Dear フランキー | |
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Dear フランキー@映画の森てんこ森 | |
Dear フランキー | |
2005年8月6日土曜日 | |
【 Dear フランキー 】 | |
映画『 Dear フランキー (2004) DEAR FRANKIE 』はワイズポリシー=シネカノン配給のハートウォーミングなインディペンデント系作品。夫のドメスティック・バイオレンスから逃れ健気(けなげ)に生きる母子の物語だ。そして吹っ切れなかった心の闇が夫との決定的な死別で、母子が頼もしく心の成長を遂げる。束の間の仮パパの存在は光っている。 さて、以下は公式サイト『 Dear フランキー 』のあらすじを引用している。 ※お願い:『 Dear フランキー 』の結末まで書いてありますので、お好みでない方は読まないでください。 【『 Dear フランキー 』第01段落】 「親愛なるパパへ。また引越しだよ。ママは今度こそ最後だと言う。あばあちゃんはまた引越しするなら死ぬって。今度住む町は海辺なんだ。世界の端だよ」 【『 Dear フランキー 』第02段落】 若く美しい母親リジー(エミリー・モーティマー)と9才の息子フランキー(ジャック・マケルホーン)、そしてリジーの母ネル(メアリー・リガンズ)がトラックに乗って、引越し先に向かう。リジーは引越しの度に「これが最後だ」と言うが、それが当たった試しはない。 今度の引越し先は、スコットランドの南西部、グラスゴーに近い海辺の町だ。 ▲TOPへ |
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Dear フランキー (2004) DEAR FRANKIE 配給:ワイズポリシー=シネカノン 日本語公式サイト 東京Bunkamuraル・シネマ6/25 シネカノン有楽町6/25 大阪OS劇場C・A・P8/6 京都シネマ8月 神戸シネカノン神戸8月 その他 |
【『 Dear フランキー 』第03段落】 引越し先に着いて、荷物を解きながら、リジーは、フランキーに夕食用のフィッシュ&チップスを買ってきてねと買い物のメモを渡す。ネルも口の前に指でVの字を作り、タバコを買ってきてとジェスチャーで示す。フランキーが出て行っだ後、ネルは「(メモじゃなくて)自分でしゃべらせるようにしなくちゃダメじゃない」とリジーに言う。フランキーは、実は耳に障害があって、その気になれば話すこともできるのに、なかなか自発的に声に出してしゃべろうとしない。それをリジーが許しているのもネルは気に入らないのだ。 【『 Dear フランキー 』第04段落】 未成年だからとタバコを売ってもらえずにフランキーがおつかいから帰ってくると、リジーは仕方なくネルのタバコを買いに店に出向く。リジーがカウンターにいたマリー(シャロン・スモール)に「さっき息子がタバコを買いに来たはずなんだけど、難聴だからうまく伝えられなかったかもしれない」と言うと、「話は通じたわ。賢い子ね」とマリー。これがきっかけでリジーとマリーは親しくなり、マリーは一緒に働かないかとリジーに仕事の世話までしてくれる。 |
▲TOPへ 【『 Dear フランキー 』第05段落】 フランキ一は地理が得意だ。世界中の国名を知っていて、今度の学校でも先生に誉められた。それは、パパがACCRA号で世界中をまわっていて、月に2回くれる手紙で新しく訪れた土地の事を書いて教えてくれるからだ。部屋の壁には世界地図を貼って、パパの船が今どこにいるか、頭に旗がついているピンを刺して印を付け、送られてきた切手も大事に切手帳にコレクションしている。フランキーからも必ず返事を出している。 【『 Dear フランキー 』第06段落】 「親愛なるパパへ。新しい切手を送ってくれてありがとう。サメの切手は最高だね。今までで一番かもしれない。ホオジロザメは船も転覆させられるんだって、知ってた?パパの船は無理だけどね。あとひとついい話。新しい家の窓からは、海の音が聞こえるんだよ」 【『 Dear フランキー 』第07段落】 郵便局にでかけるリジー。フランキーが喜びそうな美しいデザインの切手を手に入れると、手紙を書き始める。 「親愛なるフランキーへ。新しい切手を送るよ。きれいだろ?クイーンメリー号、昔の豪華客船だ。パパも子供の頃海辺に住んでいて、海の塩辛さを味わって育ったよ。今も、ここ甲板の上から味わえる、とても塩辛いよ。