映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ@映画の森てんこ森

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ミケランジェロの暗号 (2010) MEIN BESTER FEIND
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映画『 ミケランジェロの暗号 』ポスター
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映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ

 今日のタイトルは「映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ」です。
 そして上の映画『 ミケランジェロの暗号 』のポスターをクリックすると、『 ミケランジェロの暗号 (2010) MEIN BESTER FEIND 』のメイキング・ビデオ(15:26)へリンクします。
 http://www.youtube.com/watch?v=efOruCT6Vno〔ドイツ語版〕

★『 ミケランジェロの暗号 』の劇場公開日
 2011年9月10日(土)よりTOHO シネマズ シャンテほか全国ロードショー

■映画『 ミケランジェロの暗号 』映画データ
■映画『 ミケランジェロの暗号 』の解説
■映画『 ミケランジェロの暗号 』のディテイル&トリビア
■映画『 ミケランジェロの暗号 』のスタッフとキャスト
■映画『 ミケランジェロの暗号 』のあらすじ・ストーリー


【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第01段落<ネタバレ含む>
 モーリッツ・ブライブトロイ演じるヴィクトル・カウフマンとゲオルク・フリードリヒ演じるルディ・スメカルの置かれた状況はいささか複雑だ:オーストリア人の親友二人のうち一人はユダヤ人で、1938年のオーストリア併合および第二次世界大戦の開戦によって、二人はお互いに対立することになる。二人は荒々しい敵同士として敵側の人間として終わる。けれども二人の過去が澄み切って輝いている記憶は頭から消え去らない。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第02段落<ネタバレ含む>
 飛行機がベルリンへ向かう途中にポーランドのパルチザン<ゲリラ隊員>に撃墜されて、ヴィクトル・カウフマン(モーリッツ・ブライブトロイ)と幼馴染のルディ・スメカル(ゲオルク・フリードリヒ)はどうにか助かる。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第03段落<ネタバレ含む>
 そして戦前の幸福な時代へと回想シーンになり、そこでは二人の力関係は全く異なっていた。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第04段落<ネタバレ含む>
 ヴィクトル・カウフマン(モーリッツ・ブライブトロイ)の父親は町に画廊を所有しているユダヤ系オーストリア人だ。カウフマン一家の友人ルディ・スメカル(ゲオルク・フリードリヒ)が長期間の休暇の後、1930年代終盤に戻ってきて、いずれにしても戦争のない良い未来の約束を喜んで受け入れる。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第05段落<ネタバレ含む>
 二人は幼馴染で常に良き助っ人同士だったが、 家政婦の息子であるルディは、ヴィクトルの傲慢さと魅力に満ちた暮らしの特権を不愉快に思っていた。ヴィクトルの恋人のレナ(ウルズラ・シュトラウス)さえ自分のものにしたいくらいだった。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第06段落<ネタバレ含む>
 数年後、1942年、ユダヤ人への圧迫と戦争は最悪に近づいてきている。ドイツのナチス指導者ヒトラーはイタリアのファシスト独裁者との枢軸を高めるためにイタリア政府にミケランジェロの名画を返却したいと思っている。ドイツとイタリア間の同盟の提携は行方不明のミケランジェロの絵しだいである。しかしナチスに限ってはその名画の隠し場所を知らないのだ。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第07段落<ネタバレ含む>
 ヒトラーは野心のある下級層のアーリア人(ナチズムで非ユダヤ系のコーカソイド人)達に、昇進するチャンスを与える。ルディは映画が展開するにつれてどんどん汗まみれでひ弱になっていくのだが、そのチャンスに心が踊った。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第08段落<ネタバレ含む>
 ルディはドイツ帝国に忠誠を誓い、ナチスの軍服を取り寄せ、ナチス党員だと言い続け、似合っていた魅力的な口髭を剃るまでしている。切迫した戦争がオーストリアまで侵攻してくると、ルディは上官たちにカウフマン一家が家に隠しているミケランジェロの絵について教えてしまう。ルディはカウフマン一家を裏切るのだ。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第09段落<ネタバレ含む>
 戦前に広がっていた卑劣なユダヤ人という固定観念を反映して、ヴィクトルの父親でカウフマン家父長ヤコブ(ウド・ザメル)は、例の絵についてもぐもぐ言うナチスの軍人に対して抜け目がない。ヤコブは、ミケランジェロの絵は途轍もなく貴重な芸術作品なので、まさかに為の贋作(模写・偽物・ニセモノ)二枚と正真正銘・本物を持っているようだ。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第10段落<ネタバレ含む>
 戦争の災禍はカウフマン一家に降りかかり、カウフマン一家は強制収容所に入れられる。ナチスはその貴重なミケランジェロの絵を入手したくてたまらない。ヤコブは二枚の贋作(模写・偽物・ニセモノ)を作っているから、その贋作(模写・偽物・ニセモノ)がナチスの手に渡ってカウフマン一家が離れた強制収容所に送られるや否や、優位に立つ。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第11段落<ネタバレ含む>
