津波 | |
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津波@映画の森てんこ森 | |
津波 | |
2005年1月23日日曜日 | |
目次 ■津波・Tsunami ■濱口梧陵 ■濱口梧陵の年譜と時代背景 ■稲むらの火 ■濱口梧陵の史蹟巡り(写真集) |
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津波 “Tsunami”という言葉は世界で通じる日本語らしい。 そういえば台風の“typhoon”も日本発信の言葉だ。それだけ日本は震災国である。映画『 ブルース・オールマイティ (2003) BRUCE ALMIGHTY 』内では日本が津波・tsunamiの被害にあっているというニュースがある。そのほか隕石の衝突で巨大な津波が発生する映画では『 ディープ・インパクト (1998) DEEP IMPACT 』がある。映画『 デイ・アフター・トゥモロー (2004) THE DAY AFTER TOMORROW 』も思い出す。 阪神・淡路大震災から10年。新潟中越大地震から3ヶ月。そしてスマトラ沖大地震・インド洋大津波から1ヶ月。TVで映像が流される度にどれもが脳裏に焼きつき、怖くてどうしょうと体中が悴(かじか)んでしまう。特に自分が経験した阪神・淡路大震災の映像は未だに動悸が打って見れない。 スマトラ沖大地震・インド洋大津波では、タイ等の津波・tsunamiのTVニュースや映像は生々しく、津波・tsunamiを実際に経験したことない私にとって、水の凄いパワーにただただ驚き・恐れるばかりだ。 TVニュースの解説でどこかの研究所の先生が、津波は波というより水位の高い海が一気に押し寄せてくるというようなことを仰っていて、なるほどとはっきりとその圧倒的な破壊力が理解できて、余計に脅威に震えてしまった。 現在、スマトラ沖大地震・インド洋大津波の救済と復興に、国連が中心となって世界各国が資金的人的援助を提供し協力し合っている。日本も援助は惜しみないという姿勢だ。特に日本は津波 “Tsunami”という言葉の発信国として、または震災国として長けた経験と知恵を世界に示して世界貢献できるスタンスにある。 1月21日のNHKの「その時歴史は動いた」番組の再放送の録画「百世の安堵をはかれ 安政大地震・奇跡の復興劇」を観て感動した。 最近のNHKは、NHK職員が番組制作費(これって私たちの受信料=公金でしょ)をだまし取った詐欺事件、紅白歌合戦でも元チーフプロデューサーらがピンはねして逮捕されたり、海老沢会長が国会に参考人招致された時、質疑の様子をNHKは放送しなかった事実や、受信料を払おうとしない視聴者が増えている状況や、その責任を取らないNHK海老沢会長の居直り問題や、NHK幹部のNHK不祥事の認識の甘さや、NHK従軍慰安婦特集番組の改変(改ざん)問題で安倍晋三幹事長代理・中川昭一経済産業相が圧力をかけたと内部告発した当時の番組制作責任者の事実誤認だとかそうでないとか云々で、取材録音テープを公表したら済むのに朝日新聞と言った言わぬの子供の喧嘩のようにトラブっている事件など、茶化すつもりは一切ないが、NHKにも災禍が津波のように押し寄せているように幸には思える。やはりNHKの体質が腐ってきているのだろうか? しかし、NHKの最近の不祥事に関わりなく、NHKは良い番組を作る。民放のようにパネラーやゲストのコメディアンたちが茶化したりすることなく淡々と話題を進めていく。さすが番組制作に公金を湯水のごとく使えるだけあるが、「その時歴史が動いた」(「百世の安堵をはかれ 安政大地震・奇跡の復興劇」)は、津波・tsunamiが大事件になっているこの時期に観る価値があった。「濱口(浜口)梧陵」を尊敬した。地震と津波・tsunamiから村を守る、災害対策と生活保障を当時民間レベルで考え実行し、成功させたという事実に驚いた。和歌山県にも偉い人がいたのだ。恥ずかし乍(ながら)幸は「濱口(浜口)梧陵」を全く知らなかったし、高校の歴史で習った程度の「安政の大地震」しか知らなかった。 |
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濱口梧陵(浜口儀兵衛) ヤマサの歴史【ヤマサ醤油】 |
まず、「濱口(浜口)梧陵」についてちょっと調べてみた。 ■ 濱口(浜口)梧陵について 濱口(浜口)梧陵は濱口(浜口)儀兵衛ともいう。 文政3年(1820年)紀州(紀伊国有田郡)広村(現在の和歌山県広川町)で生まれ育つ。 31の歳に佐久間象山の門に入る。 34歳で儀兵衛と改名して家督を相続。代々続いている醤油店(現在のヤマサ醤油)を七代目として経営にあたる。 安政元(1854)年、濱口(浜口)梧陵35歳の時に、紀州広村において安政大地震に遭遇。濱口(浜口)梧陵は私財を注ぎ込み震災の救済と復興にあたる。 濱口(浜口)梧陵はヤマサ醤油7代目という実業家でもあり、私欲を顧みない社会福祉事業家や政治家でもある。佐久間象山、勝海舟、福沢諭吉など多くの歴史上の人物とと広い交流を持った知識人でもあり、近代日本の発展に大きな足跡を残している。 ※詳しい濱口梧陵の年譜はこちら |