パパの船は今喜望峰に向かってる。海の上の空は抜けるような青さだ。その青はママの指輪に似てるな。見せてもらうと分かるよ」 【『 Dear フランキー 』第08段落】 パパがフランキーに送っているはずの手紙は、実はリジー自身が書いていた。郵便局に私書箱を開き、そこにフランキーがパパに送った手紙を転送させ、リジーが受け取っては返事を出し、フランキーとパパが文通を続けているような振りをする。フランキーのためにも、ネルはそんなまやかしはもうやめた方がいいというが、リジーはフランキーを失望させたくなかった。フランキーは母親が綴る架空の父親の手紙を、心から欲している。それはリジーにとっても同じ気持ちだったのだ。何故なら彼女にとってそれが、息子の心の中を知る唯一の方法だったから。 【『 Dear フランキー 』第09段落】 そんなある日、フランキーは悪戯っ子のクラスメイト、リッキー(ショーン。ブラウン)から、もうすぐACCRA号がこの町の港に寄港することを教えられる。「お前のパパが会いにくるかどうか賭けしようぜ」とリッキー。フランキーはその賭けに乗る。当然リッキーは会いに来ない方に賭ける。 【『 Dear フランキー 』第10段落】 「親愛なるパパへ。返事をさぼっててごめん。パパも忙しいよね。急に北へ航路変更なんて。でもリッキーの奴が『パパは来ないぞ』なんて嫌なことを言うんだ。僕が、上陸許可が下りないかもしれないって説明しても全然わかってくれない。彼は馬鹿だし、嘘つきでね。だから彼と賭けをしたんだ。パパが来たら、その証拠にサッカーに連れて行って会わせる約束だ」 ▲TOPへ 【『 Dear フランキー 』第11段落】 リジーの夫とは、彼女へのDVが原因で別れだ。フランキーの耳の障害も、夫の暴力が子供にも及んでいた事を物語っている。夫は、不意に家を出て行ってしまったリジーとフランキーを執拗こ追ってくる。リジーは夫から逃れるだめだけに、街を転々としているのだった。しかしその事は、ずっとフランキーには隠し通してきた。ネルは、フランキーももう真実を知っていい時期だと言うが、リジーは躊躇する。 【『 Dear フランキー 』第12段落】 「大事な話があるの」とリジーはフランキーに真実を打ち明ける覚悟をする。「知ってる。パパの船が来るんでしょう。でもパパはきっと僕に会いたくないんだね」と手話で伝えるフランキー。それを聞いて、先手を打たれてしまったリジーは真実を打ち明けることができなくなってしまう。 【『 Dear フランキー 』第13段落】 リジーは、1日だけフランキーのパパを演じてくれそうな男を探そうとするが、酒場で男性客を物色している彼女は娼婦と間違えられて、店から注意されてしまう。愛する息子のために取った行動が、軽はずみにもふしだらな女にみられ、ショックを受けるリジー。止めども無く溢れ出る涙を拭おうともせず、彼女は公園のベンチで夜が明けるまで過ごす。そこに、男友だちと楽しい一夜を過ごしたらしいマリーがやってきて彼女を見つける。リジーはマリーに“男あさり”をしてきたこと、そして、そうすることになった訳を話す。マリーはリジーの秘密と彼女のフランキーへの思いを知って、彼女が求めるような“過去も現在も未来もない男”を紹介することを約束する。 【『 Dear フランキー 』第14段落】 「親愛なるパパへ。サッカーの選考会が日曜に公園であるんだ。僕も補欠くらいなら入れるかもしれないけど、やめとくよ。下手だもん。リッキーとの賭けもどうでもいいんだ。寄港は3日後だし、手紙を書いてもパパのところには届かないかなあ。パパが会いに来られなくても、僕は怒らない。ママは『パパも変わったかも』って言っている。僕の方は確実に変わったよ。身長は142センチある。髪はママと同じ茶系。でもね、きっとママは知っててここに引っ越したんだ。パパに会うためにね……」 【『 Dear フランキー 』第15段落】 ACCRA号が入港した日、マリーが紹介してくれた“パパ”(ジェラルド・バトラー)が、契約通りまもなく我が家を訪ねてくるというのに、フランキーはなかなか帰って来ない。フランキーは、パパが会いに来てくれるかどうか、期待と不安でいっぱいで、いつもの港の見える丘に行っていたのだ。マリーがすぐにフランキーを見つけて家へ連れ戻した時は、“パパ”はすでに居間にいた。「大きくなったな」と“パパ”。しかし、フランキーはどうしていいかわからない。“パパ”は「欲しがっていたろ?」とフランキーに熱帯魚図鑑を手渡す。「どうして知ってるの?」