レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語
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 レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語@映画の森てんこ森
レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語
レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語
2004年11月16日火曜日 「シャイな幸の独り言」トップへ
 昨日(2004年11月15日)の朝日新聞朝刊の第34面社会欄に、<村上空へ 子供ら衝撃 山古志村 ひどい有り様・・・戻りたい>という記事があった。読んだ。会社のお昼休みに、[ asahi.com:ニュース特集:新潟県中越地震 ]も読んだ。以下に引用する。
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asahi.com:ニュース特集:新潟県中越地震
http://www.asahi.com/special/041023/TKY200411140161.html
山古志村の小中学生、ヘリで村上空に 被害に衝撃も
 新潟県中越地震で全村民が村外に避難した山古志村の小中学生110人と父母など50人が14日、陸上自衛隊のヘリコプターで村の上空を訪れ、村の光景を自分の目で確かめた。避難してから初めて実現した10分ほどの帰郷。深刻な被害にショックを隠せない様子でヘリを降りる子もいた。
 崩れた土砂が川をせき止めた土砂ダム(天然ダム)で、いくつもの家が水没した東竹沢地区。その上空を一周して、ヘリ基地となった長岡市内の高校のグラウンドに戻ってきた山古志中1年の畦上(あぜがみ)凌(りょう)君(13)は、乗る前とは一転して沈痛な表情だった。
 「雪が降ったら家はすぐにでも沈んでしまう」。約3週間ぶりに見た自宅は、わずか数メートルのところまで、増水した芋川が迫っていたという。それでも、「最後に一度、家を見ることができてよかった」と、自分に言い聞かせるように話した。
 被災した自宅を見たくないなどの理由でヘリに乗らなかった子どもも10人ほどいた。参加しなかった小学6年生の父親は「息子は破損した自宅を見るのはつらいと言っていた」。村は「子供たちに現実を受け止めてもらいたい」とヘリによる訪問を県に依頼したが、草間頼雄教育長は「明るく振る舞っている子も内心はどうなのか」と、複雑な心境を語った。
 一方で、竹沢地区に自宅がある5年生の高野遥花さん(10)は「ひどい有り様を見て、かえって村に戻りたいという気持ちが強まった。村を立て直すためには、子どもも一緒に頑張らないといけない」と話した。
(04/11/14)
※以上は、「asahi.com:ニュース特集:新潟県中越地震」の引用です。
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 私の家族は現在も神戸に住んでいるが、1995年1月17日の午前5時46分に阪神・淡路大震災を経験した。新潟県中越地震は他人事(ひとごと)ではない。今も余震があると聞くとゾッとする。震災で被害にあわれた皆様が早く普通の生活に戻れるようお祈り申し上げます。
レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語
レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語
(2004) LEMONY SNICKET'S A SERIES
OF UNFORTUNATE EVENTS
 朝日や毎日の記事をネットで探して読んで色々と思うことがあった。
 山古志村の小中学生112人は保護者に付き添われて、長岡市の長岡工業高校のグラウンドから、約10人ずつ陸上自衛隊のヘリコプターに約15分間乗せてもらって、上空から山古志村の被災状況を見た。ヘリコプターに乗せてもらうのは嬉しいかも知れないが、自分のお家の悲惨な姿を見るのは、私は怖い。
 矢張り子供たちの中には、被災した自宅を見たくないなどの理由でヘリに乗らなかった子どもも10人ほどいたし、毎日新聞によると「悲しくなった。帰りたいけれど怖い」と衝撃を受けた様子。目に涙を浮かべて見入る子もいたという。「明るく振る舞っている子も内心はどうなのか」という草間頼雄教育長のコメントあり。また「子供たちに現実を受け止めてもらいたい」とヘリによる訪問を県に依頼したという村。長島忠美村長は「現実を目に焼き付けてもらうことで、村に帰るという気持ちを持ってもらいたかった」と説明している(毎日新聞)という。

 現地ではひどい有り様だろう震災の爪跡を子供たちに見せる事の良し悪しの議論はチョッと横に置いといて、大人の決断で惨状を見せた以上、その後の心のケアが大切でないかと私は思う。慣れない避難所での集団生活や余震の不安などで緊張の連続で精神面と身体に変調を来たしている大人も少なくはない。中には地震のPTSD(心的外傷後ストレス障害)もなくはないだろう。ましてや小さな心で大人以上に怖い思いをしている子供たちの見学後のショックについては、大人がどう受け止め、どうアフターケアしていくのだろうか?大いに気になる。

