):フランス映画『 キングス&クイーン (2004) ROIS ET REINE (仏題) / KINGS AND QUEEN (英題) 』<『 王と王妃 (ロワ・エ・レーヌ) >のフランス語タイトルは、“rois et reine (王と女王)”。“rois”は「王 roi 」の複数形だ。『 ロワ・エ・レーヌ (原題) (2004) ROIS ET REINE 』の邦題は勿論現時点では未定(2006/06/17確定)だが、日本語では「王たちと女王」という意味合いになるだろうか?でもポスターを観ると男と女の一人ずつ(マチュー・アマルリック Matthieu Amalric とエマニュエル・ドゥヴォス Emmanuelle Devos )がいるだけで男の人は二人写っていない。なぜ「王 roi 」の複数形を使っているのだろう?もう一人の形容している王さまは誰なんだろう。分からん?
 ・・・映画を観るとその理由が判かって、映画の核心が判かるのかも知れないという感じがするのだけど、日本ではこの『 キングス&クイーン (2004) ROIS ET REINE (仏題) / KINGS AND QUEEN (英題) 』<『 王と王妃 (ロワ・エ・レーヌ) 』>というフランス映画は、まだ観れそうにない。あーあ(-"-;)。(2005/02/03現在)

 先ず映画『 キングス&クイーン (2004) ROIS ET REINE (仏題) / KINGS AND QUEEN (英題) 』<『 王と王妃 (ロワ・エ・レーヌ) 』>のデータを調べて簡単に紹介する。
 監督は、アルノー・デプレシャン Arnaud Desplechin だが、この監督の映画は観たことがない。脚本のロジェ・ボーボ Roger Bohbot は、『 やさしい嘘 (2003) DEPUIS QU'OTAR EST PARTI (原題) / SINCE OTAR LEFT (英題) 』の脚色、『 陽のあたる場所から (2003) STORMY WEATHER 』等の脚本を行っている。

 主演のエマニュエル・ドゥヴォス Emmanuelle Devos は、『 リード・マイ・リップス (2001) SUR MES LEVRES (原題) / READ MY LIPS (英題) 』『 パリの確率 (1999) PEUT-ETRE 』等に出演している。マチュー・アマルリック Matthieu Amalric 出演の映画は、幸は観たことがあるかしら?
 予告編を観ると、大御所カトリーヌ・ドヌーヴがお医者さんで出ていた。カトリーヌ・ドヌーヴの出演している映画で「映画の森てんこ森」でレヴューや解説してある映画は、『 永遠の語らい (2003) A TALKING PICTURE 』『 8人の女たち (2002) 8 FEMMES (原題) / 8 WOMEN (英題) 』『 リトル・トム (2001) LE PETIT POUCET (原題) / TOM THUMB (英題) 』『 雲 息子への手紙 (2001) NUAGES: LETTRES A MON FILS (仏題) / CLOUDS: LETTERS TO MY SON (英題) 』(ナレーション)『 ダンサー・イン・ザ・ダーク (2000) DANCER IN THE DARK 』等だ。

『 キングス&クイーン KINGS AND QUEEN (英題)
   <『 王と王妃 (ロワ・エ・レーヌ) ROIS ET REINE (仏題) 』>
キングス&クイーン
王と王妃 (ロワ・エ・レーヌ) (2004) ROIS ET REINE (仏題)
/ KINGS AND QUEEN (英題)
フランス映画(2):王と王妃 (ロワ・エ・レーヌ)
ポスターは、allocine 引用
予告編はこちらから

キングス&クイーン
王と王妃 (ロワ・エ・レーヌ) (2004)
ROIS ET REINE

上映時間:150分
製作国:フランス
フランス初公開日:2004/12/22
日本公開情報:2006/06/17
ジャンル:コメディ/ドラマ

監督:アルノー・デプレシャン Arnaud Desplechin
脚本:ロジェ・ボーボ Roger Bohbot
 アルノー・デプレシャンArnaud Desplechin

主な出演:
 エマニュエル・ドゥヴォス Emmanuelle Devos
 マチュー・アマルリック Matthieu Amalric
 カトリーヌ・ドヌーヴ Catherine Deneuve
 公式サイト(フランス語): 調査中・・・
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 以下は、映画『 キングス&クイーン (2004) ROIS ET REINE (仏題) / KINGS AND QUEEN (英題) 』<『 王と王妃 (ロワ・エ・レーヌ) >を鑑賞したY女史のレヴューです。ご本人の許諾により掲載しています。

 『 Rois et Reine 』レヴュー
レヴュー文: Y
 もう1本は、“Art et Essai”系映画の、アルノー・デプレシャン監督『Rois et Reine』= 王と女王。この監督は、今のフランス映画界で、フランソワ・オゾン、オリビエ・アサヤ等と共に、制作する映画が必ず注目されている若手(?)監督の一人です。

 さて、映画『Rois et Reine』はどんな話かと言うと...
 この映画『Rois et Reine』は、二つのほぼ平衡して進む話で出来ている。主人公の一人ノラ(エマニュエル・デゥボス)は、近日中に再婚を控えた仕事のある女性。再婚の相手は、大恋愛ではないが、生活を満たしてくれるに充分なお金持ちのビジネスマン。

 彼女は‘一人で育てた’一人息子のエリアスが‘全て’だと言う。そんな時、誕生日を祝いに会いに行った父親が、あと数日の命だと知らされる。

 一方、もう一人の主人公イスマエル(マチュー・アマルリック)は、精神的にかなり混乱している音楽家で、謎の第三者の要請で精神病院に無理矢理入院させられる。この二人の公分母はノラの一人息子エリアス。一時期二人は愛し合っていて、イスマエルがエリアスの父親役だった事がある。

 映画は、別れた後のこの二人の話を、ほぼ完全に別な物として進められる。一つは死の周りに、もう一つは混乱の中に。一つはドラマチックに、一つはドタバタ風に。そして、父親(思いもかけない告白を残す)の死と再婚の間で、ノラは、再婚相手には懐かない息子エリアスが好きだったイスマエルに、彼を引き取ってくれないかと持ちかける。

 このように、ほぼ平行に進んでいた二つの線(話)は一点で交わるのだが、‘別方向から来て交わった2線は、交点を過ぎれば別々の方向に進んで行く’という方式通り、離れて行く運命にある..

