曽我さんとジェンキンスさん
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 曽我さんとジェンキンスさん@映画の森てんこ森(シャイな幸の独り言)
曽我さんとジェンキンスさん
曽我さん一家ジャカルタで再会
2004年07月14日水曜日 「シャイな幸の独り言」トップへ
 「脱走兵」や「軍法会議」をキーワードで検索すると、幸の「映画の森てんこ森」では『 コールド マウンテン (2003) COLD MOUNTAIN 』『 ラスト・キャッスル (2001) THE LAST CASTLE 』『 パール・ハーバー (2001) PEARL HARBOR 』『 シン・レッド・ライン (1998) THE THIN RED LINE 』等がある。
 日本では「脱走兵」や「軍法会議」などという言葉は、日本人にとっては死語だと思っていた幸は平和ボケだろうけれども、曽我さん一家のお幸せについては「脱走兵」や「軍法会議」は大きな問題だ。

 今日は7月14日、フランスでは“Le Quatroze Juillet(ル・キャトルズ・ジュイエ)”といってフランス革命記念日だ。真の「革命」という言葉も日本では死語だ。日本にあるフランスのスーパーマーケット「カルフール Carrefour」はフランス革命記念日に休むのだろうか?それともパリ祭セールといって何か目玉商品でもあるのだろうか?あッ、また、脱線してしまいそう。そんなことはどうでもよい。今日は先日から気になっていた曽我さん一家への日本人の関心事を、「曽我さんとジェンキンスさん」と題して作文をする。

 先日からの話題の一つに「北朝鮮拉致事件」関連ニュースで「曽我さん、家族と再会」という明るいニュースが印象に残った。幸は以前(2002年10月20日付)に「北朝鮮拉致事件」という作文をしたが、今回の再会ニュースは他人(ひと)事ながらとても嬉しい。そして感動した。この再会までこぎつけるには多くの努力と忍耐があったに違いない。

 メディアはこぞって曽我さん一家の再会をレポートした。その中で、チャーター機で降り立ったジェンキンスさんと曽我さんが抱き合ってキスするTVシーンが、「へー、すごい!」そして「よかった!」という幸の感情移行まで少しの時間を必要とさせた。直ぐ後のNHKのニュースではこのシーンはなかった。私は映画で多くのキスシーンを観てきたが、この曽我さんとジェンキンスさん二人の感極まるキスシーンはいつまでも記憶に残るかもしれない。その後家族4人はしっかりと抱き合う。
「曽我さんとジェンキンスさん」 のページ画像
画像は「曽我さん一家」とは
何の関係もありません
らくだの涙 』は家族の絆がテーマだ。
 この再会シーンは、現地時間午後5時過ぎ(日本時間7時過ぎ)ジャカルタ郊外のスカルノ・ハッタ空港での出来事だ。色々紆余曲折があってインドネシア入りしていた北朝鮮拉致被害者の曽我ひとみさん(Hitomi Soga 45)が、北朝鮮から到着した夫の元米兵チャールズ・ロバート・ジェンキンス(Charles Robert Jenkins 64)さん、長女美花(Mika 21)さん、次女ブリンダ(Brinda 18)さんと一年九ヶ月ぶりに再会したそうだ。朝日新聞(2004年7月10日付)によると、曽我さんはキスを交わし日本語で「ごめん」と謝ったらしい。
 曽我さん一家(ジェンキンスさん一家というべきか)の再会のニュースは、欧米メディア、特にアメリカ3大ネットなどで報道された。世界でも北朝鮮の「北朝鮮拉致問題」に関心があるのだろうか?欧米では「北朝鮮と韓国を隔てる非武装地帯(DMZ)付近で65年に姿を消したジェンキンスさんと、78年に北朝鮮に拉致された曽我さんが北朝鮮で出会い、80年に結婚した経緯を紹介。米政府が脱走兵として訴追する考えのため、ジェンキンスさんが米国に引き渡されることを恐れて日本に行くのを拒んでいると伝えている。」と報道があるらしい。[ asahi.com ]
 http://www.asahi.com/special/abductees/TKY200407100208.html

 因みに、ジェンキンスさんは、調べると、ノースカロライナ州出身。在韓米軍に配属されていた 1965 年の 1月 5 日 軍事境界線付近で北朝鮮に逃亡したとされている。一時、平壌外国語大学で英語を教え、宣伝映画に出演したこともある。曽我さんとは 1980 年に結婚、生まれた2人の娘は同大の学生。ラムズフェルド米国防長官が報道陣からジェンキンスさんをめぐる質問を受けて「脱走兵であり、裁判に該当する」と答え、公の席で初めて軍法会議は避けられないと述べ、ジェンキンスさんも小泉純一郎首相に、来日した場合に「米国に身柄を引き渡されるのではないか」との強い懸念を伝えたらしい。ジェンキンスさんの脱走兵としての根拠は、ジェンキンスさんの失踪ののち、北朝鮮行きをほのめかす母親(現在92歳で病床にある)宛ての手紙が宿舎で発見されたとされ、それが脱走の証拠とされてきたらしい。実際、ジェンキンスさんは軍法会議にかけられ、脱走兵として懲罰を受けるのだろうか?