 1943年に飛ぶが、ナチスは手に入れたのはただの贋作(模写・偽物・ニセモノ)の一枚だと気がつき、ヴィクトルの父親だけが本物の在り処を知っていると分かった時に、ヴィクトルが必要とされる。不運にもヴィクトルの父ヤコブは収容所内で死去しており、ナチスはその絵をどこで探したらいいか途方に暮れる。でも、実際にはミケランジェロの絵の在りかを知らない息子のヴィクトルに一途の望みをかける。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第12段落<ネタバレ含む>
 ヴィクトルは今はナチス占領下のポーランドの収容所に四年間入れられている。ナチスは、生存していてミケランジェロの絵の在りかを知っている唯一の人物はヴィクトル・カウフマンだと思い込んでいる。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第13段落<ネタバレ含む>
 旧友のルディは今はヒトラー親衛隊員であり、ミケランジェロの名画の隠し場所を聞き出す尋問のためにヴィクトルを飛行機でベルリンまで連れてくることを課せられる。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第14段落<ネタバレ含む>
 ここで、冒頭の飛行機の墜落に戻るが、ヴィクトルが負傷したルディを飛行機の残骸から引き出してから、映画の流れがヴィクトル中心に描かれていく。ルディがヴィクトルを飛行機で護送している最中にポーランドのパルチザン<ゲリラ隊員>に撃墜されるあたりから、ストーリーはもっと面白くなる。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第15段落<ネタバレ含む>
 ポーランドのパルチザン<ゲリラ隊員>が自分たちの方に進攻してきており、見つかったらナチスであるルディを銃撃するからという理由を言い、ルディをドイツの軍服を着させたままではルディはポーランド語は出来ないので殺されてしまうともヴィクトルは言い、ヴィクトルはどんな状況が起ころうとやり通せるようにと、服を交換することをルディに提案するのだ。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第016段落<ネタバレ含む>
 しかし、実際には現場に最初に到着するのはナチス党員の護衛兵。交換した軍服の御蔭でユダヤ人であるヴィクトルをヒトラー親衛隊員と見做し、ルディの方をユダヤ人の捕虜だと勘違いしてしまう。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第17段落<ネタバレ含む>
 こうして、ヴィクトルは利口で、自分を取り巻くドイツ兵たちよりも身分が高くなるのだ。ヴィクトルはルディの軍服とうまく交換した成果で、融通のきかないドイツ・ナチスの親衛隊たちに、自分がドイツ将校でルディの方が捕虜なのだと信じこませる。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第18段落<ネタバレ含む>
 ここから高雅な風格あるコメディが本当に始まり、映画は復讐のファンタジーとナチズム<ドイツ国家社会主義>のパロディとして進んでいく。ヴィクトルはルディに苦痛と屈辱の両方を味わわせる一方、自分でナチスの儀礼を模倣しながら胸の内ではナチスを嘲笑する。そして“(ナチズムで)アーリア人・非ユダヤ系のコーカソイド人”の役をもっともらしく演じる能力でもって民族主義政策を攻撃しているかのように、観客に思わせる。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第19段落<ネタバレ含む>
 面白いコメディタッチの展開になっていくが、大笑いするブラックコメディでありながら、サスペンスとしての緊張感の高まりはまだあるのだ。ヴィクトルの素性がいつバレルかドキドキなのだ。この心配や懸念は、ルディが自分こそが本物のナチス党員なのだと抗議し続けることによって逆に払拭される。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第20段落<ネタバレ含む>
 ルディは、自分の真の身分を主張する度に、近くにいる党員に顔を平手打ちされて叱責されてしまう。これはあたかも、ルディが先ず初めに軍服を身に着けたことに対する贖罪かのようだ。けれど、これは戦時を設定して緊張感いっぱいに描かれているにも拘わらず、雰囲気は陽気で朗らかなのである。ブラックコメディ特有の台詞が効いているところもあり、ストーリー展開は思いもよらぬ筋のひねりで驚かせる。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第21段落<ネタバレ含む>
 やがてヴィクトルは父親ヤコブが自分の肖像画の中にミケランジェロの絵の本物を隠していたことを発見する。しかし、本物のミケランジェロの絵は、ナチスやルディに渡しはしない。それがミケランジェロの絵のもう一枚の贋作(模写・偽物・ニセモノ)だとナチス親衛隊に思わせ、本物は自分のもとに・・・。観客は映画のラストで、ヴィクトルと家族は、本物のミケランジェロの絵を手にして、歩き去っていくのを見て、最後に全ての緊張が解き放たれてスカッ〜!と爽快感が残って後味が良い。

【映画ミケランジェロの暗号/あらすじ感想ネタバレ】第22段落<ネタバレ含む>
 公式サイトで紹介されているヴォルフガング・ムルンベルガー監督とのインタビューによると、<この時代を舞台にした映画は、いつもユダヤ人は犠牲者として描かれていた。それにうんざりしていると語ったユダヤ人もいたんだ。でも成立させるのは簡単じゃなかった。そこにクエンティン・タランティーノの『イングロリアス・バスターズ』が出てきた。違う描かれ方も可能なのだと、観客が次第に理解していくのが感じられた。『ミケランジェロの暗号』では、強制収容所に収容されるユダヤ人は犠牲者ではなくて、ヒーローだ。そしてヴィクトルはアドルフ・ヒトラーの時代を巧みに生き延びる。>と語っている。

以上。

テキスト:安藤奈津


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