 個人・家族・男・女・死・生・別れ・出会い・大人・子供...。『Rois et Reine』は、軽いノリで見に行く映画ではありません。 おまけに、見る日の頭のコンディションに依っても、変わってきます。
 私は、この映画を初めて見た日は、コンディションが整ってなかったらしく、女主人公の厭な所ばかりが気になって、腹が立って気分が悪くなって、父親の死後の独白のシーンを見て“オー、ほらぁ!”と、なぜか嬉しかったり、ホッとしたりして。でも、それにとらわれてイスマエルの人物像を良く見ていなかった感じがして、それが逆に気になって、後日、見直しに行きました。

 2回目は、目も、耳も、頭も、出来るだけオープンにして行ったので、“ヤな女”は変わらなかったけれど、イスマエルの人物像だけでなく、取り巻く人達も見る事が出来ました。ただ、特別厭な事を言う訳でも、厭な態度を見せる訳でもないし、逆に同情を寄せられてもいいような女なのに、ヤな女だと感じさせるエマニュエル・デゥボスは大した物です。
 それから、マチュー・アマルリックの不安定さは、演技なのだけれど、本当に真実性があります。又、彼が言うから、それらしくなる台詞が沢山ありました。映画の終わりで、イスマエルがエリアスを“Musée de l’Homme(人類博物館)”へ連れて行って、引き取れない理由を直接説明する場面は素晴らしいです。選ばれた場所が、自然博物館でも、科学博物館でもなく、“Musée de l’Homme(Homme=人間、及び、男という意味)”である所も、注目すべきでしょう。後、あちらこちらに、色々と伏線を匂わせる材料が出てきますが、こだわると話が混乱しそうなので、何かの機会にと、敢えて見流しました。

 ア、いかにも“フランス映画”..ですと?

 ところで、この“フランス映画”と呼ばれるものは? さて、なんでしょうねえ?
 “なんやねん?”“なんでやねん?”“エ????、これでお終い?”“アァ、しんどかった..”“よう解らん...”“オモロない”と、言う人もいれば、“ウーム、良かった”“この人の見方は...”“この映画で扱われてるテーマは..”“カメラワークや、照明は...”と色々と考える人もいるでしょう。

 私なりの考えですが、このタイプの映画では、話全体の外側の流れよりも、各個人の内部の流れを重要視するきらいがなきにしもあらずで、それが、見る方には、ひどく自己中心的な人間が、ぐだぐだ言ってるように見えてしまうのです。別の言い方をすれば、“話の筋は、コレコレこういう物で、そこに出て来る人間は、Aとか、Bとかいう人達で、こういう風に終わる”という作り方ではなく、“Aとか、Bとかいう人達がいるとして、彼等の日常の中や周りで動くのはこういう話”という作り方。心の動きを声に出して台詞にしている場合もあるし、言葉の代りに表情や態度で表している場合もあります。自己中心に見えるのは当然なのです。そう言う所に、インテリぶってると感じる人もいるでしょう。でも、それは私達が無意識に思ったり考えたりしている事かもしれません、外には見せないだけで。

※固有名詞は、フランス語の発音に出来るだけ近い日本語表記をしていますので、日本での呼称と異なる場合がありますのでご了承ください。
映画レヴューテキスト:Y 編集:Sati
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i 観た映画館の写真
写真: Y女史提供
 下の映画館は、Les Halles レ・アールにあるUGCシネシテです。映画『 キングス&クイーン (2004) ROIS ET REINE (仏題) / KINGS AND QUEEN (英題) 』<『 王と王妃 (ロワ・エ・レーヌ) 』>の映画案内=ヴィジュアルは下の大きな画像の左手に写っています。
 左は、日本で最高興行収入を記録した宮崎駿監督の『 ハウルの動く城 (2004) HOWL'S MOVING CASTLE 』です。フランス語では“Le Château Ambulant”とタイトルになっています。
 中央の『 レ・スール・ファッシェ(原題) (2004) LES SOEURS FACHEES 』は、前回2005年2月2日のフランス映画(1)で紹介してあります。ご覧ください。

パリの映画館(01)
パリの映画館(2):Les Halles のUGCシネシテ(1)
Les Halles のUGCシネシテ(1)
パリの映画館(02)
パリの映画館(2):Les Halles のUGCシネシテ(2)
Les Halles のUGCシネシテ(2)

パリの映画館(2):映画『 LES SOEURS FACHEES 』等のヴィジュアル
映画“Les Sœurs Fâchées”のヴィジュアル
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参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      写真提供は、パリ在住Y女史
      映画情報 http://www.allocine.fr/film/fichefilm.html?cfilm=55662
      予告編 http://www.allocine.fr/film/video_gen_cfilm=55662.html
      タイトル画像のエッフェル等は、「BC Paris LIVE ! WEBCAM - Eiffel Tower Webcams」から得て、幸が加工・編集したイメージです。
      http://www.abcparislive.com/eiffel_tower.htm
※タイトル・イメージの駄詩は、ここをクリックではっきり読めます。御笑読ください。
Text by Sati
coda21「映画の森てんこ森」幸田幸。
coda_sati@hotmail.com
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