と手話でリジーに訊くフランキーに、「手紙に書いてくれてただろ」と“パパ”。ようやく目の前の男性が文通していた「パパ」と重なったフランキーは、彼に駆け寄って抱きつく。今更ながら、フランキーが強く父親を求めていたことを知って、リジーもネルも胸をつまらせる。 【『 Dear フランキー 』第16段落】 フランキーは、まず賭けに勝ったことを示すために“パパ”をリッキーに見せに行く。続いてマリーの店に。フランキーは「パパだよ」とメモに書いて嬉しそうにマリーに紹介する。その様子を隠れて見守るリジー。この時、リジーの心の中には不思議な感情が交差していた。常にフランキーの事だけを考えて生きてきた彼女にとって、突然現れた見知らぬ、かりそめの父親に心を許している息子の姿を、冷静には見ている事が出来ない。嫉妬とも羨望とも喪失ともつかぬ複雑な感情が、心ならずもリジーの感情を昂ぶらせる。挙げ句の果てに、彼はフランキーを自分の元から連れ去ってしまうんじゃないかとさえ、感じはじめていた。 【『 Dear フランキー 』第17段落】 リジーの気持ちなど知らないフランキーと“パパ”は、ACCRA号の泊まっている港から海岸へ。石投げをするフランキーに“パパ”は「平たい石じゃないと飛ばないよ」と言って石を1つ手渡す。フランキーは“パパ”からもらったその石をそっとポケットに忍ばせて、別の石を水面へと投げつけるが、当然、石はスキップせずにすぐに水中へと消えてしまった。 【『 Dear フランキー 』第18段落】 楽しい時間はあっという間に過ぎて、“パパ”がフランキーを連れて家に戻ってくる。リジーと“パパ”との約束では、これでお別れのはず。しかし、フランキーが嫌がり、“パパ”ももう1日だけいいのではないかと提案する。リジーはフランキーを部屋に戻した後、「約束が違う」と“パパ”に忠告するが、逆に彼はリジーに、「フランキーも待っていた。君も長い間待っていただろう?」と説得するのだった。部屋から駆け出してきて“パパ”に飛びつくフランキーを見て、リジーももうダメとは言えない。3人で明日の午後また会うことに決める。 【『 Dear フランキー 』第19段落】 その夜、ネルは新聞に尋ね人としてリジーが顔写真付きで載っていることに気付き、娘にそっと紙面を見せる。リジーがそこに書かれていた連絡先に公衆電話から電話を入れると、義姉が出てフランキーの実父デイビーが重病でフランキーに会いたがっていると聞かされる。 【『 Dear フランキー 』第20段落】 翌朝、リジーは、デイビーの姉(アン・マリー・ティモニー)に会いに行く。「血は水より濃いはずよ、彼にひと目フランキーを会わせてあげて」と義姉。しかし、リジーは「まず私が彼に会ってから決めたい」と強く主張する。 午後1時。リジーとフランキーは待ち合わせの港へ向かう。ACCRA号の船上から2人に手を振る“パパ”。フランキーはお気に入りの場所に2人を連れていく。それは港が見渡せる、あの丘だった。 ▲TOPへ 【『 Dear フランキー 』第21段落】 夜は、マリーとマリーの恋人アリー(ジョン・カゼック)と共に、5人でコミュニティ・ホールへ。ここは、バンドや歌手が入って、みんなが踊ったり、飲み食いしたらして、楽しく過ごせる場所。しばらくすると、リジーのお気に入りの曲“GREAT WHITE HORSE”が流れてきて、リジーは少女時代のロマンティックな気分を甦らせる。 〈♪私が少女だった頃 運命の人を夢見てた いつの日か輝く騎士が現れて 素敵なお城へ私を連れていくの彼はドラゴンをすっかり退治する 美しい白馬にまたがって駆け 私に愛を運んでくる 待ち焦がれた愛を 喜びを 永遠の安らぎを そして白馬に乗り 私を連れ去るの〉 【『 Dear フランキー 』第22段落】 “パパ”はフランキーに「女の子をダンスに誘えよ。そしたら俺もママをダンスに誘うから」と話す。そして彼はフランキーと賭けをしたからと言って、リジーをダンスに誘う。女の子の方へ歩いていったフランキーは、しかし、女の子とは踊らず、人影から“パパ”とリジーが踊るのを嬉しそうに見つめるだけだ。 【『 Dear フランキー 』第23段落】 帰る道で、彼はリジーに並んで歩きながら訊く。「何故ご主人は君らを棄てたんだい?」。「逆よ。私が彼を棄てたの」と、リジーは夫の暴力から逃げていること、フランキーが難聴になったのも実は彼の仕業であること、を話す。しかし彼は真剣なまなざしでリジーに囁く、「フランキーは幸せな子だ」と。「なぜ?私は息子に毎日嘘をついているような母親なのよ」。