リヴ・ゴーシュの映画館(1)
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 リヴ・ゴーシュの映画館(1)@映画の森てんこ森
リヴ・ゴーシュの映画館




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エスプリ左岸/リヴ・ゴーシュ(パリ左岸)の映画散歩
2005年2月21日月曜日 「シャイな幸の独り言」トップへ
リヴ・ゴーシュ(パリ左岸)の映画館(1)
■リヴ・ゴーシュ(パリ左岸)の映画館について
■リヴ・ゴーシュ(パリ左岸)の映画館(1)
■リヴ・ゴーシュ(パリ左岸)の映画館(2)
■リヴ・ゴーシュ(パリ左岸)の映画館(3)
■リヴ・ゴーシュ(パリ左岸)の映画館(4)
■リヴ・ゴーシュ(パリ左岸)の映画館(5)

リヴ・ゴーシュ(パリ左岸)の映画館(1)
 エスプリ左岸
画像とテキスト提供:Y女史(パリ在住) 編集:Sati
 左岸に独特の空気が流れているのは、既に書いた通りです。右岸に比べると、何となく文化的、知的な空気が流れています。断っておきますが、“的”で“空気”なので、実態はなんとも言えません。
 パリジャンは、口から先に生まれて来たんじゃないかと思う程お喋りですが、全員がそうだとは言えなくても、学生達を含め、左岸(特に中心部)にいる人達のお喋りは、政治、国際、経済、哲学、芸術、文化、ついでに、物価と日常、仲間内・隣近所の下世話と、非常に幅が広い上に、ウイットに富んでいます。真面目に付き合ってると疲れます。おまけに、下町らしい下町がありません。だから、中心を離れて庶民が住むところへ行っても、どことなくこの左岸の空気は漂っています。
 Esprit左岸、永遠の学生気質と知的ブルジョア気質の微妙なカクテル。
 Ah、la rive gauche!

 そんな左岸を感じさせる映画館を紹介しましょう。

(1)Le St.Germain-des-près:Salle G. de Beauregard (ル・サン・ジェルマン・デ・プレ:サル・G・ドゥ・ボールガール)
 レストランとブラッスリーに挟まれているせいもあって、あまり目立たないこの映画館は、サン・ジェルマン地区に残っている唯一の貴重な映画館です。
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Le St.Germain-des-pres:Salle G. de Beauregard (ル・サン・ジェルマン・デ・プレ:サル・G・ドゥ・ボールガール)映画館
(1)Le St.Germain-des-près:Salle G. de Beauregard
(ル・サン・ジェルマン・デ・プレ:サル・G・ドゥ・ボールガール)

 一時期、レストランが、キッチンを広げようと買い取りを企てた時、常連達とサンジェルマンを愛する人達の繰り広げた反対運動が世論を動かし、無事生き延びました。フレデリック・ミッテラン(故ミッテラン大統領の甥で、有名なシネフィル)の当初のモットーを守り、今もインデぺンデントな姿勢を保って、上映映画の選択を行っています。改修工事の後、ゴダールの映画等の制作を手がけた G. de Beauregardに捧げられた、Art et essai会員のエリート映画館です。同じジャン・ポール・サルトル・シモーヌ・ド・ボーヴォアール広場にあるキャフェ“Deux Magots(ドゥ・マゴ)”と組んで、‘映画と飲み物’メニューがあるそうですが、まだ試していません。

2)L’Arlequin(ラルルカン):
 サンジェルマンとモンパルナスの中程、現代的なガラス張りにもかかわらず、一時代前のムードを残しているフランス電力公社の建物内に、この映画館があります。
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L'Arlequin(ラルルカン)映画館
(2)L'Arlequin(ラルルカン)
それもそのはず、1930年代から存在しているのですから、当時はテクノロジーの先端を行っていた建物なのです。同じ地下にあったジュリエット・グレコも歌ったキャバレー“Rose rouge”のスペースは、今は2つのサルになっています。‘ラルルカン(道化師)’という名は、ジャック・タチによって付けられました。しかし長い間、この映画館は、パリのソビエト映画専門館‘コスモス’として知られていました。90年代中頃に、再び‘アルルカン’の名を取り戻し、今は、Art et essai映画館として、新作はもとより映画史上の佳作映画も上映しています。

3)Images d’ailleurs(イマージュ・ダイユール):
 パリのモスク(イスラム教寺院)や、ガリア時代まで歴史が上るムフタール通りの近くにあるこの映画館が、他の映画館と一線を画している所は、そのポジションにあります。イマージュ・ダイユールは、パリで唯一(きっとフランスで唯一)の‘Black cultures’中心映画館です。
 映画館の名“他所からの映像”が示すように、スーレイマン・シッサやイドリッサ・ウエドラオゴなどのアフリカ本土で活躍する監督の作品はもとより、ヨーロッパ、北米、南米、そしてオセアニアからのアフロ世界を扱った映画を中心に、その他、最近のドキュメンタリーやArt et essai系の映画も上映されています。以前は国際ドキュメンタリー専門の映画館だったそうですが、一旦閉館を余儀なくされ、その後、支援を得て今の映画館に生まれ変わりました。年に一度、フェスティバルが開かれます。
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Images d’ailleurs(イマージュ・ダイユール)映画館
(3)Images d'ailleurs(イマージュ・ダイユール)
(4)

(4)イマージュ・ダイユールのガラスドアに張られた映画案内
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参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      写真と解説文の提供は、パリ在住Y女史です。
Text by Sati
coda21「映画の森てんこ森」幸田幸。
coda_sati@hotmail.com
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