 さて、冒頭で「asahi.com:ニュース特集:新潟県中越地震」の記事を引用したのは、数日前から私が調査して書いた映画『 レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語 (2004) LEMONY SNICKET'S A SERIES OF UNFORTUNATE EVENTS 』の原作本を読んだからだ。この『 レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語 』は、ハッピーエンドは無くても、ハラハラドキドキのストーリー展開でワクワクし、生きる勇気を与えられる。これは、秀作だ!と思ったからだ。

 映画『 レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語 (2004) LEMONY SNICKET'S A SERIES OF UNFORTUNATE EVENTS 』は、あの『 ハリー・ポッター 』と並ぶ人気作品「世にも不幸なできごと」シリーズの映画化作品で、2004年アメリカで公開されるクリスマス映画の中でも期待度大の映画だ。

 原作の著者のレモニー・スニケットの「読者諸兄へ」ばりに映画の紹介してみよう。
 … しかし、皆さんご注意!ハッピーエンドの映画をお好みの方には、この映画『 レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語 』はお勧めできない。題名が示すとおり、”世にも不幸なできごと”に見舞われる可哀相な3人の姉弟妹の物語であるからだ。原作本に書かれてある通り、きっと映画もハッピーエンドなしになるはず。もし、勧善懲悪・ハッピーエンドをお好みの諸君は、この映画のチケットは破り捨てて、幸せ満載の映画を観に行ってください。 …という風な言い回しになるかなぁ。

 この『 レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語 』は、ハッピーエンドは無くても、ハラハラドキドキのストーリー展開でワクワクし、生きる勇気を与えられるのがこの「世にも不幸なできごと」シリーズの不思議なところ。しかも、映画『 レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語 』では、『 スリーピー・ホロウ (1999) SLEEPY HOLLOW 』等のティム・バートン監督作品で美しいセットを創り上げたスタッフが、この不運に彩られた映画をより魅惑的にみせるだろうし、また、シリーズの強烈な悪役であるオラフ伯爵を、ジム・キャリー(『 トゥルーマン・ショー (1998) THE TRUMAN SHOW 』『 ブルース・オールマイティ (2003) BRUCE ALMIGHTY 』『 エターナル・サンシャイン (2004) ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND 』等)というまさに適役が演じ、名女優メリル・ストリープ(『 めぐりあう時間たち (2002) THE HOURS 』等)も登場する。 3人(正確には4 人)の子役も、『ハリー・ポッター』シリーズに勝るとも劣らないカワイイ子たちだ。

 そのカワイイ3人のボードレールの子供達は普通以上のポテンシャルがある。だから、次々と降りかかる災難に立ち向かえる。その諦めないでどうにかしようという姿勢は、とても大切だ。ハリー・ポッターなら何の苦労もなさそうな魔法で物事を解決するけど、ボードレールの子供達は自らの知恵と知識と発想で事に当たる。こういうストーリーこそ、不穏な未来が待ちかまえてそうな今の時代の子供達や私には必要ではないかと思う。

 「ひどい有り様を見て、かえって村に戻りたいという気持ちが強まった。村を立て直すためには、子どもも一緒に頑張らないといけない」と話した小学5年生の高野遥花ちゃん(10)。正に『 レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語 』の3人のボードレールの子供達に劣らない逞(たくま)しい彼女の言葉に、新潟県中越地震被災地の復興の明るい未来を見た。

 <村上空へ 子供ら衝撃 山古志村 ひどい有り様・・・戻りたい>という朝日新聞の記事の横に<紀宮さま婚約へ 寄り添う心メール育む>というおめでたい活字があった。

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      朝日新聞朝刊2004年11月15日第34面社会欄
      asahi.com:ニュース特集:新潟県中越地震
       http://www.asahi.com/special/041023/TKY200411140161.html
      MSN-Mainichi INTERACTIVE 事件 [ 毎日新聞 2004年11月14日 19時21分【安高晋】] http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/
20041115k0000m040040000c.html

Text by Sati
coda21「映画の森てんこ森」幸田幸。
coda_sati@hotmail.com
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