 それにしても、ならず者国家北朝鮮の国家犯罪である「拉致問題」は、「蓮池さん、地村さん一家の再会」に続いて、今回の「曽我さん一家再会」と急速な展開を見せている。日本国民は、際立つ北朝鮮の懐柔外交にどう感じているのだろうか。北朝鮮からジャカルタへ出発する、ジェンキンスさん、美花さん、ブリンダさん三人が空港でのボディチェックや進み行くシーンが北朝鮮の中継放送で日本にも流れた。また、日朝の外交官の会談シーンも流れた。これらのシーンはいまだ嘗てないほどの日本への大サービス映像らしい。そのサービスの裏には国交正常化と多大なる経済援助の確約が小泉首相と取り付けられているのだろうか?他の未解決の拉致被害者のことはどうなっているのだろうか?また、北朝鮮の核問題や核疑惑はどうなっているのだろうか?
 北朝鮮が国際舞台に出て民主国家として正々堂々と自国の権利を主張するのに世界のどの国も反対はしない。そして正常な国家体制の国への人道上の援助も惜しまない。でも日本が北朝鮮と国交正常化をして、北朝鮮と仲良くやっていくには、北朝鮮が国家レベルで裏や影でこそこそ悪巧みをしないでほしい。そのためには今日本人の関心事の「北朝鮮拉致問題」のすべての案件を速やかに解決して、非核三原則を宣言し、自国の経済発展に全力を注げは、南の韓国同様進んだ国になれるように思う。北朝鮮人も韓国人も区別なく勤勉で優秀な国民であることは日本人と同じだ。北朝鮮の為政者は、民主国家の要である「人権」についてもっと理解すべきだろう。

 今回の「曽我さん一家の再会」は、家族の絆や家族の大切さを世界に伝えた。個人の愛と熱意は国家を動かしたと思いたい。決して、個が国家の利益や小泉政権と金正日=キム・ジョンイルの政治的プロパガンダに利用されているわけではないと。20世紀は戦争の世紀だった。第一次世界大戦・第二次世界大戦などの戦争をはじめとして、個は国家や政治・外交に翻弄され続けた、そして今も世界では変わらないのかも。でも個の存在は国家にとってはほんのちっぽけな価値しかなかった時代から見ると、今回「曽我さん一家の再会」ニュースは進歩して、「個」と「国家」の秤の中点に位置した象徴かも知れないと思いたい。

 曽我さん一家はかねてから準備したジャカルタのホテルに身を寄せた。チョッと気になる3人の北朝鮮からの随行員たちはおいといて、曽我さん一家にとっては一年九ヶ月ぶりの水入らずの家族団欒。
 娘さんたちは自室で『 ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (2004) HARRY POTTER AND THE PRISONER OF AZKABAN 』を英語版の韓国語字幕スーパーで観たと聞く。いい話です。そうだよ。そう、デス!自由なときに映画を観れること、これこそ「人権」が認められている国家での「個」の楽しみなのデス!!(チョッと大げさで的はずれ?かもネ)

追伸:美花さん、ブリンダさん、ハリポタは第一作目の『 ハリー・ポッターと賢者の石 (2001) HARRY POTTER AND THE SORCERER'S STONE / HARRY POTTER AND THE PHILOSOPHER'S STONE 』を観て、次に『 ハリー・ポッターと秘密の部屋 (2002) HARRY POTTER AND THE CHAMBER OF SECRETS 』を観たいと外務省の方にお伝えください。そのほうが余計に楽しめるよ...。

※参考資料:
 asahi.com
 http://www.asahi.com/special/abductees/TKY200407100208.html
 http://www.asahi.com/special/abductees/TKY200405200327.html
 http://www.asahi.com/special/abductees/TKY200407100208.html
 http://www.asahi.com/special/abductees/TKY200407090383.html
 http://www.asahi.com/special/abductees/TKY200407090398.html
 朝日新聞2004年7月10日朝刊
 http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/charles_robert_jenkins/
 http://www.nishinippon.co.jp/news/wordbox/2004/report/0523_4.html
 http://www.toonippo.co.jp/news_hyakka/hyakka2004/0522_1.html
 http://www.sanspo.com/shakai/rachi/2002/sha2002112801.html
 http://www.sankei.co.jp/databox/n_korea/nkorea_22_1.htm
 http://www.rnet.gr.jp/english/CRJ.htm

Text by Sati
coda21「映画の森てんこ森」幸田幸。
coda_sati@hotmail.com
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