NHK「百世の安堵をはかれ 安政大地震・奇跡の復興劇」のHPの記事をそのまま引用すると、(http://www.nhk.or.jp/sonotoki/sonotoki_syokai.html#02) <安政大地震によって壊滅した紀州広村で、醤油店当主の濱口(浜口)梧陵が村人と共に復興に取り組み、津波を防ぐ堤防を完成させた。 幕末、日本は立て続けに三度の巨大地震に見舞われた。死者2万人を超える大惨事となった「安政大地震」である。しかし幕府や諸藩は、地方村落の惨状には目を向けようとしない。こうした中、自らも被災者でありながら、村を復興すべく人々の先頭に立った男が、紀州広村の大商人・濱口(浜口)梧陵である。 夜、村を地震が襲い、巨大津波が押し寄せる。ところが闇夜のため、高台の方角が分からずに逃げ遅れた村人がいた。この時、濱口(浜口)は前代未聞かつ命がけの手段で、村人を避難させることに成功。村人の命は救われた。 ところが震災後、度重なる津波被害に怯えた村人たちは、安住の地を求めて村を捨て始める。村存続の危機に濱口(浜口)は、二度と津波に襲われないよう、堤防を作ることを提案。ようやく村は復興に向けて歩み始めたかに見えた。が、その矢先、またも濱口(浜口)の身の上を巨大地震が襲う。果たして、堤防建設に賭けた村の復興はかなうのか…。 番組は、地震直後から堤防建設に至る濱口(浜口)と村人の行動を新史料などをもとに追い、一度は捨てようとした故郷を「安心して住める村にしよう」と村人たちが決意するまでを描く、知られざる奇跡の復興劇である。>とある。 |
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このNHKの記事の件(くだり)で、濱口(浜口)梧陵は村民を避難させるため、自分の田圃に積んであった収穫された稲束(稲むら)に火を投じて急を知らせ、村民の命を救ったらしい。そして私財を投じて村の復興に当たるとともに防災という長期的戦略を立てる。
濱口(浜口)梧陵自らの身の危険や財産を顧みないこの行為に感動した明治の文豪・ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は、「仏陀の国の落穂拾い」という短編集の中で、‘A
Living God(生ける神)’として濱口(浜口)梧陵を紹介している。のちにこれをもとにして、小学校教師であった中井常蔵氏が著した物語「稲むらの火」は、小学国語読本に採用されたらしい。当然私達の小学生のときの教科書には載っていないし、中学高校でも濱口(浜口)梧陵のことは習っていない。どうしてこういう立派なエピソードが教えられないのだろうか。 勉強のため原典「稲むらの火」を読んで現代仮名遣いに直して幸編集ファイル「稲むらの火」を作成した。 小泉首相は1月7日の閣僚懇談会で、インドネシア・スマトラ島沖地震の被災国支援緊急首脳会議の際、シンガポールのリー・シェンロン首相から、「『稲むらの火』という話は本当ですか」という問いかけを受けたことを披露したという記事を、私はネットで読んだ。リー・シェンロン首相は、小泉八雲によって海外にも紹介された‘A Living God(生ける神)’を読んだのだろう。 また、小泉首相は18日神戸で開かれている国連防災世界会議の開会式場でこの『稲むらの火』の逸話を引用して、防災のモデルケースとして世界の注目を集めたらしい。今回のインド洋の巨大津波をきっかけに日本の津波・tsunamiの過去の災禍の貴重な経験をケーススタディとして活かし、世界の津波・tsunamiから国や地域や住民を守る知恵を世界に発信してもらいたい。 |
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参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集 http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm IMDb allcinema ONLINE Nostalgia.com CinemaClock.com NHKの「その時歴史は動いた」 http://www.nhk.or.jp/sonotoki/sonotoki_syokai.html#02 ヤマサの歴史【ヤマサ醤油】 http://www.yamasa.com/history/sevens.html 中井常蔵氏が著した物語「稲むらの火」 http://www.inamuranohi.jp/ 幸編集ファイル「稲むらの火」 和歌山県有田郡広川町 http://www.town.hirogawa.wakayama.jp/ |
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Text by Sati |
coda21「映画の森てんこ森」幸田幸。 coda_sati@hotmail.com |
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