そう自虐的に応えるリジーに、彼は声を荒げて反論する、「違う。君は毎日フランキーを必死で守っているんだ」。 【『 Dear フランキー 』第24段落】 家に戻り、ベッドにフランキーを運ぶ“パパ”。眠っていたはずのフランキーが眼を覚まし、「戻ってくる?」と自ら声にして“パパ”に訊く。「わからない」と“パパ”。フランキーは、自ら木を彫って作った木製タツノオトシゴを“パパ”にプレゼントする。彼は、言葉にならない。 【『 Dear フランキー 』第25段落】 彼を送り出すリジー。彼のことはビジネスライクに割り切っていたつもりだったが、短いながらもかけがえのない時間を共に過ごした彼に対し、彼女の中に眠っていた感情が目覚める。2人は、深く見つめあい、静かにキスを交わし、そして言葉もなく別れる。たった2日間のストレンジャー。夫のDVが原因で様々なトラウマを抱えてきたリジーにとって、彼が与えてくれた物がどんなにかけがえのないものだったか。アパートを出て階下に居る“パパ”に、窓からいつまでも手を振るフランキー。 【『 Dear フランキー 』第26段落】 夫デイビーが入院している病院にでかけるリジー。痛々しい姿でベッドに横たわるデイビー(カル・マカニンク)は、リジーを見ておずおずと話しかけ、すべての事に対しすまなかったと謝罪する。夫からの、思いもかけない優しい言葉にリジーはとまどう。彼は手を伸ばして彼女に救いを求めてくる。しかしリジーは、もう少しで指先が触れそうなところで、固い決意を示すようにさっと手を引き、彼を拒絶する。それでもなお、死の床にある自分に、一目だけでも息子に会わせて欲しいと懇願するデイビーに、フランキーには会わせられないと再び断ると、彼は次第に激昂してきて、大声でリジーを口汚く罵り始める。逃げるようにその場を立ち去るリジー。 【『 Dear フランキー 』第27段落】 帰宅後、リジーはついに決心してフランキーに話す。「パパは重い病気で、お前に会いたがっている」と。フランキーは何も話さずに表情を曇らせて部屋を出ていく。その夜、フランキーはパパに手紙を書く。「早くよくなって」と。 リジーは、病院に行き、フランキーの写真と彼が描いた絵をデイビーに渡してと言って看護婦に託す。 【『 Dear フランキー 』第28段落】 数日後、リジーは新聞にデイビーの死亡記事を見つけ、フランキーに読んで聞かせる。 「デイビーのおかげで終止符ね」と言うマリーに、リジーは「ところで『彼』は誰だっだの?」と尋ねる。マリーはかすかに微笑むと、毅然とした表情で答える、「私の弟よ」。 【『 Dear フランキー 』第29段落】 リジーが念のために郵便局に行くと、届かないはずの私書箱に一通の手紙が届いている。それはフランキーから「彼」への手紙だった。帰りのバスの中で、リジーはゆっくりと封をあけ、見慣れた文字を目で追う。 【『 Dear フランキー 』第30段落】 「先週悲しいことがあったんだ。ぼくの本当のパパが死んだんだ。ママは僕には何も言わなかったけど、ぼくは知ってたんだ。マリーは、ママの悲しみは時が癒すって言ってた。でも大丈夫さ、だってママにはぼくがついてるからね。またいつか会えるよね。次に寄港した時に。親友のフランキーより」 文字を追うリジーの瞳から、涙が溢れている。 【『 Dear フランキー 』第31段落】 港の桟橋にフランキーがちょこんと腰掛けている。背後からそっと腕をのばして、我が子を抱き寄せるリジー。 2人の視線の先には、穏やかな海がずっと続いている。 ▲TOPへ |
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参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集 http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm IMDb allcinema ONLINE Nostalgia.com CinemaClock.com 『 Dear フランキー 』日本語公式サイト |
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Text by Sati |
coda21「映画の森てんこ森」幸田幸。 coda_sati@hotmail.com |
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